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都民がつくる革新都政
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会の機関紙「都民がつくる革新都政」2009年9月15日発行
新しい都議会スタート
都政を変える好機
30年間続いた自民・公明の過半数体制を突き崩した
8月30日投開票の第45回の総選挙は、新たな時代の扉をあける歴史的な結果となりました。
自民党は改選前議席を3分の1・119議席まで減らし、民主党が308議席を獲得し、第一党となりました。国民を苦しみ続けてきた自民・公明政権に国民が厳しい審判を下し、民主党へと政権が交代します。
7月の都議選に引き続き、国民の怒りと行動が政治を根本から変革していくうねりを加速させています。都議選・総選挙に込められた民意には、この国の今と将来への模索と探求の意志が込められています。
選挙後の朝日新聞の世論調査(9/2付)でも74%が民主党中心の新政権に「期待する」と回答していますが、その一方で、「民主党が大勝したのは、有権者が民主党が掲げた政策を支持したことが、大きな理由だと思いますか」との問いに、52%が「そうは思わない」と答えています。国民は、新しい流れの進行を厳しく見ています。
総選挙の翌日、都民が30年間続いてきた自民・公明の過半数体制を突き崩した新しい都議会がスタートしました。石原知事がトップダウンですすめてきた事業は次々と破綻するなかで、国政と一体に新しい都政へ向けての都民世論の高まりと要求実現をめざす都民運動の発展が強く求められています。都政を変える好機です。
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都民の願い実現する都議会に
都議会開会―都庁前で訴え
「都議選の公約を守って」「都立小児病院の存続を」とシュプレヒコールする参加者=09年9月7日、都庁前
改選後初の議会となる09年第3回定例都議会開会日の9月7日、都民要求実現全都連絡会、東京社会保障協議会、東京地方労働組合評議会の三団体は、昼休みに都議会前で開会日行動を行い、400人が参加しました。
主催者を代表して東京地評伊藤潤一議長は「都政も国政も新しい政治状況のもとで開会を迎えた。暮し、福祉、教育を充実させる都民の願いと一致する公約を実現させる運動と世論を起し、新しい都政をつくって生きたい」とあいさつがありました。
4団体より決意表明が行われました。年金者組合東京都本部は「多くの高齢者から年金が低く病院に行けない、老老介護で大変との声があがっている。後期高齢者医療制度はすぐ廃止を」、都立清瀬小児病院を守る会は「小児医療体制が不足し、新型インフルエンザの流行を迎えている時、都立小児病院の廃止は断じて許せない」などと訴えました。臨海都民連は、築地市場移転反対での訴えが行われ、東京土建からは、仕事を作り出すような対策をなどの訴えが行われました。
日本共産党都議団の大山とも子政策調査委員長から「都議選での公約実現に全力をあげる。都議選は『自公政治はダメ』という審判だった。いまこそ都政も暮し、福祉を充実させることが求められている。都立病院存続、無駄遣いやめよなど都民の願いを実現するため力をあわせがんばります」と連帯の挨拶を行われました。
最後に参加者全員で都知事に対して要求をシュプレヒコールし、個人請願を行いました。
開会日の早朝、「革新都政をつくる会」は、都庁前での宣伝行動を行いました。
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福祉最優先の都政実現へ
新たな都議会都議団の決意
公約実現、都民の暮し
日本共産党都議団 幹事長 吉田信夫
都議選、総選挙の結果をうけ、日本共産党都議団は、公約の実現、都民の暮しや福祉最優先の都政実現のために全力をつくす決意を新たにしています。
都議選、総選挙で示された自民・公明政権ノーの審判は、都民の暮しや雇用を破壊してきた自民党政治への怒りの審判であり、暮しや福祉最優先の政治をすすめてほしいという思いが示されたものです。都議選の告示後の世論調査でも、都議選の投票で重視されたのは、(1)医療や福祉対策35.6%、(2)雇用や景気対策28.4%、(3)教育や文化対策11.2%で、三つだけで75%を占め、石原都政が推進しているオリンピック招致はわずか3.5%に過ぎなかったことにも明白に示されています。党都議団は、選挙で示された都民の声にこたえ、逆立ち都政をあらため、暮しや福祉を守ることを最優先の都政にするために全力をつくします。
都議選の結果は、都民運動と日本共産党の奮闘しだいで、都民要望実現の新たな可能性を広げています。都議会の状況は、従来のように、なんでも自民、公明、民主のオール与党で悪政を推進することができない状況が生まれており、石原知事も会見で「共産党がキャスティングボードを握る」と発言したように日本共産党が存在感を増すという新しい状況が生まれています。
すでに新銀行東京問題と築地市場の豊洲移転問題の二つの特別委員会の設置や都立小児病院の存続のための共同にむけ、積極的な努力をしているところです。また、党都議団が2回も条例提案してきた給付型奨学金が各党のマニフェストにもりこまれる条件を生かし実現への努力もすすめていきます。
同時に民主党は、オリンピック招致や外環道路推進にも賛成であり、IOC総会への公費応援ツアーに自民、公明とともに参加します。こうした問題について都民の立場から厳しくただす点でも日本共産党の存在がますます重要になっていると痛感します。
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移転計画中止を―築地市場
業者・消費者「現地整備で」
築地市場の豊洲移転計画に反対する市民集会=09年9月8日、文化シビックホール
「いまこそ築地市場の存続と再整備を!」築地市場を高濃度の有害物質で汚染された東京ガス工場跡地(江東区豊洲)に移転させる東京都の計画の中止を求める市民集会が9月8日、文京シビック小ホールで開かれ150人が参加しました。主催は築地市場の業者や労働組合、消費者団体などでつくる実行委員会。
さまざまな分野から豊洲移転反対をアピールしました。水産仲卸業者らでつくる「市場を考える会」の山崎治雄代表は「10年前から移転はおかしいと思っていた。3年前『考える会』立ち上げ、都へ開示請求など行ってきた。力を合せて移転を阻止し、築地で市場再整備したい」、日本消費者連盟の富山洋子代表運営委員は「豊洲では大変有害な汚染物質が確認された。食の安全と漁労文化を守るため築地市場を守るため現地での再整備を」と述べました。
三國英実広島大学名誉教授は「豊洲移転は市場を大手資本の大規模集配センターにするもので、多くの業者が排除廃業に追い込まれ、公的管理が後退する」など食品流通の面から8点にわたって指摘批判、日本環境学土壌汚染問題グループの坂巻幸雄グループ長は「東京都の土壌調査は科学的とは言えない、あまりにもお粗末な内容だ」と批判しました。
都議会からは、民主党、日本共産党、生活者ネット・みらい、自治市民の代表が参加、「都議選・総選挙で築地市場移転反対の勢力が多数となった。都は直ちに移転作業を中止すべき。市場の公共性・公益性をなくす変質という本当のねらいを明らかにし、現地での再整備をめざしがんばる」(清水ひで子・共産党都議)など、各代表から決意が述べられました。
集会は、『いまこそ築地市場の存続と、真に国民・都民のための現地再整備を求めよう』とのアピールを採択しました。
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後期高齢者医療制度
75歳以上の医療費無料化実現化へ
「後期高齢者医療制度廃止・75歳以上の医療費無料化を」の署名=09年8月、巣鴨
東京では、何としても後期高齢者医療制度の廃止をと、東京社保協・東京地評・東京民医連・年金者組合都本部・東京自治労連・東京保険医協会・新婦人都本部など38団体が結集し運動を押し進めています。
昨年3月には井の頭公園に1万4千人が参加し、「後期高齢者医療制度の中止・撤回を求める3・23東京大集会」を取組みました。この集会は廃止に向け大きな確信となり、国政にも大きな影響を与えました。この集会後、民主党も廃止することに決定し、野党4党が廃止でまとまり、6月6日に参議院で後期高齢者医療制度廃止法案が可決されるという大きな前進を勝ち取りました。東京は62自治体ありますが、地域社保協や高齢者の団体も立ち上がり、すべての自治体に働きかけ、51の自治体(82・2%)で廃止・財政支援などが採択され、国へ意見書が上げられるなど、画期的な取組みとなりました。
昨年、「12・14後期高齢者医療制度の廃止を求める東京大集会」を5千人を超える参加で開催、この集会は、野党4党が後期高齢者医療制度を廃止で結束させる上で影響を与える取組みとなりました。
今年6月には、学習・高齢者トークを中心に「後期高齢者医療制度の廃止を求める6・2集会」を行い中野ゼロホールに550人が参加。この集会の中で75歳以上の医療費無料化の署名を提起し、広く署名運動を取り組もうと呼びかけました。これは日本共産党の取組みに学び、運動を起こしたものです。
都議選後、新しい体制となった都議会で、かつて東京が老人医療費の無料化を実現させ全国、国へと広げていったように、東京での75歳以上の医療費無料化と後期高齢者医療制度の廃止をめざし、力一杯取り組んでいきます。【東京社保協事務局次長・成平正英】
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30人学級を求める都民の声
実現の可能性を広げている
「東京で30人学級を実現する連絡会」は、24万筆を超える署名を背景に都議会に請願書を提出し、これが5月27日文教委員会で審議されました。質問に立った古館都議(日本共産党)は、「今年の調査では、31人以上の学級が小学校で61%、中学校では88%で、五年前より増えています。東京都だけが40人学級に固執する下で、すし詰め状態で子どもが学習している」と迫りました。都教委は「一定の学級規模が必要と考えている」と従来通りの見解を繰り返しましたが、「24万筆を超える都民の声をどう受けとめるのか」「多摩の市長会や教育長会からの少人数学級についての要望をどう受けとめるのか」という質問に、「重く受けとめる」と答えました。請願は不採択となりましたが、こうした回答はかつてなかったものであり、都民の声が都教委や都当局を変えつつあります。また、文教委員会で態度を保留した民主党は、本会議では請願の不採択に反対するという態度をとりました。
都議選後、都議会全体でも文教委員会でも自民・公明が過半数を割り、運動しだいで要求実現の可能性が高まっています。「ゆきとどいた教育を求める全国署名」「希望するすべての子どもたちに高校進学を保障する署名」(こどもを救う二大署名)に取組むと共に、各会派要請、改めての都議会請願などをすすめ、30人学級の実現に向けて、さらに取組みを強めます。
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保育所待機児問題解決を
入所希望者増施設足りず
東京都内の保育所待機児童は、09年4月時点で前年同日比で2460人増の7939人にのぼり、昨年度に比べ1.4倍に増えています。04年度〜08年度の過去5年間、5000人前後で推移していた待機児児童数が8000人近くに急増しました。特に0歳から2歳児が7247人と待機児童全体の9割を占めます。
認可保育所への入所希望者は8252人増の18万3779人に対し、定員は2632人増の16万9184人と希望者の増加に対応できていいない状態です。
経済状態の悪化で共働きの子育て世代など保育所入所希望者が増える一方、施設整備が追いついていない実態が明らかになっています。両親がフルタイムで働いていても入れない事態が生まれています。
待機児童の解消は何年も前から都民の切実な要求だったにもかかわらず、都は必要な手だてを講じることなく、民間保育園への補助制度を改悪し、公立保育園の民営化を後押ししながら、企業中心の認証保育所の設置を促進してきました。
認可と認証、都民がどちらを望んでいるかは、認可保育園への入園希望者が1年で8252人も増加した事実から明らかす。
都は、「保育サービス拡充緊急3カ年事業」で09年度の整備目標を1・5倍の8000人増としましたが、この目標を認可保育所申込者数の増加が上まわっています。こうした事態改善に向け、速やかに認可保育園の新設・増改築のための施策を進めるべきです。
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求職者の要求アンケート調査
7割が「再就職口確保」求める
東京地評と傘下の労働組合、「働きたいみんなのネットワーク」が共同で行ったハローワーク前「求職者の要求アンケート」調査は、現在の失業状況の困難さを浮彫りするものとなっています。
失業した原因は、自己都合を除く解雇・契約期間満了・倒産・派遣切り・育休切りなど非自発的離職は302人、54.3%と高い数値を示しました。さらに会社都合や早期退職などを加えると343人、61.7%にものぼります。
雇用対策で切実に求めていることは、回答者の7割にあたる357人が「再就職口の確保」と答えており、その切実さは深刻です。
政府に失業対策の具体的対策をいっそう求めていくことが必要であり、失業者の要求を国、自治体、経済団体などに反映させていくことが重要です。
アンケートは6月10日から7月1日にかけ、都内9箇所のハローワーク前で実施。1869枚配布、542枚の回収、回収率は29.0%でした。
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青い空
「業政(なりまさ)駈ける」の小説(赤旗日曜版連載)がいま面白い。作者は火坂雅志(「天地人」NHK大河ドラマ原作者)である。センテンスが短く歯切れがよい。迫力が溢れる。わずか二・三行ににちりばめた言葉に現代を重ねた熱い息づかいが伝わる▼業政は執政の基を「民の力は、ときに万軍の兵にも勝る」「田畑を耕す民こそが国の財(たから)であり、力の源である」と考える。「実際業政の代になって積極的に治山事業を行い、養蚕を保護した結果、様々の生産力は高まり、商人が城下に集まっておおいに栄えるようになった…」とのくだりは、“そうだそうだ”と私を納得させてくれる▼長い夏の陣、総選挙は終わった。人間がポイ捨ての自公政権はイヤ!業政のような執政を求めた人々の思いは民主党へとどっと流れた。しかし、「本当に大丈夫か」と懸念が先立ち、「真価を見守らねば」と、政治への関心が高まり、未来をまさぐり始めている。この力に私は元気をもらう▼見守り方は様々でも、私はみんなと一緒に行動したい。公約を本当にやれるかどうか、国政に確かめるのだ。山ほどある切実、具体的な要求で。秋の気配は空の色から始まる鰯雲が青空いっぱいに広がり新しい未知の世界への夢がふくらむ。(中)
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