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会の機関紙「都民がつくる革新都政」2007年11月15日発行 |
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「財源は消費税を上げるしかない」。生活保護、年金、医療などの改善を求める国民の声が上がると、政府・与党から必ず返ってくる言葉です。
「社会保障の給付を維持するなら、いままで以上の負担をお願いしなければならない。負担を維持するなら、社会保障給付のカットをお願いしなければならない」。福田康夫首相は、10月17日の経済財政諮問会議でこう語りました。
消費税は最大17%に引き上げることが必要と庶民を脅し、大企業減税はもっとやれと政府に迫る‐日本経団連会長の御手洗富士夫(キャノン会長)ら民間議員四氏は、17日の経済財政諮問会議に、2011年度に最大で6・6兆円の増税が必要となり、25年度には最大31兆円の増税が必要になるとの試算を示しました。
一方、日本経団連は08年度税制「改正」提言で、地方税を含めた法人実効税率を現行の約40%から30%に引き下げることを主張。また、10%に引き下げられている上場株の譲渡益・配当の軽減税率(本則20%)をさらに延長するよう求めています。
日本企業の税と社会保険料の負担は、国内総生産(GDP)比でみると、日本はフランスの6割(経済産業省の資料・図1)にすぎません。
経済産業省の委託調査「公的負担と企業行動に関するアンケート調査」(図2)によると、生産拠点の海外移転を計画している企業の理由(複数選択)は「労働コスト」がトップで、「税負担・社会保険料負担」は5番目でした。“企業に負担を求めると海外に逃げる”という宣伝に根拠がないことを裏付けています。
一方、海外に進出している企業に、仮に法人実効税率が30%程度まで引き下げられた場合、「国内回帰を検討するか」と聞いたところ、「検討しない」が7割になっています。
利益は最高なのに減税
05年に5千万円を上回る申告所得があった富裕層の所得税負担率が、所得が3千万円超5千万円以下の層より低くなりました。逆転は10年ぶり。03年から上場株の売却益や配当への税率が軽減されており、株価上昇に伴う恩恵が富裕層にもたらされたとみられ、税の所得再配分機能が低下しているといえる現象となっています。
97年度からの9年間で、大企業(資本金10億円以上)の経常利益は15兆円1千億円から32兆8千億円へ2・2倍になりました。
一方、同じ時期に大企業が納めた税金は12兆1千億円から13兆7千億円へと、ほとんどのびていません。
この時期、株主への配当金は3兆1千億円から12兆円へ3・9倍。法人税率の大幅引き下げなど大企業・大資産家に合計7兆円規模の大減税となっています。
財源を考える
二つの「聖域」=軍事費・大企業減税にメスを
財源問題の最も大きな問題「二つの聖域」=軍事費と大企業減税=にメスを入れる姿勢がまるでないことです。
年間5兆円規模の軍事費は、11年度までは「名目伸び率ゼロ以下」(政府の「骨太の方針2006」)が方針。要するに5兆円規模は維持するということです。米軍再編経費については「検討し、必要な措置を講じる」(同)と別枠扱いです。(アメリカへの「思いやり予算」は29年間で5兆円)
「聖域」にメスをと、日本共産党の志位和夫委員長が衆院本会議(10月4日)で指摘。また、「大企業からの税金まけてやっている。そういうことのなかに財源求めないで、財源というとすぐ大衆課税の消費税ということは、考えないかん」(NHK討論会・国民新党・亀井静香代表代行)「聖域なき予算組み直し」を主張(ジャーナリスト・鳥越俊太郎氏)。「防衛予算4兆8千億円。聖域としないで議論する必要がある。F22戦闘機(1機)2千億円。15機ぐらい買うのをやめれば…。そういう議論はすべきだ」(テレビ朝日系報道ステーション)
貧困と格差に苦しむ国民のために必要な予算をつくるには、税金のムダ遣いだけでなく、「聖域」財源にも注目すべきです。 |
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「私たちはずーと、築地で頑張ります」と書かれた横断幕=築地場外市場入口 |
東京都が中央卸売市場(中央区築地)の移転を計画している東京ガス工場跡地(江東区豊洲)の土壌汚染問題で、都が設置した土壌汚染対策の専門家会議(座長・平田健正和歌山大学教授)は11月6日、8月に実施した移転予定地の調査で当初の予想を超える地下水の汚染があったとして、約3千ヵ所で詳細な調査を行うことを決めました。
調査では、地下水の水質を調べた56ヵ所のうち、14ヵ所で環境基準(1リットルあたり0・01ミリグラム)を超えるベンゼンが検出され、東京ガスが2001年に行った調査の1千倍もの濃度が検出された個所もありました。また、有害物質のシアンについても56ヵ所中18ヵ所で環境基準(1リットルあたり0・1ミリグラム)を超え、最高8・0ミリグラムが検出され個所もありました。「予想を超える濃度の汚染が他の場所からも見つかる可能性がある」「さらに密度を上げた調査が必要だ」など、追加調査を求める意見が相次ぎ、これまでの30メートル四方ごとの調査に加え、10メートル四方ごとに地下水質と土壌の再調査を行うこと決めました。
平田座長は「調査結果を重く受け止める必要がある。(予定地の)利用の仕方を考えるうえで放置できない」と述べました。
専門家会議を傍聴した「市場を考える会」の代表は「われわれはずっと詳細な調査を求めてきた。ぜひ実行して、豊洲の土壌汚染を明らかにしてほしい」また、「市場は食の安全を担保できるものでなくてはならない。豊洲移転反対のたたかいをこれからも続けていく」と話しています。
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1935年 |
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築地市場開設 |
1991年 |
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再整備工事着工 |
1996年 |
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工事中断、移転案浮上 |
1998年 |
11月 |
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東卸の全組合員の意向調査で移転反対495、移転賛成376 |
1999年 |
4月 |
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石原慎太郎都知事就任 |
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9月 |
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石原知事、築地市場を視察し「古い、狭い、危ない」と発言 |
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11月 |
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都、東京ガスと豊洲移転協議開始 |
2001年 |
1月 |
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東京ガス、豊洲の土壌汚染を公表 |
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7月 |
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都、東京ガスと基本合意 |
2007年 |
5月 |
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都、豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議開催 |
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10月 |
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専門家会議が提案した追加調査の結果、地下水からベンゼンが環境基準の1千倍などの結果が判明 |
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晴海・勝どき「ツインタワーマンション」(192m・60階/2800戸)とオリンピック予定地=晴海客船ターミナルより |
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晴海の国際展示場跡地のオリンピックメインスタジアム予定地 |
臨海副都心開発が始まってまもなく20年になります。いまなお、多くの空き地が残されていたり、開発が進んだ地域や施設もさまざまな矛盾や問題点を抱えています。
これまでの開発を検証し、臨海部の今後のあり方を考えるため、臨海部現地見学ツアーが、「臨海部開発を考える都民連絡会」の主催で、11月10日(土)雨の中行われ、40名が参加しました。
築地・晴海・豊洲 オリンピックメーンスタジアム建設予定地や築地市場移転問題など石原都政の大型開発推進政策のシンボル的地域を見学。
臨海副都心地域 有明清掃工場、共同溝展示館、青海地下駐車場、若洲臨海公園脇の臨海道路橋梁工事などを見学。
他に、中央防波堤埋立地や城南島を見学、最後に汐留の高層ビルから眼下の築地市場等を一望しました。
変貌?する臨海副都心、持株会社設立でますます都民・議会から臨海が遠のきます。都民の監視がますます重要になってきています。
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東京湾臨海道路U期事業の中央防波堤外側埋立地から若洲までの港湾道路整備。海域1.6kmの橋梁工事=若洲臨海公園より |
城南島・大井信号所(1980年7月18日業務開始)、埋め立てからおよそ35年、埋立地の沈下は1.4mにも及んでいる=メジャーで計測・07年11月10日 |
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都民の目に見えないムダ、大江戸温泉の裏にある使われない駐車場=青海南ふ頭公園駐車場 |
臨海副都心青海地区の南端、青海コンテナターミナルとの境に、幅50メートルほどの細長い青海南埠頭公園がある。4・5ヘクタールのこの公園は、1997年4月開園して10年になります。
この公園の「大江戸温泉物語」を前にした辺りの地下に、建設してから一度も使われたことのない駐車場が眠っています。
駐車場の出口には立ち入り禁止のバリケードが並んでいる。駐車スペースは、管理車両2台分を含め218台、敷地面積は約1ヘクタール、建設費は34億円7千万円ということです。
何かのイベントに会場として使われたことはあるそうだが、仕切りの多い構造では使い勝手が悪いだろうし不便で、いまはそういうこともないようである。
ウナギの寝床のような公園に、自動車でわんさと訪れるとでも思ったのだろうか、どういう目論見だったのかわからないが、これこそムダの見本のようなものである。眠っていても管理費はかかるのです。【臨海かわら版・2007年11月9日より】 |
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国民大集会4万2千人
ストップ改憲 政治動かす好機 |
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くらしと平和を守ろうと、全国から集まった10.28国民大集会参加者=10月28日、亀戸中央公園 |
「新テロ特措法案阻止 ストップ改憲!いのちとくらし・雇用守れ」を掲げ、「10・28国民大集会」が、10月28日、東京江東区・亀戸公園で開かれ、全国から4万2千人が参加しました。
会場には、「黙っていたら大増税」のむしろ旗、提灯、「反撃のとき」のプラカードがひるがえりました。
主催者を代表してあいさつした全労連の坂内三夫議長は、「政治がこれだけ動いたことがあるでしょうか」と、運動が政治を動かしていることを強調。「すべての国民が力を合わせ、世の中を揺り動かす壮大な共同行動に立ち上がろう」と訴えました。
集会後、3コースに分かれ、デモ行進しました。 |
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新日本婦人の会東京都本部は、11月7日に行われた「都民生活要求大行動実行委員会」の対都交渉に6名が参加し、中学校三年生までの子どもの医療費無料化や公立小中高校の30人以下学級、全国一斉学力テストの廃止・成績公表の中止などの要求について、その実現をもとめました。
中学校三年生までの子どもの医療費無料化は、石原都知事の選挙公約です。交渉では「公約にもとづいて無料化を実現してほしい」「昨年、中二の子どもが救急で病院にかかったとき、何種類もの検査をする必要があり、もっていった金額で足りるかどうか心配になった。思春期は体もいろいろなことがある。中学校三年生までの無料化は切実です」「23区から稲城市に転居してきた人が、医療費助成制度が貧弱なことにびっくりする。23区と三多摩の格差を解消していってほしい」「23区単独で無料化をしているところも、財政的な負担は大変です。今はアレルギーなど持っている子も多いので、都として制度をつくってほしい」と切実な声がだされました。
局の担当者からは、「都知事とも相談して話し合って、準備していきます」と、子どもの医療費助成制度の実現にむけて、大きく前進する回答がありました。
東京都では、今年の10月から、小中学生の子どもの医療費の1割を助成する制度がスタートしました。
新日本婦人の会東京都本部は、助成制度をさらに充実させ、無料化を実現するために、引き続き、運動をすすめていきます。 |
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花の頃の約束が夏を過ぎ、故郷の山の頂が紅葉に染まりはじめた爽秋の一日、やっと一年一度の同窓四人組の出会いがかなった▼シワやシミの増えたことを嘆きながらも、高らかなおしゃべり。「赤裸々に話し合える一番ほっとする場」と定番の会食▼形はいつもと同じでも今年の会話は少し違う。まず、椅子に座った途端、Yさんが「私ね、この学習会には必ず行こうと思っていつもバックに入れているの」という、何?見れば「後期高齢者の医療制度ってなぁに?」の緑色のチラシ。講師は、医療生協病院の医師▼それって年金者誰でも取られるの?なんで74と77歳で区別するのよ。後期高齢者って政府がつくった言葉じゃないの。これは現代の姥捨て山だよ。子どもだって可哀相で頼れない、ホームは高いし…▼アメリカや大会社の待遇を減らせばカネはあるのよ。やっぱり小選挙区制は悪いね…話はつきない。国民切り捨ての政治は、比較的安定している友達の暮らしもいまや脅かしている。「選挙のないときまた来年ね」と、友達の私への気遣いもやさしい▼石原都知事よ。こんな庶民の切なさがわかりますか。公約破っていまさらあれは福祉のバラマキなんて許せない。国の悪政から都民の生命守ってよ!(中) |
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