2006昨年10〜11月、都内在宅の65歳以上の高齢者2000人を対象に『高齢者・介護・生活実態調査』を行いました。 調査で明らかになったことの第1は「貧困」です。 年収10万円以下が全体の4割で、特に女性は5割と高く、「収入ゼロ」も6・6%でした。4割の人が、経済的に「やや苦しい」「大変苦しい」と答えています。特に、ここ4〜5年の暮らし向きについては5割が「やや苦しくなった」「大変苦しくなった」と、06年の税制改定などの影響で、3割が「生活費をきりつめる」「貯金を取り崩し」「借金をしている」などのやりくりをしています。生活費を切り詰めている順は、(1)被服履物費、(2)食費、(3)教養娯楽費、(4)交際費で、食費まで切り詰めざるを得ない深刻な実態があります。 健康状態は、10人に1人12・4%が「良くない」と答え、「あまり良くない」32・7%と合わせると2人に一人が不調を訴え、低所得者ほど健康状態がよくない実態も明らかになっています。 健康上の理由による日常生活の支障を感じている人は多く、9割(88%)が医療機関に通院しています。2人に一人が医療や介護の支払いに対する負担感を訴えています。 第2は「孤独」です。3割の高齢者が外出を「殆どしない」・「全くしない」という状況です。その理由にあげられているのが(1)身体の具合が悪いのが他の理由を抜いて一番高く、その次に(2)道が悪い等外出しにくい事情、(3)行くところがない、(4)連れて行ってくれる人がいないと並び、(5)外に出かけると金がかかるという理由でした。4割の人が近所の人とのつきあいは、「ない」か「あいさつ程度」です。一方、6割を越す人が「心配ごとがある」のに10人に一人が相談相手がいません。8割を越す人が「将来に対する不安」を持つ状況をみると、高齢者の孤立は深刻です。特に、ひとり暮らしの7割が「心配ごとがある」のに、男性の4人に一人が相談相手が「いない」という現実は深刻です。特に08年4月から開始される「後期高齢者医療保険制度」の対象者となる75歳以上についてみると、その6割が「ひとり暮らし」か「夫婦にのみ」の老老世帯でした。そして、6割が健康上の理由による日常生活の支障が「ある」と答えています。 「『今はいいけれど、自分の身に何か起きたらひとりでできなくなると不安だ」(79歳男性)とめったに人に話さないことを話してくれたことに胸が熱くなった』と訪問した職員は語っています。【東京民主医療機関連合会・事務局次長 前沢淑子】
子育て支援・少子化の対応 <子育て安心医療> ○中学3年までの医療費無料化(所得制限なし)を直ちに実施します 都が来年度からスタートする小中学生の医療費助成は医療費1割分の助成で所得制限もある不十分なものです。所得制限なしで、中学3年生まですべての子どもの医療費を無料化します。○妊婦健診を無料化します ○都立病院の廃止を中止し、小児科・産科の医療体制を強化します <くらしを応援する> ○「緊急生活応援手当」を創設します ○国民健康保険料(税)を値下げします
3期目に入った石原都政。6月定例都議会が12日から始まりました。オリンピック招致や築地市場移転問題、選挙中の公約の実現などで波乱含みです。 招致計画の要(かなめ)のメインスタジアム建設計画が、晴海か代々木かで国と綱引きが行われていましたが、IOCへの正式立候補締め切りを3ヵ月後に控え、さる5月22日の東京オリンピック招致委員会総会で晴海に正式決定しました。 しかし、「都内に二つの国立競技場はいらない」とする国の主張を覆すことができず、都立施設として建設することになります。このため国のカネをあてにしていた当初の財政計画は早くも破たん、その批判を逸らすため晴海決定後の記者会見で石原知事は、「PFI事業として整備するから都の負担は心配ない」と述べています。 PFIとは、「公共施設の建設、維持管理、運営に民間の資金などを活用する新しい手法」といわれていますが、財界の後押しで導入されたものです。民間資金活用というものの、建設時の「立替払い」に過ぎず、10年20年と建設費や管理運営費はズッシリと都財政に重石となってかかってくるのです。建設費は1千億円と発表されていますが、管理運営費を含めて後々都民に押し付けられます。