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都民がつくる革新都政
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会の機関紙「都民がつくる革新都政」2008年10月15日発行
東商連アンケート 原油・原材料高騰
98%の業者が経営に悪影響
東京都商工団体連合会(東商連)は、7月下旬から約1ヶ月間緊急アンケート「原油・原材料高騰影響調査」を行い、263人が回答(9月1日現在)を寄せています。
調査では、経費増、利益減少など経営への悪影響を訴える業者が回答の98%にのぼり、影響は全業種にわたり、原油・原材料高騰にあえぐ中小業者の実態が浮かび上がっています。コスト上昇への対応では、経費増を売上げに上乗せできない業者が54・7%と、回答の過半数を占める状態です。
「価格競争が激しい・強いものが生き残る。弱肉強食の世界もうイヤになった」「今日店じまいしようか明日しようかの毎日」「即効性のある早急な対応がなければ、この先やっていけない」など営業と生活の実感が訴えられています。同時に、「国民が今、何で困っているのかを国・自治体の人間は分かっているのか?」「大会社の減税&米国への思いやりをやめるべき」「競争社会をあおる政治の抜本転換を求めます」との怒りや危機打開の方向を訴えているのも特徴となっています。
◇◇◇
東商連は9月4日、業者への支援を求めて石原都知事宛に、都として、(1)便乗値上げ、買いたたき、下請けいじめを止める行政指導(2)都民税・固定資産税などの減税(3)都の制度融資借入金の返済凍結・返済軽減(借換)、本人負担率0%台・3年以上元金返済据え置き・長期返済緊急融資の実施など7項目、また、国に対し、(1)原油・原材料高騰に歯止めをかける総合対策、(2)投機マネーを規制する強力な有効な措置、(3)便乗値上げ・買いたたき・下請けいじめを止めさせる強力な行政指導など6項目を申し入れる‐などの実施を求める要請書を出しています。
◇◇◇
オリンピックを口実とした道路整備や用地費など大規模開発に総額9兆円を超える莫大な税金が使われようとしています。東京都には、約2兆円の貯め込み(基金)があります。こうしたときこそ都民のくらしや営業を守る施策に、具体的に活用、生かすべきです。
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生活不安に初の7割
景気「悪化」8割超に
国民生活があらゆる調査で、悪化していることがあらわになっています。
9月の「生活意識に関するアンケート調査」(10月1日、日銀発表)によると、景況感が1年前と比べて
「悪くなった」が81%にのぼり、前回の6月調査と比べ12ポイントも悪化しました。
「国民生活に関する世論調査」(8月16日、内閣府発表)によると、日常生活に「悩みや不安を感じている」人は、昨年の前回調査から1・3ポイント増加の70・8%で、1981年の調査開始以来、初めて7割を超えました。
不安の内容では、「老後の生活設計」が6年連続トップ。年金不振や高齢者医療制度の改悪、原油・物価高などによる、不安の広がりが背景にあります。
「家計調査年報2007年の貯蓄・負債概況」(8月18日、総務省発表)によると、世帯(2人以上)の貯蓄の現在高が2年連続で減少しています。年間収入が伸び悩む中で、貯蓄を取り崩して生活にまわす世帯が増えています。
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労働者派遣法の抜本改正を
―4,600人の青年が集う
若者の貧困と『使い捨て』を許さない
「若者の貧困と『使い捨て』を許さない」「労働者派遣法の抜本改正を」などの要求をかかげ全国から4,600人が参加した「全国青年大集会2008」=08年10月5日、明治公園
10月5日、明治公園で開かれた青年大集会。まともに生活できる仕事を!人間らしく働きたい!「若者の貧困と『使い捨て』を許さない」「労働者派遣法の抜本改正を」などの要求をかかげ今年は4600人の青年が集まりました。東京からは1800人を超える人たちが集い、過去の集会とくらべても最高の参加者で成功に大きく貢献できました。
「参加者みんなが同じ気持ちなのだとわかった。がんばれば政治って変えられるかも」――参加した仲間の感想です。集会では仲間の支えを力に、たたかう青年の発言が相次ぎました。偽装請負を告発し解雇された徳島の日亜化学。不当解雇とたたかうロリータファッションブランドの青年。「ショップ99」名ばかり管理職…青年の無数の悔しさ、連帯とたたかいがこの場へとむすびついている。この連帯こそ職場も社会も変えうる力なのだと実感できました。
「貧困は自己責任ではない。私たちは労基法を守らせ、社会保障を充実させ、憲法をまもる責任こそ負っている」(反貧困ネットワーク・湯浅事務局長)「若者のたたかいが現実政治を動かしている。予算委員会ですべての時間を使ってこの問題をとりあげる」(日本共産党・志位委員長)など、「政治をかえること」がテーマだったのも特徴的です。
今回の集会にむけて、東京として努力してきたことは、草の根に地域実行委員会づくりです。実行委員会は30地域につくられ、プレ企画や宣伝にとりくむなかで当日をむかえることができました。正規と非正規など立場の違い、また労働組合や民青同盟など組織の枠も越えて、青年同士が連帯したたかいをすすめる。その土台が東京各地でつくられたことは、今後の青年運動の財産になるものだと考えています。さらにたたかいをすすめ、総選挙では、集会でしめされた青年の願いがかなう政治の実現にむけて、がんばる決意です。
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9月都議会開会日行動
世界の築地市場なくすな!
中学生までの医療費無料化早期実施を!
「都民要求の実現を」と雨の中行われた都議会開会日行動=2008年9月18日、都庁前
9月18日第3回都議会開会日に、都庁前の早朝宣伝(革新都政をつくる会)、昼には、都民要求全都連絡会が開会日行動を取り組み、350人が参加しました。
冒頭主催者を代表して堤東京地評議長は、国民的な怒りが福田首相を9月1日退陣に追い込みました。近く行われる総選挙で与野党逆転を勝ち取り、政治の流れを換え国民本位の国政にしていこうとあいさつをしました。
築地市場の豊洲移転問題に取り組んでいる全労連全国一般から、豊洲には、基準値の520倍になるベンゼンや43倍のヒ素などで汚染されている。建設はPFI方式によるため利権が絡みあい、築地の跡地も再開発計画の検討がされている。豊洲計画には、仲卸のマスが400しかなく、仲卸業者は800以上いて、決済日の短縮により仲卸し業者の締め出しを狙っています。築地市場の仲間はこの間、4回のデモを行い、豊洲移転賛成の業者も移転反対にかわってきている。政財界の利権のために世界の築地をなくしてはいけませんと訴えました。
年金者組合からは後期高齢者医療制度の4月と7月の通知の際、都内の市区町村の窓口に45万人を超える人が電話やファックスで苦情が寄せられ、千人以上の高齢者が不服審査請求をしている。後期高齢者医療制度廃止までがんばりましょうと報告がありました。
中学生までの医療費無料化の運動を進めている新婦人東京都本部からは、区市町村では、財政力に差があり、無料化の年齢制限がばらばらです。石原知事が選挙公約であげた中学生までの医療費無料化を早く実施して欲しいと訴えました。
8月5日の豊島区の下水道事故で仲間を亡くした東京土建からは、その原因は東京都が発注す際の予定価格が低すぎて、実態にそぐわない低価格での落札させられたために起こった事故。職人が安心・安全に仕事ができるような予定価格にして欲しいと訴えました。
日本共産党から都議団長の渡辺さんから、この都議会に935億円の補正予算が審議される。そのうち530億円が新銀行東京の減資に伴う基金積立金。この積立金は、今積み立てる必要ない。この資金を今本当に困っている都民に回すべきです。
履物共闘会議の皆さんと対都交渉を行いました。一昨年の組合員の実態調査で年収200万円以下25%でしたが、今年の調査では65%に。東京都はこういう人たちに救済の手を差しのべるべきで、そのため、子どもたちの医療費の無料化、奨学金の給付の条例提案、後期高齢者医療の廃止などで奮闘していきたい。と決意表明がありました。
その後都知事に向けてシュプレヒコールを行い、都議会への請願行動を行いました。
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新日本婦人の会東京都本部
地球温暖化防止をテーマに東京都、東京電力と懇談
新日本婦人の会は、地球温暖化防止を重要な課題と位置づけ「学ぶ、行動する、知らせ仲間をふやす」ことを大切に、「エコライフチャレンジシート」や「我が町の自販機調査」に取り組んでいます。
こうした取り組みの一環として、東京都本部は8月29日、地球温暖化防止をテーマに東京都と東京電力と懇談を行いました。
東京都との懇談には都市地球環境部副参事(温暖化対策担当)が出席。都内1300ヶ所ある大規模事業所へCO2削減を義務付ける条例改正について「東京の2005年のCO2排出量は1990年比約6%増加しており、削減のためには制度を強化し削減の義務付けと排出量取引を導入することにした」と説明がありました。こうした先進的な取り組みを評価しつつ、大型開発や高層ビルの乱立が都内のCO2排出量の増加の大きな要因ではと指摘。東京都が目標としている2020年に2000年比25%CO2を削減するためにも、街づくりやプラスチックゴミ焼却問題なども一緒に話し合う場が欲しいと提案しました。
また、東京都は国に対して温室効果ガスの中長期的な削減目標を早期に策定するよう要望を出していることも懇談の中でわかりました。
東京電力との懇談ではCO2排出総量の削減目標をもってほしいことや原子力発電所の安全性の問題、オール電化は本当に「エコ」なのか、再生可能エネルギーの導入をすすめてほしいこと、来年1月からの電気料金の値上げについて、物価の高騰で消費者は大変であり電気料金が公共的な性格をもつことを伝え、値上げをやめてほしいと要望しました。
□ □ ■
二つの懇談を通じて、地球温暖化を防止していくためには、自治体や都民、NGO、企業との協力が不可欠だと実感しました。今年8月に新婦人も実行委員団体として参加する「メイク・ザ・ルール」キャンペーンがスタートしています。CO2削減の中長期目標を定める、削減をすすめる社会的な仕組みをつくることを目標にしたこの取り組みに、地域に根をはる新婦人として大きな役割を発揮していきたいと思います。
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生かされない阪神・淡路大震災の教訓
検証―第1回「東京都震災対策」
08年2月に出された地震に関する地域危険度測定調査報告書により建物倒壊危険度東京都第1位とされている墨田区京島2丁目。路地は住民により大切に管理されており清潔である=墨田区京島2丁目界隈
東京都は、3月31日に、「東京都震災対策事業計画 平成20年度〜22年度」を発表しました。この「震災対策事業計画」は、東京都震災対策条例に基づく事業計画であり、2007年5月に発表された「東京都地域防災計画」で設定された減災目標達成に向けた事業を計画化したものとされています。2007年5月に発表された「東京都地域防災計画」は、「首都直下地震による被害想定」、阪神・淡路大震災、及び都民・都議会などの提言を可能な限り反映し、策定したとされており、「震災対策事業計画」は、都における現時点での震災対策の全体像を示したものということができます。
しかし、「震災対策事業計画」をはじめとした東京都の震災対策は国と都の都市再生巨大プロジェクト優先・都民不在の震災対策であるという重大な問題点を持っています。「耐震事業計画」は住宅の耐震化の目標を「2015年度(10年以内)までに都内住宅の90%以上を耐震化する」ことに置いています。
東京都の「木造住宅の耐震化のための助成制度」は、2006年度にやっと新規事業として始まりましたが、助成対象がきわめて限定されており、助成額も低く実績は上がっていません。改修の実績は初年度である2006年度が22件、2007年度は47件にすぎず、事実上まったく機能していません。
世界で初めて成熟した大都市で起こった大地震といわれる阪神・淡路大震災の死者のほとんどが住宅の倒壊が原因であったことが明らかにされています。しかし、家屋の倒壊を防ぐことが緊急課題であるとする阪神・淡路大震災の教訓は、残念ながら都の「震災対策事業計画」に生かされているとは言えません。都の現状は住宅耐震化目標達成は自助努力による建て替えと耐震改修にゆだねられていると言っても過言ではありません。国や都はなぜ「木造住宅の耐震化のための助成制度」に消極的なのでしょうか。
都市形成における負の遺産と規定
東京都は2001年5月に発表された「震災復興グランドデザイン」において、「木造密集地域の存在」を「東京の防災面での最大の課題」であり、「東京の都市形成における負の遺産」と規定し、「こうした地域は、災害時に大規模被災を受ける可能性が極めて高く、復興に際し、再び被災を繰り返さないために木造密集地域の解消を視野に入れた抜本的都市改造を強力に推進することが必要である」との見解を示しています。
この見解の異常さは、首都直下地震で木造密集地域において大規模災害が起こることを前提とし、木造密集地域の大規模災害を抜本的都市改造の絶好の機会とする見解であることです。
この立場からは耐震補強工事が進み首都直下地震後にも木造密集地域が広範に残る状況は、「抜本的都市改造を強力に推進する」ために好ましくないこととなります。大規模開発への願望が都民のいのちの尊さを見えなくさせているのでしょうか。【亀井澄男・東京自治労連特別執行委員】
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青い空
2代続けて1年で政権を投げ出した自民党が、メディアを巻き込んで5人組のパフォーマンスを展開し、吉田茂元首相の孫・麻生太郎が首相になった▼《「バカヤロウ」までは言うなと茂祖父》(朝日川柳)とたしなめられたが、所信表明演説で「国権の最高機関による指名、かしこくも、御名御璽をいただき、第92代内閣総理大臣に就任いたしました」と始まった。「かしこくも」とへりくだり、「御名御璽」という公文書に記される天皇の署名と公印を持ち出した。《臣茂孫も負けじと御名御璽》。吉田元首相は1952年、元天皇の立太子礼(皇太子就任の式)のとき、「臣茂」と書き批判された。主権在民をわきまえず、まだ天皇の臣下なのかと▼麻生首相を石原知事は「前の首相や民主党の党首と違って自分の言葉を持っている。政治家は自分の言葉で喋らないとね」と大歓迎。「自分の言葉」が「自分勝手の言葉」では困る。16年五輪の開催都市決定まであと一年となった10月2日、東京招致委がイベントを開いた。石原知事は「五輪は3兆円儲かる。経済効果がある」など言いたい放題▼いま求められているのは「自分の言葉」よりも、まずは「国民の声」に耳を傾け、「国民の目線」でとらえることではないだろうか。(高)
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