年収500万円未満の都内世帯の割合が、2006年度は50・9%と5割を超え、5年前より13・1ポイント増加したことが、東京都の「福祉保健基礎調査」で分かりました(グラフ参照)。 同調査は、1981年度から5年ごとに行っているもので、年収5百万円未満世帯が5割を超えたのは初めて。また、年収3百万円未満の世帯についても9・3ポイント増の27・2%と3割近くにのぼり、貧富の格差が拡大するなかで、都内にも低所得者層が増加していることが浮き彫りになりました。 一方、5百万円‐1千万円未満は30・7%(前回比1ポイント増)、1千万円以上は13・1%(同4・9ポイント減)でした。 主な世帯収入の種類で、前回より伸びたのは「年金・恩給」26%(前回比7・4ポイント増)と、生活保護2%(同0・7ポイント増)でした。賃金・給料は57・8%と前回比で4・9ポイント減となっています。 子ども(18歳未満)のいる世帯の割合は23・1%で、このうち「ひとり親を含む世帯」の割合が10・3%と、前回比1・1ポイント増えました。 高齢者がいる世帯は40・3%となっており、「ひとりぐらし」の世帯は11・1%と一番高く、次いで夫婦ともに65歳以上である「高齢者夫婦のみ」10・3%となっています。 乳幼児のいる世帯の1ヶ月の育児費用は「3〜4万円未満」(16%)が最多。子育て支援については「保育サービス」(時間外保育・病児保育など)が50・7%、「医療体制の充実」(小児・母子医療)50・3%と、保育サービス、医療体制充実をあげる人が2人に1人となっています。 先の都知事選挙で掲げた「福祉・子育て・くらし充実‐緊急4ヵ年プラン」(吉田万三プラン)の実現の必要性がこの基礎調査の内容からも大いに裏付けられています。 調査は、都内に居住する住民基本台帳から無作為に抽出した6千世帯と20歳以上の世帯員を対象に行い、回答が得られた3775世帯(回収率62・9%)と6996人の世帯員の回答をまとめたものです。