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都民がつくる革新都政
会の機関紙「都民がつくる革新都政」2007年9月15日発行
石原都政世論調査
都政への要望トップは「福祉充実」
都知事は都民の声に耳傾け
「公約」を実現せよ!

 9月19日から開かれる第3定例都議会では、都民多数の声に耳を傾け、石原知事が都知事選での公約を真剣に実現するかどうかが問われています。
 
IMAGE  「毎日」(8月10日付)が報じた都民世論調査によると、3期目を迎えた石原都政に、最優先してほしい課題に「福祉の充実」をあげた都民が44%でトップ。築地市場の豊洲地区への移転は「反対」が約70%に達し、移転先の土壌汚染がみつかり「食の安全」面から議論になっており、都民の理解が得られていない実態が浮き彫りに。2016年夏季オリンピックの招致は、「やめるべきだ」が半数で、「進めるべき」(47%)をわずかに上回っています。
  一方、4月の都知事選挙では石原候補が「都民の目線による医療と福祉」を公約。3月には、低所得者を対象にした個人都民税(住民税)軽減を公約しました。しかし、9月7日、この「個人都民税(住民税)」を実施しないことを発表しました。軽減策提案の根拠となった、国の「歪んだ税制」は是正されておらず、住民税の一律10%化も撤回されていません。都民は軽減対策を歓迎しており、軽減対策を断念しなければならない理由はどこにも見あたりません。
  今年5月実施の都政モニターアンケートで、都政の満足度では、「不満」「どちらかといえば不満」の合計が昨年度に比べ8・2そ増え、48・6%となり、「都政に親しみを感じない」と答えた人も6・9そ増の43・1%に。また、「過去1年間の都政の中で関心を抱いた出来事・施策については、「知事交際費・海外出張の透明性の向上」と答えた人が50%でトップとなっています。
  こうしたもとで、9月の10日から6日間、海岸の浸食状況やマングローブの植林、環礁の視察を理由に、ツバル・フィジー諸島の出張計画を発表。今回の費用は1550万円で、「エコ・ツーリズム」名目で豪華クルージングをおこなって都民の批判を浴びた2001年6月ガラパゴス諸島の出張(11日間、8人で費用1444万円)と比べても割高となっています。
  今回の出張について、東京都は「地球温暖化の影響で深刻な影響を受けているツバル・フィジーを視察し、気候変動の政策作りに役立てたい」と説明。しかし、「(現地では)研究者の話を聞くことは考えていない」としています。地球温暖化問題を研究するというなら、「高層ビルの林立で深刻化している東京のヒートアイランド現象」をどうするのかこそ、優先すべきではないでしょうか。
 
唐突なオリンピック招致でなく
スポーツを人権に!
PHOT
オリンピックメインスタジアム建設予定地(真ん中のアスファルトの部分と野球場を囲むネットフェンスのあたり)=汐留の高層ビルから撮影
   いま、都民スポーツ要求は、多様に広がっています。例えば、新日本スポーツ連盟では、男女ミックス形式のバレーボール大会が盛んに行われており、「新鮮でおもしろい」と大変好評です。このミックスバレーボールのように、多様に広がる要求にもっと応えたいと思っても、人口あたりのスポーツ施設が全国最低水準の東京都では、施設確保ができないことが最大の障害となっています。また、既存の施設の老朽化も深刻な問題となっています。
  私たちは、都に対して、早急に都民の要望に応える施設の整備計画を策定することを求めていますが、都は、これまでの私たちの施設整備要求には、いまだに「財政難」と言ってはばからず、冷たい姿勢を変えようとしていません。
  ところで、この間の2016年のオリンピック競技大会の東京招致に関連した動きの中で、「悪い意味で」私たちが注目していることの一つに、昨年12月に発表された都の長期計画である「10年後の東京」などに示された「競技力向上施策」があります。
  例えば、行政主導でジュニア層の競技力向上を推進するために、スポーツ専門の中高一貫校を設立し、メダルが狙えそうな種目に絞って競技力向上を図ろうとする展開を進めようとしています。また、都内の自主的なスポーツクラブや関係者などについても、「ボランティア機運を醸成する」とし、都が進めようとしている「オリンピック招致行政」に協力させる体制を作り上げようとしています。

都民のスポーツ要求実現のために
IMAGE  前述の都民スポーツのための施設整備に対する姿勢と見比べると、現在の都政には「都民のスポーツ要求実現のために、都が力を発揮する」のではなく、「都の要求実現のために、都民が協力する」という逆転現象が現れているのが見てとれます。
  財政的にも、当初、都はオリンピック招致に関する都の負担は500億円としていました。ところが、国が建設することを当て込んでいたメインスタジアム建設を、国に断られると、すぐに都が建設する方針に変更するなど、ずさんな計画をなりふり構わず進めようとする中で、今後どのような計画変更がおこり、いったいいくらかかるのか、まだ誰もわからないという状況です。
  「オリンピック」というなら、唐突な競技大会招致ではなく、スポーツは人権であることなどをうたったオリンピック憲章の精神を実現するオリンピック運動に、真摯に取り組むのが本来あるべき姿です。
  私たちは、そうした姿勢こそが、現在の都民要求にも応える都政の実現に必要であると考えています。【新日本スポーツ連盟東京都連盟・事務局長 井上 宣】
 
逆立ち税制 「税苦」の国民
この6年 庶民5兆円増
大企業・大資産化4兆円増

  今年も6月から住民税大幅増税の通知が届き、昨年以上に大きな怒りがおきました。
 原因は、定率減税の廃止と所得税の一部住民税に移されたためです。定率減税は、8年前、景気対策のため恒久的減税として実施。政府は「景気が回復した」として定率減税廃止を強行。景気がいいのは一部の大企業だけ、庶民のフトコロはさっぱりです。
  しかも、庶民の定率減税は廃止しながら、8年前いっしょに減税した大企業と高額所得者向けの減税はそのままです。この6年、庶民は5兆円におよぶ増税、一方、大企業・資産家は4兆円の減税、まさに庶民の増税分がそっくり大企業・資産家の減税に回っているという「税苦」の状態がつくりだされています。
  消費税導入19年、国民が消費税で取られた分は188兆円、企業の税金が減った分は159兆円、庶民から取り上げた増税は、そっくりそのまま大企業の減税にまわされました。
  消費税は、「高齢化社会のため」といって導入され、実施後に医療費の負担は1割が3割に、介護保険の導入、国民年金の掛け金は7千700円が1万3300円になるなど、国民の負担が増えました。また、老齢厚生年金の支給開始も60歳から65歳となり、負担は増えたのに受給は下がるなど、社会保障の「改悪」がつづいています。(図)
  「年金財源のため」などといいだし、定率減税の廃止などの増税を行い、その上に、消費税増税という動きがあります。消費税は、だれもが同じ税率で、所得が少ない人ほど負担が重くなる不公平な税金です。生計費非課税と所得に応じて負担する「応能負担」の原則をうたった憲法の基本精神に反するものです。
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被爆体験から生まれた
憲法9条を守ることを誓った
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原水禁世界大会開会総会で東京を代表し発言する平田誓(豊島原水協)さん=広島市
  世界から4カ国の政府代表を含む22カ国100名を超える代表が参加した原水爆禁止世界大会の参加者の半数は青年であり若々しい大会でした。大会参加者は東京の812名を含む9千名(広島に2千名、長崎に7千名)でした。
  今年の大会参加者は「どうしたら核兵器はなくせるか」との問いと併せて「憲法9条はどうしたら守れるのかを知りたい」との思いで参加した人が多くいました。この問いに韓国の代表は「日本型憲法9条を韓国につくりたい」と応え、他の海外代表も憲法9条を守る運動への熱い連帯を示しました。このことを受け世界大会の国際宣言は「日本の憲法改定の動きに我々は深く懸念する」とし、「日本国民の憲法9条を守り、非核・平和の日本をめざす運動に連帯を表明する」と内外に宣言しました。
  東京の学生の大会参加者は「日本は広島・長崎という悲惨な経験を経て、やっと憲法9条という平和の決意を手にしました。多くの学生に呼びかけ『ピースナイト9』を11月16日に早稲田大学で行います」と核兵器なくせと結び付け9条運動をすすめています。
東京では「非核自治体宣言」を行っているのは東京都及び49市区町村です。この20数年前の反核平和の運動がつくりあげた「宣言」を再び各自治体で住民のものにする運動がいまもとめられています。
  エジプトの世界大会代表が言いました。「被爆国日本が動けば世界は動く。だが日本が黙れば世界は黙る」と日本そして東京の反核平和運動の出番です。【原水爆禁止東京協議会・事務局長石村 和弘】
 
職安前アンケート=回答者の声
再就職、住民税の緩和、失業給付の延長・引き上げの順
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ハローワークまでアンケート協力求める人たち=渋谷区
  東京地評の援助でつくられたNPO法人「働きたいみんなのネットワーク」と、共同し職安(ハローワーク)前で「働きたい」みなさんのアンケート活動をはじめて8回目になります。はじめたころは失業率5%を超え、どの職安も人でいっぱいでした。
  一昨年あたりから、国も東京都も失業率が大幅に低下し雇用情勢は改善したかのようにいいますが、労働者の実態は働いてもまともな生活ができない人が増え続け、「貧困と格差」が大きな社会問題になっています。
  今年の取り組みは5月から始まり、アンケート500枚の回収目標に、8月末現在390枚を回収。
  回答者は3〜4割が20代、30代の人で、青年と女性の非正規労働者が増えていることがこの結果からも伺えます。職安に来た理由は半数が失業手当の受け取りです。朝の8時半から12時近くまでの活動で一番感じることは、職安に来る人が大幅に減ったことです。考えられることは、雇用保険法の大改悪が2001年から始まり、倒産・解雇以外の離職で失業した場合にもらえる失業手当は10年未満でわずか90日、20年以上でも150日しかないため職安に足を運ぶ回数が大幅に減ったこと。また、求人は非正規労働者が多くパート、アルバイトの仕事なら職安に来なくても無料で配布されている就職情報誌や派遣会社に登録で間に合っていることなどが考えられます。
  回答者が切実に求めているトップ3は、1番が再就職、2番が住民税の緩和、3番が失業給付の延長、水準の引き上げです。
  東京都の2006年1年間の1ヶ月平均失業者は28万6千人に及びます。不安定雇用の非正規労働者(労働者の3分の1以上)と失業者、半失業者、不安定雇用の人が200万人以上にもなります。これが東京都の労働事情ですから全くお寒い状態です。
  東京都が失業者、就職困難者に対して教育・訓練、仕事づくり、仕事の紹介を本気でやろうとするならば、お金も能力も充分あるでしょう。失業者を作らない、まともに働いたら生活ができる。こうした当たり前の都政に早くしたいものです。【建交労東京都本部書記長・岩山真一】
 
写真ニュース
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原水禁世界大会開会総会で東京を代表し発言する平田誓(豊島原水協)さん=広島市
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ハローワークまでアンケート協力求める人たち=渋谷区
 
青い空
 9月に入り虫の音がにぎやかになり、秋らしくなってきた▼参議選挙で自民党歴史的な敗北。「戦後体制からの脱却」路線にノーの審判を下した。安倍首相は、「改革」路線は支持されたと総理の椅子にしがみついて内閣改造▼改造後の世論調査で「美しい国」づくりは、「国民感覚から離れており、もはや捨てるべき」が58%、「しばらく見合わせ国民の反応を見るべき」が21%、合わせて8割が、「美しい国」にノー。国民の冷ややかな視線が読めない安倍首相▼都政でも、トップダウンで進めてきた「新銀行東京」、「三宅島での公道オートレース」「築地市場の移転」など行き詰っているのに見直そうとしない石原知事。今までトップダウンで決めてきた重点事業。来年度予算に向けての重点事業は決められていない。「10年後の東京」が基本に▼都営住宅の新規建設をやめてから久しい。23区の議長会は、来年度予算・施策要望書で「公営住宅の入居希望者が多い。困窮している低所得者や高齢者のための公営住宅建設促進」を要望▼貧困と格差の拡大は大都市ほど進んでいる。知事選の中で都民が選んだ重視して欲しい施策は高齢者や福祉・医療の充実。都民の目線で予算も見て欲しいものだ。(昭)
 
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