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都民がつくる革新都政
会の機関紙「都民がつくる革新都政」2007年6月15日発行
高齢者を襲う「貧困」と「孤独」
高齢者生活実態調査で明らかに

 2006昨年10〜11月、都内在宅の65歳以上の高齢者2000人を対象に『高齢者・介護・生活実態調査』を行いました。
  調査で明らかになったことの第1は「貧困」です。
  年収10万円以下が全体の4割で、特に女性は5割と高く、「収入ゼロ」も6・6%でした。4割の人が、経済的に「やや苦しい」「大変苦しい」と答えています。特に、ここ4〜5年の暮らし向きについては5割が「やや苦しくなった」「大変苦しくなった」と、06年の税制改定などの影響で、3割が「生活費をきりつめる」「貯金を取り崩し」「借金をしている」などのやりくりをしています。生活費を切り詰めている順は、(1)被服履物費、(2)食費、(3)教養娯楽費、(4)交際費で、食費まで切り詰めざるを得ない深刻な実態があります。
  健康状態は、10人に1人12・4%が「良くない」と答え、「あまり良くない」32・7%と合わせると2人に一人が不調を訴え、低所得者ほど健康状態がよくない実態も明らかになっています。
  健康上の理由による日常生活の支障を感じている人は多く、9割(88%)が医療機関に通院しています。2人に一人が医療や介護の支払いに対する負担感を訴えています。
  第2は「孤独」です。3割の高齢者が外出を「殆どしない」・「全くしない」という状況です。その理由にあげられているのが(1)身体の具合が悪いのが他の理由を抜いて一番高く、その次に(2)道が悪い等外出しにくい事情、(3)行くところがない、(4)連れて行ってくれる人がいないと並び、(5)外に出かけると金がかかるという理由でした。4割の人が近所の人とのつきあいは、「ない」か「あいさつ程度」です。一方、6割を越す人が「心配ごとがある」のに10人に一人が相談相手がいません。8割を越す人が「将来に対する不安」を持つ状況をみると、高齢者の孤立は深刻です。特に、ひとり暮らしの7割が「心配ごとがある」のに、男性の4人に一人が相談相手が「いない」という現実は深刻です。特に08年4月から開始される「後期高齢者医療保険制度」の対象者となる75歳以上についてみると、その6割が「ひとり暮らし」か「夫婦にのみ」の老老世帯でした。そして、6割が健康上の理由による日常生活の支障が「ある」と答えています。
  「『今はいいけれど、自分の身に何か起きたらひとりでできなくなると不安だ」(79歳男性)とめったに人に話さないことを話してくれたことに胸が熱くなった』と訪問した職員は語っています。【東京民主医療機関連合会・事務局次長 前沢淑子】

グラフ:支出を切りつめている項目(上位4つ)
 
 
東京中どこに住んでも中学3年までの医療費負担ゼロに
新婦人本部要請
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都知事と福祉保健局要請を取り組む新婦人都本部の代表「中学3年までの医療費負担ゼロに」と、福祉保健局に要請手渡す代表=07年6月12日、都福祉保健局
 新日本婦人の会東京都本部は、6月12日、「東京中、どこにすんでも中学三年生までの医療費負担をゼロにしてほしい」と、8支部15名で都知事・福祉保健局要請をおこないました。「所得格差の是正をはかりつつ、中学校三年生までの医療費負担をゼロにします」という石原都知事の公約の実現をせまるアクションとしておこなわれたものです。
  福祉保健局要請では「先日、子どもが病気のときタクシーで病院に駆け込んだ。医療費が無料で助かっている。中三まで金銭的なことを気にせず、病院にかかれるような地域社会をつくってほしい」「23区と三多摩の格差をなくしてほしい」「子どもは宝という立場で所得制限を撤廃してほしい」と子育て中の会員から切実な声が伝えられました。
並行しておこなわれた都知事要請では「知事の公約なので、担当部局で鋭意検討します」と回答がありました。23区では大半の自治体で中学校三年生までの医療費の無料化が実現している一方、市町村では奥多摩町、日の出町、御蔵島村、利島村を除いては就学前までの無料にとどまっています。そして半数近い自治体で所得制限があります。
  東京都は、今年10月から中学校三年生までの医療費の自己負担三割のうち、一割を助成する制度を実施します。この制度をさらに拡充していくために、引き続き運動をすすめていきます。
 
都知事選で共感広がった吉田万三さん
福祉・子育て・くらし充実 緊急4ヵ年プラン
老後の安心
<医療費の支援>
○都独自の高齢者医療費助成を実施します
  65〜69歳の高齢者への医療費1割助成を直ちに実施。さらに70歳以上の高齢者の医療費助成を検討します。
<在宅介護も施設介護も充実>
○「寝たきり高齢者手当」を創設します
  2003年に廃止された老人福祉手当にかわる「寝たきり高齢者手当」を月1万円からスタートします。
○介護保険料を値下げし、利用料減免を拡充します
  区市町村に対する都の補助制度を創設し、介護保険の保険料を値下げするとともに、利用料減免を拡充します。

子育て支援・少子化の対応
<子育て安心医療>
○中学3年までの医療費無料化(所得制限なし)を直ちに実施します
  都が来年度からスタートする小中学生の医療費助成は医療費1割分の助成で所得制限もある不十分なものです。所得制限なしで、中学3年生まですべての子どもの医療費を無料化します。
○妊婦健診を無料化します
○都立病院の廃止を中止し、小児科・産科の医療体制を強化します
<くらしを応援する>
○「緊急生活応援手当」を創設します
○国民健康保険料(税)を値下げします

PHOTO 都知事選後、初めての都議会定例会開催の当日、開会日行動を取り組みました。朝は革新都政の会が都庁前での宣伝、昼には都民連などによる都庁前行動が取り組まれました。=07年6月12日、都庁前宣伝
 
築地で営業続けたいが9割
東京中央市場労働組合が青果業者にアンケート
築地市場移転ストップ!
土壌汚染、食品は扱えない

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都知事選のなか、築地市場移転問題で市場を視察する吉田万三候補と小竹都議会議員(共産党)=07年3月27日、築地市場内
グラフ:青果卸業者の9割が築地を望む
  全国一般東京地本・東京中央市場労働組合が、5月16日から5日間かけて、築地市場内の110事業所を対象にアンケート調査を行いました。101の事業所から回答が寄せられました。
  アンケートの結果、東京都が進める築地市場(中央区)の江東区豊洲への移転計画に対して、同市場内の青果仲卸業者の9割が、築地での営業継続を望んでいることがわかりました。
  築地市場と豊洲新市場のどちらで営業したいかとの問いに、「絶対に築地」が54人、「できれば築地」が39人で、92%が築地と回答。一方、「できれば豊洲」は5人、「絶対に豊洲」は2人で、豊洲での営業を希望したのは7%にとどまりました。
  築地で営業を続けたいと回答した理由(複数回答)、「築地市場のほうが立地条件がよく、豊洲ではお客がこなくなる」が78人と最多で、以下「築地の知名度とブランドは財産」71人、「豊洲新市場は土壌汚染など安全に問題がある」65人、「築地市場は十分に現在地整備できる」59人、「豊洲移転は、中傷・零細つぶしだ」42人‐の順。
  都が築地市場の移転計画を進める上で、事業者の意見が反映されていると感じるかとの質問には、78人が「反映されていない」と回答。今後の移転計画の扱いについて、「白紙に戻し議論する必要がある」が48人でトップ、続いて「即時、計画を撤回すべきだ」が39人で、「見直す必要はない」の8人を大きく上回っています。
  石原知事は、2001年に築地市場を東京ガス豊洲工場跡地へ移転する方針を決定しましたが、移転予定地の土壌は、環境基準を大きく超えるベンゼンやシアン、ヒ素、六価クロムなどの有害物質で汚染されていることが判明し、市場関係者や都民から移転反対の声があがっています。
 
オリンピック・メインスタジアム 晴海に決めたが――

 3期目に入った石原都政。6月定例都議会が12日から始まりました。オリンピック招致や築地市場移転問題、選挙中の公約の実現などで波乱含みです。
  招致計画の要(かなめ)のメインスタジアム建設計画が、晴海か代々木かで国と綱引きが行われていましたが、IOCへの正式立候補締め切りを3ヵ月後に控え、さる5月22日の東京オリンピック招致委員会総会で晴海に正式決定しました。
  しかし、「都内に二つの国立競技場はいらない」とする国の主張を覆すことができず、都立施設として建設することになります。このため国のカネをあてにしていた当初の財政計画は早くも破たん、その批判を逸らすため晴海決定後の記者会見で石原知事は、「PFI事業として整備するから都の負担は心配ない」と述べています。
  PFIとは、「公共施設の建設、維持管理、運営に民間の資金などを活用する新しい手法」といわれていますが、財界の後押しで導入されたものです。民間資金活用というものの、建設時の「立替払い」に過ぎず、10年20年と建設費や管理運営費はズッシリと都財政に重石となってかかってくるのです。建設費は1千億円と発表されていますが、管理運営費を含めて後々都民に押し付けられます。

 
強まる改憲の動きと教育支配 根っこはひとつ
 安倍首相は、自分の政権で憲法を変えると公言し、自民党新憲法草案がそのもとになるとくり返し述べています。いま、こうした安倍首相の急激な改憲の動きを、国民の多くが心配し、不安をつのらせています。
  強まる改憲の動きと連動して、安倍首相は今の国会で、改悪教育基本法を実行するために、三つの大切な法律、学校教育法・教員免許法・地方教育行政法を変えようとしています。
  教育改悪三法案の中身と問題点は表の通りです。
  いま子どもと教育に必要なことは、勉強が分かるまで教えてもらえるようクラスの人数を減らしたり、都立高校の受け入れ人数を増やすなど、どの子も人間として大切に育てる教育をすすめることです。決して子どもを国が決めた鋳型にはめ込んだり、学校をギリギリと管理したり、教職員を脅して「右むけ右」にすることではありません。教育三法案を改定するねらいは、国が子どもや教育を思い通りに支配することです。
  強まる改憲の動きと教育支配。根っこは一つです。【都教組・教文部長滝沢孝一】
 
写真ニュース
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石原都政3期目で初めての都議会定例会を前に、革新都政の会と都民連が「都民要求実現をめざす集会」を開催【07年6月8日】
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「国民投票法」=改憲手続法が成立し、今後、改憲派と護憲派のどちらが国民世論を獲得するか大事な段階に、世論に訴える取組を行った憲法東京共同センター【07年6月8日】
 
青い空
 「政府は、責任もてるのかね」年金について区役所の職員と話をした事がある。その時は、財源がもつのかという話であった▼消えた年金記録5千万件、さらに所在不明の年金記録1千4百30万件など基礎年金番号に未統合の数は膨れ上がっている▼市場経済に移行した国の「年金の権威者」に話を聞いた事がある。新しい年金制度をつくり苦労している中での話。年金給付額を抑制するため、物価スライド反映分を半分にした。驚いたのは、「これで数年後には給付額の価値がだいぶ下がります」との発言。当時は二桁の高インフレ時代であった。政府に任せているとトンデモナイ事になる。消えた年金20兆円以上。まさに国家による詐欺だ。さらに本人に証明しろとは、この国もひどい国だ▼財政破綻した夕張市。国のエネルギー政策変更の後始末を押し付けられる。リゾート法で進出した企業の破綻の後始末もさせられる。挙句には地方交付税の削減で破綻。その責任を押し付けられる、自治体負担は住民負担に。住民の批判を自治体に向けさせ、政権維持を計る。この国の政府も油断ならない▼消えた年金の責任は政府にとってもらわないと困る。国の責任まで、分割・民営化して消し去ることは許されない。(昭)
「消えた年金」国のオレオレ詐欺
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