革新都政をつくる会 憲法が生きる 都民にやさしい東京に
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都民がつくる革新都政
会の機関紙「都民がつくる革新都政」2004年1月15日発行
希望あふれるはたらくものの平和の都へ
革新都政をつくる会代表世話人 東京地評議長 中山 伸
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いのちとくらし・健康を守ろう対都行動(2003年11月21日)(提供 都生連)

イラク派兵・憲法改悪許さず くらしと人権・平和を守る都政めざし 今年もがんばりましょう

おはよう東京 おはよう東京
はたらくものの平和の都
希望にあふれる私の東京


 都庁前での集会などに臨む時、よくこのフレーズを口遊んでいる自分に気付きます。
 戦争の20世紀から人が人として大切にされる時代へ、希望を抱いて迎えた21世紀。その第4年は、イラク派兵をめぐる緊迫した事態の中で迎えました。
 労働者と家族・国民の幸せは、戦争のない平和な社会でなければ実現しません。だからこそ、労働組合は、戦争反対を自らの存在の原点としてきました。
 各組合から年頭に寄せられた機関紙の新年号のキーワードは「平和」。東京土建の機関紙「けんせつ」一面に大きな文字で書かれた「輝け平和憲法、子らの未来に」の力強さには、おおいに励まされました。
 国民の中に深く根づく「憲法の力」「九条の力」を確信に、労働組合の底力を発揮してイラク派兵中止、憲法改悪反対の大闘争を構築する決意です。

ゆるすな!雇用・賃金・年金破壊
まもろう!平和と憲法
‐‐春闘で明日を変える 未来を拓く‐‐

 歴史的な情勢と深刻な生活危機の中でたたかう04春闘は、労働者の切実な要求実現とともに、政治・経済の歪みを正すたたかいであり、反転攻勢のうねりをつくる絶好のチャンスです。
 改憲を声高に叫び、好戦的発言を繰り返す石原知事のもとの都政は、小泉「構造改革」による雇用・賃金・労働・社会保障制度破壊の防波堤になるどころか、大型開発優先、都民・職員犠牲の施策で悪政の先陣を切っています。
 石原知事は、事あるごとに「東京から日本を変える」と言っていますが、憲法がすみずみまで生きる都政こそ、この国の首都に求められています。いま、「これでいいのか東京都政」の世論が急速に広がっています。
 希望あふれる平和の都をつくるために、力をあわせましょう。スクラムを組みましょう。

新春対談 都政革新の展望と課題を語る
対談
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柴田 徳衛さん
東京経済大学名誉教授
元東京都企画調整局長
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桑江 常彦さん
革新都政をつくる会
事務局長
東京自治労連委員長
 
司会
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小松崎 栄さん
革新都政をつくる会
事務局長代理

(小松崎)明けましておめでとうございます。今日は会の機関紙での新春対談ということですが、(1)美濃部革新都政とはどんな都政だったのか(2)会としては候補者擁立はできなかったが、今回の都知事選に取り組んでの感想や石原都政について(3)今後都政を変えることを展望して何が必要かといったことでお話しをお願いしたいと思います。
 まず柴田先生から、美濃部都政時代の理念や実績などを苦労話も含めてお話しください。

東京の常識は世界の非常識
(柴田)革新都政の話のまえに、いまどんな時代かということについて話したい。「東京の常識」は「欧米の先進諸国では非常識」だということだ。(柴田先生は最近「東京の常識は世界の非常識」(自治体研究社)という著作を発表されました)
○都心に近い横田(約35キロメートル)に米軍の軍事基地があって、民間の国際空港は遠い成田(約70キロメートル)ということについて、なぜ日本人は黙っているのか。日本人は軍用機の爆音が好きなのかといわれた。
○東京に約800あるといわれる歩道橋にはエレベーターが付いていないが、車椅子や乳母車の人や足の弱い年寄りはどうやって道路を横断するのかと聞かれた。
○日本は金持ちの国で、四国や東京湾に横断道路を何兆円も使って何本も架けるのに、勤労者はうさぎ小屋から遠距離を満員電車にゆられて通勤しているのはなぜかと聞かれる。
 新橋や六本木や品川に集まる超高層ビルの豊かさを見ても、リストラや倒産などの不安と不満に脅かされている庶民の貧しさのうえに国の豊かさがあるということではないだろうか。

都政革新は一日にして成らず
 さて美濃部都政だが、第一はこれがある日突然、偶然に生まれたのではないということだ。
 私が都の財政の勉強を始めたのは昭和30(1955)年頃。都立大学の助手だった。当時、都の予算を全体として本格的に研究したものはなかった。都の所管も都予算(一般会計・特別会計)は主計部、23区総体は行政部(俗に区政会館)、多摩の市町村は地方課と別れていて全体を束ねるところはなかった。論文「都の財政はどうなっているか」を書いたのが昭和31年。岩波新書「東京」を出したのが34年。これはのちに革新都政をめざす方針書となったと思う。
 その後、都職労など労働組合の協力もふくめて、この地道な積み重ね約12年のうえに42年の美濃部都政の誕生となり、さらに2期・3期革新都政への継続・発展となった。
 革新都政をつくるという事業は壮大な準備を必要とするもので、誰かテレビ映りのいい人はいないかと探すような、一夜漬けで出来るものではないということを強調しておきたい。

差し当たってどれだけの準備が必要か
 次に、都知事に出た瞬間に何が起こるかという問題だ。都知事に当選したらしたであとが大変。当選してからでは間に合わないことがある。先ず、副知事をはじめとする主要なポストの人事は事前に準備しておかなければとても間に合わない。
 当選直後の2定(6月議会)にかける施政方針にはそれなりの都政哲学と都民生活への具体的な施策が求められる。すぐに当年度の補正予算もつくらねばならない。この人事、哲学、予算の三つは出る前に準備して対策をねっておかないと革新の立場としてとても間に合わない。
 もう一つは議会対策。
 少数与党のなかで、ミクロで野党のみなさんにも理解をしてもらいながら、マクロで革新の施策を通していくという苦労をしながら進めていった。
 実際に(知事を)取ろうと思ったら、少なくともこれだけの準備をあらかじめしておく必要がある。
 こういう準備ができてなくて間違って当選したとしたら、混乱して却って打撃を受けるということにもなりかねない。

美濃部革新都政は何をやったか
 美濃部都政が何をやったかについて概観してみる。
 老人・障害者・公害病・難病などの医療費の無料化。老人・障害者など福祉手当の支給。未認可保育所への助成。都立高校増設と教育予算の拡充。私立幼稚園・高校生への助成。朝鮮大学校の認可。無担保・無保証人融資制度の拡充。公害対策の拡充・強化。などの福祉・教育・中小企業・公害・三多摩・島嶼施策の拡充。
 横田基地内都有地の返還訴訟、新島射爆場設置反対など平和のための施策。
 法人事業税、都民税への不均一超過課税などの自主財源確保策。
 そして都民との直接対話を軸にした都民参加の追求など。
 「シビルミニマム」と表現され、都政に憲法第13条、第25条の精神を貫ぬこうとしたその姿勢と施策は全国の自治体に波及し、後に国の施策となったものも少なくなかった。
(小松崎)都庁労働者として革新都政の第一線で活動し、これを支えてきた桑江事務局長如何ですか。

知らない人がほとんど‐美濃部革新都政
(桑江)革新都政といっても、もう25年ほど前のことで知らない人がほとんどだ。都庁のなかでも当時いた人は数パーセントだろう。都民のなかでも40代以下の人はよく知らない。
 そして都庁は今日まったく様変わりしている。だから革新都政をつくるといってもイメージがもてないのではないだろうか。
 革新都政の時に人事制度の改正で諮問を受けた長谷部委員会の助言では「都庁と労働組合は都政のパートナー」だと言っている。革新都政のあともしばらくはこの余波が残っていたが、いまの都政では先ず考えられないことだ。
 このような実績をいまの人達に示す必要がある。

都民本位の施策は都民の運動で実現させた
 未認可保育所への助成は憲法違反、老人医療費の無料化は国民健康保険法違反といわれながら都民のたたかいでこれを実現し、老人医療費助成は国の制度になった。
 ゴミ処理対策も「ゴミ戦争」とまでいって都政の総力をあげて前進させた。
 後楽園の競輪廃止でギャンブル収入をやめ、清潔な都財政をめざした。
 これらはまさに東京から発信して全国に影響を及ぼしたものだった。
 在日の人達はそれまで自由診療でめったに病院にも行けなかったが国民健康保険に入れることにした。辛淑玉さんがいつもいっているが、辛さんのお母さんが「おまえは美濃部さんが在日朝鮮人も国保に入れてくれたので助かったのだ。美濃部さんのお陰で生きているのだ」とよくいわれるそうだ。
 久保講堂での障害者の集会で美濃部知事が発言したことを契機に、都立神経病院や神経研究所も出来たが、これは日本で最初のことでこれが全国に与えた影響も大きかった。
 都民と向き合って都政を前進させて来たこういう時代があったということを若い人たちにしっかり伝える必要がある。
 鈴木・石原都政と続くなかで、「財政再建」が掲げられ、金がないから、改革だからと仕事をどんどん切っていく。ある部長が言っていたが、今は楽でいいと。要するに切ればいいんだからと。しかし、職員は都民のための仕事をしたいと思っているのだから、説明もできないのにあれ切れ、これ切れといわれたのでは意欲を失ってしまう。
 ところで柴田先生、革新都政の時にこのような実績をあげることができた原動力は何だったのでしょうか。

法律と予算を洗い直し、国にも直断判を
(柴田)仕事が出来ない理由としてあげられるのは予算と法律だった。予算がない。法律でこうなっている。革新都政以前はそこで話は終わりだった。そこで思考が止まっていた。これを根本から問い直させた。もう一回ひっくりかえして考えようと言った。固定資産税、事業税の税率などもいつ、だれがどうやって決めたのか、その根本にまでさかのぼって追及させた。
 そんな都税のあることも知らないのかという顔をよくされたが、それでもそんな税金がなぜあるのか背景への質問のくりかえしを敢えてやった。
 法人事業税のもとになっている法人税でも、その算出に経費としてどこまで認めるのか、交際費や広告宣伝費、減価償却などを見ると、どうみても大企業に有利な内容になっていて、むしろ強きを助け、弱きをくじくものになっているその国税の根本まで考えてもらった。
 「国の法人税がこう曲がっているから法人事業税の税収が減る」「所得税がこうなっているから低所得者の住民税が重くなる」‐「こういう法人税、所得税のインチキを指摘し、国と喧嘩をして来い。骨は拾うから」といって自治省、国税庁に行ってもらった。
 固定資産税でも資産を住宅用と事業用に分け、事業用資産にたいして超過課税をかけることなども提起した。
 すると向こうの国側は法律は変えないが目立たぬよう通達で直して来たりしたものだ。
 このように自治体がその気になれば国を相手に相当やれることがある。それが新財源構想研究会の報告となって出され、その幾つかは結実した。ここに美濃部都政の自治体としての神髄があったと思う。
(小松崎)会として候補者を擁立できなかった今回の選挙について、都政懇の中心としてご努力いただいた立場から如何でしょうか。

 
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もっと若い人を候補者の前に御神輿を
‐早くから準備を

(柴田)一つは関係者全体にもっと若い人の参加がほしかった。美濃部さんのときは学者でもわたしを含め、助手(大学院)クラスの若い人が大勢結集してたたかった。その点、今度の京都市長選挙では若い人を含め、大学の先生たちを大勢集めているようだ。そうすると市民も安心して大勢集まってくるものだ。
 それと当選したらどうする、これもなかった。時間をかけて十分当選後の準備をすることがどうしても必要。さっきもいったように美濃部さんのときで10余年準備した。選挙のときから逆算して今から準備をしていかないといけない。
 いい候補者をと思っても、いい御神輿がまずできていないとそれに安心して乗れないのは当然。出てもらうには、人事、予算、最初の挨拶などについて、ここまで準備したから如何ですかということがなければ出てもらえない。それに話の次元が低くなるが、選挙に出る人が落ちた後のことを心配するのは当然だ。公職をやめなければならない場合もあるから、その後をどうするかを考えておくことが大事だ。年金がどうなるかとか。
 美濃部さんの時は、ちょうど教育大学を定年でやめられるときで、年金があるから落ちても大丈夫ということだった。そして10年かけて準備はできており、あと大内(兵衛)山脈という強大な人脈があり、その大内さんの「鶴の一声」で決まった。
(小松崎)事務局長として今回の選挙、そして今の石原都政について如何ですか。

オリンピックでなく本気で取る選挙を
(桑江)東京はまだ肚をすえた準備になっていない。御神輿づくりでどこまで共同をひろげてきたか。
 九九年選挙の総括で、幅広い人との共同を打ち出した。それを受けての今度の選挙だった。本気でやりたい、取る選挙をやりたい。やらせてほしいという都民の願いが今回の都政懇を生み出した。いろんな人と話し合い、一歩でも二歩でも前進をとやって来た。しかし、この共同はまだ第一歩であり、始まったばかりだ。
 府政・市政の研究も京都では力を入れて丹念にやっている。この点でも大きな反省が必要だ。
 いま、グローバルな新自由主義路線のもと、自治体のありかたも根本から変えられようとしている。むつかしいがこれに対処する方針をもってたたかっていかなければならない。
 一人の住民の悩みを全体の問題として受け止め、住民と職員が協力して行動し、自治体行政にももっと積極的に接近し、アピールしていくことが求められていると思う。都政をもっと都民に近づける努力が必要だ。革新都政の会も神輿をつくる仕事に本格的に取り組まないといけない。
(小松崎)3年後に向けて何をやるべきかについて。

つのる庶民の不安と不満‐都政転換の展望が
(柴田)客観情勢は一面深刻だが、反面たたかいの広がる状況でもある。
 (福祉)予算は切る。消費税は上げるという。これは本来貧乏人から取るということだ。貧しい年寄りはパスも取られ、買い物にも病院にも行けなくなるのではないか。
 そして道路はもっとつくれと道路特定財源には手をつけない。
 そしてイラクに自衛隊を出す。500人で足りなければ1000人出すだろう。1日3万円の手当を出して。予算ももっと必要になる。庶民の不安と不満は高まらざるを得ない。庶民の生活を大事にする都政への待望が広がってくるのではないかと思う。
 元日の毎日新聞に「今年何が起こるか」の記事があったが、最大・最強の米国がこのままいくのか。強いドルへの信心が今後も続くのか。いったん疑われると暴落するのではないか。日本はどこまでこれにすがりついていくのかと問題提起をしていた。
 小泉も石原もおかしくなり、丸投げすることもあるのでは。石原都政をひっくりかえす可能性が広がるのではないか。
 3年あれば御神輿づくり間に合うのでは。美濃部都政のときのような明るい都政の兆しがここにあるのではないか。
 私もできることでお手伝いしたいと考えている。

革新都政の会の運動強化と共同の飛躍的拡大を
(桑江)会は昨年暮れに総会をひらき、選挙総括はひきつづき討議することとし、会としては、確認団体との位置付けはやめて、「都政を変える」都民運動団体として、もっと幅広い人達との共同で進める方向を決めた。
 確認団体は選挙になって相談して作ればいいということにした。
 また、都政懇の貴重な経験を生かし、これから若い人を含めてもっと多くの人達が結集できるような方向が追求され、この二つがうまく協力出来るようにやっていければいいのではないかと思っている。
(小松崎)ありがとうございました。都政革新をめざし、会の運動の強化と共同の一層の拡大とを車の両輪として、早くから準備にかかれるようやっていくということで終わらせていただきます。

9日 大阪府知事選 革新都政の会が梅田候補を激励
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 1月15日告示、2月1日投票で大阪府知事選がたたかわれます。
 この選挙に「明るい民主大阪府政をつくる会」は弁護士の梅田章二さんを擁立、福祉・医療・教育第一、府民と中小業者主役の府政への転換をめざしてたたかっています。
 選挙は、事実上、現職の太田房江氏、自民党府議会議員などが擁立する江本孟紀氏と梅田氏の3氏の争いとみられています。
 革新都政の会は九日、小松崎事務局長代理と森事務局次長が現地大阪市北区の梅田事務所を訪ね、井口淳治事務所長に檄文と陣中見舞い(カンパ)を渡し、激励しました。

三多摩狙い打ちの石原都政リストラ(第2回)
04年度28項目19億円の見直し
      東京自治労連副委員長 森田 稔
 1月16日には来年度の都知事予算原案が発表されますが、多摩にとってどんな影響があるのでしょうか。
 東京都は昨年10月、市長会・区長会に対して施策の見直しを提案しています。都の試算によれば、市町村だけで28項目、19億円の影響があるとしています。市への影響のうち、「心身障害者(児)通所訓練等事業」の補助率3分の2から2分の1への変更と「定期予防接種費補助事業」の廃止で約15億円を占めています。

市民生活に重大影響を及ぼす都補助金削減
 ポリオや麻疹、風疹、日本脳炎など、法律で自治体が実施することが決められている定期予防接種事業は、現在2分の1の補助を受けています。都が補助を廃止した場合でも事業を止めるわけにはいかず、全額市町村が持ち出すか、住民に負担していただくことになってしまいます。突然の補助金見直しは多摩市町村の住民生活に重大な影響を与えることになり、現場からの猛烈な反発は当然です。

市長会からの都に対する要望事項
 一方、市長会は昨年7月、都に対し「予算編成に対する要望事項」136項目を提出しています。さらに11月28日には、そのうちの重点要望43項目を提出しました。市町村調整交付金、市町村振興交付金、市町村振興基金の交付金額及び貸付枠のさらなる増額を求めています。また、統廃合される保健所については、分室的機能の設置と包括補助金の創設、職員派遣・研修などの人的・技術的支援を求めています。その他、都営住宅等におけるグループホームの積極的展開や「みちづくり・まちづくりパートナー事業」の市町村負担軽減と期間延長も含まれています。
 都は、多摩からの要望に対してどのような回答を2004年度予算で行うのでしょうか。
連載 石原都政と教育(第2回)
子どもと教育の風景(2) 東京都教職員組合 教文部長 滝沢 孝一
「30人学級」文科省の調査に「該当なし」と回答
■子どもたちが「眠い」「横になって休みたい」と悲鳴をあげ、「大声を出して暴れたい」とイライラを募らせています。
 どの子にもゆきとどいた教育をおこなって欲しい、東京でも三十人学級を実現してほしいと去年もたくさんの父母・教職員が3千万署名にとりくみました。東京でもおよそ120万人の署名が寄せられ、ゆきとどいた教育を求める都民の強い願いが署名に託されました。こうした願いが広がるなか、全国では30の道府県が、30人学級などの少人数学級を実施し、大いにその効果を上げています。
■文部科学省は、公立小中学校での30人学級など少人数学級を実施するために必要な教員を来年度(2004年4月)から国の費用で加配できることに向けて、各都道府県の要望調査をおこないました。
■この調査に東京都教育委員会は、「東京都は該当がありません」と回答しました。しかも、この調査について、公立小中学校の責任者の区市町村教育委員会には一切知らせず、まったく独断で回答したのです。
■40人学級が子どもの社会性を養うには適正な人数だ。子どもを成績で分ける習熟度別授業を東京はおこなう。都教委は、都民の切実な願いを無視し、何の根拠も示さないまま、今もこう言い続けています。
■地方教育行政法は次のように言っています。「教育行政機関は、的確な調査、統計その他の資料に基づいて、その所属する事務の適切かつ合理的な処理に努めなければならない」(第54条)
都議会第4回定例会を終えて
日本共産党都議団 吉田信夫幹事長が談話
 昨年12月17日、日本共産党都議団吉田信夫幹事長は談話を発表しました。談話の骨子は次のとおりです。(文責 編集部)

 談話は「第2次財政再建推進プラン」および「第2次都庁改革アクションプラン」の2つのプランが、「住民の福祉の増進」という地方自治体の立場を全面的に投げだす方向に道をひらくものであることを指摘しています。
 そして、この2つのプランの強行は、都民の痛みとなってひろがり、都民との矛盾を激化させることはまちがいないこと。本定例会に提案された多摩地域の都立保健所の統廃合や都立の大森、吉祥寺の養護老人ホームを廃止する改定条例などに賛成した、自民、民主、公明、ネットなどの責任も問われると指摘しています。 また石原都政があらたに、八ッ場ダムに3百数十億円、羽田国際空港の再拡張に1千億円も投入するのをはじめ、首都高速道路など幹線道路への投資もいっそうふやすことが明らかになったこと。このような大型開発への投資こそが、都民施策の切りさげの最大の理由であること。
 また、新銀行の設立計画は、貸ししぶりや貸しはがしに苦しむ中小企業にたいする融資を想定していないことが明らかになったこと。したがって、苦しんでいる中小企業に役立たない新銀行は中止すべきであること。大型開発にかたよった税金の使い方を切りかえれば、都財政を立てなおしながら、福祉やくらしをまもる施策を充実できることを指摘しています。
 そして日本共産党は、2つのプランの具体化をゆるさず、30人学級や小学生への医療費助成の拡充、制度融資と中小企業対策の拡充など、切実な都民要求実現のためにたたかうと決意をのべています。
 また石原知事の憲法否定や韓国併合正当化などの発言について、こうした知事の言動にたいして、かつての日本軍国主義による侵略戦争、植民地支配を重ねあわせて、「戦争をしないと誓った日本国憲法に反する道を扇動する」という内外の批判が高まるのは当然であり、日本共産党は、ひきつづきこれらの歴史の針を逆にまわそうとする動きを許さず、きびしく対決していくものであるとしています。
 
談話全文      都議会第4回定例会を終えて
                          2003年12月17日
                       日本共産党都議団 幹事長
                               吉田 信夫


一、本定例会は、今後の都政の方向を示した「第2次財政再建推進プラン」および「第2次都庁改革アクションプラン」が発表されて最初の議会であり、この2つのプランが、都民と都政に何をもたらすのかが問われました。
 日本共産党は、この2つのプランが、福祉やくらしなどの補助金を中心に都民施策を1200億円も減らし、都立施設からの撤退、民営化をすすめるなど「住民の福祉の増進」という地方自治体の立場を全面的に投げだす方向に道をひらくものであることを指摘しました。これにたいして、石原都政は、2つのプランをすすめる立場に固執しましたが、「第2次財政再建推進プラン」については、区長会や保育園からも異議が出されています。いま、焦点となっている私立保育園などへのサービス推進費補助の切りさげは、東京の保育の質と保育園の経営を根底からおびやかすものであり、保護者も参加した反対の運動としてひろがっています。
 この2つのプランの強行は、都民の痛みとなってひろがり、都民との矛盾を激化させることはまちがいありません。本定例会に提案された多摩地域の都立保健所の統廃合や都立の大森、吉祥寺の養護老人ホームを廃止する改定条例などに賛成した、自民、民主、公明、ネットなどの責任も問われます。

一、石原都政は、大型開発を「聖域」扱いすることで、投資経費をいまだにバブル前の時期の2倍の1兆円規模に高止まりさせてきましたが、あらたに、八ツ場ダムに三百数十億円、羽田国際空港の再拡張に一千億円も投入するのをはじめ、首都高速道路など幹線道路への投資もいっそうふやすことが明らかになりました。
 石原都政が、福祉、くらし、教育などの切りさげの理由として、「巨額の財源不足」を上げていることがごまかしにすぎないことは、今議会の質疑でも明白であり、大型開発への投資こそが、都民施策の切りさげの最大の理由です。
 そのうえ、石原知事は、一千億円もの税金を問うにゅして新銀行を設立する計画です。日本共産党は、都の計画では、貸ししぶりや貸しはがしに苦しむ中小企業にたいする融資を想定していないことを明らかにしましたが、都側が、事実上、破たん懸念先には貸さないとする答弁をしたことは、これをうらづけるものです。そもそも、自治体が銀行など金融業に乗りだすべきではありませんし、まして苦しんでいる中小企業に役立たない新銀行は中止すべきです。
 大型開発にかたよった税金の使い方を切りかえれば、都財政を立てなおしながら、福祉やくらしをまもる施策を充実できます。日本共産党は、2つのプランの具体化をゆるさず、30人学級や小学生への医療費助成の拡充、制度融資と中小企業対策の拡充など切実な都民要求実現のためにたたかうものです。

一、小泉内閣がイラクへの自衛隊の派兵を決定したことに対して、批判と反対の声が、国内外でたかまっています。ところが、石原知事はイラク派兵をあおり、もし自衛隊が攻撃をうけたら相手を「殲滅」すべきであるとか、さらに外国の軍隊が攻撃された場合も反撃すべきなどという発言をくり返しています。これは、憲法9条をあからさまに踏みにじるものであり、自治体の長として、断じて、許されないものです。
 石原知事は、今年に入ってから憲法否定や韓国併合正当化などの発言を意図的にくり返してきました。こうした知事の言動にたいして、かつての日本軍国主義による侵略戦争、植民地支配を重ねあわせて、「戦争をしないと誓った日本国憲法に反する道を扇動する」という内外の批判が高まるのは当然です。日本共産党は、ひきつづきこれらの歴史の針を逆にまわそうとする動きを許さず、きびしく対決していくものです。
                                              以上
 
青い空
 新しい年が明けました。年に一度懐かしい方々からどっさりの賀状。
▼エッ?!と声を上げたのは「定年退職」の友々から…「世代交替の感しきり」と他の女性団体の一文かみしめました。
▼また入退院のくり返しです。という友の乱れた筆づかい、しかし、弱き体だましだまし生きてきぬ 今から生きたし七十一歳。この辛苦の世情負けてたまるかという意気ごみ。
▼そしてうら若かった友が忘れずくれる賀状、可愛らしいお子たちの成長に時の流れと未来への夢が広がります。地球よ戦争より平和の方へと。
▼猿年の今年は逆「三猿」でとよく視、よく聞き、よくしゃべる三猿。上田耕一郎さんのお得意のマンガチックの賀状。そうだ!二〇〇四年は逆三猿で生きよう。
▼その実践を歌人の奈良達雄さんは、この国の地軸の軋みたゞならず 寒風にマイク光らせて起つ と新春のメッセージ。
▼長く活動を共にしたMさん。「未来への伝言」と題して、三度もの召集で戦場に赴いた亡父の「戦線亡備録」「一時一日も早く戦争状態を止めて…中略…真の意味の東洋平和を永遠にと祈祷する」と記し、生命をかけた伝言「日本国憲法を守る大切な年です。」とその決意を歌友は歌います。 タンポポの綿毛の飛翔するごとく地球にひろがれ憲法九条(中)
 
 
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