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会の機関紙「都民がつくる革新都政」2004年6月15日発行 |
連載 ここが違う 第2期石原都政の特質(第4回)
前都庁職委員長 氏家 祥夫 |
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秋葉原神田市場跡地に建設進む「秋葉原ITセンター」竣工間近のTOKYO TIMES TOWOR |
暴力的な強権政治 都政と地方自治を破壊
石原知事の都政運営は、保守政治を都政で貫くという従来のやり方と大きく異なっています。
憲法否定・強権国家づくり
石原知事は就任以来、現憲法の廃止を煽り、核兵器武装・自衛隊の海外派兵を叫び、防災訓練に名を借りた自衛隊の軍事訓練を東京のど真ん中で強行し、テロを容認するという自治体の長としてあるまじき言動をくり返しています。
これは昨年の知事選挙で掲げた公約の冒頭にある、「国家的危機を打開することが私の使命と自覚して、真の改革を国に先駆けて確実に実行することで必ず日本を変えていきます」に基づいています。ネオ・ナショナリズムに立脚した軍事大国・強権国家づくりがねらいです。都政はその踏み台しかすぎません。
凶暴性が突出した強権政治
石原知事の女性・障害者・外国人への差別、人権否定の言動は枚挙にいとまありませんが、都民の多数に支持されたのをいいことに第二期石原都政ではその強権的なやり方が、人格や人間の尊厳、基本的人権の否定にまで及んできています。
反動的な教育委員、都議会議員と結託した卒業式や入学式における日の丸・君が代の強制は言うに及ばす、従わないものに対する処分と生徒に対する職務命令まで強制しようとしています。まさに常軌を逸したやり方です。
また、都立四大学の「改革」では、自ら参加し決定した「東京都大学改革大綱」を突然破棄して「新都立大学構想」を一方的に発表しました。大学の総長や学長がその内容を見せられたのは知事の記者会見の一時間前という民主主義のかけらもないやり方でした。
背景には、都立の大学を財界の熱望する「産業力強化」に役立つ大学に仕立てあげようとするねらいが学長予定者の発言などによって明らかになってきています。このような専制君主のような都政運営を絶対に認めるわけにはいきません。
階層社会の不安を治安の強化で
市場原理・規制緩和を柱とする小泉「構造改革」は「勝ち組」と「負け組」の二層社会=階層社会を作り出してきました。
リストラ、失業、ホームレス、教育問題、犯罪の多発など階層社会から生じる深刻な問題を治安強化で強権的に対応しようとしているのが第二期石原都政の特徴です。
警察庁幹部を副知事に据えたのがその典型です。
都政の内部の運営でも、知事や副知事のやり方をまねて怒鳴りまくる幹部が多くなり、職員参加の民主的な運営が困難になっています。「コスト」や「スピード」が重視され、住民に奉仕する公務員の責務は後景に追いやられています。
また、庁議も定期的に開かれなくなり、知事・副知事など一部の「側近政治」というやり方が人事を含めて露骨になってきています。
「都政新報」紙では、「北朝鮮と変わりない」とまで記事に書かれています。
都政内外から石原都政を変えなければの声が強まっています。
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都議会第2回定例会 開会日1日行動 都庁前400人 |
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2004年都議会第二回定例会が開催された6月1日、朝から開会日行動が展開されました。
朝の都庁門前宣伝(革新都政の会)、10時からの都政学習会につづいて、12時15分からは都庁前行動が行われ、都民要求実現全都連絡会などから400人の都民が参加しました。
東京大気汚染公害訴訟原告団、新婦人都本部、都生連、福祉保育労東京地本、都障教組の代表が決意を表明しました。
日本共産党都議団清水ひで子都議、「自治市民93」の福士敬子都議から連帯のあいさつを受け、都庁前集会を終了、「環境破壊の大規模開発やめろ」「『日の丸・君が代』を強制するな」などのシュプレヒコールを行い、個人請願運動に移りました。
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「消費税一番公平」―石原知事発言
財界のほんねを代弁! |
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消費税が導入されるときも、3%から5%に増税されたときも、「年金や福祉などの社会保障充実の財源のため」と盛んに宣伝されましたが、実際は毎年のように年金や医療の大改悪、福祉切り捨てなどが続き、長期不況の要因ともなりました。
消費税は、所得の少ない、福祉を最も必要とする人たちに、最も過重な負担を強いる最悪の不公平税制・大衆課税です。その消費税を福祉に使うこと自体、そもそもありえない宣伝文句です。
しかも、税務統計によれば、消費税導入以降16年間で集めた消費税は約148兆円、この間の法人関係税の減収・減税分が約145兆円とピッタリ一致します。まさに、消費税は福祉に使うどころか、法人諸税の減税で消えてしまったのが事実です。
これに味を占めたか、日本経団連は昨年1月に法人税や社会保険の負担軽減と消費税大増税という「奥田ビジョン」を打ち上げました。
5月14日、石原都知事は記者会見で、国から地方への移譲税源の一例として消費税をあげ、「消費税が一番公平。こんな機会均等な、公平な、買いたくない人は買わなきゃいいんだから」と語気を強めましたが、外国ではほとんどの国が非課税となっている毎日毎日のささやかな食料品まで課税する日本の重い消費税。一律にかかっている都民の生活実態をどう考えるのでしょうか。【石橋映二(自治労連都庁職書記長)】 |
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いま現場は 「指定管理者制度」導入で―地方自治法変質
住民・利用者負担増、職員犠牲進む |
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政府は03年3月、地方自治法の一部改正(03年6月公布、9月施行)を行い、「公の施設」の管理運営について、従来の「管理委託制度」に代わって「指定管理者制度」を導入し、直営か政令等で定める公共団体に限定していたものを株式会社など民間事業者が行うことを可能にしました。「公の施設」とは、地方自治法で「住民の福祉を増進する目的をもってその利用に供するための施設」と定める。住民にさまざまなサービスを提供する施設、保育所、児童館、体育館、図書館、公園、病院など住民の身近にある施設です。
政府・財界の主張する「官から民へ」公務の職場を市場開放し、住民への負担増になることは必死です。石原都政や区市町村で保育園や体育館などにこの制度を導入し、病院の統廃合を進めています。いま現場ではどうなっているか、を特集しました。
都立病院の再編整理計画 |
梅ヶ丘 |
H19年に移転統合
(小児総合医療センター)
3施設を統合して、
府中キャンパス内に移転 |
八王子小児 |
清瀬小児 |
豊島 |
統合・民営化 H16年 |
老人医療センター |
荏原 |
公社運営 H18年 |
多摩老人医療センター |
公社運営 H17年 |
大久保 |
公社化 H16年4月 |
母子保健院 |
H14年12月 廃止 |
東京都の「都立病院改革マイスタープラン」 |
都民の知らない間に 都立病院なくなる
石原都政スタート以来、都立病院はいらないとばかりに、「都立病院改革」と言う名の都立病院つぶしを進め、すでに、都立病院は16カ所から14カ所に減少しました。このままでは、都立といえる病院は3カ所残るかどうかと言う驚くべき計画です。
統廃合・民営化だけではなく、民間企業の資本を入れた改築や運営を目指すPFI方式をほとんど非公開で進め、多くの都民が知らない間に都立病院がなくなろうとしています。
都立病院のベッド数は、都内のわずか5%程度しかありません。それでも都立病院は、日本の病院経営の基盤となっている診療報酬制度からすれば、不採算といわれている小児・未熟児医療、感染症医療、精神科救急など、行政が担うべき分野を50%近く実施してきています。
都立病院は採算が取れないということを理由に統廃合・民営化されたら、小児・未熟児医療、感染症医療、精神科救急など、民間ではできない行政の役割がどんどん後退してしまうのではないでしょうか。
今年の4月、都立から東京都保健医療公社の管轄になった、大久保病院では、医師の退職、外来・入院共に患者の減少があっという間にすすみ、これでは病院がなくなってしまうのではないかと、職員は心配しています。
板橋区の豊島病院の区立化(民営化含む)、老人医療センターの民営化案は、今年の8月には具体化を決めるというとても拙速なものです。民営化になったらまず第1には、差額ベッド料をはじめとした、保険外負担は確実に増えます。
全国に唯一という小児精神科単科の梅ヶ丘病院も府中に統廃合を進めているという事態です。東京のベッド数は、人口10万人に対して全国でも少ない位置にあります。都が率先して病院をつぶすことは、生きる権利を奪っているのと同じことです。【赤尾関恵子(都庁職・病院支部支部長)】
泣く子も三日経てば慣れる
東京都中野区は、2003年11月、二つの保育園の管理運営を株式会社などに委託することを発表しました。発表後わずか四ヶ月後の2004年4月から実施するとし、子どもや保護者への配慮を一切欠いた乱暴な内容でした。あわせて区当局は、委託しない保育園で働く非常勤保育士をも全員解雇することも通告しました。
安心できる区立保育園だからこそ子どもを預けてきた保護者の信頼を大きく損なう計画です。「泣く子どもも3日も経てば慣れる」と保育行政担当者とは思えない説明をおこなった中野区に対し、保護者の怒りは一気に高まりました。クビを切られる私たち非常勤保育士も、「被害者は私たちだけではない。子どもと保護者も」と地域共闘組織を築き、委託阻止・首切り阻止運動を進めました。
委託は実施されましたが、各種署名を13万筆集め、委託先のひとつを社会福祉法人にさせたり、業者、区、保護者による三者協議会を設置させたり、保育の質を落とさせない歯止めをつくることができました。
いま、区が再雇用先確保を怠った非常勤保育士7名が原告となり、解雇無効を求め、中野区を提訴し東京地裁で争っています。
人権侵害とサービス低下を引き起こす民間開放路線は社会正義に反します。民間開放の名の下に、真っ先に不安定労働者がクビを切られることを繰り返してはいけません。【岩下和江(中野区保育争議団)】
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PFI区政ユース・プラザ株式会社という民間事業者が管理・運営する旧都立夢の島体育館(BnmB)と新設のフットサルコート |
民間に任せればバラ色!? 負担増に
今年3月から営業を開始した都の「東京スポーツ文化館(BumB)」は、指定管理者制度が導入される前に、実質上民間委託されたスポーツ施設です。もとは都立夢の島総合体育館だった建物が青年を対象とした施設として「青年でない人もスポーツ等にも利用できる」施設となり、「PFI区部ユース・プラザ株式会社」という民間事業者が管理・運営を行っています。
PFI事業で設置されたこの施設は、都との契約にもとづき、定められた都民サービスを提供しながら、空いている施設・スペースは「有効に活用してよい」ことになっています。実際に空いたスペースを利用して、いま青年に人気のフットサルト(5人制サッカー)のコートが建設されています。ここで「経営のインセンティブ」が発揮され、都民の福祉と相反する問題が起きています。
PFI区部ユース・プラザ株式会社は、当初、「体育館でもフットサルトはできる」と言っていました。ところが、後日「防護ネットの整備などに経費がかかるためフットサルトでの使用は断念した」と態度が変わったのです。
もし、体育館利用なら、使用料は、体育館を一番高額な時間帯に半分借りてコート一面を確保するのに4時間で15、960円(22才以上及び大学生が過半数占める4人以上の団体での申し込みの場合はその半額)、すぐ隣のフットサルトコートは1時間1面で12、000円(青年団体でも割引なし)です。夜間に借りるという一例でも、1時間あたり3倍の開き(青年団体は6倍!)ですから、ビジネスとして大きな矛盾を生んでしまいます。
「民間にまかせればすべてバラ色」という都の姿勢は、「都民の福祉の増進」と必ず相反する部分を生み出します。【井上宣(新日本スポーツ連盟東京連盟事務局長)】
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連載 石原都政と教育(第7回)
子どもと教育の風景(7) 東京都教職員組合 教文部長 滝沢 孝一 |
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長崎県佐世保市の小学生で起きた事件をめぐって
あまりにも痛ましく、あってはならない事件がおきてしまいました。とりわけ、子どものいのちを育む学校でこのような痛ましい事件が起きたことに言いようのない衝撃が列島を駆け巡っています。
私はこの事件に接した時、二つのことが頭をよぎりました。一つめは、この痛ましい事件が起きた学校の子どもたちが背負った重い事実とそれと重なる苦しみです。この苦しみはたぶん大人の予想をはるかに越えた苦悩です。同じ学級の一人の友達が死に至り、また一人の友達が彼女を死に至らした…。この重い事実の真っ只中に自分がいることに、きっとどの子も押し潰されそうになっています。父母や地域や教職員のみなさんの深い理解に貫かれた支えがいま求められています。
もう一つは、昨年6月の毎日新聞「『荒れる学校』再来の予兆?」と題された記事。それは「子どもたちは何にイラついているのだろう」と問題を投げかけ、90年代後半から学校の器物は損事件が一気に急増している事実を指摘しながら、「生徒と先生 関係薄まり『教育改革 ストレスに』」と結んでいました。
競争と選り分け、エリート教育を軸に押しすすめられる「教育改革」。学校のなかを追いたれられるように駆けずり回る子どもと教職員。放課後が消え、会話が消え、ふれあいが消え、教育が消える。この痛ましい事件の背景には、今日の「教育改革」が作り出したこんな風景があるのではないでしょうか。 |
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池田一利さん 21.5%獲得
6月6日投・開票がおこなわれた港区長選で、「港民主区政をつくる会」が擁立した池田一利候補は、16%の得票率を獲得したが及びませんでした。
開票結果は次の通り。
当 武井雅昭(無新) 14677票
小斉太郎(無新) 9535票
池田一利(無新) 5821票
菊地正彦(無新) 5066票 |
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〈立たないのも立たせないのも立たされる〉(朝日川柳)に選者は「教員受難」と評。〈君が代を千代に八千代に強制し〉を「都教委」と
▼その都教委の面々。清水司教育委員長「日本人なんだから。日本人じゃないということを表明するなら別」と。なんと「非国民」呼ばわり。鳥海巌委員「(反対する教職員は)半世紀の間につくられたがん細胞のようなもの。少しでも残せばすぐ増殖する。徹底的にやる」。治安維持法下、綴方教育実践の教師たちを弾圧し教壇から追い落とした三浦綾子『銃口』の世界を想起させる。国分正明委員「(教職員の)責務と個人としての思想信条の自由は別」。そもそも「教職員の責務」をご存知か。米長邦雄委員「職務命令書を出さなかった校長は、呼び出して詫びさせること」。内館牧子委員「(職務命令を出さなかった校長たちは)ばかな人たち」。永世棋聖や売れっ子脚本家かも知れないが、「文化人」が泣いている。彼らが掲げた都の教育目標の一つ、「自ら学び考え行動する、個性と想像力豊かな人間」がある。彼らの発言自体、この目標に適っているのか
▼極め付きは石原都知事。「強制じゃない」「先生には、国が決めたことを順守して、それを子供に伝える責任がある」と。国が決めたことの基本は憲法であることを忘れているらしい。(高) |
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自由と民主主義のために ちょっとみなさん黙っていてね |
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