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都民がつくる革新都政
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会の機関紙「都民がつくる革新都政」2009年11月15日発行
都民のくらし・雇用・福祉に活用を
─2010年度都予算編成にあたって要請─
2010年度都予算編成の抜本的転換求め都に要請する「会」の代表世話人=09年10月29日、都庁
革新都政をつくる会は、10月29日、2010年度東京都予算編成にあたって、都政運営と予算編成の抜本的な転換を強く求めて、東京都石原知事あてに要請書〈別掲〉を提出し、実行を要望しました。
要請には、伊藤潤一、荻原淳、児玉洋介、西村冨佐多代表世話人、會澤立示事務局長代理、河内民医連事務局次長が参加。中山伸事務局長が知事本局大井泰弘総務部長に要請書を提出しました。続いて参加者から深刻な都民のくらし・営業・教育・福祉・医療の状況にふれ、新しい政治情勢をつくり出した都民の意思にもとづいて来年度予算編成を行うよう強く求めました。オリンピック関連基金4千億円を緊急を要するくらし・雇用・福祉に活用することを強く求めました。大井部長は「知事に伝える」と述べました。
「くらし・しごと相談会」交流会
年末に向けて緊急対策
「雇用・生活どう守る」相談活動の取り組みを交流=09年10月20日、大塚ラパスホール
雇用状況は改善の兆しどころか、悪化する一方です。大量の「非正規切り」が始まって1年。8月の完全失業率が5.5%と、戦後2番目に高い失業率となるなかで、失業手当も切れ、貯金も底を突いた人たちが万策尽きてホームレスになっています。
東京都台東区の上野公園で毎週土曜日に行われる支援団体による炊き出しに、1月から8月までに並んだホームレスの数は計1万4710人。前年同期間との比較で4960人増。新宿中央公園では、1月から8月までに3万2200人が並び、同じく7119人増えています。
日本民主青年同盟東京都委員会が呼びかけ、2008年4月から、毎月行ってる「街頭労働相談」には、ホームレスの高齢者や若者などが次々と訪れています。
「シェルターの数が圧倒的に足りず、相談者をすぐ泊める場所がない。カンパを集めて、その日はネットカフェに寝てもらうような状況」(民主青年同盟東京都委員会・香西克介委員長)と、セーフティネットの抜本的強化を訴えています。
東京都では、ホームレス支援の5カ所の自立支援センターや緊急一時保護施設(5カ所)は、合計770人の定員が1月から満員の状況が続いています。都は、新たな施設の増設の検討に入っていますが、現行法制での運用と独自施策として東京で実行可能な緊急対策が急がれます。
オリンピック招致を名目に積み立てた4000億円の基金を有効に生かす施策が必要です。
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生活保護世帯8年連続最多
生活保護需給世帯が2008年度に月平均で114万8769世帯に上り、8年連続で最多記録を更新しました。(厚生労働省・社会福祉行政業務報告書)08年度は前年度より4万3491世帯増加。リーマン・ショックを契機とした世界金融危機で雇用情勢が悪化、「派遣切りなどによる失業者の増加が大きな要因」(厚生労働省保護課)とみています。
「相対的貧困率」を10月20日、厚生労働省は初めて発表しました。全国民の中での低所得者の割合や経済格差を示す相対的」貧困率は、国民生活調査を基礎に、2006年から3年ごとにさかのぼって4回分を算出。06年は15.7%で1997年以降最も高い数値でした。また、17歳以下を抽出した「子ども貧困率」は14.2%。日本は働いている一人親家庭の子どもが18%と圧倒的に高くなっています。
経済協力開発機構(OECD)の08年報告書では、04年の日本の貧困率は14.9%で、加盟30カ国のうちメキシコ、トルコ、米国に次いで4番目に高いものでした。
日本銀行が10月7日発表した、9月の「生活意識に関するアンケート調査」では、6割超の人が、収入が減り、生活にゆとりがなくなってきたと感じています。雇用悪化と賃金の減少を反映して、1年前に比べた実績で「減った」が61.5%と、6月調査に比べ4.9ポイントも増加しています。
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オリンピック積立金
―まずは新型インフル対策に
いのち・くらし守れ!
東京都へ、都議会へ
「くらし・福祉を大切にする都政へ!」とチラシを配布する都民連=09年10月9日、都内
都民要求実現全都連絡会(都民連)は、10月15日、東京都と都議会各会派に対し、新型インフルエンザ対策の充実を求める要請行動を行いました。
東京都は知事本局知事秘書が対応。こちらが「区市町村の財力いかんで、対策に格差があってはならない。オリンピック積立金をはじめ財源はある」との説明に、都はうなずくばかりでした。都は「知事や所管局へ要請内容を伝える」と応えました。
併せて、都議会のすべての会派への要請行動も実施しました。緊急課題にもかかわらず、残念ながら第一党となった都議会民主党を始めほとんどの会派は「担当が不在」という事務的な対応でした。
共産党都議団だけは都議が対応。「都は新型インフル対策として小児科病床確保に躍起になっている一方で、都立3小児病院廃止を撤回せず矛盾している。要望を反映できるよう努めたい」(大山とも子都議)と応えました。
この要請行動を通じて、東京都や都議会各会派の多くは、先の都議選など都民が下した審判の意味することをいまだ正面から受け止めきれていない様子がうかがえました。
その一方で、たとえば「30人学級」や「都立3小児病院」を取り巻く状況が変化しており、いくつかの兆しも見られます。引き続き要求を正面から突きつけていく運動を推進していくことが重要ではないでしょうか。【都民連・阿久津光】
「たたかって政治を変え、要求を実現しよう」‐連立政権に対して切実な要求実現を迫る唱和が響き渡りました。11月8日、代々木公園で開かれた〜不況打開、なくせ貧困、雇用確保、守ろう!いのちと暮らし〜「新しい未来(あす)へ!11・8国民大集会」。全労連、全商連、全日本民医連、農民連、新日本婦人の会などでつくる実行委員会主催で約35000人が参加。全国から要求とたたかいを持ち寄り、国民的共同を広げる集会となりました。同日、沖縄では「辺野古への新基地建設と県内移設に反対する」県民大会が21000人の参加で開かれました。=09年11月8日、代々木公園
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都政転換(1)
―傲慢で独善的な知事の国際的な恥
2016年東京五輪招致失敗
大野 晃(スポーツジャーナリスト)
東京都の2016年夏季五輪招致は国際オリンピック委員会(IOC)委員の2割程度の支持しか得られず大失敗しました。
都民の多くの反対を押し切っての招致だったのですから世界の理解が得られようもありませんでした。
ごまかしの多い開催計画のうえ、200億円にも及ぶ巨額の招致運動費の中身は不透明。100億円以上の都税を浪費しながら石原知事は「痛くもかゆくもない額」と無責任な態度をとり、「日本オリンピック委員会(JOC)には国際的な人材がいない」などとJOCに責任を押しつけようとしています。さらにはIOC投票でブラジルが裏取引をしたかのような発言をしてリオデジャネイロ市招致委員会が抗議文を出す騒ぎとなり、五輪に関する無知さをさらけ出しました。
国際感覚を喪失した知事の姿勢は、国際都市・東京の恥であり、再立候補は恥の上塗りとなるでしょう。
民間営業施設が多いから公共施設が減っても都民スポーツには十分と都民の要求に冷ややかな振興策しか示さず、中国で日本への批判が強まると「北京五輪ボイコット」を公言した石原知事が、突如として東京五輪開催を言い出したのですから五輪取材を続けてきた私には大きな驚きでした。住民スポーツを軽視し、五輪に敵対する政治家がリードする五輪開催をIOCが認めるわけがないと思ったからです。しかも「成熟した都市・東京の姿を示す」という傲慢で独善的な理由ですから世界が受け入れるはずはありませんでした。
計画が明らかになるにつれ、展望のない臨海部開発の尻ぬぐいと環状道路などの都市開発の「錦の御旗」にしようとの狙いが浮かび上がり、都民の反対が強まることを予想させました。
招致運動に暴走しながら都民の疑問にこたえることは皆無に等しく、五輪選手などを動員してスポーツの素晴らしさや五輪の夢を訴えるばかりで開催計画の実態をごまかし続けました。
スポーツの世界でも途上国を中心に平等な発展を望む意識が大勢となり、世界中が協力し合って平和を求める五輪を推進しようという機運にあるIOCですから、独善的な都市開発型五輪開催は過去のものになりつつありました。
そのことにまったく無関心だったJOCの国際性のなさと石原知事の無知と傲慢さが巨額の都税を浪費させたということでしょう。
世界とともに歩む東京を取り戻すためには、石原知事の責任を厳しく追求し都民とともに進む新しいリーダー像を見出すことが急務と思います。
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今要求実現のチャンス
都に署名提出
新婦人都本部
新婦人東京都本部は10月7・8日の二日間、築地移転反対7080筆、都立3小児病院存続7291筆、75歳以上の医療費無料化7307筆の第1次分の署名をもって、東京都に要請を行いました。
7日には、都議会6会派に「3つの署名を東京都に提出、都議会議員も後押しをしてほしい」と要請にまわり、日本共産党、生活者ネット、自治市民'93の各会派は「民主党も含めれば都議会は過半数、がんばりましょう」との対応がありました。さらに地元都議にも要請を行い、3つの署名をさらにひろげて12月議会へ積み上げていきます。
7日、中央卸売市場・岡田至市場長に要請。市場長は「要請はうけたまわりました」といいながらも「移転が必要との努力が足りないかもしれない」と、あくまで移転が前提の姿勢に「汚染調査データーなど公開してこそ都民は判断できる」と、参加者は怒りがいっぱい。8日には、都立病院経営本部に要請。「近くにある病院こそ母子にとって命綱。なぜ廃止するのかわからない」「梅が丘病院があるから、世田谷に引っ越してきた」と口々に訴え、対応した大神伸一副参事は「7000筆超える署名は重く受け止めました」と回答。しかし「多摩地域の周産期医療のためにも建設中の府中病院に高度医療を集約する必要がある」と3小児病院廃止の方針を変えようとしていないことがわかりました。また、福祉保健局医療助成課に「高齢者の医療費無料化に」との内容での要請も行いました。
各自治体でも、医療費の助成など次々実現をしています。「ヒブワクチン助成」が足立、北、新宿、杉並の各区、小平、武蔵野、武蔵村山の各市、日の出町、桧原村で助成が実現しました。また、港区では、「新型インフルエンザワクチン」接種代が妊婦・子ども・高齢者など無料化が実現しています。
政権交代という大きな変化のなか、国民・都民の要求実現の絶好のチャンス。各自治体への要求運動も大いにすすめる取り組みを行っています。【新婦人東京都本部】
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青い空
「(2020年夏季五輪東京招致に)名乗りを上げることが私の責任」と石原知事が6日の定例記者会見で語った。責任の履き違えも甚だしい。2016年五輪東京招致が失敗した。この音頭をとった石原知事の責任は、また五輪に名乗りを上げることではない。落選直後の記者会見で「見えない政治的な力が働いた」と醜い言い訳と、150億円の招致経費を「財政再建の一つの余剰で、これで東京の財政は痛くも痒くもない」と強弁した▼招致機運を高めるためのイベント開催など95億円。都内の全62区市町村のPR活動用、12億4千万円も含まれている。打上げ花火やメダリストによるスポーツ教室などに使われたという。それでも支持率は55.5%。4都市の最低▼コペンハーゲンでのIOC総会への招致ツアーでは、プレゼン用衣装1着30万円のオーダースーツ50着1500万円。都議10人の応援ツアー費用1000万円。飛行機はビジネスクラス。鳩山首相まで引っ張り出して政府関係者の宿泊費など総額1億円を下らない▼すべて税金。石原個人の懐は「痛くも痒くもない」だろう。新銀行東京や豪華海外旅行、そして五輪招致の都政私物化と失敗▼責任とは、「責め」・「科」(とが)を伴うものだ。(高)
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