「先生、私、このごろ勉強にやる気が出てきたんだよ。私、五年生のときまで時計が読めなかったの。わかると楽しいね!」六年生になって、わかる喜びを先生にそっと話す子ども。けなげに頑張る姿が目に浮かびます。子どもは、大人に丸ごと認めてもらい受け入れてもらってこそ、すくすくと伸びていきます。教職員は子どもたちの願いに応えて困難な中でもがんばっています。しかし、東京の学校では、「受け入れたい」と思っても、子どもとじっくり向き合い、子どもの声を聞く時間すらないという深刻な状況が広がっています。石原都政の10年。子どものための教育を行う環境が奪われ、競争と管理強化、多忙化政策で精神的に追い込まれて、休職や退職、自殺に追い込まれる教職員が激増しています。30人学級の実現は、子どもと教育のためにも、教職員のいのちを守るためにも待ったなしの課題です。今年度、この切実な要求実現のために都教組は全力でたたかいます。 東京の教育がどう変えられているのか、その実態を教職員と父母、地域に皆さんが膝を交えて話し合う教育懇談会のとりくみを全都のすべての中学校区ですすめたいと思います。40人学級のすし詰めの実態を知ってもらい、30人学級になれば何が変わるのかをていねいに話し合うことを大切にします。また、新しい学習指導要領が子どもたちをできる子とできない子に振り分けて、ますます深刻な「二極分化」をすすめる内容になっていることなどを学習しあいます。 「東京で30人学級の実現を求める署名」のとりくみをゆきとどいた教育を願うすべての人と手を結んで、東京中に広げます。四月末には、署名用紙が皆さんの手もとに届きます。「新銀行東京への400億円追加出資より30人学級を」「子どもたちの笑顔輝く学校を」の声を署名に託し、石原都政を包囲する大運動にしたいと思います。「どの子も大切に」を合言葉に、考え方や立場を超えた広範な人たちと共に語り合い署名を広げましょう。駅頭やスーパー前で、「子どもたちにゆきとどいた教育を」の大宣伝をすすめましょう。都教組は全力で奮闘する決意です。【東京都教職員組合・山崎 忠彦】