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会の機関紙「都民がつくる革新都政」2004年5月15日発行 |
連載 ここが違う 第2期石原都政の特質(第3回)
前都庁職委員長 氏家 祥夫 |
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石原「都政構造改革」の特徴
石原都政の第2の特質は都政の構造改革の進め方に端的に示されています。
鈴木都政時代は「中曽根臨調行革路線」と一体となって、財政再建を軸に「小さな政府」を実現するというものでした。
職員の人員削減と賃金カット、事業の廃止縮小、民間委託が主流で、都民サービスが切り捨てられましたが、行政内部の運営は(合理化が進行しましたが)従来の行政手法が踏襲されていました。ところが石原都政の1期目から2期目にさしかかる所で大きな転換が図られました。
それは従来の「小さな政府」路線に加えて、NPM=ニューパブリックマネージメント(民間経営手法を取り入れた新たな行政改革)が前面に打ち出されてきたことです。
NPM構造改革とは何か
財界の推し進める市場原理によるグローバリゼーションに対応した自治体事業の民営化を徹底し(民営化した事業は行政は責任を持たない)、行政運営にも民間経営手法を持ち込み企業化をめざすというものです。
本来利潤追求がなじまないと言われている福祉・医療・教育の分野にも容赦なく持ち込まれ(自治体の役割は解消され)都民に耐え難い苦しみをもたらすことになります。
【表】を参照して頂ければおわかりの通り、PFI・指定管理者制度・地方独立行政法人・行政評価制度・公会計改革・人事制度への業績評価の導入など、新たなNPM手法が動員されてきています。
小泉「構造改革」を先取りする石原都政
石原都政は昨年、「都政の構造改革の視点と方向」を軸に「第2次財政再建推進プラン」「第二次アクションプラン」を発表し、NPM構造改革を推進しようとしています。
代表的なものとして
●16の都立病院を民営化で八病院に削減し、残った府中・駒込・松沢病院もPFIで民営化の具体化●高齢者・児童・障害者施設の廃止民営化●地方独立行政法人化による都立大学の解体再編●「指定管理者制度(自治法の改正)」による公共施設(福祉施設・博物館・都営住宅・公園・保育所など)の管理運営に株式会社を含む民営化の全面的な検討●01年から本格的実施に入った行政評価制度●予算編成にA・B・C経費の導入による投資的経費への重点化●複式簿記・発生主義による公会計制度の改革●業績評価・目標管理による人事考課制度の徹底、などが企図されています。
これらの構造改革は小泉構造改革を先取りして実施してるものがほとんどです。
小泉内閣も「第28次地方制度調査会」と財界と財務省が主導している「地方分権改革推進会議」で地方の自由度の拡大・大都市や道州制の検討と軌を一にして本格的なNPM構造改革が検討され6月にも答申されようとしています。
石原都政と小泉内閣に対して一体的な闘いが求められています。
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都・「新銀行」に1000億円
都財政危険背負う地域経済を混乱させる
東京商工団体事務局長 三浦岩男 |
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東京都は中小企業対策費などを削減して捻出した1000億円の税金を「新銀行」に出資することを決めました。「魚屋さんだか八百屋さんだかには貸さない」「サンタクロースや救世軍じゃない」と石原知事が表明したように、「新銀行」は一部優良企業だけを相手にしようとするものです。
しかも個々の事業・取引が儲かるかどうかを主な判断基準にしてハイリスク・ハイリターン型の「地域型トランザクション・バンク」という説明がされ、いま貸し渋りなどの批判から地域経済に貢献する金融機関をめざす「リレーションシップバンキング」を進める国の方針にも背を向けるものです。全国銀行協会すら、地域金融機関との競合が生じ経営へ脅威を与え、「官から民へ」の流れに逆行するものと批判をしています。「新銀行」は地域経済を混乱させ、都財政にも大きな危険を背負わせるものです。
いま求められているのは、多くの中小企業が要求している借換融資制度や無担保無保証人融資制度の拡充であり、貸し渋り・貸しはがし・競売強要をやめさせる強力な行政指導を都が責任をもって行うことで、都知事はこうした中小業者の声に耳を傾けるべきです。
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都議会第2回定例会にむけて
都民のくらし・福祉守る論戦と提案
日本共産党都議団幹事長 吉田信夫 |
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石原都政は、福祉の切りすて、都立施設の廃止・民営化などの都民施策の切りすて計画のおしつけ、「都市再生」の名により超高層ビルと大型幹線道路建設をおしすすめています。このおおもとに、財界・多国籍企業に奉仕する政治の仕組みをつくる戦略があります。
第1回定例化では、この方向を具体化した知事提案の予算案に、自・公・民・ネットが賛成しました。日本共産党が提案した予算組み替え案は、不要不急・浪費型の大型公共事業を見直せば、切実な都民要求の実現と都財政のたてなおしにふみだせることを示したものです。
「日の丸・君が代の強制を許さない」「都立大学破壊をやめよ」「都交響楽団を守れ」など、石原知事の暴走を許さない都民の声と運動が広がろうとしています。
6月1日に開催される第2回定例会では、小泉自公政権が国民に痛みを押しつけているもとで、石原都政による都民施策切りすて計画ときっぱり対決し、都民のくらしと福祉を守る論戦と、都民要求実現の提案を行うことが求められています。
いま、米英軍によるイラクへの侵略戦争、自公民3党合意による年金改悪に国民の怒りが広がっています。日本共産党は、7月の参議院選挙での躍進と、「住民の福祉の増進」をすすめる自治体らしい自治体へと都政を転換させるため力をつくします。 |
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豊島区民センターなど 東京大商工フェア開かれる
「誘致外来型」振興策の転換 |
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「見てよう、買ってみよう、中小業者の知恵と技!考えよう、拡げよう、活気あるまちづくり!」をテーマに、東京商工団体連合会などでつくる実行委員会が、初めて開催した「東京大商工フェア」が、4月29日豊島区の豊島区民センターなどを中心に開かれ、1万人を超える参加者でにぎわいました。同フェアは、不況の出口が見えないもとで、「元気のない中小業者が自分たちの商売を通じて励ましあい、学び交流し、楽しむ」(実行委員会)ことをめざして開かれたものです。
会場は、焼きそばなどの模擬店、伊豆大島海産物、子どもが喜ぶものづくり、新製品開発の展示などが行われ、商品を買い求める参加者の姿が多く見られました。
東京手描き友禅の山川工房の方は、「伝統工芸の指定は受けても、資金的な援助・補助は国からも都からもなく、伝統工芸を維持し、続けていくことが大変」と話していました。
また、地域経済の振興とものづくり、商店街のあり方を考える3つの講演も行われました。「地域のすみずみから中小業者の再生を」と題して講演した八幡一秀中大教授は、「大企業主導では東京の地域経済振興にはならない」「各国では中小業者振興が当たり前」「今こそ地域の中小業者を核にした地域の豊かさ・可能性の再発見の時」ということが話され、従来型の「誘致・外来型」振興政策から「内的発展」政策への転換が必要。中小業者の役割は創造性・利便性・社会性・経済性であり、振興条例(東京都はもっていない)でより強いものにし自治体とともに地域を豊かにする。その立役者になるのが中小企業であると、講演を結びました。
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連載 石原都政と教育(第6回)
子どもと教育の風景(6) 東京都教職員組合 教文部長 滝沢 孝一 |
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子どもは疲れてクタクタ
東京民研学校保健部会と東京総合教育センターが共同で今年3月、東京の子どものからだについて調査結果を冊子にまとめた。
このなかに小・中学生を対象に「疲労自覚」についておこなったアンケート調査の結果がまとめられている。「調査」は1996年と2002年の結果を比較検討しているのだが、このわずかな間に中学生が大きく変化していることにあらためて驚いている。
96年の調査では「眠い」と答えた中学生男子は52.7%、女子は67.4%だった。それが02年にはそれぞれ73.8%、80.8%と大幅に増えた。「ちょっとしたことが思い出せない」は男女とも2倍に激増。「肩がこる」は男子19.8%から29.3%、女子は27.5%から35.1%。「腰痛」も同様といった具合である。
この間に起こったこと。学校が5日制になり、休みが増えた。「ゆとり教育」を看板に掲げる新しい学習指導要領の教育が始まった。それなのに、子どもは疲れてクタクタ…。
その理由はこうだ。土曜日の授業は平日に振り分けられ、低学年から6時間授業が出現し、「放課後」が消えた。「ゆとり教育の本当の目的はエリート教育」だと、選り分け・エリート教育を押し進める学習指導要領が子どもの尻を叩き、非常な競争を24時間強いている。休みの土曜日は学習塾の掻き入れ時。子どもの生活が「夜型」から「深夜型」に変わったと、この冊子は警告を発している。子どもは一体どうなるのだろうか。 |
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規制の現状 ディーゼル車 都の猶予処置、でも実現できない
メーカー・国・都は抜本的対策を |
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建交労(全日本建設交通一般労働組合)の組合が「春闘勝利、年金改悪・消費税増税阻止、イラク戦争・憲法改悪反対」などの要求を掲げ、行なったトラックパレード―04年2月8日 |
石原都知事の人気取りパフォーマンスのおかげで中小業者、1台持ちダンプ親方は大変な状態になっています。
もともと大気汚染の元凶は東京の環状線沿線を中心として大変な犯罪的行為をトラックは行ってきました。そのことを証明したのが2002年10月の裁判において、国と都に対して「その責任あり」と断罪しました。一方、メーカーの責任を明確にしなかったことは裁判所の大変な手落ちでした。当然のことながらメーカーはその車そのものを製造し、販売した責任があることは、誰が見ても明らかであります。
私たちは、このことを抜きにしてはディーゼル排ガス対策の抜本的改善策はないものと思い、今日まで運動を重ねてきました。
規制対象となる322万台(全国で)の全車両の買い替えなど出来るわけはなく、都は03年12月までの猶予処置をしましたが、それでも実現できない状態にあります。本来メーカーはそのことを承知のうえ(S.48年には解っていた)製造、販売を行ってきました。つまり「欠陥車」を売り続けてきたという「犯罪的行為」を続けてきたのです。
ベンチャー企業のS&S社は03年9月にNOX・PM同時除去装置を開発、実用化しました。出来ないといわれてきたNOX・PM同時除去は本格的に研究開発をすれば出来ることが証明されたのです。
メーカーの社会的責任は重大です。04年度で64万台、05年度で116万台、06年度で80万台と依然として過程使用車は殖え続けます。ベンチャー企業の年間生産800台では間に合いません。メーカーと国・都は1日も早く抜本的対策を講ずるべきであります。【建交労東京トラック部会・部会長 山本立身】
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2004.6.1(火)
午前8時 都庁前宣伝行動(革新都政の会)
午前10時 学習会(都民連)
午後0時15分 知事室前行動(都民連・東京社保協・東京地評)
午後1時 都議会本会議傍聴 |
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6月13日告示、同20日投票で行われる狛江市長選挙に「豊かな狛江をつくる市民の会」は、矢野ゆたか市長を推したたかいます。
矢野市政2期8年の豊かな実績と3期目のビジョンを市民に知らせ、「矢野市政3期目の実現でこそ、市民本位の市政の流れをさらに進めることができます」と訴えています。 |
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中村正子さん 21.5%獲得
4月25日投・開票がおこなわれた東京・目黒区長選で、「明日の目黒をひらく会」が擁立した中村正子候補は、21%の得票率を獲得しましたが及びませんでした。
開票結果は次の通り。
当 青木英二(無新) 27114票
桜井雅彦(無新) 23217票
中村正子(無新) 13826票 |
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5月1日・代々木公園でおこなわれた働くものの祭典「第75回 中央メーデー」には5万2000人の労働者が集まりました。 |
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「憲法改悪許さない」「9条実現に立ち上がろう」と、5月3日、 日比谷野外音楽堂に5000人を越える人が参加しました。 |
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「いま核兵器の廃絶を」と、5月6日・夢の島で04年国民平和大 行進・出発式が600人を超える人の参加者でおこなわれました。 |
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リサイクルに出すチラシ類の中に息子の国民年金の納付書があり、妻に聞いたところ一括納付したとのこと
▼安くなって2人分で31万3540円だそうだ。全国で国民年金の未納者が4割、アルバイトだけの賃金で支払える額ではない。国会議員の未払いが問題になって「あわてて調べたら、自分の年金を母親が払っていた」と、話している国会議員がいて驚いた
▼政府の年金改悪が実施されれば、国民年金は毎年3360円引上げが13年間も続く。引上げが保険料の支払いを困難にして年金制度の空洞化を促進する。厚生年金も加入事業所や労働者の減で空洞化が進んでいる。政府案は、低額年金化や空洞化についてなんら解決にはならない。憲法二十五条にもとづく最低生活を保障する点から見直すことが必要だ
▼一人の女性が生む生涯子供数は、1・32人、政府の予測以上のスピードで進んでいる。「少子高齢化社会」を叫びながら、政府も石原都政も年金の支え手を増やす施策は見えてこない。リストラやパート、派遣労働への置き換えが進んでいる。子育ての手当などの給付減や保育への補助金のカットや一般財源化が進められている
▼都民にとって展望ある未来とは、安心して子供を生み育て、老後を迎えられるような、ごくあたり前の社会と思う。(昭) |
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