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会の機関紙「都民がつくる革新都政」2012年1月15日発行 |
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岩手県・宮古市在住
前川 昌人(田老町漁協組合員)
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岩手県陸前高田市の津波被害の浜を清掃する民青・青年ボランティアの有志・2011年5月 |
のどかな暮らしは劇的に一変しました。
少年時代に泳ぎ遊んだ海辺は、防潮堤が跡形もなく破壊され、小さな港はクレーンが折れ曲がり、浜小屋の土台だけが残り、海にせり出した山が陸の奥まで削られて赤い岩がむき出しになりました。漁船が、若布・昆布の養殖施設が、ウニ・アワビ用の小舟と漁具が、生きてきた証の家が流され、「人生70年、生まれた姿に戻った」と笑い飛ばす赤銅色の漁師の顔の悔しさ悲しさが今でも強く印象に残っています。
被災した人も、直接的に被災しなかった人も、友人・知人、親戚の惨状に涙し、お互いに助かった命と全国からの支援に感謝し、復旧・復興への願いを共有してきて10ヶ月。
住いの再建は街づくり計画策定後になるにしても、沿岸地域の産業の核である漁業・水産業(加工業)の復興、生業再建支援策が遅々として進まないことに憤りがこみあげてきます。漁師達は復興速度と年齢を重ね合わせて浜を離れることを考え始め、加工業や商業再建の遅れは職を求めて都市移住を余儀なくし、このままでは市の中心部も少し離れた寒村も「寂しい風景」になるのではと怖れるのです。
舟の確保と養殖施設の復旧、魚市場・加工場の再建に全力をあげている漁協幹部は言います、「9分の8の補助ですが、9分の1の自己負担が莫大で大変です」と。私の所属する漁協でいえば、その損害額は年間水揚げ額の5年分・約100年分の利益に相当し、再建所要額の9分の1は約8億円で、これを平均60歳を超えた663人の組合員が支えるのです。
「生業再建とは何ぞや!国の役割とは何ぞや!」と問う人々の静かな怒りの声に心を寄せ、この国の政治の有り様を変える広く大きな連帯と共同が求められていると強く感じています。 |
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革新都政をつくる会事務局長 中山 伸
大震災復旧、「原発ゼロ」、反貧困・格差をめぐる歴史的せめぎあいの中で2012年を迎えました。
いのち・くらしを守り、社会進歩をめざすみなさまの活動に敬意を表しますとともに、昨年の都知事選でお寄せいただいたご支援に心より御礼申し上げます。
3・11直後の2011年都知事選は、石原知事の再選となりましたが、その後の大企業優先の都政運営は都民の願いと真逆であり、石原知事のマスコミでの言動とは裏腹に都政は魅力を失い、行き詰まっています。
石原都政に終止符を打ち、退場させ、都民の声が都政に生きる都政を求める声が、この国のあり方をかけたたたかいの中で高まっています。
革新都政をつくる会は、憲法を都政に生かし、原発・放射能ゼロにむけた政策や大都市東京の防災政策を機軸に防災に強い、くらし、いのち、雇用、福祉、教育、中小企業、環境を大切にする「新しい福祉・防災の東京」をめざして奮闘する決意です。
今、市民が変化と革新求め世界を動かす時代。連帯をおおきく広げ、国民・都民が主人公の社会をめざす新しいうねりをつくりだしましょう。 |
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この1年の運動が、
これからの日本の進路や国民生活の行方を左右する |
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狛江市長 矢野 ゆたか
明けましておめでとうございます。皆様には良いお年をお迎えでしょうか。
政治の混迷、経済の深刻化、社会の価値観の多様化など、時代の激動の中で新しい年を迎えました。また東日本大震災からの復興と被災者支援、脱原発の取り組みなど、新たな課題も生まれ、地方においては、「ハシズム」と呼ばれる危険な動きが強まってきました。この1年の運動がこれからの日本の進路や国民生活の行方を左右すると感じています。
こうした中、東京は日本の首都として、都民の暮らしにとどまらず、全国の動向に大きな影響を及ぼしてきました。その中で、都政革新の軸となって長年ご尽力いただいてきた「革新都政をつくる会」の存在と役割は、これまで以上に重要です。都民と一丸となって閉塞感を打破し、「都民が主人公の都政」をご一緒に気づいてまいりましょう。
私も、地方政治の場からその一翼を担ってがんばりますので、本年もよろしくお願いいたします。 |
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“すすむ賀怒龍年” 激動之年 選択之年
仲築間卓蔵(元・日本テレビプロデューサー)
今年は、「あけましてめでたいかどうか……おわってみなければわかりませんが“すすむ賀怒龍年”激動之年 選択之年」です。
「漂流」状態の民主党内閣は、昨年末も押し詰まったタイミングで本性を露呈しました。普天間飛行場の移設に向けた環境影響評価書(アセスメント)を、こっそり沖縄県庁に運び込んだのが12月28日未明。翌29日には「コンクリートから人へ」のマニフェストを投げ捨て、八ッ場ダム「建設再開」を決定。その日の夜の同党税制調査会は、2015年10月までに消費税率を10%とする案をまとめたのです。原発事故の収束も、被災地の復旧・復興の目途も立っていないというのに、「国民のいのちと生活」は置き去りにしたままです。『龍』も怒る年になること必然です。
教育問題や大型公共事業など難問山積の東京都政ですが、生活時間の半分を都内で費やしている身として心配なのは「大震災」です。
石橋克彦・神戸大学教授が衆院予算委員会公聴会(2005年2月23日)で公述した話を思い出しています。それは、「日本列島はほぼ全域で大地震の活動期に入りつつある」「どういう震災が起きるか……広域複合大震災、長周期震災、超高層ビル震災とかオイルタンク震災、そして原発震災とでもいうべきものが、将来起こりうる」「人類がまだ見たこともないような、体験したこともないような震災が生ずる可能性がある」「巨大地震が起きると、非常にゆったり大きく揺れる長周期の地震波を放出する」「最近の超高層ビルは制震装置というのを備えて揺れを抑えるといわれているが、まだ実際の長周期震動に洗礼されたことがない。その構造物自体が損傷するかもしれない。これが長周期震災」「オイルタンク火災、コンビナート火災は津波によって火のついた油を乗せた海水が市街地に遡上して、市街地延焼化作用を誘発することも起こりうる」というものでした。この警告は、予算委員長(自民)の「ありがとうございました」の一言で片付けられています。しかし、公述どおりのことが6年後に起きたのです。
いま、巨大地震による長周期震災が東京に起きたら……。オリンピック誘致や1メートル1億円の道路建設などを発想をすること自体が不思議です。安心して住み、働きつづけられる東京にしていきたい。その「思い」をあらたにしている『龍年』の初めです。 |
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都政転換 私の願い(7)
働く都民の多様な悩みにすぐに応じられる態勢を |
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前澤 檀(東京地評東京労働相談センター所長)
暮れから正月、各地の神社仏閣、教会は多くの人で賑い、社会保障関係の定期的な宣伝と署名でお邪魔をしている巣鴨のとげ抜き地蔵高岩寺も、憂き世をなんとかという沢山の人出が見られました。
実は学生の時、社会学の実地調査で2年間、このとげ抜き参りの人を30人ごとに、住まいや収入、葬祭の仕方、日常の宗教との関わり、生活と福祉や政治に付いての意識などを聞いたものでした。その時の強い印象は、ほとんどの人が、時々に応じて神も仏もキリストも、さらに形にはない何かの存在や力を、多様重層的に受け容れていると言うことでした。その後零下40度にもなるサンタの国フィンランドへオーロラとスキーを楽しみに行った時も、まさにムーミン谷のように、人のくらしの中であちこちの物質や自然の中に、人ではないもの達が一杯存在して、それとの共存が普通になっていることを見聞し、日本各地の神話やアイヌ伝承から沖縄の昔話と重ね、多様で重層的な営みと共存に安らぎを覚えました。
さて多様と言えば、東京地評の東京労働相談センターには、毎年3千件前後の相談が来ます。解雇、賃金未払、勝手な労働条件の切り下げ。労災や社会保険・雇用保険は不加入、有休否定や残業代不払い。成果主義をテコに、朝礼での罵り、ハラスメントとうつの発症など様々です。
東京都の労働相談情報センターの場合は、9カ所が6カ所に削減された上、毎年5万件以上の労働相談があります。大地震と原発被災からの避難者を含め都内で働き悩む人々、生活保護水準前後の生活、悪化する雇用情勢の下、助言とあっせんを行う質の高い職員の確保、夜間ほか便利な場所での相談態勢の充実が不可欠です。
石原知事は、東京には相談したければいくらでも環境はある、自分の問題を役所に頼ってばかり居るのはおかしいと、都のセンターの定員と設置場所の削減を強行し、さらには調査研究で著名であった都立労働研究所と戦前戦後の歴史的文献や図書資料の収蔵で日本有数と言われていた労働資料センターを廃止し焚書してしまいました。長期に増加する失業者と非正規労働者、低賃金過重労働蔓延の中、今こそ働く人々に、必要な情報提供と権利行使への援助強化が求められているのではないでしょうか。 |
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2011年を迎えた。「3・11」後長い長い2011年だった。「ほだ げんちょ、 ふくしまの米、桃、りんご、梨、柿、野菜、人も生ぎでる」(福島市・美原凍子、朝日歌壇1月9日付)。ほだげんちょは「そうなんだけど」。福島弁が悲しみに耐えて精一杯生きている人たちの姿を伝えてくれて、「人も生ぎでる」に励まされた▼野田佳彦首相は年頭記者会見(4日)で「ネバー(決して)、ネバー、ネバー、ネバーギブアップ(あきらめない)」と消費税増税への異常な決意を示したが、大義がないので日本語で語れない▼石原慎太郎都知事は6日の定例記者会見。‐新党構想の話が出ているが、と問われて「東京都のために都知事になったんじゃない。国を思ってなったんだから。国のためにね、東京都知事よりも大事な仕事は、そっちやりますよ。詰まらん質問しないほうがいいね」と居丈高。「東京都のために都知事になったんじゃない」と公言する男を都知事にしていることこそ、東京都民の最大の不幸と言わざるを得ない▼「これから 辛い 日々が 続くでしょうが 朝はかならず やってきます くじけないで!」「お願いです あなたの心だけは流されないで 不幸の津波はには 負けないで」(百歳詩人・柴田トヨさんの詩から)(高) |
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