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会の機関紙「都民がつくる革新都政」2007年10月15日発行 |
都知事の公約撤回許さない
都議会に向けて要求実現を目指す集会 |
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「石原都政に都民要求を実現させよう」と開かれた集会=9月14日、大塚・ラパスホール |
革新都政をつくる会と都民要求実現全都連絡会の共催で9月14日、都議会第3定例会(19日開会)に向け、都民要求実現をめざす集会を大塚・ラパスホールで開き、16団体から50人が参加しました。
都民要求実現全都連絡会の高畠素昭事務局長(東京地評事務局長)が基調報告(別掲)、4団体よりとりくみの報告が行われました。 |
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森田稔さん(自治労連都庁職) |
石原さんは、2016年東京オリンピックを開く年を、『10年後の東京』と言って、長期計画を作った。これを軸に、やり方も切り替えて、この10年後の東京や実行プログラムを軸にして、来年度の予算編成が始まっています。さらに、行革リストラツールを使って、どんどん東京都政がアウトソーシング、民間委託・民営化の方向に進んでいます。様々な課題について、それぞれの持ち場から全体的に石原都政を監視し包囲し、絶えず都政を革新するための力をためて、いつ何時知事選があっても大丈夫なように準備を進めることが必要なのだと思います。
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後藤嘉輝さん
(東京社保協) |
後期高齢者医療制度、これを新たに作って。無年金・低年金、そして今現在健康保険の扶養者になっている人、すべて含めて75歳以上は強制的にこの制度に加入させる。保険料は、当初試算の倍以上の金額に。保険料滞納者は、いままでにはなかった資格証(窓口で現金での支払い)にするなど、医療抑制、まさに命が削られていく。払える保険料、そして資格証を出すな。保険料・医療に減免措置を。検診は公費でいままでどおり行え、ということで要望を出している。国に向けての運動としては中止・撤回。すでに動いているなかで東京レベルでは改善運動と、この二つのとりくみで進めていきます。
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秦一也さん
(都生連) |
大体2割の人が200万円以下の所得で生活しており、生活実態は、どんどん悪くなっています。低所得者を抜本的になくす制度・政策を実行しなければいけないと思います。権利として保障されているのが、憲法25条による生活保護制度の根幹だと思います。我々がいま闘いを始めました生存権裁判の課題であります生活保護の老齢加算の廃止であります。生活保護法56条には、正当な理由がなくて、一度決めた保護基準を下げてはならないということが書いてあるのです。これは法令違反だ。これを違反じゃないのだというのなら、ちゃんと証明しろということを、いま要求しているところであります。
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渡部昌彦さん
(都教組) |
東京を除くすべての道府県が、何らかの形で少人数学級に踏み出しているのです。東京は、31人以上の学級が小学校で59・5%、中学校で85・7%。また、41人以上の学級が小学校で26校、中学校は5校あるのです。すべての子どもたちが大切にされて、豊かな教育が保障されるよう、この東京で30人学級を実現する署名を全力で取り組むということです。特異な立場で石原都政が進めている教育政策を学校現場の実態から明らかにし、父母と都民と共有する取り組みを進めていきたいと思います。この一点は、教育における石原都政との真正面からの対決点だと思っています。
日本共産党都議団の曽根はじめ政調委員長が、議会に向けた取り組みについて報告しました。
曽根氏は、都民税減税の公約をやめ、豪快海外出張を復活させるなど、都政の私物化に無反省な石原知事は許せないと批判。大型開発中心主義から都民本位への都政への転換めざし全力をあげるとし、「みなさんの要求実現のため、ともに
がんばる」とのべました。
会場からは、東京視覚障害者協会、都立病院支部、東京自治労連、年金者組合国立支部の方々から発言が行われました。 |
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都民の様々な要求・運動
共同の力で議会へ |
東京地評・事務局長 高畠素昭 |
石原都知事は、いつになく冷や冷やの知事選挙だったのではないかと思いますが、終わってみれば、相変わらず傲慢な態度であります。早速、個人都民税の軽減を撤回。あれだけ批判された海外旅行も、スバル・フィジーに出かけ、費用も1550万円だということです。三宅島での公道レースでも、バイクメーカーやテストライダーの反対を受け断念に追い込まれました。新銀行東京や築地市場の豊洲移転などのトップダウン事業も、ゆきづまりと破たんにもかかわらず止めない、というのが石原都政であります。
石原都知事は、選挙中には「都民の目線による医療と福祉を進める」と公約。選挙前の3月には「個人都民税(住民税)」の軽減を公約。しかし、9月7日には、この「個人都民税(住民税)」の軽減を実施しないと発表。
提案の根拠となった、国の「歪んだ税制」は是正されておらず、住民税の一律10%化も撤回されていません。
いま行政の動きでは、公営住宅問題で、都生連など都政住宅の使用名義人承継の改悪を実施しないよう運動を行い。特別区の議長会が東京都に対して08年予算要望で、困窮している低所得者や高齢者等が存在するため、公営住宅の建設促進の要望書を出しました。
医療や保育など福祉の問題で、区長会が後期高齢者の健康診査について、都が必要な財政措置を講じるとともに、国に財政支援を働きかけるよう要望。葛飾区では、医師不足を解消し、安心できる地域医療体制の確保を求める意見書や、シルバーパス利用料の見直しを求める意見書を3月の定例会で採択。墨田区では、増税の影響による認可保育所の保育料の値上げを是正するための条例改正案を9月議会に提案を予定。文京区では、区立保育園の民営化を食い止めています。
都立病院の問題では、石原都政は統廃合や公社化を進めてきましたが、住民運動がこの計画を遅らせてきています。墨東病院がある墨田区で、都立墨東病院を直営で存続させる会が発足しています。
東京大気汚染公害裁判で大きな成果を上げ。東京都の国保組合などに対する補助金も、予算のカットが多い中で増額するなどの成果を上げています。
都民の様々な運動が、まず身近な自治体に、そして東京都に対して本当に切実な要求を突きつけて、一つ一つ実現しているということに、確信を持つことが出来ると思います。
運動の比重をどこに置くのかです。一つ目は、この第3回定例都議会で、中学3年までの医療費無料化や個人都民税の軽減等、石原都知事自身の公約の実現を求めていく。二つ目は、国民にほとんど知らされることなく進もうとしている、後期高齢者医療制度です。平均保険料が最高年額15万円にもなると言われる、この制度の中味を早く都民に知らせて、負担軽減を求め、国に対して制度の廃止を求めていくことが重要です。三つ目は、30人学級実現の要求です。全国で東京都だけが実行していないこの制度の実現を求める運動は、石原都政との大きな対決点になるだろうということです。この制度の実現を求める都民運動を、大きく展開していく必要があります。四つ目は、憲法改悪に反対する運動です。参議院選挙で憲法改悪を明言する参議院議員が大幅に減ったといわれております。自民党も民主党も、改憲を掲げた候補者が大幅に落選。これを見ても、憲法改悪を国民は望んでいないのが、直近の民意だろうと思います。
最後に、石原都政に対する要求は、限りないほどたくさんあります。しかも、壁は大きく見えます。その壁を突破するには様々な団体が掲げる都民要求に対して、相互に支援をしていく。そして、力を広めていく。この二つのことを行って、壁を突破して石原都政を追いつめていくことが必要ではないか思います。 |
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生活保填含む
新たな救済制度確立を
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勝利和解を喜びあう原告たち=9月8日、東京高裁前 |
さる8月8日、私たちは11年余にわたる長く苦しい裁判闘争の末に勝利和解を勝ち取ることができた。まず、この間のあたたかいご理解とご支援を寄せていただいた会のみなさんに心からお礼を申し上げたい。
今回の和解の内容は、(1)東京都の医療救済制度の創設、(2)公害防止対策の実施、(3)解決金12億円の支払い、の三点を柱としている。
最大の成果は、東京中のぜん息患者が自己負担なしで安心して治療を受けられる医療救済制度を加害責任(5年間、200億円の財源を東京都・国・首都高速・メーカー7社が負担)で実現したことである。また、これ以上公害患者を出さない大気汚染対策の実施についても、PM2・5の環境基準の設定や道路公害対策の実施などで一歩前進をつくりだすことができた。
このたたかいの原動力は、「新たな救済制度の実現なしに裁判は終わらない。和解成立はない」という固い決意であり、裁判所を動かし、石原都知事を動かし、国とトヨタ等メーカーの決断を迫るたたかいを連続的に展開した運動の力だと考えている。当初、石原都知事は、一次判決の際に控訴を断念、都民に謝罪しながらその後は「国・メーカーの責任でやるべき」の一点張りで動かなかった。メーカーも「確認書」を結びながら国・都が動かないことを口実に拒んでいた。こうした東京都・トヨタ攻めを徹底して積み上げながら、高裁の画期的な解決勧告を契機に314日間の連続的なたたかいによって道を切り開いたものと確信している。「大きな峰を登りきった」というのが実感である。
今後の課題は、東京においては08年度の早い時期に制度を実施させ、20万人近いすべてのぜん息患者が申請・受診できるように周知徹底すること、5年後の見直し時期にむけて公害患者会の拡大と運動によって制度の充実・存続をはかることである。また、全国的には自治体レベルの医療費救済制度を各地に拡大しつつ、生活補填を含む新たな救済制度(公害健康被害補償法並みの内容)を確立することと考えている。【東京大気汚染公害裁判原告団長・西 順司】 |
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*「革新都政をつくる会」と「吉田万三候補」は、4月に行われた都知事選挙政策=都政改革プラン「分野別=緑と環境を優先し、安全・快適な東京を」で、
1.大気汚染を改善し、緑豊かな環境優先都市づくりをすすめる。
(□都心部の慢性的な大気汚染、夏のヒートアイランド現象を改善するため、超高層ビル建設やそこへ集まる自動車交通を抑えます。□環七や環八などの幹線道路沿道に緑樹帯を建設し、ヒートアイランド現象を緩和します。□すべての大気汚染公害被害者を救済します。)
2.都民本位の道路政策を。オリンピックに便乗した三環状等は見直します。
(□道路をつくれば車が増える。この悪循環断ち切ります。□都心部の渋滞解消に役立たない圏央道や外環は見直し、市内電車の復活など総合交通政策を実行します。□50年も前に決めた16兆円もかかる都市計画道路は関係住民が合意しない路線は廃止します。□既存道路に歩道や自転車道、バス米を作るなど安全と公共交通本位に改善します。)
…と掲げています。 |
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「石原知事は公約守れ」とシュプレヒコールを上げる開会日行動参加者=9月19日、都庁前 |
9月都議会開会の9月19日、都民連、東京社保協、東京地評は、昼休みに都庁前で開会日行動を行ない、500人が集まりました。主催者の挨拶の後、5人から決意表明が行なわれました。年金者組合からは「生活は危機に瀕している。高齢者医療とシルバーパスの無料化めざして頑張る」。東京生存権裁判原告団からは「生活保護の老齢加算1万8千円の廃止に反対して裁判に訴えた。来年6月には判決が出る。年内10万筆の署名をめざしている」。都教組からは「国と都がすすめる学力テストにより学校に格差が生まれている。30人以下学級が必要だ」。新日本婦人の会江戸川支部からは「江戸川区は891億円も積み立てながら子どものためには使っていない。いのちとくらしが成り立つ都政をつくっていきたい」。東京大気汚染公害裁判原告団からは「5年の時限となっている都の救済制度の継続・拡充させたい」と決意が話されました。
最後に日本共産党都議団は「知事選で掲げた都民税軽減を撤回する公約破りを追及していく。来年4月は後期高齢者医療で高齢者オリンピックのために毎年1000億円積み立てているお金を都民のくらしのために使わせよう」と激励しました。 |
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「アメリカの戦争支援やめて」などのプラカード・横断幕掲げ3500人が集まった会場=10月3日、日比谷野外音楽堂 |
延長も新法も反対!自衛隊はインド洋からひきあげよ「テロ特措法を許すな10・3中央集会」が10月3日、日比谷野外音楽堂で開かれました。
「アメリカの戦争支援はやめて」「イラク、アフガンから手をひけ」のプラカードや横断幕が3500人がつめかけた会場にゆれていました。集会後、アメリカ大使館近くを通り、国会まで請願デモをしました。
中央集会に呼応してこの日、大阪集会(3600人)など各地で集会や街頭宣伝、デモが行われ、インド洋での海上自衛隊の給油活動継続に固執する福田内閣発足後の全国いっせい行動となりました。 |
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グローバル経済と新自由主義下の東京問題を考えるシンポジウム |
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「石原都政に都民要求を実現させよう」と開かれた集会=9月14日、大塚・ラパスホール |
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「アメリカの戦争支援やめて」などのプラカード・横断幕掲げ3500人が集まった会場=10月3日、日比谷野外音楽堂 |
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「私たちのおじい、おばぁたちが、うそをついていると言いたいのでしょうか」「うそを真実と言わないでください。あの醜い戦争を美化しないでほしい。たとえ醜くても真実を知りたい、学びたい、そして伝えたい」。沖縄で9月29日に開かれた教科書検定意見撤回を求める県民大会での高校生代表の訴えだ▼沖縄戦の「集団自決」の記述から「日本軍に強いられた」という表現がことしの教科書検定で削られた。県民集会は、「宮古、八重山を含めると11万6千人に達し、復帰後最大の“島ぐるみ”大会となった」(沖縄タイムス)。沖縄県民の憤りの大きなうねりは、いま国を大きく揺さぶっている▼戦争の真実を学び、伝えるということでは、東京都民の宿題がそのままになって久しい。空襲で10万を超える人々が犠牲になった惨禍を繰り返さない都民の決意が、「平和祈念館(仮称)」建設で実を結ぶ直前、99年3月の都議会で凍結された。石原都知事は8月15日の記者会見で「議会が決めること」と逸らした。建設計画は都が提案したもので、都議会が付帯決議で凍結したら、それを解除するために努めるのが提案者の責任だ▼戦争でオリンピックが消えた歴史にこそ、いま向き合うべきだろう。(高) |
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