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公約をただちに実行したホテル建設計画の撤回
　吉田万三さんは、１９９６年９月〜９９年６月まで、人口６４万人を擁する大都市の足立区長をつとめました。
　吉田さんが区長になる前は、自民党・公明党を中心とした区長で、敬老金を東京の２３区で最初に廃止（８５年）したのをはじめ、全国に先駆けて福祉・教育を切り下げる「行政改革」を強行していました。
　その一方で、豪華な庁舎建設などの大型事業を計画し、旧庁舎跡地にホテル建設計画（総事業費１５８億円）まですすめていました。ホテル経営に進出する東急ホテルの出資は２億円だけで、最初の５年間で赤字は１４億円が見込まれるのに、東急ホテルには利益を区が保証するというとんでもない計画でした。
　この計画に区民の怒りは爆発。「区民との約束をまげるわけにはいかない」と９６年１０月に開かれた庁議で、ホテル計画の撤回を正式に指示しました。こうして足立区は、区民が主人公、くらし第一の新しい区政の流れが吉田万三さんを先頭にはじまったのです。
　吉田万三さんは、「公約は、区民のみなさんとの約束であり、いささかもあいまいにできない」という姿勢をつらぬき、区民の信頼をたかめました。

「子育てするなら足立がいいね」との声が広がる
乳幼児医療費無料化の拡大、保育料の値上げも３年間ストップ
　吉田万三さんは、当時、まだ都政でもすすんでいなかった乳幼児医療費無料化を小学校入学前まで広げることをすぐ実行しました。
　区長在任中は保育料値上げはストップし、保育室への助成は１．７倍にし、私立幼稚園保護者負担を軽減するため、東京都が削った分を区独自で復活させました。
　「子育てするなら足立がいいね」という声が広がり、区民から喜ばれる区政実現にとりくみました。

「万三融資」で、業者は大助かり　不況から営業をまもる融資を２．５倍に
地元業者からの仕事も１６％増やす
　吉田万三さんは、区長に就任するとすぐに商工対策にとりくみ、不況対策緊急融資や全国も注目する借りかえ融資をつくりました。このため、融資実績は３年間で件数で２．７倍、金額で２．５倍に増えました。

「万三融資」で助かりました
　足立区・いろは通り商店会　山口　正一（本屋）さん
　吉田万三さんは、足立区長のときの実績を見れば試されずみの政治家です。
　吉田万三さんが区長になったのは、バブルがはじけたころでした。売り上げが大変なとき、地元の信用金庫も融資してくれない時期がありました。このとき吉田万三区長は、８００万円を限度に、「借り換え融資」で利息は０．５％の融資制度をつくってくれました。「万三融資」といわれ、有名です。
　普通の銀行などは５％〜８％、サラ金は１５％ぐらいでしたから、本屋の利益は少ないのに、銀行から借りたら返済できないし、サラ金から借りたらもうおしまいでした。
　私はそんなときに、利息の安い資金で５００万円を６年間借りることができました。一昨年返済し終わり、いまも本屋をやっておられるのも「万三融資」のおかげです。

「老人介護は足立を見習って」（永六輔さんが対談の著書で紹介）
２３区でも最高水準の２４時間ホームヘルプサービスをはじめる
　吉田万三区長（当時）は、２４時間巡回型ホームヘルプサービスを区内全域に広げ、介護を受けられる人を大幅に増やしました。永六輔さんが対談の著書で「老人介護は足立区を見ならって」と紹介したほどです。
　吉田万三さんは、まつりばやしが聞こえる範囲に特養ホームが必要と、同時に３ヵ所で建設をはじめ、ホームヘルパーの養成も３年間で前の区政時代の２．２倍（２３区内でトップ）に増やしました。

夫を語る（吉田リーフより）
　吉田　啓子さん
　吉田は、寝たきりの母親の介護を一生懸命にやりました。母親の介護をとおして、一人ひとりの人間がその人らしい人生をおくるために何を支援すればよいか一緒に悩みました。
　普通の人間の喜びや悩みのわかる吉田万三にみなさんのお力をお貸しください。

吉田　万三（よしだ　まんぞう）さん　プロフィール
●１９４７年東京都目黒区生まれ５９歳
●目黒区立原町小学校、区立第九中学校、都立大学付属高校卒。１９７５年北海道大学歯学部卒
●１９７５年大田病院歯科、八丈島歯科開設などを経て、１９８３年足立区東和に蒲原歯科開設のため赴任、訪問歯科診療に先駆的にとりくむ
●１９９６年９月から９９年６月まで東京都足立区長
●現在、蒲原歯科診療所長、東京民医連副会長