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都民がつくる革新都政
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会の機関紙「都民がつくる革新都政」2012年3月15日発行
石原知事は憲法を守れ!
「都民が主人公」の2012年度都予算編成と都政運営を
要求・要望をアピールする参加者=11年2月22日、都庁前
未曾有の3・11大震災・福島原発過酷事故から1年を迎える中で都議会第1回定例会が開催されました。会期は、2月22日から3月29日までです。
この間、被災者・国民が切実に求める震災復旧、放射能汚染対策は、遅々として進まず、くらし、地域経済は深刻な事態となっています。同時に「首都直下地震、震度7の可能性」と文科省が発表(7日)するなどの危険性が指摘され、都民の不安が高まっています。都民が「東京都の取り組むべき分野」としてトップに挙げているのは、防災対策であり、雇用、福祉、教育の切実な都民要求の実現です。これらの願いを都政は真正面から受けとめなければなりません。石原都政は、都民の願いには冷たく、その一方で食の安全に反して有害物質汚染の予定地への築地市場移転推進や「外環道」「破壊的教育改革」を強行しています。
野田政権が国民の支持を失い、「国政と都政の在り方」が問われる情勢の下で、第1回定例会では2012年度都予算案と「地域主権」関連条例案等が審議されます。「地域主権改革」の名で福祉破壊を許さず、雇用、福祉、子育て、医療、地域経済など切実な要求の実現を求める都民運動を強めることが求められています。
都民のくらし、福祉、安全を守れ!
都民要求実現へ 都議会開会行動・都民宣伝
五輪、大規模開発から防災・福祉の都政へ
都議会第1回定例会開会日の2月22日は、早朝から都民要求実現の声が都庁前で響きました。革新都政をつくる会は、午前8時から出勤する都庁職員・都民に「都民がつくる革新都政」号外を配布し、「都民のくらし、福祉、安全をまもれ!」「石原知事の反憲法暴言を許すな!」と訴えました。
都議会横第1・2庁舎間では、伊藤潤一(東京地評議長)、荻原淳(東京自治労連委員長)、児玉洋介(都教組委員長)各代表世話人と大島よしえ日本共産党都議会議員、中山伸事務局長が、高層ビルへの出勤者も多い第1庁舎北側では、松本秀典(東京地評事務局長)、寺下章夫(東京労連事務局長)各代表世話人、西野実(東京自治労連副委員長)、工藤芳弘(都教書書記長)、福祉保育労東京地本の各代表が訴えました。
各弁士は、「いまなぜオリンピックなのか」防災や雇用、福祉に対する都民の不安や都政の現場の実態にもとづく切実な要求と「一定」の重要な議案である2012年度都予算案・「地域主権改革」関連条例の問題点を述べ、都民要求運動の発展と「都民が主人公の都政」への転換を呼びかけました。号外を受け取った都民からは、石原知事の「『日本は核武装すべきだ』の発言は、信じられない、ひどい!」の声があがっていました。
都は、いのち・くらし守る施策を
都民要求実現全都連絡会、東京社保協、東京地評は、12時15分から都庁前で350人が参加して開会日行動を行いました。
主催者を代表して伊藤潤一東京地評議長は、3・11大震災、福島原発事故からまもなく1年、今こそ防災・福祉の都政が求められていると述べました。そして、その中で石原都政が2020年オリンピック招致や大企業のための総合特区構想、外還道など大規模開発をすすめる一方、都民のくらしに冷たい2012年度都予算案と都政の在り方を批判し、福祉・防災を重点に置き、都民のいのち・くらしを守る都政への転換を訴えました。
都議会からは、日本共産党の清水ひで子都議が連帯と激励のあいさつ。続いて各団体からの決意表明。「面積基準の緩和では子どもの安全が守れない。認可保育園を増やした」(新婦人)、「国保料の差し押さえは許せない」(練馬社保協)、「都立・私立高校・夜間中の条件改善で安心して学べる教育環境を」(都教組)「想定される大災害を未然に防ぐ予防対策を」(革新都政をつくる会)、「ぜんそく患者の医療費全額補助の存続を」(東京公害患者と家族の会)と切実な要求を訴えました。
最後に都知事室に向けて、シュプレヒコールでアピールし、都に対して要請行動を行いました。
氷雨の中3・5リレー宣伝
第1回定例会での予算審議が行われる中、都民要求の世論を広げようと3月5日の昼、「都政問題3・5リレートーク」が新宿駅東口で行われました。
あいにくの冷たい雨の啓蟄となりましたが、年金組合のみなさんの宣伝とも合流し、社会保障、教育、保育、防災、公害、医療、都立病院などの実態と12年都予算案の問題点、石原知事の反憲法発言批判を行いました。
石原知事の反憲法暴言を許すな!
「憲法改正などという迂遠(うえん)な策ではなしに、しっかりした内閣が憲法の破棄を宣言して即座に新しい憲法を作成したらいいのだ。憲法の改正にはいろいろ煩雑な手続きがいるが、破棄は指導者の決断で決まる。それを阻害する法的根拠はどこにもない」(3月5日・産経ニュース)
野田民主党政権の暴走に国民の批判が高まるもとで、石原知事の憲法を敵視する暴言は、エスカレートするばかりです。とうとう「歴史的に無効な憲法の破棄を」とまで言い出しました。知事の資格が厳しく問われます。絶対に許されません!憲法を守り生かす都政へどうしても転換しなければなりません。
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第8回中小企業のまちの民間サミット
歯食いしばり知恵絞り連帯とネットワーク創って
地域経済振興をめざす「草の根」の運動を交流する「第8回中小企業のまち民間サミット」が2月4〜5日大田区で開催されました。長引くデフレ不況、円高、東日本大震災、福島原発事故、廃業、倒産がつづく中でも、どっこい歯を食いしばって知恵を絞って、連帯とネットワークを創って取り組んでいる発言が注目を集めました。
宮城県気仙沼市の民主商工会は、漁船、水産加工、漁港が破壊される中でも、借金しないで復興しようと、業種毎のグループを束ね、グループでしか国の補助が受けられない補助事業を獲得して、市の補助金を引きだしている取り組み。長野県岡谷民商では仕事興しとして、住宅リホーム助成制度実現、小水力・太陽光発電による自然エネルギー自給率第4位(全国)、農林業の振興と結んで、カラマツストーブ、ペレットストーブの拡大に取り組んでいる報告。東大阪では、不況を突破するには、異業種のネットワークをつくり、製造から販売まで新しい発想で大手に企業にない取り組みの報告。東京でも不況打開大田実行委員会が取り組んだ「中小工場への直接支援」は大田区を動かし、「モノつくり経営刷新緊急助成制度」を実らせ、制度を活用した7割の企業から「良かった」との反響があり、継続して取り組むという報告がありました。
板橋区舟渡三丁目地区では「地区計画制度」を活用した「工場保全地域」を行政、企業、商工会などが協議を重ねて設定、他の業態の参入を規制し操業環境を確保し、モノづくりと産業集積を発展させ、全国的に減っている中でも、工場が増えていることに、東大阪の見学者から驚きの声が出されていました。国や自治体が中小企業対策を軸に据えて、中小企業者と一体となった本格的な取り組みが切実な声として上がっていました。
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長期化する失業、深刻な状況の生活実態
――求職者アンケートから
2011年秋のハローワーク前失業者アンケートは、東京春闘・雇用プロジェクトで、品川・大田・渋谷・墨田・立川・武蔵野三鷹の地域組織と建交労・全国一般・東京自治労連・青年ユニオン、働きたいみんなのネットワークの参加により、都内9ヵ所のハローワーク前で実施されました。
長期化する失業期間
失業・離職後の期間
アンケートから長期化する失業と就職できない現状が顕著になっています。失業して1年を超す人は昨年より3.8ポイント増え17.8%。男は昨年より26.1ポイント増22.6%、女は0.2ポイント増10.3%の微増なっています。
原因の多くに、求人票に書けない・書いていない、年齢制限があること。30代から面接になかなかたどり着かない。面接に行っても年齢条件が存在している、と答えています。また、安定した雇用や賃金を求める声が多いこと。子育てや中高年の方々の切実な要求が多く記されています。
生活面へのあらわれ
「収入を支えていた」「主に支えていた」と答えた人は67.1%、「蓄えがあり」「当面は持つ」と答えた人は38.2%、「すぐ職につく必要がある「破綻寸前」と答えた人が54.7%と、失業が長期化する中で深刻な状況にあることを伺わせています。
「再就職の確保」65.1%、「公的な就労・仕事の拡大」36.4%、「失業給付期間の延長」36.6%と再就職がダントツとなっています。また、「失業給付期間の延長」36.6%、「失業給付の金額の引き上げ」25.2%、「失業給付受けられない人への支援の充実」20.3%と失業時のセーフティーネットの拡充が大きな要求として表れています。
生活保護の受給者が205万人を超す事態に政府は、生活保護を政策の仕分けの対象としました。住まいや医療への制限など、受給規制強化の発言が議論の中で目立ったといわれています。非正規労働者の3分の4が年収200万円以下のワーキングプアであり、失業イコール住まいを失う現状を無視した政策解決はあり得ません。失業対策の拡充、公的就労や安定雇用に通じる政策が求められています。
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第8回自治体キャラバン
大島町など都内54自治体と懇談
文京区との懇談を行うキャランバン参加者=11年1月20日、文京区役所
東京地方労働組合評議会などが加入する東京春闘共闘会議は、春の賃金改定で大幅に引上げ、暮らしと景気回復、まともな雇用を守ろうと運動を強めています。その前段行動として、自治体で働く非正規労働者と自治体発注の業務委託、指定管理、公共工事などで働く労働者の労働条件の向上を目指して、東京春闘と各地域春闘を中心に関係労組と共に1月18日より、23区、三多摩、大島町の54自治体を対象に懇談をしました。自治体へ「官から民へ」の掛声の下に「構造改革」が強いられ「働く貧困層」を自治体が作り出している状況を変えようと、今回で8回目となりました。
非正規職員などの自治体最低賃金の時給平均は、昨年の878円から889円と11円引上げられました。昨年、地域別最低賃金審議会が東京の最低賃金は、誰でも時給16円引上げて837円となったことが大きく反映しました。しかし、フルタイム働いても月14万円では自立した生活は出来ません。
公共工事が安ければいいとダンピング受注され、労働者に食えない賃金と工事の質が問題となる中で、賃金確保と工事の質の確保を求めて「公契約条例」制定の運動が行なわれています。昨年12月21日に、東京で始めて多摩市が高い水準で公契約条例を制定。各自治体は、「いつかはやらなければ」ということが「現実の課題」と受止めていました。
今回から、島嶼にもアンケートの協力をお願いし、懇談を大島町に申入れました。東京春闘共闘から伊藤代表委員を先頭に地元の参加を含め9人が参加しました。
大島町は、川島町長自ら対応しました。公契約適正化の課題で、見積金額だけで決めるのではない総合評価方式での公共工事入札を始めて導入したが、総合的な視点で決めることが出来てよかったと述べていました。また、島の課題は、雇用の創出・拡大が求められるとしていました。
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都政転換 私の願い(9)
美濃部さん都知事だった頃、東京は安心社会だった
“平和と子どもたちの幸せ”守られる東京に
杵渕 智子(消費税をなくす全国の会・元事務局長・練馬区在住)
美濃部さんが都知事だったあの頃、東京は安心社会だったと思います。
子育て真っ最中だった私にとって、私立の保育園であっても認可保育園では、保育士の数も、子ども1人当たりの床面積にしても、国の基準を上回る東京基準で、子どもたちが伸び伸び育ち、安心して職場に出かけることができたことはありがたいことでした。また、当時無年金の夫の両親と同居しましたが、具合の悪いときに遠慮しないでお医者様に行ってもらえた、「老人医療無料」の都政は、経済的圧迫で老親と摩擦を起こさずに円満に暮らせたことは、制度がもたらした、それぞれ異なる生活のあり方を尊重する都民一人ひとりに寄り添う“精神的福祉”がどんなに大きかったか。納めた税金が生きていたという実感は忘れません。
私はこの2月、伊豆大島に行ってきました。美濃部さんが都知事になられた時、伊豆七島を訪問されたそうです。小学生とも対話し、「みんなの願いを一つだけ叶えてあげたい。何がいいかな」と。子どもたちは「プールを作ってくださ〜い」と予期せぬ一斉唱和をしたそうです。海に囲まれた環境で、いつでも泳げるだろうけれど、海は優しいときもあるけれど怖いときもある。第一、自分がどれだけ泳げ、どれだけ上達したか海ではわからない。
やがて大島だけでなく利島も神津島もその他の島の海の子たちにプールが贈られました。子どもたちの喜びがどんなに大きかったことでしょう。
人口8500人の大島では昨年4月、共産党員町長が誕生しました。訪ねた先のみなさんの生き生き明るい表情に、革新政治というものが人の心に和みの火を灯すことを見ました。この大島ツアーは、都知事候補として2度立たれた畑田重夫先生を囲む50人を超える仲間たちの旅だったのですが、現地の方々とも交流し、島の歴史を学びながら、くまなく島巡りもしました。
都政を都民の手に! 都民のいのちが守られる東京に!そして、国民学校の小国民として戦争を体験した一人としての私の原点「平和と子どもたちの幸せ」が守られる東京に、と切実に思う昨今です。
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税の無駄遣いで住民犠牲
消費税なくす東京の会――税の無駄遣いウォッチングツアー
外環道「大泉JC予定地」でつぶされようとしている湧水ゆたかな「八の釜の森緑地」=練馬区大泉
消費税をなくす東京の会は、2月11日、税金の無駄遣いウオッチツアーを行い、革新都政をつくる会からの参加など34人が参加、東京外郭環状道路の大泉ジャンクション(練馬区)、大手町・丸の内の超高層ビル開発地域、築地・環状2号線、江戸川・市川橋スーパー堤防建設計画地などを見て歩きました。
「1メートル1億円」の東京外郭環状道路の大泉ジャンクションは国と都が練馬区‐世田谷区間(約16キロ)の2012年度着工を復活決定。大泉地区では外環道トンネル(地下40メートルの大深度掘削)とインターチェンジの建設で白子川流域の湧き水の一つ、「八の釜(やのかま)湧水」が消失します。
国・江戸川区がスーパー堤防の建設計画(対象地域、北小岩1丁目東部地区・JR総武線と蔵前通り、千葉街道に囲まれた約1.4ヘクタール。住宅88戸をすべて移転させ、堤防から幅90メートル、長さ150メートルを盛り土するもので、事業費は43億円。区はすでに土地家屋の先行買収を強行)をする同区北小岩地区では、建設に反対する住民運動団体と妙勝寺で懇談。住民は「国や江戸川区は治水に役立たないスーパー堤防を強行しながら、治水に必要な現実的対策をやろうとしていない」「計画についてもまともに説明せず、住民の批判を聞かずに追い出そうとしている」と訴えていました。
スーパー堤防は、連続構造物である以上全部つながってはじめて意味を持ちます。ところが、スーパー堤防全部が完成することは、この先400年かかっても不可能です。いつ完成するか目途も計画も立たない構想であることは、国交省自身が認めています。結局、税金で広大な土地を整地し、高層マンションを作るゼネコンなどに提供することにほかならないのではないかと思います。
スーパー堤防
堤防の幅を高さの30倍に広げ、上部を宅地や道路に利用する高規格堤防。首都圏や近畿圏の6河川の約870キロを整備する計画で総事業費12兆円、完成は400年後。1987年から始まりましたが、会計検査院の報告(1月)では整備率はわずか1.1%。政府の行政刷新会議(10年10月)の仕分けで廃止判定されました。
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青い空
3月1日はビキニデー、3月10日は東京大空襲。今年は「3月11日」の一周年、メディアが埋め尽くされている。いまだ復興の道筋も立っていない。大震災、大津波、原発事故。避難者は今も16万人を超える。あらためてこの国のありようをすべての人が考えさせられた1年だった。3月1日、3月10日と繋げて命の重さを胸に刻みたい▼この時、橋下大阪市長は憲法違反の「思想調査」に続いて、「九条は国際貢献とか他人を助けるときに、自分の嫌なことはやらないという価値観」などと憲法九条を攻撃し、改憲に向けた国民投票実施を発言。石原都知事は「時の政府が破棄して新しい憲法を即座に作ったらいい」などと憲法破棄発言。「南京虐殺はなかった」と河村名古屋市長。大都市の首長が暴言の吐き放題。そして野田首相は公務員給与削減を生贄に、消費税増税路線をまっしぐら▼「3・11」の教訓、とりわけ福島原発事故で「原発安全神話」が吹き飛び、「騙されないぞ」の声が広がった。「原発ゼロ」へ向けての声が核兵器廃絶とつながっていくことは確かだ▼これが「橋下ブーム」や「石原人気」に「騙されない」力になっていくために、いまこそ一踏ん張り。3月は春、門出のとき、みんなで出発しよう。(高)
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