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都民がつくる革新都政
会の機関紙「都民がつくる革新都政」2004年8月15日発行
今こそ旬の憲法9条 世界に誇る日本国憲法の発展を
―「九条の会」が発足講演会―

 「自分の支えとなってきた柱が倒されようとしているときに何かしようと考えた」「黙ってみているわけにはいかない」「今こそ旬の憲法九条の価値を大いに使おう」。憲法改悪の危機が迫るなか、世界に誇る日本国憲法を守り、発展させようと、日本の知性と良心を代表する文化人9人が呼びかけ人となって6月10日に「九条の会」が発足しました。発足を記念して、記念講演会が7月24日、港区のホテルで開かれ、会場いっぱいに千人が集いました。

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「九条の会」の発足を記念して開かれた講演会。1千人の参加で大盛況=7月24日、東京・港区

 呼びかけ人の井上ひさしさん(作家)と三木睦子(三木武夫記念館館長)があいさつ。井上さんは、「仙台第一高校の先輩で民主主義をとなえた吉野作造の考え『憲法は時の政府に対して国民が発する命令、法律は政府が国民に発する命令。両者の間でつねに憲法が優越する』を紹介、国民の命令の中心になるのが九条。これはパリの不戦条約がそっくり移ってきたもので、アメリカの押しつけでも何でもありませんと指摘。最後の何人になろうとも、九条を守り抜く決意です」と述べました。
 三木さんは、かつて夫の武夫氏(元首相、故人)に「なんであなたは自民党なんかにいるのか」と聞くと、武夫氏は「僕がたじろいでよそに行ったら、憲法九条は守られなくなるんだよ」と答えたと、エピソードを紹介。「九条を守るために大勢の皆さんのご賛同を」と呼びかけました。
 …………………………
 続いて、呼びかけ人の大江健三郎さん(作家)、奥平康弘さん(憲法研究者)、小田実さん(作家)、加藤周一さん(評論家)、澤地久枝さん(ノンフィクション作家)、鶴見俊輔さん(評論家)が講演を行いました。
 「憲法と教育基本法『希求する』という言葉が使われている」。文体には、戦争で多くの死者を出した日本人の「倫理観がにじみ出ている」と指摘。若い人々が「希求」としてとらえ直すことが重要だと強調されました。(大江さん)
 「改憲の最大の狙いは九条の改悪にあり、これに対して九条の果たすべき役割を考えることが重要」。「九条は日本に住む人々を統合する象徴としての意味を持つ」と述べました。(奥平さん)
 「日本は民主主義に平和主義をくっつけて独自の民主主義をつくった」。日本の憲法は「一国の憲法の形をした世界平和宣言なんです。これがもう一度輝くときがきた。その根本原理になるのが憲法九条です」と結びました。(小田さん)
 「解釈改憲を続けても、いずれは限度がくる。その限度にいま行き着いている」。「国民の意見と議会との間に食い違いがある。それを狭めるための一番強い手段は選挙だから、選挙と国民の意見が結びつくことが必要だ」と述べました。(加藤さん)
 日本が第二次世界大戦後、一人の公的な戦死者も出さないできたのは「既成事実ができてシロアリに食われたような形になりながらも九条が生きて、それが歯止めになっている」。「ここから一ミリも引きませんよということを意思表示していきたい」と述べました。(澤地さん)
 戦後ようやく達した結論は、「私は殺した。殺すことはよくない」と一言いえる人間になりたい。戦中の体験が、「九条の会に参加したいという積極的思いを支えるものだ」と語りました。(鶴見さん)
 …………………………
 「九条の会」事務局長の小森陽一東大教授が、年内に札幌、仙台、京都、大阪、福岡、沖縄で講演会を開催することを発表。同事務局員の渡辺治一橋大教授が今後の取り組みについて提案(別項)、しました。

【三つの提案】
(1) 各地域・分野で九氏が呼びかけた「アピール」に賛同する会をつくる
(2) ビデオやポスターなどを活用し、全国津々浦々に「九条の会」のメッセージを広げる
(3) 大小さまざまな集会、学習会を開催する

 
==石原都知事「憲法破棄」語録==
 「国会の3分の2以上の議決、そして国民投票で過半数の得票を得なければ、憲法の一字一句も変わらないという規定というのを、私たちはなぜか盲信してきたわけで、そういう条文にとらわれることなくて、もっと大きな見地で歴史的にこれを反省し、占領されているという異常な事態のなかでああいう形で行われた憲法が、今日の日本にとって、日本人にとって、歴史的な正当性を持つか持たないかということを、私は国会で決めたらいいと思う。私がもし総理大臣だったらこの提案をしますね」(02年12月11日、都議会本会議・自民都議への答弁)
 石原都知事の発言は、「国会議員の3分の2以上の発議・国民投票という憲法96条で定める憲法手続きを公然と“無視せよ”」との発言であり、「憲法擁護を定めている憲法99条に明確に違反している」と指摘、撤回を求めた。しかし、石原知事は、「99条違反で結構であります。私はあの憲法を認めていません」と、憲法違反を認める重大発言を行っています。(03年3月4日、都議会予算特別委員会・日本共産党吉田都議への答弁)
 
”憲法・9条守れ”共同広げ改悪阻止を
―東京革新懇が交流集会―
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 憲法9条改悪の動きが強まるなか、“憲法守れ”の一点で共同を広げ、草の根の運動で改悪を阻止しようと、東京革新懇は7月24日、豊島区・東京労働会館で、憲法改悪反対運動推進・団体地域職場交流集会を開き、各団体・地域の代表50名が参加しました。
 …………………………
 参加者から憲法改悪阻止にむけた思いや取組みの経験が語られました。
 「守ろう平和憲法・西東京の会」では、「平和憲法を守るために手をつなごう」と、元社会党員、YMCA関係者、団地自治会会長など地域の有力者・著名人77人が呼びかけ人となった「会」を結成。「市民一人ひとりと徹底して話し合うことを目的意識的にとりくむことが不可欠」であることなど、その経緯と経験が話されました。
 「憲法を守る町田の会」では、憲法連続講座から「会」結成へと発展した。憲法改悪反対署名を住民過半数集めるには、地域ごとに会をつくって進めることが大切と、すでに金森地区で会を発足させ、他に6地域で進められ、9月までにはスタートできる、と話されました。
 「新婦人都本部」では、5つの目的の一つに憲法が位置づけられ、91年には憲法手帳(5刷り)が作られ、仲間を増やすことと合わせとりくんできた。タペストリー運動、絵手紙などにも工夫しとりくんできています。12000筆を超える署名を集約し、「世論を大きく広げ、無傷で憲法を次の世代へ手渡したい」との思いが話されました。
 「全印総連女性部」では、憲法9条を守るだけでなく、世界に広げるための発信として、「憲法9条にノーベル平和賞を!」(別掲)と会をつくった。「宣伝をしていると『本当にノーベル賞をとれるの』という反応も。憲法9条を知らない人たちも、大事さを知ってもらえるきっかけになる」と話されました。
 「民医連」では、「民医連憲法手帳」を作成、東京で15000部活用したが、評判を呼び在庫がなくなるという状況。また、「こころやさしき日本の憲法‐守ろう平和!学ぼう憲法!」というパンフを作り、憲法・平和・人権ということの教育をすすめていると話されました。
 「東京憲法会議」の山本眞一幹事長からは、「07年、憲法改正での国民投票ということが巷間いわれている。東京の有権者の過半数は約3百万人。『9条の会』アピールを読み、ネットワークづくりを行い、都知事選をたたかう気持ちで、あと3年のあいだ本気で組織しよう」との決意も話されました。

日の丸君が代の強制 教職員への処分取り消し要請
―都教委OB―
 石原都政、東京都教育委員会は、公立学校の卒業式・入学式への強権的な「日の丸・君が代」の強制、不当処分、さらに思想・良心の自由の侵害にもあたる「君が代」強要研修を8月の2日間にわたって強行してきています。子どもの内心の自由を侵すことや教職員の「思想・良心の自由の侵害」、教育基本法が禁ずる「教育に対する不当支配そのもの」という批判が広がっています。

教育を否定する強制・命令・管理の支配
 東京都教育庁に在職したOBの有志でつくる「『日の丸・君が代』について都教育委員会に要請する元教育庁職員の会」は、いま起きている重大な事態を見過ごすことはできないと6月14日、都教育委員会が卒業式や入学式での「日の丸・君が代」の強制の撤回と斉唱時の不起立などを理由とする処分の取り消しを求める署名110名の賛同を添えて、都教育委員会へ要請を行いました。
 教育現場を「強制・命令・管理で支配するということは、教育そのものを否定すること」「一連の動きに驚き、言い知れぬ危惧を感じる」と、教育委員会のにやり方を厳しく批判し、都庁前での宣伝チラシによる訴えも行ってきています。

「思想・良心の自由」侵すもの
 また、都庁関係者に購読されている「都政新報」04年6月25日付けに、‐「私たち退職者世代には戦前の軍国主義教育の“悪夢”を見る思いです。憲法が保障する『思想・良心の自由』を侵していませんか。私たちが在職中に大事にしてきた公務員の『憲法尊重擁護義務』を逸脱していませんか。『国歌・国旗法』制定の際の政府答弁にも背反していませんか。生徒の自主性を大事に、父母や教職員の意向も尊重してきた東京都教育委員会の伝統を守ってください。処分は慎重に再検討のうえ取り消してください」‐との内容の「意見広告」を都教育庁に在職経験のある退職者有志138名により掲載し、大量処分と強制の再検討と撤回を求めています。
 退職者世代は、戦前の忌まわしい軍国主義教育の体験を持つことから、こうした事態に戦前の悪夢を見る思いがしていると語っています。また、就職に際して公務員としての「憲法尊重義務」を宣誓し、職場では憲法・教育基本法の理念を大切に、都民本位の仕事を心がけてきたことからすれば、いま起きている重大な事態を見過ごすことはできない。と行動を起こしました。
八王子市教委通達 保護者まで斉唱「指導」!?
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 八王子市教育委員会が出した「国旗・国歌」強制の通達は、旗の位置を図入りで示し、子どもや保護者を含めた参加者全員が起立し、斉唱するよう「指導する」という、とんでもないものでした。
 八王子では、春と秋の一日総行動の最後に、全員で教育委員会交渉を行っています。昨年秋には、あるお母さんが、「私は保護者として卒業式に参加するが、あなた方に『起立・斉唱』を指導される筋合いはない。その根拠を示してほしい」と鋭く迫り、市教委は回答できませんでした。
 2月に行った「日の丸・君が代」強制反対の「市民のつどい」では、通達で、これまで行われてきた、子どもたちが主役のあたたかい雰囲気の式が台無しにされてしまうことに参加者の怒りが集中しました。
 総行動実行委員会は、「みんなでよろこびあえる卒業式・入学式に!」というチラシを5万枚作成し、2〜3月の土曜日ごとに配布しました。そして、市内107あるすべての小中学校を訪問し、「国旗・国歌を強制しないでほしい」「子どもたちが大切にされる式を続けてほしい」と校長・教頭に要請しました。「私も、この通達はおかしいと思う」と答える校長も少なくありませんでした。
 新婦人八王子支部は、総行動とは別途に、写真のような絵手紙(別掲)をもって各学校を訪問しました。
 子どもたちを大切にする教育を願う地域の声をもっとひろげて、教育基本法改悪反対の大運動につなげていきたいと思います。【都教組八王子支部書記長・糀谷陽子】

連載 石原都政と教育(第9回)
子どもと教育の風景(9) 東京都教職員組合 教文部長 滝沢 孝一
腹立たしい風景三つ
■東京都教育委員会は、中学2年生全員に「一斉学力テスト」を実施し、区市ごとの「成績」を公表した。さっそく産経新聞は、それを一位から順に並べた表を載せて競争を煽りたてた。「一斉学力テスト」の問題は、はたして適切か。ベテラン教師と研究者が共同で出題問題を詳しく分析・検討。結果は、どう考えても不適切としか言いようのない問題が多数見つかった。都教委はこの「テスト」で、子どもの書いた答えの採点(○×つけ)と結果のまとめを民間業者に丸投げ依頼した。子どもに返ってきたのは1枚のカードに記された教科ごとの点数のみ。一番大切な子どもの書いた答案用紙は、都教委が業者に早々と廃棄処分にさせた。

■「日の丸・君が代」強制で2百余名の処分を強行した都教委が、その被処分者らに「服務事故再発防止研修」を命令した。この研修はもともとセクハラや飲酒運転事故などの非行の再発防止を目的とした研修。しかも、横山東京都教育長は、「反省」が見られなければ研修終了にはならないから再研修を受けさせると述べ、露骨な思想転向を迫った。さすがこれには東京地裁も、こうした研修が繰り返されれば憲法違反になるとの判断を出した。

■その横山教育長が侵略戦争賛美の「つくる会」教科書の採択を推す集会に教育長の肩書き付でパネリストとして出席して、教育長としてのお手柄を披露した。都民の抗議の声に「休暇を取っての参加だから問題なし」というのが都教委の窓口責任者の答えである。
「草の乱」秩父事件 120周年記念作品
神山征二郎監督作品
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 1884年11月、時の政府を震撼させる事件が勃発した。富国強兵に向け増税、デフレ、徴兵を推し進める明治政府に対し、愛するものを守るため、命を懸け“自由と平等の社会”を求めて武装決起した万余の民衆が、この日本に実在した。
 政策による不況・失業、増税、海外派兵。そして「富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなる」という現代の日本と驚くほど酷似する社会状況のなかでおきた“秩父事件”。
 歴史の闇に封印されてきた壮絶な真実が120年の時を越え、映画「草の乱」として今ここに蘇る。総制作費4億5千万円のすべてが一般市民の出資で集められ、総勢8千名におよぶエキストラはすべてボランティアとして日本全国から集まった。“現代の草の乱”と呼ばれるこの現象は“もう我慢ならない!”という今日の政治に対する人々の怒りと苛立ちにほかならない。
 「草の乱」は9月から全国で劇場公開や市民の手による自主上映などが行われれます。
 9月4日(土)より、有楽町スバル座にて先行ロードショーとして上映されます。
 ぜひ、ご覧ください。

9月・第3回定例都議会開会日行動
日程: 2004年9月21日(火)
行動予定:
午前8時   都庁前宣伝行動(革新都政の会)
午後0時15分 知事室前行動(都民連)
同 1時 都議会本会議傍聴
9・3学習交流会「これでよいのか都政」
日時: 2004年9月3日(火)午後6時30分開会
会場: 大塚・ラパスホール(東京労働会館7F・JR大塚駅南口下車)
内容: ◇ 基調講演「東京都政の現状と問題点」
           (講師予定・東京自治労連)
◇ 各分野からの報告
 医療・福祉・教育・公害・再開発・業者
 青年・女性・文化スポーツ など
青い空
 広島・長崎の「爆心地の近くでありながら落命されずに生き残った方がたくさんおられる」衆議院特別委員会での石破防衛庁長官の発言である。原爆被害者を軽視するだけでなく、生き残った人も「心」と「体」に深い傷を負い、毎年5千人が苦しみながら死んでいる現実を見ないものである
▼爆心地から300メートルのところで被爆し、奇跡的に助かった被爆者。「被爆の悲惨さは話してもわかって貰えない」と語らずにいた。苦しみをどう伝えるか考え、病気の痛みを薬でおさえて「語り」だした事をテレビで報道していた。沈黙した人が語りだした事を大江健三郎さんは「核兵器廃絶は困難に見えるが、若い人たちが聞いた話として伝えていくことが大事」と
▼原水禁世界大会のピースジャムに参加した青年が「被爆体験を語らなかった人が話し始めた。涙を見てその苦しさが伝わってきた。私たちがどうやって伝えていけばいいのか真剣に考えた」と話していた
▼戦争で人が殺され、傷つく事を招かないようにする立場が、日本国憲法と9条の立場。宇宙を舞台とした核ミサイル防衛システムを整備する事で、「多くの人命救うことができる」とする石破防衛庁長官や政府に対し、青年の取り組みは未来に光を見る思いがする。(昭)
ガンバレ日本! サポーターの暑い夏がやってきました。
その一方で都教委による日の丸研修が強行。
古くて新しい日の丸の使い方

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