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会の機関紙「都民がつくる革新都政」2004年2月15日発行 |
変えよう この都政
シンポジウム ”第2期石原都政を問う”開かる |
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2月14日(土)午後、文京区民センターでシンポジウム「都政を変えたい」‐第2期石原都政を問う‐が開催され、110人が参加、石原都政を変えようと熱のこもった集会となりました。このシンポは東京自治労連と都教組が共催して開いたものです。
シンポには、パネリストとして、前都庁職委員長氏家祥夫さん、都立大学助手荒井文昭さん、東京経済大学名誉教授柴田徳衛さん、福祉倶楽部主宰福井典子さん、コーディネーターに一橋大学教授渡辺治さんが出席。氏家さんの総括的な問題提起と、教育、民主主義・都市再生、福祉・医療など都政の各分野にかかわっている団体の代表からの石原都政の実態についての報告を受け、パネリストからそれぞれ発言がありました。
パネリスト、コーディネーターの発言の要旨を紹介します。 (文責編集部)
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氏家祥夫さん
第二期石原都政の特質は
(1)多国籍企業のグローバルな経済活動のための拠点都市の創造(2)小泉構造改革を先取りした市場原理・民営化めざすリストラ推進(3)知事の専制による都政の私物化と運営の破壊にある。
いま、この石原都政にたいし世論やマスコミの中でも流れが変わりつつある。
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荒井文昭さん
昨年8月、それまですすめられてきた都立大学改革の検討の経過と内容を全く無視して、4大学の廃止・新大学の設置という構想が突如出された。いま、全員に就任承諾の意志確認が求められている。慣行を無視、教育法にもとづく教育でなく、首長部局による教育政策決定、教育内容の変質が強行されようとしている。「都民のための大学」にするためには、この一方的な「改革」をおしとどめなければならない。
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柴田徳衛さん
高度成長期、「東京へ」東京へと全国から若者が集まって来たが、「東京砂漠」「でっかい夢」から「北へ帰る」に。「三畳ひと間の下宿」が理解されない欧米との住宅格差、エレベーターもスロープもない歩道橋、東京湾横断道路に1兆5千億円かけるのに勤労者は通勤地獄。まさに「東京の常識は世界の非常識」というなかで、ホームレス、障害者、自殺が増えている。
「人間本位のまち」という常識にもどすことだ。
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福井典子さん
都政が遠い。青島知事は一度会ったが石原知事は一度も会ってない。みんなで実現した福祉施策をはじめ美濃部都政以来の助成・補助金がばっさり。福祉の先進から切り捨ての先進に。
障害者も支援費制度と介護保険の統合問題に直面、初めて障害8団体の共同が実現した。人権意識を確立する普段の努力が必要。都民の要求をしっかりつかむこと、実態を知らせること、政策提起のできる力を。自治体労働者と都民の連携でネットワークを広げよう。
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渡辺治さん(まとめ)
各団体・分野からの検証とパネリストの発言を通じて第2期石原都政の特質が明確になった。
一つはグローバル企業の活動拠点としての東京づくり。第二に福祉切り捨て・規制緩和など金づくりのための乱暴な改革の実行。第三に結果としての社会の格差化・社会統合解体への対処としての治安強化。一言でいえば「強い東京」づくり。石原はそれに打ってつけの人間だ。「人間本位の東京」づくりを対置して対抗できる政策的力量を。今日の集いを第一歩として。
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2004年度 東京都予算案の特徴
福祉と中小企業分野の連続後退
日本共産党都議団政調委員長 曽根はじめ |
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来年度東京都予算案の最大の特徴は、福祉と中小企業分野の連続後退という点です。
福祉局予算は、3年連続削減、01年度予算から588億円も減額されました。
東京の保育・福祉の質を守る重要な役割を果たしている「民間社会福祉施設サービス推進費補助」は、抜本的制度改悪と7億円あまりが削減されています。特別養護老人ホームの設置助成も大幅に削られました。
中小企業予算は9年連続後退です。臨海開発や制度融資のため銀行に預ける「預託原資」などを除く、実質的な中小企業支援予算は、9年で300億円から200億円ほどに減っています。
もう一つの特徴は、来年度予算で初めて本格的に第2次財政プランや第2次アクションプランの具体化が始まったことです。
アクションプランに基づく、多摩の保健所統廃合、青年の家や青少年センター廃止とユースプラザのPFIによる建設、独立行政法人の具体化である都立大学統廃合など、都民・関係者の不安や見直しの声を無視して予算化されています。新宿労政事務所や労働スクエアなど、労働行政も大幅なリストラがかけられようとしています。なによりも、都民の一番要望の強い、福祉と健康の2局の統合、住宅局の都市計画局への統合が行われ、これらにともなう都職員の1444人の定数削減など、都民施策を進める分野が、組織ごと縮小・リストラされようとしているのが、来年度予算の特徴です。
その一方で、公共事業では、臨海開発や「都市再生」関連の大型開発に大盤振る舞いの一方で、都営住宅や生活道路など、都民生活に密着した公共事業には、冷たい予算です。
臨海開発では、有明北埋め立てなど、前年度から62%の大幅増です。幹線道路予算は90億円近く増額。中央環状線など首都高速道路公団への出資や貸付は、今年度の補正予算とあわせて300億円以上を確保。羽田空港の再拡張など国事業への応分の負担まで約束し、予算に盛り込まれています。
なにより突出しているのが、新銀行への1000億円の支出です。新銀行の実態は、引当金の積み方など、貸し渋りなどで苦しむ中小零細業者の味方ではありえないことは明白で、そのために予算を使うなら都民のために活用すべきとの声が広がっています。
日本共産党都議団は、都民要望の強い、切りすてられた福祉の復活や30人学級、子ども医療費助成など、予算の組み替え提案で、都民要望の実現をめざし、全力をあげます。 |
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新婦人都本部が都教委に要請
新婦人都本部 油原通江 |
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新日本婦人の会都本部は1月23日、石原東京都知事と都教育委員会に対して、(1)文科省の少人数学級研究校要望調査に独断で「該当なし」と回答した問題(2)入学式・卒業式に「日の丸」「君が代」を強制しないで、思想・内心の自由を保障しての2点を要請しました。学齢期の子どもを持つ会員が、「40人学級では、先生が子どもたちの机を回って指導できない」「1年生から38人学級。ストレスのためか、靴を隠したり、給食に異物混入などいじめがあった。先生は自分を責めている。子どもは、『このごろ先生が楽しくないし、恐いんだ』という」など、子どもの学校の現状を訴えました。
都教委からは比留間総務部長らが対応し、「意向調査への回答は都教委の権限でやるべき問題。学級編成は一定規模が必要。少人数授業は必要だが少人数学級にすることはこれからも考えない」「国旗・国家を尊重する態度をとることが大切。『実施指針』は撤回しない」と回答。現場の切実な声に応えない都教委に怒りの声も。今後は区・市教委へも働きかけたいとの感想も出されました。
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自治体破壊の石原都政を告発
都民連 第8回総会ひらく 共同を広げて闘おう |
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都民連の04年総会が1月26日夜、東京地評会議室で開かれました。
上伸子新婦人東京都本部会長の開会挨拶、中山伸東京地評議長の司会で進行。
日本共産党都議団曾根はじめ政調委員長の「2004年度東京都予算」についての報告を兼ねた挨拶。辻内健志事務局長の「総括と提案」をうけて討論に入り、12団体の代表から発言があり、活発な総会となりました。発言の要旨を紹介します。(文責編集部)
○都教組
経験したことのない攻撃。各校軒並み定数減。夜間中学の日本語学級教員も削減。30人学級拒否。そして警視庁への出向。都民連の役割大。
○新婦人東京
イラク派兵反対で女性団体・消費者団体と共同行動。都教委の文科省調査回答問題で都教委に要請。
○東京土建
土建国保の確保で16万余の要請ハガキ。全政党に要請。力点を年金問題におき、10万3千の署名提出。
○臨海都民連
3会計統合問題裁判の判決は内容に入らず門前払いで却下。開発の問題だけでなく深刻な財政問題。高裁に控訴した。たたかう。
○障都連
民主的な障害児教育をすすめてきた七生養護学校の教職員に不当な処分。守る会をつくってたたかう。支援費制度への本格的取り組みが必要。
○東商連
配管工にイラク派遣の話が来ている。都の銀行を作る半面で中小企業予算削られている。
○年金者組合東京
年金改悪が今年の焦点。若い人の問題なのに関心今一つ。地域の団体の共同の軸になってがんばる。
○新日本スポーツ連盟東京
各種目の大会に出していた補助金をカット。スポーツ振興を丸ごと民間に投げ出す。問題を広げること。
○東京自治労連
地方独立法人に指定管理者制度。既に動き出している。中野区で保育園の全面委託が出され、区民と共同してたたかっている。
○東京民医連
国保の資格証、短期保険証など人権問題として取り組んでいる。イラク派遣には「派兵に反対する医療人の会」をつくって反対。
○都生連
都営住宅のゴキブリ問題で現地調査をやらせて予算を付けさせた。その住宅局も廃止になる。都民連の大運動を。
○共産党都委員会
開会日行動など運動広がっている。憲法改悪反対で国民過半数をめざす運動を。来年は都議選。がんばる。
○中山座長のまとめ
多くの要求と意見が出された。これを受け止め、自治体破壊の石原都政に対決して大きな共同でたたかおう。
○前沢淑子東京民医連事務局次長の閉会挨拶
攻撃は激しく、テンポも早いが、共同の輪の広がるチャンスでもある。実態を知らせること。都民連の事務局も強化して頑張ろう。
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連載 石原都政と教育(第3回)
子どもと教育の風景(3) 東京都教職員組合 教文部長 滝沢 孝一 |
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ご都合主義の極み
「ご都合主義」とは、「定見をもたず、時々の都合によって行動する仕方を、さげすんでいう語」と広辞苑に書いてあります。
東京都教育委員会は昨年の11月、学習指導要領を踏み外した性教育がやられていたなどの理由で、都立七生養護学校の前校長を「ひら教諭」に降格したうえで1カ月の停職。七生養護学校の教職員など116名もの処分を強行しました。
七生養護学校の性教育(心とからだの教育)は、知的な障害を持った子どもたちが身体の成長にともなって抱えるさまざまな問題と正面から向き合い、父母の理解と協力のもとにすすめてきた優れた取り組みで、東京都教育委員会も高く評価してきた教育です。
ところが、その授業が学習指導要領に書いていないことをやっていたからけしからんと一部の都議会議員に言われて、まるで手のひらを返すように教職員を罪人のように取り調べ、あげくに「処分」をおこなったのです。
そのいっぽうで東京都教育委員会は、卒業式などの子どもの座席の向き、国旗掲揚の場所や位置、国歌斉唱の際の教職員の顔の方向、服装のあれこれまで、それこそ学習指導要領に書いていないことを事細かに強制し、それに従わなければ処分だと脅しています。
性教育では、学習指導要領に書いてないことをやったから処分。
卒業式では、学習指導要領に書いてないことをやらないと処分。
これまた、ご都合主義の極みです。 |
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中野区は、昨年10月、区立保育園を指定管理者制度によって民間に順次委託するとし、16年4月から実施する2園と非常勤保育士全員解雇の提案をしてきました。これに対し、非常勤職員でつくる「公務公共一般」のよびかけで「中野区立保育園を守る区民会議」が結成されました。
2月12日には「中野区立保育園を守る区民集会」を開催し、保護者をはじめ650名の参加で大きく成功させました。
集会は、親子で楽しめるコンサートで開幕。シンポでは、弁護士の小笠原彩子さんが、1月末に出された「子どもの権利条約」に基づく国際勧告にも触れて、日本の子どもの権利が充分守られていないこと。従来の中・高生への勧告の他、保育や学童保育の内容にも触れた勧告も出されたことが紹介されました。また、学者の浅井春夫氏は、田中区政が都政のお先棒を担ぐように、強引な政策を推めている姿を解明しました。
保護者からは、毎日我が子を託している保育園が、わずか半年でガラッと変わってしまうことへの不安。子どもたちを犠牲にしかねない区政への怒りが語られました。また、保育労働者からは、民間の経営手法導入を最優先する区政への批判がされました。
集会は、粘り強く考えられる全ての行動を起こしていくことを、アピールとして確認し、終了しました。 |
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「呼吸と意識が非常に悪く、痩せこけてとても15歳の男の子とは思えなかった」暴行を受け、食事を与えられないまま閉じ込められていた男子生徒を運んだ救急隊員の話である。今も重体とのことであり早期回復を祈る。
▼10数年前、学校の朝礼になると倒れる子供がいた。関係者の話を聞くと休日は友達の家で食事をご馳走になるまで帰らない等、父親に食事を満足に与えられていない事が判った。幸い教職員や児童館などの関係者が協力して母親が引き取ることになった。
▼2000年に制定された児童虐待防止法は職務上虐待を発見しやすい教職員、医師、保育士などには早期発見、児童相談所への通告の義務を課している。子供は社会の宝である。虐待防止の関係者は、「学校や児童相談所、保健所などが子供の家庭内状況を知ることは正常発達のためにも必要。関係者は常に情報を収集しておかなければならない」と言っている。現実は、先生はゆとりどころか授業に追われ、保健所の統廃合、児童館・保育園の統廃合・委託で職員は減らされ続けている。全国182ヶ所の児童相談所も相談増で慢性的な人員不足。児童虐待の相談に対応する専門機関の整備は著しく遅れているといわなければならない。(昭) |
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