革新都政をつくる会 憲法が生きる 都民にやさしい東京に
トップページ > 都民がつくる革新都政 > 2011年6月15日発行 メール ホーム  
INDEX
革新都政をつくる会とは
会の政策
都民がつくる革新都政
イベント・スケジュール
都政運営
福祉・医療・保健
教育・子育て
都市計画・防災
産業・経済・労働
環境・公害
高齢者
女性
青年
多摩・三宅島
スポーツ・オリンピック
文化・芸術・信教
非核・平和・基地
憲法・民主主義
会の活動・その他
リンク
更新履歴のページ
 
 
都民がつくる革新都政
会の機関紙「都民がつくる革新都政」2011年6月15日発行
第2定例都議会に補正予算案
救援・支援に総力、防災計画抜本見直しを
PHOTO
 東京都は6月3日、東日本大震災の被災地支援や防災都市づくりのため、5月末に策定した「東京緊急対策2011」にもとづく、総額1374億円(内、一般会計で1238億円)2011年度6月補正予算案を発表、6月17日開会の都議会第2定例会に提案します。
 予算案の内訳は、防災強化616億円▽産業支援491億円▽節電対策399億円▽被災地支援312億円▽放射能汚染対策114億円。重複する事業があるため、合計と総額とは一致しません。財源は、財政調整基金などから705億円取り崩すほか、415億円分の都債発行でまかないますが、オリンピック開催準備基金などには手をつけず特別会計・公営企業会計を合わせても1374億円にとどまっています。
 地域防災計画の見直しでは、新たに東海・東南海・南海の三連動地震(M8.7)想定し、液状化や津波、帰宅困難者対策、中小規模の病院も耐震化の新たな補助の対象とするなど都民要求にこたえる施策も盛り込まれました。震災時に物資搬送に使われる緊急輸送道路の機能を確保するため、電線の地中化なども急ぐとしています。しかし、液状化被害への支援や緊急に求められている住宅の耐震・不燃化への支援は具体化されていません。
 被災地支援では、被災地の災害廃棄物処理費、農業業・商工業の復興を支援し、被災地の物産の消費喚起や「応援ツアー」支援を盛り込んでいます。都営住宅などで受け入れている避難者の上下水道料金の減免、雇用・就業支援を行います。
 電力対策では、中小企業の自家発電設備、蓄電池の導入を支援。10年度末で廃止した家庭の太陽光発電装置設置への補助を復活し、信号や街路灯へのLED化を推進するとしています。
 放射性物質対策では、放射線測定態勢の強化と都民への情報提供、乳幼児飲料水や水道活性化炭の確保を行うとしています。
 都内の中小企業に対しては、制度融資を拡充。都の地域防災計画の見直しへ検討を始めます。
 
震災復興財源15兆円確保可能
大企業などの内部留保で
 東日本大震災の復興財源は、中堅・大企業が内部留保を4.7%活用するだけで、想定される復興財源15兆円を確保できる─と、労働運動総合研究所(労働総研)が4月22日付けで、緊急提言を発表しました。
 労働総研は、民間シンクタンクが発表した被害推計から、復興財源を15兆円と想定。「資本金1億円以上、3万3355社の企業が持つ内部留保317兆円のうち4.7%を活用して、無利子の復興国債を引き受ければ、15兆円を確保できる」と指摘しました。
 現金や現金化可能な有価証券など換金性資産だけでも、07年度の83兆円から09年度の99兆円へと、2年間で16兆円も増加。復興国債を引き受けるための15兆円は、2年間の積み増し分を活用するだけでまかなうことができます。
 労働総研は、内部留保の活用で復興をすすめた場合、国内生産誘発額が26.5兆円、付加価値誘発額が13.2兆円となり、日本の経済成長率を2.6%押し上げると試算。企業にとっても経済波及効果を享受でき、損はないとしています。
 消費税増税で財源をまかうことでは、ただでさえ苦しい国民の家計に過重な負担を強いて消費を落ち込ませ、復興を停滞させる愚策であると指摘しています。
復興政策の柱として─
▽すべての被災者・失業者の生活居住の保障
▽国や自治体など公的責任による雇用創出
▽住民と自治体参加による復興計画の策定と住民本位の行政体制の再編
▽農漁業や地場産業・中小企業復興、「安心の街づくり」などへの公的支援
─の4本を視点に据えることを提案しました。
 
IMAGE
 
青年ボランティアセンターでの活動
―がれき撤去に高齢者介助に
PHOTO
ハマの“がれき”を撤去する
青年ボランティアの人々
 東日本大震災後、若い人のなかで「被災地のために行動したい」「これまでの政治の在り方でいいのか」というエネルギーが高まっています。
 4月末に民青同盟が開設した「全国青年ボランティアセンター」には全国から210人の青年が参加。一日あたり最大130人もの青年が、がれき撤去や高齢者の介助、民家の清掃などをおこないました。東京からは20地区60名以上の仲間が現地のボランティア活動に参加。私も陸前高田市で漁業を営むKさんのお宅で漁具の整理をお手伝いし、再生への希望の象徴がこの漁具なのだと思うと、網を持つ手にも力が入りました。東京から参加したある青年は、「自分はニートです。何もしないでいいのかと思い被災地に来ました。窓ふきをしていると道行く人がみんな『遠いところからわざわざありがとう』とお礼を言ってくれる。東京に戻ったら、バイトでも就職活動でもできることから始めたいし、またボランティアにも参加したい」と語るなど、自分の成長と社会の役に立つことを重ねあわせている青年が、これまでにない規模で生まれつつあります。
 現地では「石原さんの天罰発言は本当に許せない」という声に出会い、私たちが都知事選で小池さんとともに「防災・福祉都市」をつくろうと訴えたことの意義を実感しました。福島出身の仲間も、原発からの撤退を求める署名集めなどを頑張り、選挙後の運動に活かしています。政治を問い直すエネルギーが高まるなか、展望を学びながら行動する民青の出番のときです。東京で大きな運動をつくっていきたいと改めて強く思う日々です。【民青都委員会委員長 岩崎明日香】
 
【追悼】須山利夫さん逝去
(革新都政をつくる会代表世話人・東京都生活と健康を守る会連合会会長)
PHOTO
 元全国生活と健康を守る会連合会(全生連)副会長で東京都生活と健康を守る会連合会会長の須山利夫さんが5月28日、逝去されました。76歳でした。
 革新都政をつくる会の代表世話人として都政革新、都民要求実現にご尽力されたことに心より感謝し哀悼の意を表します。
 
都民の現場 すすむ困窮
―「私の要求」結集し5・30対都交渉=都生連
PHOTO
都営住宅新規建設、生活保護申請の改善などを都に求める都生連の参加者ら=5月30日、都庁
 「生活保護・2月現在で受給者2百万人を突破 戦後2番目の規模」と騒がれた数字は最終的に「被保護実人員198万9769人被保護世帯は143万6046世帯、保護率15.8%」で2百万人を突破しませんでした。しかしこれには郡山市を除く福島県がそっくり除かれていて、実質は2百万人を超えたのです。1952年度以来58年ぶりでした。
 東京の生活保護も急上昇しています。3月現在で22万2352世帯、人員26万万7163保護率20.3%であり、これは昨年3月と比較して世帯数で1万6798世帯増、人員で2万3077人増、率で2.0%増、毎月ものすごい勢いで増加していることになります。

 改悪促進政府・民主党3つの対策
 受給者が2百万人に達した生活保護制度の見直しに向け、国と地方の協議が始まりました。双方とも就労支援を通じて受給者の自立を図る点では一致しており、8月をメドに具体案をまとめようとしています。「3兆円を超す保護費の抑制」というのが本音で、狙いは「困窮者の切り捨て」であることは明白です。
 2つめ、政府・民主党は厚労省の生活保護基準部会で扶助基準の引き下げを狙っています。総務省で5年ごとに全国消費実態調査が行われます。それを利用し老齢加算廃止の根拠にした特別集計が新しく整うことを待っているのです。
 3つめは、民主党内で一体改革を議論してきた「抜本改革調査会」で一挙に社会保障と税の改悪を狙っています。

 低所得者の要求を取上げて断固闘う
 都生連は、毎年行っている対都交渉を今年も5月30日に行いました。都側の係長は「自助、共助、公助の精神で」との回答にびっくりさせられました。「私の要求」は、会員ひとり一人自らを書いてもらい、それをそのまま集約します。今年は920項目集まりました。
 「私はいつも都営を申し込んでいます。15年位出していますが、いつも当たりません」
 「これから一人住まいの人が多くなりますので、よろしくお願いします。65歳申し込んでもダメでした。本当に一人住まいの都営住宅を作って下さい」
 「かれこれ20年近く前から都営住宅を申し込んでおりましたが、未だに当選出来ず困って居ります。民間のお家賃は高く払い込めなくなって来ています。なんとか高齢の単身者向けの住宅を作って下さい」
 「私は東京都内に住んで40年以上になります。都営住宅、区営住宅が少なすぎるため、いまだに入居できないでいます。もっともっと都営住宅を建てて、入居できる様にして下さい」
 「介護保険で必要な人に必要な介護が利用できるようにして下さい。介護認定で外されると介護の利用ができないのは納得いきません。どのような状態でも必要とする介護がうけられるよう改善して下さい」
 「介護保険の認定方法が高齢者の生活実態にあっていません。要介護の状態が変わらないにもかかわらず、ほとんどの人が下がって介護度が出ています、これはどういうことでしょうか?改善を求めます」
 一つひとつの要求に「住宅」への関心が大きいこと、「福祉」の切り捨てに心底怒っていることが読み取れます。
 
国民の声を国会から締出す
危険な「比例定数削減」許すな!
PHOTO
国民の声を国会から締出す比例定数削減に反対する集会=6月9日、中野区
 民主党が公約に掲げた「衆院の比例定数80議席削減」が、6月国会に提案される危険性が強まっています。狙いは、消費税増税、「地域主権」改革、TPP参加、そして憲法改悪など、国民の声を無視する強権政治をおこなえるようにすることにあります。
 「多すぎる国会議員を減らせ」「痛みを分け合う」との口実に加え、最高裁による衆議院の「一票の格差」違憲判決で求められた、選挙区の区割り変更に便乗して、比例定数削減をねらっています。削られ、無視されるのは労働者・国民の声。議会制民主主義が崩壊します。
 東日本大震災をつうじて、国・自治体の役割、そして「この国のかたち」が問われています。被災者・国民の声を大切にする政治、民意を反映できる国会こそが必要です。
 国会議員一人あたり年関係費は秘書の分も含めて約7千万円。80議席削減しても56億円です。一方、政党助成金は年間なんと320億円!
 また、震災救援・復興のさなか、国会では、2011年から5年間に約1兆円もの、米軍への「思いやり予算」を差し出す協定を強行しています。
 「ムダ」を言うなら、政党助成金や米軍への「思いやり予算」こそ廃止すべきです。
 
IMAGE
 
力を合わせて子どもを守ろう
契約・応益負担の「新システム」反対
 認証保育制度の創設から10年を迎えました。「東京から日本を変える」という「福祉改革」の目玉で、認可保育所と違い、保護者と園との直接契約、保育料は所得に応じた応能負担でなく、サービスを買う応益負担です。駅ビルの一室などにあり、保育料もオプションなども含めれば自由に設定でき、多くは営利企業の経営です。労働条件も厳しく、職員の入れ替わりが激しいのも特徴です。
 いま、国はこの認証保育所制度をモデルのひとつとし、これまでの非営利・公的責任のもとでの保育制度から、契約制で応益負担を基本とする「子ども・子育て新システム」に転換しようとしています。都の制度を国の制度とするように、積極的に動いてきたのは東京都であり、また日本経団連です。
 3月の大震災では、幸いにも保育所に通っていた子どもに犠牲は出ず、また保育所が避難所として機能しているケースも出ました。まさに、保育所の職員が命綱となり、子どもを救い、地域の拠点になりえたわけです。この役割をあらためて見つめ直し、職員の雇用と、子どもに対する職員数や面積を充実すべきではないでしょうか。少なくとも切り下げるべきではありません。
 東京都は「地域主権」を名目に、保育所を認可する子ども一人あたりの面積を認証保育所基準にまで緩和しようと、児童福祉審議会で検討をすすめてきています。しかし、審議会を構成する文京区長や保育団体の代表が子どもの育ちの保障から強い懸念や反対を表明しているように、その矛盾が広がっています。
 私たちは、東京自治労連や保育団体、保護者・地域住民といっしょに、子どもの育ちを守ろうと、新システム反対の署名のとりくみなどを強め、いまこそ認可保育所の増設をとアピールを広げていきます。【全国福祉保育労働組合東京地方本部 書記長 民谷 孝則】
 
大震災を口実にした改憲策動を許すな
 東日本大震災で未曾有の被害が生じました。日本全国が、その救済・復興に力を入れるべき時に、その騒ぎに紛れて改憲策動が進められようとしています。
 5月4日には、自民・民主等の改憲推進派有志議員が、憲法改正発議要件を衆参両院の3分の2から2分の1の賛成に緩和する、憲法96条改定を目指す「憲法改正」議連と、一院制議連を立ち上げて、年内の改正を目指す、と述べています。
 5月10日には、民主党は、前原誠司前外相を会長とした党憲法調査会を設置しました。衆参両院での憲法調査会の始動をにらんで、改憲議論を進める体制を整備したことになります。実際18日には参議院で憲法審査会設置が強行されました。
 改憲派は、現行憲法に「緊急事態」の規定がないなどと、震災を口実に改憲を口にします。しかし、今回の大震災や福島原発事故も憲法を停止させるほどの緊急事態とは言えず、首相が指導力を発揮して、国会で適宜論争して基本的人権を尊重した対策を立てて行くことは十分可能であるにもかかわらず、自らこれを怠りながら「憲法の欠陥」を言い立てるのは憲法尊重擁護義務に反し、震災を奇禍とした改憲策動以外の何物でもない。避難場所の確保や支援物資の公平な分配など本来公務員が中心になって行うべきところを、公務員自身も被災したうえ構造改革で大幅にリストラされた結果現在の救済の停滞を招いたことは明らかです。
 現在なすべきことは早急な救済と被災者主体の復興の見通しを明らかにすることであり、憲法改悪の議論をすることではないと思います。【自由法曹団東京支部事務局長 横山聡】
 
青い空
 一足早い梅雨の雨が、家の前にある小さな森のクヌギやコナラ、ヤマボウシの葉をたたき、冬の厳しさに耐抜いたアジサイをいとおしむように包んでいる。たまらなく静かだ。露に絡んだ若芽の匂いが、突然、「花ぐもりというのだろう」で始まるある短編を運んできた▼花ぐもりとは、桜の花が咲く時期の曇った天気をさす。春の季語でもあるが、世情と重なり寂寥感が漂う。原子炉損壊と放射線汚染をめぐる意図的な情報隠し。震災を「政局」に利用した大義なき権力闘争。「石原氏を選んだ都民の神経を疑いたくなる」とした地方の叱責。そして、皮肉にも、我欲とポピュリズム政治の権化の口から、とうとうと都民に説かれる「地道な生き方」。空は一面に曇っているのだ▼先の短編の著者は藤沢周平氏。花ぐもりで始まった短編は「ただ空気はあたたかい。もう北風が吹くことはないだろう」と続いている。複雑な軌跡をたどりつつも人間集団は、そして歴史は間違いなく進歩してきた。氏は、人間らしい時代が来るだろうと政治に期待し望むことが、歴史を進歩させ人間を解放してきたという。しかし人間の希望をすくう政治の営みに責任を負うのもまた人間なのだ。もうひとりの私が、森にたたずむ私にささやく。(駒)
 
 
 
(C)革新都政をつくる会 All Rights Reserved.