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都民がつくる革新都政
会の機関紙「都民がつくる革新都政」2005年12月15日発行
まるで国策決定機関「経済財政諮問会議」 財界直結の審議会政治
=骨太方針から予算まで審議=

 小泉内閣の財界直結政治は目に余るものがあります。舞台になっているのは各種の審議会。なかでも際立っているのが「経済財政諮問会議」である。
 金融・財政・税制から労働、医療、福祉そして教育まで広範な分野にわたって強者を育成し弱者を淘汰するのが小泉「構造改革」。片や財界は、国家財政、行政機構をより大企業に都合の良いものに改造することがかねてからの野望である。経済財政諮問会議は、その舞台装置。「国のあり方を変えるための司令塔」(財界人)であり、反対を許さないトップダウン方式が特徴となっている。
 諮問会議は、2001年の中央省庁再編の目玉として内閣府に設置された首相の諮問機関。発足当時から「日本経済の財政政策のかじ取り」役として位置づけられていた。

「小さな政府」論(骨太方針2005)‐公務員削減‐
 「小さな政府」論のなかでいま声高に叫ばれているのが公務員削減である。
 「経済財政諮問会議」(9月末)で奥田会長ら民間議員は「国家公務員の定員を今後5年間で5%以上削減」せよと提案。国家公務員の総人件費についても「今後10年以内に名目GDP(国内総生産費)で半減」させることを求めた。
 日本の公務員総数(人口比)や人件費(GDP=国内総生産比)で見れば主要国のなかで、すでに日本は「小さな政府」である。(表参照)
 国の一般会計にしめる総人件費は、1975年に20・6%あったのが2005年には9・6%に半減している。
 公務員削減は、住民負担増と公共サービスの切りすてを一層推し進めるものにしかならない。

最大の“ビジネスチャンス”に
 公務員削減を経済界は“最大のビジネスチャンス”としている。「官」批判を意識的に行い、言葉は国民受けするようなことをいいながら、結局言っているところは、公共サービスの担い手を「官から民へ」、つまり「民」は国民・住民でなく株式会社が公務・公共部門にどんどん入ってくる図式である。
 公務員削減の「非常に有効な制度」として、着々とすすめられているのが「市場化テスト」(官民競争入札制度)。公共サービスを省庁と民間企業が競争入札で決めるというものである。
 すでに地方自治体では民間企業も保育園や図書館などの施設管理に参入できる指定管理者制度が導入されている。「市場化テスト」は、国の施策が対象外となるなどの問題点を「克服」し、民間開放を全面的にするための切り札として導入しようというものである。
 この動きを経済界は千載一遇のチャンスと歓迎。ビジネス誌『日経ベンチャー』(05年3月号)は「狙え!官業開放『50兆円市場』」と特集を組み、三菱総研は自治体のすべての施設が指定管理者制度の対象となれば、10兆5千億円の市場になると試算している。
 JR西日本の事故、建築耐震設計偽装問題事件、そして米国・ニューオリーンズのハリケーンによる水害への対応などは、「官」から「民」の「効率」「利益至上」の市場主義経済のあり方の怖さと、あらためて公共の役割の大切さ必要性を教えるものである。

 
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革新都政の会 都へ予算編成申入れ
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「革新都政の会」による2006年度東京都予算編成についての要請

 革新都政をつくる会は11月25日、横山副知事と交渉をもって東京都の二〇〇六年度予算編成について都知事宛要望書を提出した。
 「革新都政の会」は例年この時期に次年度予算編成にあたり、知事要請をおこなっていますが、今年は日本共産党都議団吉田信夫幹事長の同道で「会」の代表世話人など7人が参加し実施した。
 会・堤敬事務局長は、「小泉『構造改革』が進むもとで、都民生活の困難さ、将来不安が高まっている。こうしたときこそ、自治体の役割がいっそう重要になっている。『都市再生』をはじめ大型開発優先が都の財政を圧迫している点を指摘し、都民の福祉・くらしに重点をおいた予算編成を第一におこなう」よう求めた。また、石原知事の「国連憲章否定や国連屈辱発言」を批判し、国際都市東京にふさわしい海外との友好を取り組むことを求めた。
 要望書の内容を深める立場から、参加の各代表からは具体的実態と都としての取り組みを要請した。
 山本昭仁・東京都教職員組合副委員長は、次世代の人づくりや生活集団・学習の場としてもよい30人学級実施へ都の施策として踏み込んでほしい。また、学校の忙しさ、現場を見てほしいと訴えた。
 及川正彦・東京民主医療機関連合会看護部副部長は、10月からの高齢者医療の改定で、デイケアなどは食事代がすべて自己負担と、負担が重くなっている。都としての助成を求めた。
 伊藤潤一・東京地方労働組合総連合副議長は、三宅島の被災者対策で、雇用につながることからも、島の産業復興の支援を求めた。また、大気汚染被害者救済などの公害基金設立問題で、トヨタは国や地方自治体が対応すれば「お金」は出すといっているので、都として積極的に対応することなどを求めた。
 松村亮佑・民青都委員会常任委員は、青年は月額9万円以下や夫婦でフリーターなどの雇用実態が多いことや正社員は寝袋もって行くほどの長時間過密労働になっているなどの実態を訴え、都として身近な相談窓口を作ってほしい。ポケット労働法の増刷・配布を行い、人間らしく働ける権利の啓蒙をおこなうことを求めた。
 堤敬事務局長をはじめ、各代表からの要望に対し、横山副知事は、「予算編成作業に入っているので、要請は検討したい」と答えました。要請書の全文は、会のホームページに掲載してあります。

革新都政をつくる会 2006年度総会

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シリーズ自治体とは(16)
東京の保育の質守る都加算補助は”要”

 東京の保育には革新都政時代の輝かしい歴史がいまも息づいている。それが革新都政の時代に保護者・保育関係者の要求にもとづいてつくった都加算補助事業である。0歳児保育のための看護師・調理員の配置や11時間開所のための保育士の増配置、3歳児以上児の主食給食の実施など、低すぎる国の保育基準を補う東京独自の制度として、今日も東京の保育の質を守っている。しかし、子ども・親の幸せよりも、企業の利益と公的責任の後退を優先させる石原都政の登場が、都加算補助をめぐる状況を一変させた。

国の基準下回る「認証保育制度」
 認可保育所改革の起爆剤として東京が創設した「認証保育制度」は、革新都政が国の基準を上回る基準として都加算補助をつくったのに対して、こちらは国の基準を下回る基準で13時間以上の開所を義務づけ、どんな事業者でも参入でき、事業者は利益をあげられるものである。この制度の創設によって保育に対する企業の参入ラッシュが続き、05年にはサービス業の中でもっとも高い伸び率を示すという状況が生まれている。「認証保育所を全国の保育のスタンダードに!」東京都はこれをめざして「都加算補助」の廃止に乗り出した。

都加算補助の廃止にNO!各地に広がる声
 都の計画は、06年4月から都加算保育や子育て支援への補助などと一緒に廃止して「子育て推進交付金(仮称)」に再構築するものである。都は「市町村の裁量が拡大し地域にあった保育サービスが展開できる」としていますが、交付金化によって東京の保育基準が消滅する。影響は、自治体間格差の拡大や保育水準の後退となって表れるのは必至であり、自治体からも「これまで行ってきた事業が維持できなくなる」という不安の声があがっている。
 このような都の攻撃に対し、全都で都加算補助の交付金化に反対する運動が展開されている。
 12月5日に開催された「都加算補助を守る緊急決起集会」(主催・公的保育福祉を守る東京実行委員会)では、550名の参加者が会場を埋め尽くし、交付金化阻止に気勢をあげた。
 各地でも宣伝・署名行動が旺盛に展開されている。1時間で1千筆を超える署名が集まったり、署名に列ができるなど、私たちの運動を支持する都民世論は確実に増加している。
 子どもたちが育ちにくい状況が広がる東京でが、保育施策の拡充こそが必要である。都加算補助はその要である。私たちは革新都政がつくった宝物を守り、東京の保育を充実させるために奮闘していきたい。【東京自治労連保育部会・事務局長・高橋光幸】

連載 石原都政と教育(第25回) 子どもと教育の風景(25) 東京都教職員組合 教文部長 滝沢 孝一

コインの裏表
―自民党「新憲法草案」を読みながら―

 自民党が立党50年記念党大会で「新憲法草案」を正式に発表した。
 「新憲法草案」は、(1)日本国憲法前文からさきの侵略戦争に対する深い反省と平和への決意を削り取り、代わりに国家を「愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る責務」を書き込んだ。(2)第2章を「戦争放棄」から「安全保障」に変え、第9条2項に「自衛軍」の保持を謳いあげ、第76条では軍事裁判所の設置を書き込んだ。(3)第12条をわざわざ「国民の責務」とし、自由と権利を「公益」「公の秩序」、つまり国家の利益と秩序に従属させた。(4)そして、第20条で首相らの靖国神社参拝を正当化する項を挿入し、(5)第8章では教育や福祉を新自由主義「構造改革」にそって切り捨てる新たな「地方自治」の在り方を盛り込んだ。(6)そのうえで「新憲法草案」は、憲法改正の国会発議の要件を三分の二から二分の一に緩和して今後の改憲を容易にしようとしている。
 改変のどれもがこの国を戦争国家に仕立て上げる内容だ。焦点は明らかに9条に当てられている。いうまでもなく「戦争する国」にはそれを支える人づくりが欠かせない。案の上、自民党の「新憲法草案」発表が、教育基本法「改正」法案を来年1月からの通常国会に提出する動きを一気に加速させている。法案には、国家を「愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る責務を共有」する日本人づくりのあれやこれやが書かれている。憲法と教育基本法はコインの裏表である。

都議会開会日行動―12月1日
1兆4千億円の都税増収生かす都民本位の予算実現を
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都議会開会日恒例の都庁前開会日行動をおこなう「都民連」参加の労働組合の組合員と団体の会員のみなさん=2005年12月1日・都庁前

 12月1日昼、都議会開会日行動が都庁第一庁舎前にて、東京地評、東京社保協、都民連の主催でおこなわれ300人が参加した。主催者を代表して東京地評堤敬議長は「来年度各局予算要求は、総額で386億円、0・7%増となっている。1兆4千億円の増収があるのに都はゼロシーリングを続けている。都民本位の予算実現に向けて頑張ろう」と呼びかけた。
 続いて6団体から意見表明がおこなわれた。
 「所得税増税のためこれまで非課税だった人が区市町村民税を納める立場になり、シルバーパスが千円から2万510円になってしまう。今日3回目の署名提出をした」(都生連)、「30人学級は悲願だ。都はかたくなに拒んでいる。下の子は40人学級でザワザワして落ち着かない中で勉強している。30人学級を求め今日、1万1195筆の署名を提出した」(新婦人)、「都は都加算事業をやめて来年4月から子育て推進交付金を自治体に交付するという。これでは保育条件の切り下げになる。今の都加算事業を守ろうとの声が父母から広がっている」(福祉保育労)、「東部の民商と労働者が業者の賃金実態を調査した。年収3百万円以下が68%いた。今、借換融資の対象を設備投資にも拡充するよう都に求めている」(東商連)、「教員は10分で給食を食べ、仕事は放課後も続いている。教職員定数と予算増を求めていく。また今すぐ30人学級にすべきだ」(都教組)、「緊急の願いは医療費に気兼ねすることなく治療を受けられるようになることだ。都条例の年齢制限を撤廃すれば実現できる。トヨタ自動車は都が提案すれば検討すると回答している。あとは都知事の決断だ」(公害患者の会)。
 連帯に駆けつけた共産党の曽根はじめ都議会議員は「悪政を打ち破り皆さんの願いを来年度予算に反映させるため全力をあげる」と激励と決意が述べられた。
 最後に、参加者全員で都知事に向けて要求シュプレヒコールを轟かせ個人請願をおこなった。

フォトニュース
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「憲法9条を守り、世界に広げよう」「庶民大増税反対、くらしと
福祉を守ろう」を掲げて東京・明治公園で「11.19国民大集会」
が開かれた。会場は、9条の「9」や「喝(かつ)」の文字のプラカ
ードやゼッケン、むしろ旗、増税反対みこしと思い思いの工夫こしらえ
アピール。
 
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「国民生活の最低保障確立!憲法改悪反対!大増税は許さない!」
と11月27日、労働者や業者など約2千人が、観光客でにぎわう
浅草寺の雷門前を通る「雷大行進」をおこなった。かねや太鼓でチ
ンドンとチンドン屋の鳴り物入りの行進に、「がんばって」と声援
の声が…。
青い空
 トリノ冬季オリンピックを目前に、代表を競う氷上や雪上のたたかいが繰り広げられ、テレビ中継を楽しんでいる。日本の選手の活躍に胸躍らされるが、外国の選手の健闘にも拍手を惜しまない。ここにこそスポーツの醍醐味がある▼石原都知事が突如オリンピック招致を表明したとき、耳を疑った。都議会で国連憲章を誹謗・否定した舌の根も乾かないうちの発言だった。スポーツを通じての友好と相互理解の増進で平和な世界を建設することを目的とするオリンピック憲章の理念には触れず、名乗りを上げている福岡などに対する優位性と、「神宮外苑再開発」など大規模開発促進の意向を露骨に示した。次期夏季大会北京の開催国・中国を敵視し続けるなど、国際親善に背を向けてのオリンピック招致は、大規模開発のためにほかならない。莫大な財政負担が都財政にのしかかり、都民施策に深刻な影響を及ぼすことは必至だ▼続いて、耳を疑った発言が。「消費税は一番公平な税だ」「(小泉首相が)任期を延ばさないと決めているんだったら、一気呵成にやってもらいたい」と消費税増税を煽った。小泉「構造改革」のもとで都民の生活が深刻さを増大しているとき、「買いたくなきゃ買わなきゃいい」と追い討ちをかけた▼こんな男は都知事じゃない。(高)
若者に働く権利を知らせる「ポケット労働法」を街角まで広めよう

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