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都民がつくる革新都政
会の機関紙「都民がつくる革新都政」2004年9月15日発行
「臨海」第三セクター5社 累積損失1332億円に増加
―決算書で倒産・経営破たん認める―

 臨海副都心などでオフィスビルを経営する東京都の第三セクター6社のうち、5社が2004年3月期決算書で、倒産・経営破たんの可能性を自認していたことが明らかになりました。5社はいずれも大幅な債務超過企業で、この1年間で損失を合計51億円も増やしています。

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秋葉原神田市場跡地に建設進む「秋葉原ITセンター」

 決算書で倒産・経営破たんの可能性を認めていたのは、港湾局所管の東京テレポートセンター、東京臨海副都心建設、竹芝地域開発と、産業労働局所管の東京ファッションタウン、タイム二四。昨年3月期決算に続き2年連続で監査法人から「継続企業の前提に関する重要な疑義が存在」との指摘、警告を受けています。
 5社の04年3月末の累積損失の合計は、資本金の約1・8倍の約1332億円にふくらんでいます。
 経営破たんが表面化した第三セクター5社は、臨海部開発を先導するとのふれこみで、東京都が銀行などと設立した株式会社。4社が国の「民活法」の適用を受け、バブルに踊って豪華ビルを建設。都幹部は「不動産事業であげる利益は都民に還元する」と高言していました。
 しかし、バブル崩壊後の開業当初からビル事業は大赤字に。2000年までに5社とも債務超過となり自力再建が絶望的となったため、都が財政支援を講じていました。
 都は東京テレポートセンターなど3社に対し、98年度から土地賃料の減額、無利子融資など10年間で270億円の支援策を実施。タイム二四など2社にも2000年2月から地代の5割の後払いを認めています。
 破たんした第三セクターを延命させるため、都財政と都民に犠牲を転嫁する悪循環をいつまで続けるのか‐石原都知事の責任が問われています。

 総務省の【第三セクターに関する指針】(03年12月改定)は、「経営の改善が極めて困難と判断されるものについては『問題を先送りすることなく』『法的整理の実施等についての判断を』」と求めています。

意図的財政危機論 ‐05年度副知事依命通達
 東京都は7月21日、「都政改革の取り組みをすすめる」として、四副知事連名による依命通達を発表しました。また、05年度にむけて「重点事業の策定」「予算の見積もり」について通達を示しました。
 「6年連続の赤字決算」と「隠れ借金」1兆1千億円(減債基金の積立不足を強調したかさ上げ借金)という意図的な「財政危機論」を展開、さらに、予算編成は10%マイナスシーリングを宣言しています。
 「制度の根本まで遡り、事業の存廃を含めた見直しを聖域なく行う」と、民間委譲や指定管理者制度、NPM型ツールを使って「構造改革」をすすめるとしています。
 一方で、「都市再生」事業とIT技術開発などの重点事業にかかるシーリングは、その枠外とするとなっており、都民生活に直結する福祉や教育、医療、都営住宅などの切捨てが明らかです。

都政の流れ変えるため知恵と力合わせよう
―都民連、「都政学習会」開く―
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2004年度都財政の実態を学んだ都政学習会=9月3日

 9月3日(金)の夜、都民要求実現全都連絡会(都民連)、東京社会保障協議会(東京社保協)の呼びかけで都政学習会が行われ、28団体・地域から50人が参加しました。
 東京自治労連の森田稔さん(東京自治労連副委員長)が「都区の財政について学ぼう」との内容で講演。「『都の財政危機』論は一般会計予算規模のことで、特別会計など全会計規模でみればプラスである。しかも、『都市再生』など重点事業・大規模開発事業はシーリング枠外の扱いであり、『緊縮予算』の宣伝はまったく正しくない。都民サービス押さえ込みのための口実に過ぎない」などと、石原都政の実態を2004年度東京都予算で鋭く分析しました。
 この講演を受けて新婦人、福祉保育労、日野労連、東商連、都障教組、都教組、年金者組合、東京社保協等の団体から石原都政の福祉・教育破壊攻撃の実態を告発する発言が相次ぎました。
 新婦人の上伸子さんは、日本母親大会に2万人の女性たちが一同に会し、憲法と平和を守るために立ち上がることを話合い、成功したことを報告。憲法改悪、ジェンダーを敵視する石原都政の実態を告発し、30人学級の実現など、とりくみたいなどの発言がありましました。
 日野労連の矢田部正弘さんは、七生養護学校の性教育に対する歪んだ攻撃に対して地域から反撃のたたかいが進められているとの発言がありました。
 都民の生活を守り、都政の流れを変えるために知恵と力をあわせることの大切さを交流しました。【都民連・辻内健志】

9月・第3回定例都議会開会日行動
日程: 04年9月21日(火)
行動予定:
午前8時 都庁前宣伝行動(革新都政の会)
午後0時15分 知事室前行動(都民連・東京社保協)
同1時 都議会本会議傍聴
シリーズ自治体とは(1)
自治体は住民生活守る砦
 小泉自公政権は、「構造改革」と称し、国民に痛みを押し付け、大企業優先の政治を進めています。石原都知事も福祉、医療、教育などを切り捨て、大型公共事業に都民の税金を注ぎ込んでいます。
 「民間ができるものは民間で」を理由に、本来自治体が行う事業を法改正までして、民間が参入できる制度をつくり、「地方独立行政法人」や「指定管理者制度」が都・区・市にも導入されました。

「都市再生」に注ぎ込む財政
 なぜ、こうなるのでしょうか。1995年、財界は「21世紀戦略」を提唱しました。それを受け、当時の橋本首相(現・日歯連から1億円不正献金)が政治、財政、教育など6大改革を提起し、歴代の自民党政権は、小選挙区制、金融改革、財政改革、地方「行革」、労働諸法制の改悪、省庁再編などを行い、外交でも、憲法違反の自衛隊海外派兵を強行しました。
 石原都政は、この流れを促進させる都政を進めています。憲法を否定し、自助努力と称し自治体の役割である福祉の切り捨てを行い、企業活動のスピードアップが福祉につながるなどとして、道路整備などの「都市再生」などに財政を注ぎ込んでいます。

増える住民の負担
 いま、都・区で大変なことが起こっています。政策決定を秘密裏に行い、「問題点を住民に知らせることは行政の決定に違反する」と職員に通達しています。
 このような動きのなかで、指定管理者制度が体育館、保育園、幼稚園、図書館や行政施設に導入を計画、また、すでに始まるなどしています。民間企業が参入することは、「儲け」が前提となりますから必ず料金に反映され、住民の負担増は避けられません。
 自治体が住民の生活を守る砦となるよう、自治体が提起する行政施策の分析・検討が求められます。
 今後、公園の仕事の受注問題、図書館問題や施設利用に関する問題点などを明らかにしていきたいと考えています。
連載 石原都政と教育(第10回)
子どもと教育の風景(10) 東京都教職員組合 教文部長 滝沢 孝一
都教委、中高一貫校に 「つくる会」歴史教科書の採択強行
 3年前、歴史をねじ曲げ、日本の侵略戦争は正義の戦争だったと書いた中学校用の歴史教科書が登場して大問題になった。たくさんの人々が、とんでもない教科書を子どもに手渡してはならないと声をあげ、行動した。各地の教育委員会は良識ある判断を下し、この教科書を採択しなかった。採択を強行したのは東京都教育委員会と愛媛県教育委員会。都教委は健常者に一番良い教科書だ、この子達は健常者だと、知的障害と病弱の子らに押し付けた。
 全国99・97%の中学校が採択しなかったものを都教委は、今度は来年4月に開校する都立の中高一貫校に採択した。米長教育委員は「この教科書が健常者には一番いいと3年前に都教育委員会は決めている」と発言。今後開校予定の都立中高一貫校でも「つくる会」教科書を採択すると明言した。そして来年の公立中学校の教科書採択に圧力をかけることも忘れなかった。
 それにしてもなんとも貧相な意見交換の教育委員会だったことか。子どもも教育も出てこない摩訶不思議な教科書採択風景。採択に反対する2万8千人の署名、都教委に寄せられた598件の反対意見……賛成はわずか7件。今回もこれらの声は無視された。
 来年の夏は全国で中学校用教科書の採択がおこなわれる。「つくる会」はリベンジを方針に掲げた。「戦争する国」を支えるための教科書など断じて子どもたちの手に渡せない。
憲法9条は世界の宝
憲法守る運動展開―新婦人
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 暑い夏、平和の夏、新婦人都本部は原水禁世界大会、核兵器なくそう女性のつどい、日本母親大会を大きく成功させ、それを力に“核兵器も戦争もない、憲法・平和を守る運動を”草の根の班・支部から創意あふれる運動が広がっています。
 「おくにことばで憲法を」と故郷の方言で9条語ったら日本列島つながった。パソコンで憲法全文打ったらすばらしさを改めて実感。事務所に貼った憲法ポスターを見て高校生が「署名させて」と来た。終戦記念日に「戦争絶対イヤ!9条守りたい」と9人で駅前宣伝、戦争体験をマイクでリレートーク、「9条の会」アピールも活用、10代の女性がかけよって署名。「9条の会」ポスターを班で10枚貼る運動をしているなど、憲法を身近にひきよせながら署名も集めています。
 小金井支部のたずな・夜班は「夏の終わりのつどい」をひらき、61人の親子が参加、会員さんの創作紙芝居、戦争体験の話、地元盲目ピアニストの演奏と弾き語りを聞き、「憲法を変えようとしていることに危機感をおぼえ、憲法9条を一字たりとも変えてほしくない。『9条の会』に呼応して憲法守る活動に一人でも多くの人が賛同し、種をまく人になってくれることを願っています」のアピールを発表。「ふだん親子で『戦争はいやなこと』と教えていますが、弾き語りに引き込まれよく理解したようです」の感想も寄せられ大きな力になりました。
 都本部は、05年までに女性有権者の1割の51万の署名を集めようと決め、班から憲法守るチラシを配布、全会員から広げる運動を展開中です。【新婦人都本部・武藤幸子】

都議会第3回定例会の焦点
水道料金の改定問題
      日本共産党都議団幹事長 吉田信夫
 オール与党勢力が一体となって推進する石原都政は、都政の各分野にわたって歪みを顕在化させ、都民のくらしや東京の環境に深刻な影響を広げています。
 第3回定例会では、そうした実態を告発するとともに、住民福祉の増進という自治体本来の役割を果たすよう具体的提案も示していきたいと考えています。
 積極的提案では、30人学級の実現を迫っていきたいと考えています。すでに42道府県が実施に踏み出し、文部科学省も最近の「通知」で自治体が自主的に実施できるよう対応を変えています。それだけに都民運動と連携し実現への扉を開く定例会にしたいと思います。
 第3回定例会の議案としては最大の焦点は水道料金の改定問題です。日本共産党は、過大な投資計画を見直すことで水道料金の値下げをはかるべきことを主張してきました。改定案はわが党と都民の世論によって全体として値下げとなりました。しかし生活保護世帯や公衆浴場の一部には値上げを求めるものとなっていることは見過ごせません。
 同時に改定と一体となっている水道事業3ヵ年計画では、過大な投資にはメスが入っていません。わが党は、八ッ場ダム計画など過大投資計画を見直し、料金の抜本的値下げを求めたいと考えています。
 また、都立病院統廃合計画の一環として都立多摩老人医療センターの公社化なども報告される予定です。こうした課題でも徹底的に追及するとともに、都民のみなさんとの共同の運動を広げたいと思います。
東京の履物産業守って
都へ予算に関する要求書提出
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都へ要求書提出する履物共闘会議代表=8月31日

 東京靴工組合は東京の地場産業である靴産業に働く労働者・職人・家内労働者などを組織していますが、いま多くの仲間は、不況と急増する外国製革靴の大量輸入などの影響によって、「仕事がない」という深刻な状況におかれています。こうしたことからも労働組合として、自らが働く産業の振興をはかり、仲間の権利を守るために東京都に対する要求闘争を重視。毎年10月の200名規模の交渉をはさんで、五次から六次にわたる交渉を配置し、靴見本市開催の補助などの産業振興対策をはじめ、ケガ・病気の時の生活保障をはかる共済制度や有機溶剤を使用する働くものの命を守るための無料健康診断などの要求を実現させてきました。
 今年8月11日に、履物産業に従事する関係団体でつくる履物対都要求共闘会議として要求書を都知事に提出し、対都闘争を開始しました。
 今年度のたたかいでは、すでに依命通達などで庶民いじめの反都民的な姿勢を露骨に示している石原都政のもと、ものづくりを大事にする都政への転換をはかることを基本にすえ、第二次財政再建推進プランによる関係予算の削減を許さないことをはじめ、都職員らによるメーカー訪問での仕事おこしと開拓、現在ある仕事情報センターの拡充と仕事の受発注システムの確立など、都としての役割発揮などを要求の重点としてとりくみます。
 9月12日に学習決起集会、14日に第一次交渉を恒例により関係部課長全員を働く現場の中心地である浅草に迎えて実施します。【東京靴工組合・佐藤直哉書記長】

青い空
 今年は暑い夏だった。被爆59年目。59回目の終戦記念日。アテネでオリンピック。熱い夏だった
▼石原都知事が今年も8月15日に靖国神社参拝。記者団に、終戦60周年にあたる来年は「ぜひ、天皇に参拝していただきたい。天皇にしか果たせない国家に対する大きな責任を果たしていただく」と語ったという。天皇の政治的利用であり、国民主権や政教分離原則を謳う憲法を踏みにじる暴言
▼「日の丸・君が代」強制に従わない生徒がいる学校の教員を処分するという異常な東京都教育委員会が8月26日、「新しい歴史教科書をつくる会」の中学校用歴史教科書(扶桑社発行)を来春開校の都立白鴎高校付属中学校(台東区)で使用することを決めた。この「つくる会」教科書は、日本の侵略戦争や植民地支配を美化し、神話を事実であるかのように扱うなど、歴史を歪曲する内容で教職員や保護者、歴史研究者をはじめ多くの識者からの批判、懸念が寄せられていた。中国や韓国の政府関係からも強い不満が示されている
▼9月1日は関東大震災の教訓を生かす日。「防災の日」であるとともに、朝鮮人大量虐殺と社会主義者への虐殺が行われた日。18日は「柳条湖事件」(1931年)。満州事変、15年戦争のはじまり。しっかり歴史と向き合いたい。(高)
いざゆけ大東亜への道 ちょっとあんた仕事がちがうでしょ!

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