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都民がつくる革新都政
会の機関紙「都民がつくる革新都政」2005年10月15日発行
増税でも改憲でも国民は白紙委任ではない

 総選挙を受けての第163特別国会が、9月21日開会した。会期は11月1日までの42日間。与党は三分の二を超える議席を背景に、郵政民営化法案、障害者「自立支援」法案をはじめ、テロ特措法の再延長など悪法の強行をねらっている。総選挙での「圧勝」をたてに、小泉「改革」をさらに進めるかまえである。

 「民意を大きな支えとして」・・・。小泉首相は9月26日の所信表明演説で、改めて郵政民営化法案の成立を期す決意をのべた。しかし、本当の民意はそこにあるのだろうか。
 総選挙の得票をみれば、自民党、公明党の与党が得た得票は、比例代表で51%、小選挙区では49%、賛否相半ばである。また、小泉首相は「郵政」以外何も語らず(しかもその真実を語らず)、増税も改憲も隠す。増税でも改憲でも、国民は白紙委任したわけではないのである。

「小泉改革」懸念抱く国民
 共同通信社の世論調査では、郵政民営化法案を「慎重に審議すべきだ」が53・4%で、「特別国会で成立させるべきだ」の37・1%を上回った。
 NHKの世論調査(9月17〜19日実施)では、自民党の議席について「もっと少ない方がよかった」が53%と圧倒的。政治が数を頼みに国民が求めていないものが強行されることに、国民は懸念を抱いている。

庶民大増税 新聞・誌「公約違反」 と批判
 総選挙中は「『サラリーマン増税』を行うとの政府税調の考えはとらない」(自民党の政権公約)といっていた小泉与党。谷垣財務相は9月13日の記者会見で「(与党大勝の選挙結果の背景に)多くの国民のなかに、増税も必要じゃないかという気持ちもあった」として、定率減税の全廃や消費税率引上げに言及をした。
 選挙が終わるやサラリーマン増税や消費税増税の具体化に走り出し、新聞・週刊誌などのメディアからも「公約違反」の批判が出ている。
 年収5百万円のサラリーマン世帯の場合、サラリーマン増税と消費税の10%への引上げが実施されると年約52万円もの増税となる。

憲法改悪 選挙中は一切語らず
 選挙中も、首相再任の記者会見でも、憲法問題を一切語らなかった小泉首相。自民、公明両党は選挙公報に「憲法」の文字さえ掲げず、争点から徹底的に隠してきた。ところが、選挙後、与党側からは「9条について、どこをどう変えればどうなるのかも含めて議論する」などと改憲を促す発言が相次いでいる。
 また、憲法「改正」のために必要な国民投票法案を審議する衆院特別委員会の設置を特別国会で強行した。
 9月28日の衆院代表質問にたいする答弁で、小泉首相は、「『郵政民営化を進めよ』という審判を下したと同時に、私が就任以来進めた広範囲な構造改革の方針と成果に、広く国民の支持をいただいたもの」と答弁、まさに都合のいい解釈をし、国民いじめの政策を推し進めようとするものである。

 
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生活保護受給世帯10年前の2倍 被保護者の見舞金廃止
東京都生活と健康を守る会連合会 会長 須山利夫
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 昭和34年から夏と冬の年2回、都の生活保護受給世帯に支給されていた見舞金が05年度から廃止された。額は一人世帯3850円、二人世帯4850円と僅かですが、70歳以上の高齢者は04年から月1万7930円の老齢加算が3年かけて廃止する国の施策とあわせれば、大変な収入減。一人世帯の場合月収19%も少なくなる。習慣になっていたお墓参りも行けなくなり、食べ物をつめた暮らしの毎日である。福祉事務所から「見舞金廃止」の通知を受けた人びとから千件をこえる問い合わせの電話が都の保護課へ入っている。
 都は今年度から見舞金を廃止して、その額10億円を「被保護者自立促進事業」として、十分の十(各自治体の負担なし)都が財政負担する予算を組んだ。見舞金を軒並み削った他府県と比較するなら、まだ都民的と言える。事業の内容は、就労支援、社会参加活動支援、地域生活移行支援、健康増進支援の四つの柱からなっており、例えば、就労に向けての支援として、面接等で着るスーツ代の服装を2万5千円内で援助する、技能習得の講習会費用、緊急一時保育料が3万円の枠内とかが組まれているが、この新制度がどれだけ被保護者に徹底されるのか、現場の職員からも心配の声があがっている。
 地域生活支援の住宅契約関係費として、火災保険料支給が加わったことはヒットです。民間アパートの契約期間がほぼ2年であり、敷金と共に火災保険料も支払うことが慣行化された今日、保護費の中から捻出していたのが現状であり、私たち全生連は厚労省に毎年要求している。東京を皮切りに全国で制度化したいと思う。ただこの支給も一回目の契約更新をする場合のみとなっているのを永続化する闘いが残されている。
 出口の見えない永い不況のなかで、生活保護受給世帯が東京都は14万2千世帯19万人、全世帯の1・5%(6月現在)10年前の2倍に到達している。
 国は「自立支援プログラム」として、就労強化を策してきており、地方自治体をまきこんだ住民運動が求められている。

都民生活守る都政を
都議会開会日行動−9月20日−
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 都議選後初の定例都議会が開会した9月20日、革新都政をつくる会は早朝に都庁宣伝を実施し、都民生活を守る都政づくりを訴えました。昼休みには都民連、東京社保協、東京地評による都議会開会日行動が都庁前にておこなわれ350人が参加した。主催者を代表して東京地評の中山伸議長は「都民要求実現へ向け新しい一歩を踏み出す都議会です。都議選で述べた各党の公約が具体的に都議会にどう反映されるか問われる」と指摘した。
 その後、大気汚染公害裁判原告団、都庁職病院支部、福祉保育労、東京都生活と健康を守る会連合会、東京商工団体連合会、東京土建一般労組、東京自治労連の各団体から決意が表明された。また、日本共産党都議団を代表して渡辺康信団長が連帯の挨拶をおこなった。
 終了後、参加者全員が東京都に対して個人請願をおこなった。

お知らせ

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シリーズ自治体とは(14)
都の「賃金制度改定」「職員の健康実態」
給与構造改悪反対、人事考課制度抜本的見直し
 政府は、総選挙結果を背景に財界の意向を汲んだ「構造改革」路線を加速し、公務員総人件費抑制を焦眉の課題としている。いわれのない激しい公務員攻撃、公務員削減、給与構造改悪の攻撃は、国に追随する自治体へと拡がっている。人事院は、平均マイナス0・1%給与減額と50年ぶりの給与構造の抜本的な改悪(4・8%削減)、能力・業績の査定昇給を導入する極めて「政治的」な勧告を出した。
 都人事委員会は7月、労使双方に勧告以前の異例な給与構造見直しの「検討方向」を説明。その内容は人事院を踏襲する極めて不当なものである。
 勧告制度は、労働基本権制約の代償措置として位置付けられ、その責任と役割を人事委員会は独立機関として果たす責務がある。我々の主張する東京の公民格差是正、職員の実態を反映した正確な勧告を出すべきである。
 都は、他都市に先駆け16年度から人事考課制度を活用した「定期昇給延伸」措置を実施、評価の公正・透明性を欠き、全員の本人開示の問題を残している。給与構造と人事制度改悪は確定闘争の最大争点である。

「精神障害」病気休暇者が6年連続一位
 平成15年度知事部局等職員3万831人のうち、635人(り患率20・6%)が30日以上の病気休暇者。定数削減とともに「精神障害」の割合が急増し、11年度225人(24%)から15年度238人(37・5%)に上昇。6年連続「精神障害」の休暇者が1位で職員に心の病が広がっている。都も安全衛生委員会の重点項目に「うつ病対策」を盛り込んだ。メンタル問題は、社会的に注視され厚生労働省や労働安全衛生委員会、労働組合も重視している。
 「精神障害」の増加は、人員削減の期間とほぼ一致している。財政再建推進プラン(12〜15年度)4年間で3千913人削減(11年度比10・7%削減)第二次推進プラン(16年度以降)2年間で3千347人を削減。過密労働、過度の超勤・サービス残業、業務のIT化、他局異動、業績評価、職責と責任感など相互に関連してストレスが広がり、心の病が「精神障害」の原因になると考えられる。
 過重労働を強いる都政運営に最大の原因と問題がある。春闘アンケートから厳しい労働の実態が見える。心身疲労の原因は「仕事の忙しさ激しさ」「困難さ・難しさ」を感じる65・5%。サービス残業ある56%、うち「申請しづらい」42・3%、「仕事に責任ある」30・6%である。組合に期待する「人員・予算増」が46%を越えている。いま、都政リストラと闘い、人員増・超勤縮減が急務の課題である。【自治労連都庁職執行委員 乙幡 孝史】
連載 石原都政と教育(第23回)
子どもと教育の風景(23) 東京都教職員組合 教文部長 滝沢 孝一
成果主義と教育
 いち早く成果主義を取り入れた富士通がその見直しを余儀なくされたように、いま民間企業では成果主義の根本的な検討と見直しが広がっている。
 ところが、この成果主義を公務員の賃金に持ち込む動きが国でも都でも具体化している。
 成果主義が導入されると「人間どうしが必ず承知していなければならない互いの共感だとか尊敬、敬意だとかいうものが根こそぎ奪われてしまう」と斎藤貴男さんは述べていますが、この共感だとか、尊敬だとか、敬意だとかを生業(なりわい)の土台におく教育にあっては、教育そのものが根本から破壊されることになってしまう。
 もし成果主義が教育の場に持ち込まれたらどうなるでしょうか。
 (1)子どもから出発する教育から行政や管理職の考えから教育が出発するようになる。(2)目先の「成果」を得るために子どもを追い立て、子どもを「成果」の道具にする。(3)「成果」をもたらす子は優遇され、そうでない子は教育の場から排除される。(4)ミスを防ぐために無難で画一的な教育が横行し、大量の勉強嫌いを作り出す。(5)チームワークで成り立つ学校教育を破壊し、学校の教育力を低下させる。(6)学校の中に不信と憎悪ばかりが広がり、教育環境をぶち壊す。(7)子どもに「成果」を求め、その結果、長時間過密の「勉強」や「仕事」を強いる・・・などなど。
 JR福知山線の事故の背景にある成果主義と明日の教室の風景が重なる。
憲法をめぐる情勢とたたかいの課題
        一橋大学教授 渡辺治
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 憲法を守る東京連絡会は、9月26日(月)夜、100名を越える参加者でエデュカス東京・7Fホールにて秋の学習・交流集会を開催、渡辺治さんが講演。以下その要旨を掲載。【投稿文責・東京革新懇代表世話人高岡岑郷】

1、9・11総選挙の結果と改憲策動
1.総選挙の結果をどうみるか
 自民党の大勝、民主党の後退、共産党・社民党の現状維持。そんなに驚くべきことではない。小泉政権の国政選挙は4回。自民党の得票率は今回38・2%、01年の参院選は38・6%だった。比例票の自民は2589万、民主は2100万。ところが議席は2対1。共産は490万、社民は372万。比例代表制だとすれば自民183、民主149、共産35、社民26で、480議席のうち、護憲政党勢力は61議席となった。国民の政党にたいする意思が反映されない小選挙区制の害悪が改めてはっきり示された。

2.自民党はどこで勝ったか
 大都市・首都圏で民主党票の一部をさらい、農村部の目減りを最小限に防いだ。東京では自民266万、民主198万。民主が初めて自民に負けた。民主は大都市で負け、農村部でも取れなかった。共産・社民は890万で現状維持。この間の4回はいずれも800万前後で13%くらい。小選挙区制ではこれ以上伸びることは難しい。自民党批判の票が共産党には来ない。

3.小泉自民党はなぜ勝ったか
 構造改革への期待と幻想がなお強く、大都市の上層(経営者層、ホワイトカラー層)が大企業本位の景気回復によって、構造改革への期待が膨らんだ。経団連のアンケートで経営者・中間管理職の小泉支持が8月には81%だった。5月より15ポイントのアップ。
 大都市の下層では、非正規雇用の若年層が改革への期待で投票所に足を運んだ。中小零細企業、自営業層は公明や共産に。公明の自民支援が不可欠。共産党は全国で7・3%、東京=8・8%、下町=10%、大阪=10・2%。
 農村部は自民に不信。しかし、民主はもっと構造改革でダメ。共産・社会は怖い。公共事業投資へのいまなお期待が自民・漸減にとどまった。北海道の例をみると、自民=2P、民主=17P、公明=2・6P、共産=1・5P、軒並み減らして計=13・6Pのマイナス。新党大地だけが13・4Pの得票で一人勝ち。
 小泉首相は郵政民営化を争点にしたが、上層部、中間層、ホワイトカラー層が家族を含めて、構造改革と景気回復を止めてはいけないと期待した。

4.小泉は何を狙ったのか
 一つは、構造改革の加速化。二つは、与党内抵抗勢力の一掃。構造改革遂行政治体制で純化した。三つは、参院勢力への圧迫。参議院の存在が構造改革、改憲への障害となってきた。

5.小泉自民党大勝と憲法改悪
 (1)敗北した民主党の変貌。構造改革党への加速。9条改憲派の前原新代表。(2)公明党の比重低下。公明が9条改憲反対なら民主と組む。(3)国会議員の中の改憲派増加(自民=93%、民主=73%)。衆院で三分の二の多数。

2、改憲案の収斂‐自民党新憲法第一次案が狙うもの
 8月1日に自民党が新憲法草案を発表。
 9条の解釈改憲で自衛隊のイラク派兵を強行しているが、自衛隊は人を殺すことは出来ない。それは、9条があるから。
 構造改革で国民生活はガタガタ。自殺者は毎年3万人を超え、50才以上がその2万人を超える。企業倒産、失業者は増大。一方、トヨタは史上最大の利益。「アメリカに不況なし」と15年好況を謳ったアメリカは、ハリケーン襲来で露呈された貧困層の実態や災害対策の遅れ、略奪・暴行など犯罪の横行、ブッシュ政治の本質が白日のもとにさらされた。
 自民党は、改憲案を昨年から6回出している。その中で、共同体意識や首相のリーダーシップ、参院の弱体化などは反対意見も多い。
 今年、8月1日の新憲法案は9条と96条に絞ってきた。経団連が今年初めて改憲について打ち出したが、そこでは9条と96条だった。自民党の新憲法案はこれを受けたもの。

3、私たちは何をすべきか
1.当面何が出てくるか
 自民党結党50周年大会(11月22日)で改憲草案発表、採択。06年通常国会で国民投票法案。06年5月に民主党改憲案発表。07年通常国会で改憲案発議、国会議決、国民投票。改憲スケジュールが早まることも。
 国民投票法案の問題点として、(1)改憲の投票を条文毎にやるのか、一括してやるのか。(2)運動を規制する。予断を与える、結果を予測させるとしてマスコミの報道規制。公選法に準じて戸別訪問を禁止。公務員、教員の運動の制限。

2・改憲を阻むにはどうしたらよいか
 先日、自民党元幹事長の野中氏と対談の機会があり、構造改革に反対と9条改定に反対の二点で一致した。自衛隊を認めている人でも戦争する軍隊にはさせないことで一致する人とは共同していくことが大事。
(1)国民の過半数を立ち上がらせる運動に。
 世論調査では過半数が9条改悪に反対している。国会議席とのズレに着目して、声なき声を顕在化できるように。共産党、社民党支持の860万人では不十分。民主党や自民党の9条護憲派の結集と賛同を。9条の会を大きく広げ、交流を。
(2)保守層の一部、市長村長との共同の必要。
 保守勢力の一部との共同の二つの理由‐小国主義と反構造改革・市長村長は構造改革の痛みを実感し理解している。
(3)反構造改革の闘いと平和の闘いの両方を。
 構造改革の本質は、第一に、大企業の税金を軽くして、大企業の役に立たない財政支出をしないというもの。具体的には、医療費や高齢者対策など社会保障費、公教育費の削減。法人税を下げて消費税を増額。第二に、規制緩和。大企業とアメリカ資本の企業活動を自由にさせ、中小企業や農業の保護を切るもの。「官から民へ」の民営化もかれらの市場拡大のため。いずれも犠牲になり、「痛み」をもたらされるのは弱者、国民。
 社会保障切捨てで痛めつけられている人、農民や商工業者など、構造改革で犠牲になっている人たちと、反構造改革のたたかいを結びつけていく。その中で、9条の会を広げるとりくみを進めていくこと。
 9条の解釈改憲がすすんでいるが、ボロボロにはなっていない。自衛隊はイラクで戦争行為をしていない。いや、できないのだ。それは9条があるから。

青い空
 改めて国連憲章を読んでみた
▼先の都議会本会議で吉田信夫(共産)都議が「大儀のない侵略戦争の正当化と靖国神社への参拝を繰り返したこと」を批判し、「日・中・太平洋戦争を二度と繰り返してはならない侵略戦争であったという、国連憲章にも明記させた戦後国際政治の原点を認めるのか否か」と、正したことへの石原知事の答弁に唖然としたからだ
▼知事は「そんなもの金科玉条なんですか」「今ごろ国連憲章なんて、まともに信じているばかいませんよ」と、世界各国に向かってバカ呼ばわりまでしての暴言だからである。ちなみに「金科玉条」を辞書でみると、「それをも守ることによってだれに対しても自分の立場を正当化することができる、強いよりどころ」とある
▼その通りである。国連憲章前文は「われら一生のうちに二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救い・・・」と掲げ、第一章目的および原則の(1)に国際の平和及び安全を維持することをうたっている。9月14〜16日の国連首脳会議では国連の存続意義と平和の国際秩序の重要性が確認されたばかりである
▼少し硬い言葉が続きましたが国連憲章を読み返し体中に石原許すまじの怒りが走った。キンモクセイの香りとともに都政転換への希いが燃える。(中)
 
 
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