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都民がつくる革新都政
会の機関紙「都民がつくる革新都政」2008年6月15日発行
徹底追及!『石原銀行』を問う
革新都政の会が講演会
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ムダと分かっている金を惜しみもなくつぎこむ」「石原知事の責任はもとより、追加出資に賛成した議員の責任も大きい」などの感想も寄せられた=08年5月20日、みらい座いけぶくろ
  「革新都政をつくる会」は5月20日、「徹底追及!『石原銀行』を問う」講演会を豊島区「みらい座いけぶくろ」で開催、約550人が参加しました。
  開会にあたって、中山伸代表世話人(都教組委員長)が「新銀行東京の破たんはだれの目にも覆い隠せない。国政・都政を変えたいとの思いがいまほど広がっている時はない」とあいさつ。
  日本共産党都議団の吉田信夫幹事長が、先の予算都議会における新銀行への400億円追加出資をめぐる論戦の経過と今後の展望について報告を行いました。新銀行の破たんで税金1000億円を失った元凶・責任は石原知事にあると批判。追加出資も「再建計画」も中小企業救済にはならないと指摘しました。
  また、都民世論に背を向け、マスコミからも批判の大合唱であり、「議会のチェック機能も問われた」として、追加出資に賛成した自民・公明両党、旧経営陣の参考人招致に反対した民主党を批判。「石原都政のトップダウン・浪費都政は、新銀行や築地市場移転、五輪招致などで大きく揺らいでいる。議会論戦と都民運動で追い詰めたい」とのべました。
  東京大学大学院の醍醐聰教授が講演。新銀行東京破たんの原因がずさんな融資審査だけでなく、東京都の「マスタープラン」を達成するため、高金利で預金(*表1)を集め信用リスクの高い客に融資し、貸し倒れが増大、金融機関としての存在意義を喪失する異常に低い預貸率(*表2)など、経営構造自体に問題があったと指摘。追加出資を前提にした再建計画も超楽観的な願望に過ぎないと指摘し、「知事だけでなく追加出資に賛成した議員も責任を問われるべきだ」と語りました。
  新銀行東京への追加出資に対する住民監査請求を提出した都民10人を代表して、須山利夫・東京都生活と健康を守る会連合会会長、西村冨佐多・東京商工団体連合会会長の2人が決意をのべました。
  講演会に参加した人の感想では、「いかにずさんな経営に終始した銀行であったかということが改めてわかった。知事の責任はもちろんだが、議会がノーといえば400億円の追加出資はできなかったはず。賛成した議員の責任は次の都議会議員選挙で結果を出すしかない」「思いつきを強引に押し通す、都民の健康利害は眼中にない。ムダと分かっている金を惜しみもなくつぎ込む。豊洲で見込まれている『浄化』費用は1300億円、『銀行』の1400億円とよい勝負です。この運動と連携して石原知事を追いつめたい」などの感想が寄せられていました。

新銀行東京への追加出資
住民監査請求を都監査委が却下
  東京都監査委員は5月21日、石原慎太郎都知事が新銀行東京に400億円の追加出資を行ったのは不法・不当だとする住民監査請求について、監査をしないことを決め、請求人に通知しました。
 
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見学・学習ツアー/新婦人都本部
築地市場と築地市場移転予定地
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「市場移転前から市場前駅という駅名にびっくり!」視察の間も乗降客がほとんどいません=08年5月30日、江東区豊洲視察する新婦人都本部の方々
  新婦人東京都本部は、5月23、30日の2回、41名の参加で築地市場と東京都が築地市場の移転予定地としている東京ガス工場跡地(江東区豊洲)の見学・学習ツアーを行いました。
  築地市場内で行われているメロンの競りの見学や買物を楽しみ、市場の広さや魅力、役割を学んだあと、元築地市場青果仲卸専務の佐藤龍雄さん、元東京ガス社員の伊野正之さんを講師に学習を行いました。佐藤龍雄さんは、東京都は老朽化した築地市場を「現在地再整備」するという方針だったにもかかわらず、1999年に誕生した石原都知事の一声で豊洲移転へと転換したこと。高濃度の汚染が検出された東京ガス工場跡地は、生鮮食品を扱う場として危険であること。当初、東京ガス側も「築地市場の移転は受け入れ難い」と回答しており汚染が深刻であることは周知の事実であったこと。築地市場を移転させた後の跡地を再開発しようとしている問題。移転によって築地市場が担っている公共市場としての役割が変質させられ、大手スーパー、量販店の私的利潤追求の場となってしまい、中小の仲卸、小売の切り捨てになることなどの話しがありました。
  元東京ガスの社員の伊野正之さんからは「東京ガス工場跡地の環境基準の4万倍のベンゼンが検出されたところは石炭からガスを取り出した後の残タールを集めていた場所であり、高濃度の汚染もおかしくない」と、当時の現場の作業状況を告発的に話され、数値の裏づけを実感しました。
  学習のあと、都が移転予定地としている東京ガス工場跡地をゆりかもめ市場前駅のコンコースより視察。数日前にふった雨がまだひかず、広い面積が水たまりになっています。「三方を海で囲まれ地下水位の高いところ、魚を洗う時に使った大量の水と汚染地下水が混合し表層土壌の再汚染を起こす恐れがある」との指摘に一同納得。いくら土壌を入れ替えても、危険はなくならないとの思いを強くしました。

汚染対策やれば1千億円超える税金がまた使われる
 
「商売だけで生活できない」5割
東商連婦人部 協議会2千人アンケート
 東商連婦人部協議会は、1月から3月の期間で「08年業者婦人実態調査」にとりくみ、2千121人からアンケートを集めました。
IMAGE  地域経済を支える中小業者は、高齢化が進んでおり「実態調査」でも、60歳代が46%と半数近くを占めていまいした。売上も減っており、限られた収入でのやりくりに業者婦人は大変苦労をしていることが分かりました。
  昨年からの税源移譲よって、「住民税」は「1・5倍〜2倍」になった35%(747人)、「3倍以上」は8%(167人)と回答。また、「住民税」を払いたくても払えず「滞納している」5%(105人)、「分納している」7%(149人)の回答があり、住民税の増税が生活を苦しめている状況が現れています。
  年所得は、「150万円未満」21%、「150万〜200万円未満」16%で、あわせて「200万円未満」は37%になりました。06年の「実態調査」では27%でしたから、約1・4倍(10そ増)ということになります。
  また、「商売だけで生活が出来るか」の質問には、06年は61%が「できない」と回答していましたが、今回は54%にさがっています。しかし、これは「限られた収入での生活が求められ、節約した結果として生活できる」状況だということで、決して改善されている状況ではありません。「実態調査」の余白に「文化的なくらしではまったくない」と記入していても「生活出来る」にマルする人もいました。「何で補っているか?」の問いには、圧倒的に「年金など」との回答をしています。
  「都政への要望」では、オリンピックをテコにした公共事業のムダや新銀行東京への税金投入への怒り、「原油高騰」の影響では経費と生活費の節約で我慢している状況が出されました。「私のひとこと」では、商売の展望が持てない問題、後期高齢者医療制度への怒り、生活の不安など業者婦人の怒りと率直な思いが綴られています。
  東婦協は、「実態調査」に寄せられた実態と声を今後の活動に活かし、東京都や自治体に対して業者婦人の要求実現にむけて頑張ろうと話しあっています。
 
正社員と非正社員
生涯賃金2倍の格差
 正社員と非正社員では、生涯賃金で2倍もの差がつく‐。第一生命経済研究所が4月に発表したリポートが明らかにしました。
  正社員の生涯賃金が2億2420万円なのにたいして、非正社員では1億1833万円と、約1億円の差となっています。
  リポートは、正社員と非正社員の賃金水準格差を時給換算で分析。正社員の場合は、勤続年数が15年で時給3千円まで上昇していますが、契約社員・派遣社員など非正社員は時給の上昇が緩やかとなっています。
  その理由を「正社員の場合は、企業内で長期勤続を通じてスキルの上昇を遂げているから、その結果として生産性が上昇し、高い時給を獲得している」としています。
  長期不況のなかで、企業が雇用形態を多様化させて、人材を絞り込んで限定的に人的投資をする路線変更をしたことを指摘。人件費削減を理由にした非正社員化では、社員の能力が蓄積せず、「中長期的な日本経済の成長制約になっていく」とのべ、「企業が正社員として雇用契約を結ぶ方が人的投資を増やし、潜在成長率を引き上げるためには有益」と結論しています。
 
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6・29シンポジウム
〜地球温暖化と都民のくらし〜
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都議会開会日行動に450人
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「税金のむだ使いやめ都民のくらしにまわせ」と都議会開会日行動の参加者=08年6月10日、都庁前
  第2回定例都議会が始まった6月10日、都民連、東京社保協、東京地評は都議会開会日行動を実施し、450人が集まりました。
  主催者を代表して東京地評堤敬議長は「一昨日の沖縄県議選では後期高齢者医療制度に対する批判が自公与党を過半数割れに追い込みました。私たちの運動が作り出したことに確信をもちましょう。今都議会の争点は4百億円の追加出資を決めた新銀行東京と、築地市場の豊洲移転問題です。東京オリンピックのために都民施策を切り捨てさせてはならない」と述べました。
  4団体から決意表明が行われました。革新都政をつくる会は「新銀行東京の累積赤字は1016億円となり、1千億円の減資をしようとしている。4億円の追加出資反対の世論は7割だ。4百億円は福祉に回そう」。都教組は「学校職場では在職死亡、パワハラが蔓延している。子どもと教職員、父母の願いに応えるためにも30人学級を実現しよう」。世田谷健康友の会は「私は後期高齢者医療の被害者、廃止に追い込もう。都は国に廃止を求めるべきだ」。新日本スポーツ連盟は「財政難を理由に体育館は老朽化、公共スポーツ施設の拡充こそ都民の願いだ」
  日本共産党都議団の清水ひで子都議が連帯の挨拶を行い、終了後、都知事に対して個人請願を行いました。
 
「都立学校授業料値上げ」
学ぶ機会と希望を奪い、傷つける
 「都議会の議論に、高校生の声や姿は出てこないのですね」「みんなが高校にいくことよりオリンピックのほうが大事なの?」――今年3月都議会の要請行動&傍聴に参加した高校生の仲間の声です。
  東京都は、今年4月から年間で11万5200円という都立高校の授業料を7200円値上げを自民・公明党など賛成多数で可決しました。東京都自身の調査でも、「『親がリストラ』など経済的理由で中退した生徒がいる学校は都立高校全体の26%」「授業料を3ヵ月以上滞納している生徒は1校あたり13人」という結果です。貧困が大きな社会問題になるなか、この冷たい都政の荒波は、高校生とその家庭を襲っています。
  「バスケ部の友達は母子家庭で経済的理由で退学。すごくバスケうまかったのに」「クラス38人中16人は修学旅行に行けなかった」「8クラスから7クラスに。学費が払えずに退学する人が多い」‐‐いっしょに都議会要請をした仲間の声をふりかえっても、今回の授業料値上げが、高校生の学ぶ機会と希望を奪い、傷つけるのは明らかです。「こんなの撤回しかない」これが正直な気持ちです。
  圧巻は各会派要請でした。「クーラー設置のために値上げは仕方がないこと」(自民)「あなたたちが言っている話は特例でしょ?特例のために値下げできない」(民主)「景気がよいからといって、簡単に教育費には使えない」(公明)この一方で破綻した新銀行東京へ400億円の追加出資とは!こんな都知事・都政には退陣してもらう以外ない!
  青年の願いかなう都政へむけて、よりいっそう奮闘しようと決意を新たにしています。【民青同盟東京都委員長・香西克介】
 
青い空
 「花ぐもりというのだろう。薄い雲の上にぼんやりと日が透けて見えながら、空は一面に曇っていた」ではじまる「山桜」は、藤沢周平の世界でもことのほか韻を含む短編だ。花弁の薄い山桜はいまだ三分咲き。主人公の野江に「手折って進ぜよう」と蕾のあるこの枝を手渡したのが手塚弥一郎。のち弥一郎は、領内の富農から賄賂を受け取り藩の農政に口を出す諏訪平右衛門なる名門の組頭を刺殺する▼転じていま。「世論調査なんて気にしてたら政治なんかできませんよ」新銀行東京への追加出資が決まった直後の石原都知事の都民を唖然とさせた言葉だ。すでに石原都知事は、自ら持つ旧経営陣の任命責任を「日本が代表する経済界の重鎮から推薦を受け安心して引き受けた」と財界に転嫁、都民やマスコミばかりか経済界からも批判を浴びていた▼藤沢周平の世界では、去水流の達人弥一郎が身を賭して武士としての正義を貫いた。さだめし今の世界では弥一郎に恥じない、都議選や都知事選での向き合い方が、すべての都民に求められるのだろう。「山桜」のテーマのひとつは「取り返しのつかない回り道」。ほとばしる涙の中で藤沢周平は野江に感懐させている。愛の世界と済ますわけにはいかない。(駒)
 
 
 
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