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税金は福祉・くらし第一に
いま多くの都民のみなさんは、貧困と格差の拡大、増税と負担増、企業のリストラなどによる雇用と所得の破壊に苦しんでいます。私は、その現実にしっかり目を向け、福祉充実・くらしの安心を最優先にした都政をつくります。
この立場から、税金のムダづかいをやめて、くらし・福祉最優先の都政をめざす「都政改革プラン」を2月14日に発表しました。都知事選挙の告示が間近に迫ったいま、世論調査でも、新しい都知事にもっとも力を入れてほしい政策は、医療・福祉が断然トップです。まさに、今回の都知事選の最大の争点は、医療・福祉をどうするかだと思います。このため私は、都民のみなさんからよせられた意見をふまえ、公約をいっそう具体化した「福祉・子育て・くらし充実 緊急4か年プラン」を発表するものです。
私は、国にたいし社会保障の改悪や貧富の格差を拡大する間違った政策をやめて庶民のくらしをまもるようつよく働きかけるとともに、東京都の役割を重視し、だれもが東京において健康で文化的な生活ができる都独自の基準(「安心して生活できる東京基準」)をつくり、この基準の達成にむけた計画的とりくみに全力をつくします。
今度の福祉プランは、(1)貧困と格差の是正、(2)老後の安心、(3)子育て支援・少子化への対応、(4)障害者福祉、(5)地域福祉・地域医療、の5つの柱をすえています。
私は、福祉こそ地方自治体の最も大事な仕事だという立場で、税金の使い方を福祉・くらし第一にきりかえ、4年間の任期中にこの公約をかならず実現します。
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(1)貧困と格差の是正
ワーキングプア(働く貧困層)など貧困と格差の拡大は、東京で最も深刻になっているのに、石原知事は、「格差はない」「危機的ではない」といって手を打たないばかりか、所得の低い人への経済的支援の打ち切りなど、貧困と格差をひろげることをすすめてきました。私は是正のために全力をつくします。
〈くらしを応援する〉
@「緊急生活応援手当」を創設します
収入や年金額が少なく、生活にとりわけ困窮している人に、月1万円の「緊急生活応援手当」を創設します。
A国民健康保険料(税)を値下げします
区市町村や国民健康保険組合への都の補助をふやして、保険料(税)を値下げします。また、生活が苦しくて保険料を払えない人の保険証を資格証明書にきりかえることはしないよう、区市町村に働きかけます。
B都営住宅を毎年1,000戸増設します
石原都政のもとで都営住宅の新規建設は中止され、平均倍率は14倍(2000年)からいまでは57倍にはねあがっています。新規建設を再開し、毎年1,000戸増設します。
Cワーキングプアや子育て世帯に家賃助成を創設します
月1万円のモデル事業からスタートし、段階的に拡充します。
D学費の負担を軽減し、生涯学習の環境整備を強化します
都立の大学、高校、高専、看護専門学校などの学費をひきさげ、教育の機会均等、生涯学習の環境整備をすすめます。
〈安定した雇用を促進〉
E都独自に最低賃金を時給1,000円に引き上げます
時給719円という東京の最低賃金は低すぎます。時給1,000円を「最低賃金の都基準」とし、企業に協力を求めます。
F若者雇用促進事業を創設し、正規雇用をふやします
若者を採用した中小企業に助成をおこない、正規雇用をふやします。
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(2)老後の安心
石原知事は、高齢者福祉をつぎつぎ廃止・縮小してきました。その結果、東京都の決算にしめる「老人福祉費」の割合は、石原知事が就任した1999年度の全国第2位から、2004年度には32位までおちこんでいます。私は都政に敬老の心をとりもどし、だれもが老後は安心できるよう、東京の高齢者福祉をたてなおします。
〈医療費の支援〉
@都独自の高齢者医療費助成を実施します
65〜69歳の高齢者への医療費1割助成を直ちに実施。さらに70歳以上の高齢者の医療費助成を検討します。
〈在宅介護も施設介護も充実〉
A「ねたきり高齢者手当」を創設します
2003年に廃止された老人福祉手当にかわる「ねたきり高齢者手当」を月1万円からスタートします。
B介護保険料を値下げし、利用料減免を拡充します
区市町村に対する都の補助制度を創設し、介護保険の保険料を値下げするとともに、利用料減免を拡充します
C特別養護老人ホーム、老人保健施設の整備を3倍化します
特別養護老人ホームの整備率は全国41位におちこみ、入所を待つ人は4万人をこえています。老人保健施設の整備率は全国最下位です。特別養護老人ホームは4年間で1万2千人分、老人保健施設は9千人分整備します。都は特別養護老人ホーム整備の用地費助成を2008年度着工分で廃止するとしていますが、これを存続・拡充します。
D特別養護老人ホームの職員配置を強化するため運営費補助をふやします
介護保険実施と同時に特別養護老人ホームの都加算補助235億円が廃止され、かわりにできた経営支援事業は32億円にすぎません。これを段階的に拡充し、ねたきり予防、手厚い個別対応、生きがい支援など利用者サービスを充実します。
E認知症高齢者グループホームの家賃助成を創設します
認知症高齢者グループホームの利用者負担は重く、都内施設の半数以上が月額13万円以上です。国民年金では入居できません。収入の少ない高齢者にたいする家賃助成を創設します。
F小規模多機能施設の運営費にたいする都加算補助を創設します
東京の小規模多機能施設整備率は全国最下位。介護報酬が低すぎて運営がなりたたないことが大きな原因であり、都独自の運営費補助を創設します。
〈社会参加の促進〉
Gシルバーパスの負担を軽減し、高齢者の社会参加を促進します
住民税課税者に3,000円パスを新たに導入。多摩都市モノレールにも適用をひろげます。
Hシニア(中高年者)支援のための「東京いきいきライフ推進センター」を再開します
都が2002年に廃止した「東京いきいきライフ推進センター」を再開し、中高年者の生きがいと健康づくりの助成事業や情報提供、場所の提供などを実施します。
I孤独死予防・ひとり暮らし高齢者の見守り支援のため「生活援助員」を配置します
孤独死予防、ひとり暮らし高齢者の見守りネットワークづくりなどを支援する「生活援助員」を、地域包括支援センターなどに配置します。
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(3)子育て支援・少子化への対応
石原知事は、都立小児病院の廃止計画や、私立保育園への補助の大幅削減、認可保育園は「お金がかかる」といって整備を抑制するなど、少子化への対応に逆行することをつづけてきました。さらに、東京都児童会館の廃止まで計画しています。私は、子どもたちの未来のために都民の税金を使い、子育て安心の東京をつくります。
〈子育て安心の医療〉
@中学3年生までの医療費無料化(所得制限なし)を直ちに実施します
都が来年度からスタートする小中学生の医療費助成は医療費1割分の助成で所得制限もある不十分なものです。所得制限なしで、中学3年生まですべての子どもの医療費を無料化します。
A妊婦健診を無料化します
平均14回程度必要な妊婦健診費用を無料化するとともに、不妊治療助成を拡充します。さらに、出産費用の無料化と妊産婦医療費助成の創設を段階的にすすめます。
B都立小児病院の廃止を中止し、小児科・産科の医療体制を強化します
清瀬、八王子小児病院、梅ヶ丘病院の廃止計画を中止し、小児科の休日・全夜間救急を実施する病院を都内60か所にふやします。また、助産師外来にとりくむ産科の病院、多摩地域で不足しているNICU(新生児集中治療室)をふやします。
〈保育を量、質ともに拡充〉
C認可保育所整備のため用地費助成を創設し、4年間で8,000人分増設します
待機児解消にむけ、認可保育所整備の用地費助成と、都有地の無償または低額貸付制度を創設することにより、4年間で8,000人分を増設します。
D私立保育園にたいする運営費補助を拡充し職員の経験年数加算を再開します
都がすすめてきた私立保育園にたいする運営費補助の改悪・削減を中止し、専門性の高いベテラン職員を確保するための経験年数加算を再開します。
E学童クラブ、児童館をふやすとともに、東京都児童会館の廃止計画は中止します
待機児ゼロにむけ、学童クラブをふやします。また、児童館をふやすなど子どもたちの居場所づくりをすすめます。子どもの遊びと文化の拠点施設として貴重な役割があり、利用者もふえている東京都児童会館を存続させます。
〈仕事と家庭の両立を支援〉
F仕事と家庭の両立支援推進協議会(仮称)を直ちに設置します
都、企業、労働組合など関係団体による「仕事と家庭の両立支援推進協議会(仮称)」を設置するとともに、育児・看護休業や妊娠・出産による不利益な取り扱い禁止などの都基準をつくり、企業に協力を求めます。
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(4)障害者福祉
石原知事は、重症心身障害児施設を視察したときに「人格はあるのかね」という障害者べっ視発言をするなど、障害者につめたい都政をすすめてきました。私は、障害者のある人もない人も特別に区別されることなく安心して生活ができる東京をめざします。
〈経済的支援の強化〉
@心身障害者医療費助成や重度障害者手当などの切り下げを元に戻します
心身障害者医療費助成は、医療費・入院食事代無料の制度に戻し、重度障害者手当、障害者福祉手当は所得制限を緩和します。盲導犬の飼育費助成を再開します。
A障害者自立支援法の応益負担撤回にむけ、都独自に住民税非課税者は無料にします
障害者の皆さんを苦しめている自立支援法の応益負担撤回を国に働きかけます。また都として、住民税非課税者のすべての在宅サービス利用者負担を無料にします。
B精神障害者に福祉手当を支給します
精神障害者の福祉施策は、身体障害者や知的障害者にくらべ遅れています。この格差是正にむけ、心身障害者福祉手当の支給対象を精神障害者にひろげます。
〈施設運営への支援〉
C自立支援法によるサービス低下がおきないよう障害者施設への補助を拡充します
自立支援法実施により多くの施設が減収となり、利用者サービスに影響がでています。こうした事態をなくすよう都ととして運営費の補助を拡充します。
D共同作業所への助成など都独自の障害者福祉制度を維持・拡充します
共同作業所や学童保育グループへの助成など、都独自の制度を大事にし拡充します。
〈ノーマライゼーションの推進〉
E鉄道駅に可動柵とエレベーターを設置し、ノンステップバスを大幅にふやします
視力障害者などのホームからの転落事故防止のため都営大江戸線など鉄道駅に、可動柵を設置します。また、全駅へのエレベーター整備、すべてのバスのノンステップ化を推進します。
F障害者雇用・就業支援推進協議会(仮称)を直ちに設置します
労働・福祉・教育関係機関、経営者団体、労働組合、障害者団体、NPO、ボランティア団体などによる「障害者雇用・就業支援推進協議会(仮称)」を直ちに設置し、障害者雇用の拡大をすすめます。
G「障害者の権利条例」を制定します
昨年12月に国連で採択された「障害者の権利条約」の早期批准と法整備を国に働きかけます。また、都民参加で「東京都障害者の権利条例」を制定します。
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(5)地域福祉・地域医療
区市町村の財政力の違いなどにより、自治体間格差・地域格差がひろがっています。都民のだれもが住み慣れた地域で安心してくらせるようにするための東京都の役割を重視し、地域福祉・地域医療の整備をすすめます。
@非営利の住民参加型団体によるきめ細かい福祉サービスを大幅にふやします
介護保険対象外のきめ細かい家事援助や介護、配食サービス、子育て支援サービスを実施している住民参加型団体への補助は削減がつづいています。これを拡充し、高齢者、障害者、子育て支援のきめ細かい福祉サービスを大幅にふやします。
A「福祉用具支援センター」を身近な地域に整備します
都として福祉用具の研究・開発・研修・普及をすすめると同時に、展示と試用・評価・相談支援などをおこなう「福祉用具支援センター」を身近な地域に整備します。
B地域医療の充実へ深刻な医師・看護師不足への対策を強化します
離職している医師を登録して医療機関に紹介するドクターバンクや、小児科・参加医師育成奨学金の創設、都立看護専門学校の拡充など、医師・看護師不足対策を拡充・強化します。
C地域におけるリハビリテーション体制を充実させます
身近な地域のリハビリテーション施設をふやすとともに、都内12か所の地域リハビリテーション支援センターに専門スタッフを配置し、相談支援の体制を強化します。また、訪問リハビリステーションを都独自に整備します。
D在宅緩和ケア支援センターやデイホスピスを身近な地域に整備します
がん患者さんの在宅療養の条件整備を強化し、在宅緩和ケア支援センターやデイホスピスを身近な地域に整備します。
E脳卒中専用病床(SCU)をすべての2次医療圏に整備します
脳卒中専門の医師、看護師、理学療法士などのチーム医療を実施し、365日24時間体制で画像診断ができる脳卒中専用病床(SCU) をすべての2次医療圏に整備します。
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大型開発など税金のムダづかいをやめれば福祉拡充の財源は確保できます
以上の38事項の総事業費は4年間で約5,000億円です。
2005〜2007年度の3年間、毎年3,000億円から5,000億円の増収がつづいています。この増収は、企業のリストラなど人件費抑制による法人税の増収と庶民増税によるものであり、福祉・くらしのために使うのが当然です。
またオリンピックの基金だけですでに2,000億円がためこまれます。
さらに、不要不急の大型開発をはじめとした税金のムダづかいを見直すことで、福祉は
もちろん都民施策全体を拡充する財源は、十分に確保できます。
以上
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