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会の機関紙「都民がつくる革新都政」2006年1月15日発行 |
憲法・教育基本法改悪許さず 公共の役割の大切さ必要性が生きる 地方自治=東京めざしがんばりましょう |
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憲法9条を維持していく日本の役割を実感 東京都国立市長 上原公子
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空がある日本橋(お江戸)を |
2006年、憲法制定60年の節目の年頭に当たり、改めて日本が戦争完全放棄の国であることを、高らかに世界に発信する年にすると、皆様とともに誓いたいと思います。
9・11の同時多発テロ以降のこの4年は、それまでなりを潜めていた悪しき者たちが息を吹き返した、まるで戦前を髣髴させる日々でした。営々と積み上げてきた民主主義がガラガラと崩れ行くあまりの速さに、時には絶望的にもなりますが、見方を変えれば、これほど国民が憲法のことを真剣に考えたことはなかったかもしれません。財政が厳しいからこそ、憲法第25条の意味が生きること、第26条の教育の権利は教育基本法にその意味が深く込められていること、そして何よりも自治体は、92条の地方自治の本旨に基づき住民自治を実現しなければならないこと等々。
憲法改正のうねりは、これまで寡黙だった人々の平和への思いを、怒りとして引き出し、これまで以上に強く、憲法9条を維持していく日本の役割を実感しています。政治の決定権が国民の手にあるかぎり、政治の誤りは是正できるのです。今こそ大同団結し、民主主義を封じるものに敢然と立ち向かっていきましょう。
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都民の心をつかむスローガンを 東京都狛江市長 矢野ゆたか
私の最初の選挙権行使は、1967年の都知事選挙で、革新都政誕生の時でした。
当時都政は、利権がらみの事件が相次ぎ、伏魔殿とさえ呼ばれました。経済優先の時代で、公害などそのひずみが強まっていました。
こうした中、「革新都政をつくる会」の「東京に青空を取り戻そう」との呼びかけは、砂地に水がしみ通るように都民に浸透し、私も青空バッジを胸に、誇らしげに新宿の街を歩いたものです。
時代は変わり、現職知事は強権的な都政運営を進めています。都政に不満を持つ人は多数なのに、なぜ高い支持率が生まれるのか不思議です。マスコミをうまく使った、知事のアピール力に負けているような気がしています。
来年は都知事選。都民の心を固くつかむようなスローガンやイメージを、私たちは生み出せないでしょうか。政策は共感がなければ、単なる活字の羅列です。政策の魅力を凝縮し、都民の閉塞感を突き破るような言葉が、いま欲しいのです。あの「青空を取り戻そう」のように…。
夢や希望を語り合い、ワクワクするような知事選を、もう一度やれたらと願っています。
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憲法「改正」の動きと地方自治
一橋大大学院教授 渡辺治 |
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はじめに‐小泉政権の蜜の攻撃
昨年9月11日の総選挙で、小泉自民党は議席を大きく伸ばし、その力を駆って、小泉政権が強行してきた既存保守政治の大改悪を一気に完成させようと勢いづいている。
総選挙後の小泉政権の攻勢の柱は三つある。第一は、小泉政権が進めてきたアメリカ追随の軍事大国化の完成へ向けての攻撃である。米軍再編の強行がその焦点となっている。第二の柱は、小泉政治のもう一つの柱であった「構造改革」の加速化である。総選挙後、経済財政諮問会議は、改めて、医療制度改悪、公務員攻撃、市場化テストなどの通常国会での通過を目指している。そして、これら二つの改革の合流点として、第三の柱となっているのが、憲法改正である。総選挙後の10月28日に自民党は「新憲法草案」を発表し、11月22日の立党50年記念大会で、正式に採択した。同時に国民投票法を通して改憲の舞台をつくろうとしている。
しかし、小泉政治の前途は決して前途洋々ではない。これら三つの柱からなる攻撃は、国民の間に大きな困難と矛盾をつくりだしているばかりでなく、外交的孤立は、支配層内にも動揺を広げている。特に注目すべきなのは、小泉政権の攻撃が、いずれも地方自治に集中的に矛盾としわ寄せを押しつけている点である。その結果、地方自治こそ、小泉政権の遂行する「構造改革」政治の矛盾の発火点となることは間違いない。 |
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一 軍事大国化、構造改革攻撃の新段階
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軍事大国化の大きな限界
小泉政権が追求している課題の第一は、アメリカ追随の軍事大国化の完成である。小泉政権はその四年半の間に歴代自民党政権でもやったことのないスピードでアメリカ追随の軍事大国化を大きく進めた。ブッシュ政権の先制攻撃戦略の求めに応じて、小泉政権は、まず9・11のテロ事件を口実にしたブッシュ政権のタリバン政権攻撃の後方支援のためにインド洋海域に護衛艦を派遣し、続いて、米軍の後方支援に自衛隊だけでなく民間企業や地方自治体を動員することができるよう、有事法制の制定を強行した。そして、アメリカのイラク攻撃にもイラク特措法を制定して自衛隊を派兵した。これは、戦後60年に及び守ってきた、軍隊を他国に派兵しないという日本の姿勢を根本的にひっくり返したものであった。
ところが、こうした自衛隊の海外派兵の強行に対しても、アメリカや財界は満足しなかったばかりか、不満と苛立ちをつのらせたのである。確かに、イラク戦争への反対の声に包囲されたブッシュ政権にとって、自衛隊の派兵は、政治的には重要な支援であったから、ブッシュ政権は口では小泉に「感謝」を繰り返した。しかしながら、憲法上の制約のおかげでイラクでの自衛隊の活動は重大な制限を受け、軍事的にはまったく役に立たないどころか足手まといになってさえいるからである。保守支配層は、自衛隊をイラクに派兵してみて改めて、こうした限界を自覚させられたのである。この原因はいうまでもなく憲法9条の縛りが依然強く働いているためである。パウエルやアーミテージといったブッシュ政権の高官があいついで憲法「改正」による「集団的自衛権」を要求し昨年11月の日米安保協議委員会において、ラムズフェルドが「自衛隊はボーイスカウトだ」と言い放ったのも、ブッシュの言えないアメリカの本音を代弁したものであった。
米軍再編のねらい
こうした限界の突破のためにアメリカは、二つのことを強く求めた。一つはいうまでもなく9条の改憲であるが、これは後述する。もう一つは、現在アメリカが遂行している米軍再編の貫徹である。米軍再編とは、マスコミがいうような在日米軍の再編縮小を意味するのではなく、アメリカが刃向かう国々や勢力ににらみをきかせ場合によっては先制攻撃をかけてでもその秩序を維持するために、米軍を一層効率的に動員するための改革である。
そうしたねらいのために、米軍再編は二つの柱をもっている。一つは、冷戦期以来の米軍の対ソ中心の配備を大きく替え、今やいらなくなった地域から米軍を撤退、縮小し、それを、新たなアメリカの世界秩序維持のための攻撃に迅速に投入できるよう再編成することである。その際アメリカが新たな敵対地域として重視しているのが、西は地中海、中東から東は朝鮮半島に至るアジア大陸を横断する地域、いわゆる「危険な弧」と呼ばれる地域である。そこでアメリカは冷戦期には対ソ、対中用に貼り付けていたドイツや韓国の米軍を縮小し米本土、グアムや日本に集約して、この「危険な弧」を取り囲むように、戦力を再配置し、備えようというのである。
第二の柱は、こうしたねらいを実現するために、同盟国を一層効果的に米軍の戦略に動員し、共同作戦を遂行しようというものである。そのためにアメリカが狙っているのがイギリスと日本である。これを付き従えて、迅速な投入をはかろうというわけである。
日本が、米軍再編のこうした二つの柱の焦点となっていることは明らかだ。沖縄海兵隊のグアムへの移動と、代わりに、座間への軍司令部の移転など、強引に進められた再編計画は、沖縄を含む日本全土をこうした新たな先制攻撃戦略の拠点に据えようという試みであり、自衛隊はこうした米軍と一層緊密に連携して軍事作戦を遂行することが求められているのである。
基地を抱える地方自治体の抵抗
こうした米軍再編の犠牲をもっとも強く受けるのが、米軍基地を抱える地方自治体である。沖縄、岩国、座間、横田、横須賀などはまさしく米軍再編のカナメと位置づけられているからである。小泉政権は、これら自治体が保守知事によって占められていることもあって、楽観していた。ところが事態は政府の思惑を大きく裏切った。保守系知事も含めて、米軍再編に対する強い反対運動が起こったからである。座間では、共産党の志位委員長を呼んで町始まって以来といわれる一万人集会が、もたれた。沖縄でも、普天間の移転を強行することには、保守知事も強く抵抗している。これ以上、政府のいいなりになっては沖縄県民から愛想を尽かされることになるからである。
構造改革の加速化
小泉政権の攻撃の第二の柱は、構造改革の加速化である。構造改革とは、経済のグローバリゼーションのもとで激化した競争に勝ち抜くために、大企業の競争力を強化するための既存政治、特に福祉や弱者のための政治の改革である。大企業の大もうけ体制をつくるために、構造改革には二つの焦点がある。一つは、大企業の負担を軽くするための改革であり、これは「財政再建」の名の下に行われている。大企業にかけられる法人税や諸負担を軽くするために、社会保障関係の公的投資を削減することがその中心である。法人税に代わる大企業向け代替財源として消費税の税率アップもめざされる。構造改革のもう一つの焦点は、大企業への規制や農業や弱小産業への保護を取り払って、大企業が大もうけをできる体制づくりである。さらに、民間では採算がとれず良質なサービスの得られないために公的部門が担っているものを「民にできるものは民で」と称して民営化することも、公的資金を安上がりにし大企業の儲け先を提供する改革の柱であった。
小泉政権は、大企業の熱い要望に応えてこれまでも、健康保険の本人負担を三割に引き上げたり、住宅金融公庫などの特殊法人を解体したり、郵政民営化を強行したりと構造改革を急進的に実行してきた。しかし総選挙後、このスピードを一層加速化しようとしている。構造改革の司令塔となっている経済財政諮問会議は、総選挙後、公務員の半減とか、医療費の対GNP成長率以内への抑制とか、考えられない乱暴な「提言」を繰り返しつつ、残り一年の間に、小泉政権でなければできないことを強行してしまえと、ことを急いでいる。一月末からの通常国会には、医療制度の改悪、公務員制度の大リストラ法、公的部門の仕事を民間企業にも入札を認めようという市場化テスト法、などが目白押しである。
特に医療制度改悪では、高齢者の医療費負担を引き上げ、高齢者を医療から遠ざけようとするばかりでなく、中長期的には、都道府県毎に一定の削減目標を設けさせてその達成ができない府県では、医療サービスを低下させるか保険料をあげるか診療報酬を下げるかを選択させようという構想を具体化しつつある。これは三位一体改革と同様に、地方自治体に、福祉切り捨ての責任を負わせる体制づくりである。こうして、構造改革でも、その矛盾と攻撃の焦点は地方自治体に据えられている。 |
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二 憲法改悪の新局面
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朝日新聞(06年1月3日)より |
あれもこれもの改憲案
小泉政権の攻撃の第三の柱が憲法改悪である。改憲攻撃は、総選挙後に一気に加速化し、照準が絞られてきた。自民党は、2003年の総選挙後、改憲草案づくりに向けての活動を具体化した。マニフェストで、05年11月の結党50年までに改憲草案を作ると公約したからである。しかし当初の1年くらいの間、自民党の改憲案づくりは、いわば改憲派のやりたいものをあれもこれもと盛り込む案づくりに終始した。その結果できたのが、04年11月に公表された「憲法改正草案大綱(たたき台)」であった。ここには、もちろん自衛隊の武力行使目的での派兵を可能とするための9条改正と「集団的自衛権」の明記が入っていたが、そればかりでなく、構造改革をもっと効率的に進めるために参議院を任命制にし権限も縮小してしまえといった、とうてい実現可能性のないような案も含まれていた。改憲発議には、衆議院だけでなく参議院の3分の2の多数の賛成を得なければならないことを考えれば、こんな参議院否定論など論外であったが、自民党の改憲派は彼らの「理想」の追求に走ったのである。
一番問題となったのは、自民党改憲派が現代社会のさまざまな問題を憲法のせいにして、社会を建て直すための新保守主義的規定をたくさん盛り込んだことであった。自民党議員ならずとも現代社会が容易ならぬ問題を抱えていることは明らかである。年間34000人にのぼる自殺者、25000人にのぼるホームレス、そして若者の4割にのぼる非正規雇用や失業者、最近では就学援助者が東京では25%にのぼり、足立では4割を超えるという状況が生まれている。他方、ヒルズ族や「セレブ」といったグローバル経済の下での一握りの富裕者ができつつあることも否定できない。経済グローバリゼーションと大企業の海外展開、リストラ、構造改革の進行によって社会の階層間格差の拡大と貧困化が急速に進み、それがいろんな形で爆発、顕在化しているのである。
自民党議員たちはこうした問題にことのほか危機感を燃やしている。こんなことを許していては、社会の安全とか安定は地に落ちるからだ。彼らは日本社会がアメリカ化することを恐れているのである。そうかといって、グローバル経済と構造改革をやめるわけにはいかない。その結果出てくるのが、社会の道徳的再建、家族の再建、教育における伝統や文化の強調などである。こうして憲法改正草案大綱には、国民の責務だの、家族の法的保護だの、教育は伝統と文化を教えろだのという規定がたくさん盛り込まれたのである。
「新憲法草案」のねらい‐軍事大国化に焦点
ところが、こうした自民党改憲案は大きな非難に直面した。女性団体や市民運動はもちろん、改憲発議のためには賛成を得なければならない民主党や公明党も苦虫をかみつぶした。参議院議員はかんかんである。こうして「大綱」はあっけなく撤回されたのである。小泉政権は、04年末首相を本部長として新憲法制定推進本部を立ち上げ、改憲案づくりを党憲法調査会から奪ってやり直した。その結果できたのが、冒頭に述べた「新憲法草案」であった。
草案は、今までの自民党案とは面目を一新した。くわしい検討をする余裕はないが、ひと言で言えば、改正点を9条と96条(憲法改正手続き)に絞ったのである。あれもこれも改憲したいといっても民主党、公明党の了承を取りつけなければ「改正」などできもしないし、またあとに控える国民投票で過半数の支持を勝ち取らねばならない。そのためには、焦眉の課題であり、アメリカや財界も切望している9条の改正に絞ることが必要だ、これが新憲法草案のねらいである。家族の法的保護とか、伝統と文化の強調などは、96条を改正して、改正のための発議は今までは衆参両院の3分の2が必要であったのを過半数の賛成でできるようにしておけばあとでゆっくりできる、というのが96条改正の含意である。
それだけではない。新憲法草案は、国会で現実に改憲案を通すために他にもさまざまなくふうを凝らしている。まず、9条の改正でも、民主党や公明党内で警戒の強い「集団的自衛権」という言葉を入れず、「国際社会の平和と安全のために国際的に協調して行われる活動」への参加という柔らかい形で規定している点である。これでアメリカが求めている、軍事作戦への自衛隊の参加は十分可能であるからだ。さらに、警戒しなければならないのは、自民党改憲派がこれまで入れることに躊躇していた新しい人権のいくつかを入れている点である。この点も今後民主党や公明党との協議で必要なら膨らませるに違いない。
以上のように、自民党新憲法草案は、自民党がいよいよ本格的に改憲を国会にかけて通そうという意欲の現われた危険なものとなっている。
こうした草案の作成公表と並行して、重要なのはいうまでもなく、通常国会に出されることが確実な国民投票法案である。改憲を実行するためにはどうしてもこの法案が必要なだけでなく、この法案で国民投票のための市民の運動に厳しい規制をかけ、改憲反対の声を力にしないねらいが込められている。
三 構造改革政治の矛盾と地方自治
しかしこうした小泉政権の政治は、大きな矛盾と困難を抱え込んでいる。最後に、その矛盾と運動の展望を検討しておきたい。
外交的孤立と支配層の矛盾
第一の矛盾と困難は、小泉政権のアメリカ追随の軍事大国化路線が、アジア諸国から強い反発を受けて、日本外交の孤立を招いているという点である。戦争責任の反省も必ずしも十分でなかった日本が、高度成長期以降アジアに進出し、現在でも海外展開している企業の半数以上の1万数千社はアジアに進出し、とりわけ中国には5000社が進出している原因は日本が憲法9条の下で、軍隊を海外に派兵せず、自国の意思を軍事力で貫徹させることをしなかったことにある。ところが、小泉政権の政治はこうしたアジア諸国の信頼をてひどく打ち壊している。小泉首相の度重なる靖国参拝は、小泉の頑固さもあるが、同時に自衛隊の海外での武力行使で必ずでる死者を弔う公的施設として靖国を復活させねばという焦りの所産でもある。また憲法9条の「改正」もアメリカ追随の軍事大国化の完成のためには待ったなしである。財界は、こうした小泉政権の方向を強く支持し圧力を加えてきた。しかし、他方、財界や日本の大企業は中国やアジア諸国で活動できなければ、繁栄はない。そのため、日本経団連は「東アジア自由経済圏」構想をうち出している。しかし、靖国や憲法をめぐって、日中、日韓間が今のような対立にあっては東アジア経済圏などとうてい実現は覚束ない。日本経団連の奥田会長が靖国参拝に自重を促したのもこうした思惑からである。そのくせ経団連は、昨年1月には「我が国の基本問題を考える」という提言を発表し経団連としてはじめて、憲法「改正」をうち出したのである。この矛盾を打開するには改憲を断念し9条にもとづき日本が海外派兵をしないことを改めて表明し、また靖国をはじめ戦争責任について改めて態度を表明すること以外にない。
新たな運動は首都東京から
第二の矛盾は、軍事大国化や構造改革の矛盾としわ寄せが地方自治体に集中し、地方自治体が、これら政治をひっくり返す発火点とならざるを得ないということである。米軍再編は、保守系首長も含めて、米軍基地の拡張に反対する自治体の抵抗を生んでいる。これら抵抗はさしあたりは、基地を自分の地域にもってきたくないという生活上の要求からだが、それは米軍再編の本質への批判に高まらざるを得ない。また、三位一体改革や市町村合併と並行して進められる、社会保障の切り捨てを都道府県に押しつける体制づくりは、構造改革のつけが地方自治体に押しつけられることをはっきり示さざるを得ない。とくに石原都政下の東京は、小泉政権の構造改革政治の優等生であるばかりか、「都市再生」の名の下で福祉を切り捨て小泉構造改革を先取りしてきただけに、この矛盾は、一層あらわになっている。おまけに石原知事は、アメリカ追随の軍事大国化でも靖国参拝でも、憲法改悪でも常に、小泉政権でも言えないような突出した主張を繰り返してきた。そうであるだけに、首都東京から、軍事大国化、構造改革、そして憲法改悪に反対する運動を起こしていくことの意味は極めて大きい。 |
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シリーズ自治体とは(17)
東京発医療改悪 365日24時間不安 危険な医療 |
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東京病院経営本部は、16あった都立病院を「都立病院改革マスタープラン」で統廃合・公社化・民営化で8病院にする計画を推し進めている。「都立荏原病院を都立病院条例から削除する条例」を12月・第4回定例都議会で「都立荏原病院の保健医療公社移管問題にかかわる請願書」3万5408筆、「都知事宛要請署名」5万2045筆の声を無視し、自民・民主・公明・生活者ネットの賛成で可決した。反対を主張した日本共産党のかち佳代子都議会議員は「荏原病院が広域的・行政的医療・地域医療で先進的な取り組みをしている。二次救急や感染症医療など都立病院として重要な役割を果し、脳卒中・がん医療を充実する課題をもち、財政基盤のぜい弱な公社移管に道理はない」と当局を追及した。
都民の貴重な財産を投げ出す
東京病院経営本部は、公式ホームページで荏原病院について、「脳血管疾患に対する医療を重点医療として取り組み、特別区内の感染症(1類・2類)に対応し、都内の量的に不足しているリハビリテーション医療を確保しています」と紹介している。まさにその通りであり、荏原病院を公社移管する理由はどこにも存在しません。荏原病院は、500床の総合病院で東京の南部地域医療の中核を担い昭和9年に現在の大田区雪谷に設置された。アメニティーに配慮した都民の貴重な財産を投げ出した東京都の罪は重大である。
都民にとって都立病院は生命線であり、私たちにとっては生活を支える労働の場であり社会貢献する場である。平成14年度からの3年間の職員定数減は「医師・38人」「医療技術員(薬剤師・放射線技師・検査技師など)42人」「看護要員265人」となっている。(病院経営本部ホームページ)4病院で年度当初から看護師の定数上欠員があり、働く条件の悪化で新たな退職者を生み出す最悪のサイクルをもたらしている。
2003・04年度の2年間で看護師の普通退職者は800名に及んでいる。都庁職病院支部と衛生局支部は昨年度末普通退職者に対するアンケート調査を実施した。回答者200名の退職理由は「(1)とにかく疲れた、(2)サービス残業が多すぎる、(3)仕事の達成感がない」であった。どうすれば退職せずに済んだかの質問には「(1)人員増、(2)定時に帰れる、(3)病院運営の改善、(4)管理職の人間的な対応」であった。当局は都立病院の看護師像を「患者中心の質の高い看護を提供する。自ら学び成長しグローバルな視野と人間的で豊かな感性を磨くことができる」としている。しかし、アンケート結果に見られるように都立病院改革や管理職の能力・成果主義は職場を不安と混乱に陥らせている。石原知事が都民に大宣伝している「365日24時間安心・安全な医療」東京発医療改革の本質は「365日24時間不安・危険な医療」東京発医療改悪である。
私たちは医療に働く誇りと自覚を大切に都民の皆様との協同のたたかいを今後も発展させていきます。【都庁職病院支部長・柳美智子】 |
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連載 石原都政と教育(第26回)
子どもと教育の風景(26) 東京都教職員組合 教文部長 滝沢 孝一 |
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したたかに、今年もまた
「本日は、大東亜戦争開戦の大詔渙発より64周年にあたります。さらに今年は、日露戦勝から百年の節目であると同時に、日本文化史上最大級の事業であるわが国最初の勅撰和歌集『古今和歌集』が成立して千百年になります。それまでの漢詩文偏重に終止符を打ち、和歌を日本文化の要にしたこの平安朝時代に編さんされた『古今集』の祝賀の歌の初めに、詠み人知らずとして、国歌君が代の原歌があります。……」
12月8日の都議会で質問に立った自民党都議の冒頭の発言である。「64周年」やら「百年」やらに注意しなければ、あの天皇制下の帝国議会の風景と見紛うばかりだ。都議はこの後に、生徒が「君が代」を起立斉唱する指導を徹底するよう「通達」を出せと都教委に迫った。「通達」とは命令である。これに教育長は、生徒の多くが起立しない事態が起こった場合は他校に飛び火しないよう「適正に指導する旨の通達」を速やかに出すと答えた。憲法19条があるから、生徒に起立斉唱せよとは直接に言えない。教職員に徹底的に生徒を「指導」せよと命令する。
今あちこちの学校では、子ども中心の式を今年も作ろうと取組みがしたたかに始まっている。実行委員会をつくり、アンケートをとり、「呼びかけ」の言葉を綴る。式場には心をこめた在校生の作品や卒業制作。卒業証書を受け取るときの「一言」を一生懸命考える。「呼びかけ」は対面形式で。脅しと命令では決して描けない風景がここにある。 |
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迎春。今年はイヌ年です。私の係累には年男・女3名、107歳の姑、47歳の娘の夫(つれあい)、12歳の姪の孫▼姑は日露・日中・太平洋戦争と三つの戦争をくぐりぬけ、また、関東大震災も体験して、万物の倒壊、生命が奪われる辛酸の歴史を生きてきました▼47歳君は、「平和憲法」のもとで反戦・反権力を身につけたビートルズ世代、しかも、いま彼は、職の不安をかかえ、年金・税金の重さがズシッと肩にかかっています。12歳君は、日の丸を掲げた学校で「君が代」を歌わされ、いざという危険に備え空手を習い、そして塾通い▼05年は一言で表わせば「危」「災」だとも言われました。イラク戦争、子どもの誘拐、殺害、JRの多発事故、耐震偽装事件。米軍基地強化等々・・・。「危」と「災」を背負っての年明けです▼しかし、2006年は・・・「希望」の年でもあります。女優の森光子さんはNHKの正月インタビュー・今年の抱負で、「戦争はイヤです。平和でなければいけません」ときっぱり。「九条の会」は全国4000余に広がり、米軍基地再編強化反対の自治体は100を超えました。でこれに賛同・協力しない関係自治体の首長は石原東京都知事だけです。許せません▼凍てつく空に早くもこぶしは白銀のうぶ毛を光らせ春を告げています(中) |
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