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都民がつくる革新都政
会の機関紙「都民がつくる革新都政」2003年6月15日発行
4千万円と420万円どっちが高い? 都生連が5.27対都交渉
      東京都生活と健康を守る会連合会事務局長 須山利夫
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 都生連は2期目の石原都政になって初めての対都交渉を、5月27日、271名の参加で行いました。午前中の住宅局交渉では、石原知事就任後1軒も新築しない都営住宅を大量に設置してほしいという、切実な住宅要求から出発しました。「何回応募してもダメだ」「昨年6月に当選したが、まだ入居できない」等々。入居している人々からは、「流し台が古くなって腐っている。ゴキブリが大量に湧いて困る。昨年は大勢なら対処すると言った。今年は出来ないと言う」(板橋)「障害者がどのような苦労をしてドアを開閉しているか。近所の人々の嘆願書と写真を持ってきた。レバー方式に改善してほしい」(荒川)「大家さん、何とかしてよ」という修繕要求については、後日の現地調査などを約束させました。

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都生連の5.27対都交渉

 午後の福祉局で、まず驚いたことは、無料から有料になったシルバーパスが、磁気カードだと4千万円、見せるだけのカードなら420万円で出来るというのにバス協会に補助金を出している東京都は磁気カードを認めたと言う。高齢の人々が大事に所持しているパスの出し入れだけでも大変だから、見せるだけでいいとなった一昨年の顛末を忘れたのか。それともお金の使い方が分からなくなったのか。みんなの追及で「来年度については持ち帰って検討します」。介護保険や国民健康保険制度の減免要求については、これだけ長引く不況のなかで、倒産、廃業、リストラが続出していても「区市町村の仕事ですから」の一点張りです。「慢性呼吸器不全から在宅酸素が必要になった。医療費が月1700円だったが、医療改悪で約1万円になった。都として補助してほしい」回答は「国の制度ですから」。大気汚染や高齢化がすすむなかで、在宅酸素療法患者は増え続けています。私たち都生連は各自治体に「(1)国へ医療費助成を要請して下さい(2)患者に電気代を補助して下さい」との陳情署名を始めました。

警察権限の強化と都民の相互不信を生み出す
「安全・安心まちづくり条例」案
      自由法曹団東京支部事務局次長 弁護士 安川 幸雄
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 東京都は、6月都議会に向けて、東京都安全・安心まちづくり条例案(安全条例案と言う)を、6月10日に明らかにした。
 自由法曹団東京支部は、安全条例制定の動きに対して、反対の要請活動などを行ってきた。安全条例は、「市民相互の連帯」と「防犯」の名によって、「不審行動者」のあぶりだしと市民どおしの通報体制・相互監視体制を作り出すからである。
 ところが、東京都が明らかにした条例案は私たちの想定をも「上回る」ものだった。「警察署長」あるいは「公安委員会」が明文で主語となる条文が24の条文のうち実に3分の1にあたる8つも含まれている。いわく、「知事及び公安委員会は、……防犯上の指針を定めるものとする」「警察署長は、……安全・安心まちづくりを推進するための体制を整備するものとする」「警察署長は、……必要な情報の提供、技術的助言その他必要な措置を講ずるものとする」等々。
 かなり露骨に、警視庁・各警察署が、先頭に立ち、積極的に音頭を取って、都民の住居等の「防犯体制」(防犯カメラ設置・ダブルオートロックの採用・死角を少なくする事等々)、道路・公園・駐車場などの「防犯体制」、コンビニなどの深夜営業店舗や金融機関の「防犯体制」、学校での「防犯体制」等々について、指導・助言・指針作成・情報提供など様々な形で、市民生活に介入できるような法的仕組みを作り上げようとするものである。
 さらに、そのような警察活動への市民の協力を、都民や事業者の「責務」として組織し取り付けようとする条例である。
 6月都議会への「監視」を強化することを訴える。

03都知事選挙の総括と今後の活動方針について
会の論議始まる
 「革新都政をつくる会」発足以来はじめて、「会」として候補者を擁立して選挙をたたかうことができなかった今回の03都知事選挙についての「会」としての総括論議が始まりました。
 「会」は5月26日、6月9日と代表世話人・常任世話人の合同会議をひらいて、事務局長から提起された私案をたたき台に討論しました。この論議を踏まえて文章整理を行い、次回7月11日の代表世話人会でまとめ、団体や地域の会でも論議していただき、9月に中間集約会議をひらく。そのうえで「会」の総会を11月8日に開催することを確認しました。
 私案で「深めるべき論点」として提起されている柱は(1)選挙の結果をどうみるか(2)共同の候補を擁立できなかった原因は何か(3)今日における共同・統一戦線の在り方は‐「都政懇談会」を含め‐(4)「会」の今後をどうするかの4点です。
 「会」のすべての団体・講成員の参加で実りある総括にしていくことが求められています。
東京湾を非核の海に 東京非核政府の会が見学とつどい
      東京非核政府の会事務局 小町 行三
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 東京非核政府の会は、5月30日、「東京港見学&東京湾の非核化を考えるつどい」を開催しました。東京都の視察船「新東京丸」で、取扱コンテナ数では日本一の商港という、巨大な東京港をぐるりと1周して見学。「有事法制には積極的に協力する」という石原都知事のもとで有事法制が通れば、この平和な港が「戦争のために利用」されてしまう恐れを実感しながら下船しました。
 下船後に会場を移して開催した「東京湾の非核化を考えるつどい」では、東京非核政府の会・増田善信事務局長が「東京湾の非核化へ」と題して問題を提起。増田氏は、J・デービス氏(米国研究者)のレポートにふれながら、横須賀での核事故によるプルトニウム粉末の飛散で、大気の状況によっては茨城県下館市付近まで影響が広がり、2万人がガンで死亡、また原潜の原子炉事故では放出放射性物質の影響で最低7万7千人の死亡が予測されていることを指摘。横田基地など東京湾周辺の基地の危険性は有事法制によって、さらに重大化するとのべ、東京湾の非核化が急務であると強調しました。
 また討論では、石原都知事が、「東京湾に原発を設置してもよい」と一度ならずも発言し、この発言に触発されて原子力専門家などが都市部での原子炉設置の検討をすべきだと述べていることも紹介されました。

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 石原知事の横田基地の恒久化につながる「軍民共用」や東京湾の原発立地容認の姿勢を許せば、都民はもとより首都圏の安全が脅かされかねず、東京都政の民主的転換が東京湾の非核化にとってさし迫っていることが強調されました。

多重債務の解決は金利引下げ運動につながる
      新宿民商「若松会」代表 立畑 健児
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 新宿民商の多重債務相談「若松会」は、今年に入ってからますます活気(?)を帯びています。若松会は第1、第3、第5土曜日に行なわれていますが、夕方の四時から始めて、終わるのはだいたい10時を回ります。
 相談者の大半はサラ金からの借金です。もちろん銀行、国金、それに商工ローン、そしてヤミ金の相談者もいます。なかにはふとんや宝石などの催眠(詐欺)商法の被害者もいて、相談内容はさまざまです。
 たいていは、簡易裁判所に特定調停を申し立てることにより債務(借金)を減らし、残債務を長期分割(50〜60回)にして毎月の支払額を少なくできます。
 貸金業者は出資法で決められた年利29.2%以内で貸し出していますが、特定調停を申立てると、利率を利息制限法(年利15〜20%)に引き直してくれます。そのため、それまで支払った利息分が10%以上も元金に繰り入れられるので、債務が減るのです。しかも将来利息が付かないため、今後支払うお金はすべて元金になり、確実に借金が減っていきます。
 特定調停を申し立てる人の数は年々増加しており、自己破産者も増え続けています。また過払い返還訴訟(払い過ぎたお金を返してもらう裁判)を申し立てる人も多く、法律を活用することで多重債務者は救われます。
 これらのことを通して高金利社会を是正し、健全な貸金制度を築き上げる運動にしていきたいと思います。

医療費負担増がくらしを直撃
      東京民医連事務局次長 前沢 淑子
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 4月1日から、サラリーマン・退職者本人の医療費自己負担が2割から3割に引き上げられました。医師会をはじめとする4師会や国民の反対の声を無視し、4野党の「三割負担凍結法案」の審議を棚上げにしての強行です。とんでもありません。医療費負担増が都民のくらしを直撃しています。江東区のHさんは、2年前に肺がんの手術をしました。昨年、再発して入院し、その後通院で治療を続けました。ところが、今年2月にまた再発し、放射線治療を受け現在は、抗がん剤を飲みながら様子をみています。3月までは、「退職者医療・本人」でしたから2割負担で、レントゲンと血液検査、2週間分の薬で2万2690円でした。ところが、4月からは3万4750円と1.5倍です。病気で働くこともできず貯金がいつまでつづくか、不安な毎日を過ごしています。高額医療費は、1カ月7万2千円以上でないと支払われないので大変です。中野区のS診療所では、4月11日の夜間外来で患者さん35人から医療費についてのアンケートをとりました。35人中23人(70%)が高くなったと答え、生活が苦しくなったは18人(51%)でした。医療機関の経営も深刻です。東京保険医協会の調査(03年4月分)では、6割を超える医療機関で患者が「減った」と回答し、4割で負担増が原因と思われる受診や治療の中断が「あった」と答えています。受診の中断は重症化につながります。医療費負担増は、都民のいのちと健康を破壊するだけでなく、身近にかかれる医療機関の存在さえ危うくします。

 
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東京民医連提供

 5月21日に東京民医連に働く青年職員260人が「有事法制反対」と「医療費負担増を元に戻せ」の国会議員への要請行動を行いました。医療現場の声に全く耳を貸さない議員がいた一方で、青年の真剣な訴えを受け取り1日の行動で52人が請願の紹介議員になってくれました。あきらめずに、現場の声を国会に届けること、そして「いのちを守れ」の声を大きくしていくこと、これが政治を変える力です。

教育基本法「改正」を許さない
      都教組執行委員 川俣 義雄
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 3月20日、中教審は「これからの大競争時代を切り開くたくましい日本人の育成」のために、教育基本法を「改正」する必要があるとの答申を文科省に提出しました。そして、小学校から差別教育を徹底すること、国を愛する心の涵養を盛り込み、行政が教育にどこまでも介入できるしくみを作ろうとしています。「戦争する国づくり」に呼応した「戦争する人づくり」を目指す『教育改革』を本格的に進めようとしているのです。
 東京では石原都政のもとで、進学重点校、中高一貫校、中堅校、エンカレッジスクールなど、都立高校の差別化・複線化がすすめられ、「自己PRカード」の提出、「一芸一能選抜」など、子どもの人格破壊につながるのではないかと懸念される入試制度が導入・提案されています。
 小中学校では、「学区の自由化」、「習熟度別授業」、「一斉学力テスト」、「小中・中高一貫校の推進」などが先を競うように導入され、どの学校のどの子も大切にされる教育が根底から変えられようとしています。
 一方、卒業式では日の丸・君が代がすべての学校で強行されてもなお、「歌う時には教員も生徒も全員起立させろ」、「『フロアー形式』は認めない」、「生徒の作品を掲示するな」、「呼びかけの文から『戦争』や『平和』を削れ」など教育委員会や管理職からの、人権無視の押し付けが強まっています。
 しかし、子どもたちを一層差別し、「子どもが主人公」であるべき学校を、国民を意のままに管理するための道具に完全変質させようとすれば、大きな反撃に会うことになるでしょう。都教組は組合員を増やし、「改正」の狙いを学習・宣伝し、「改正」を許さない圧倒的世論を作り出す取り組みをさらに強めます。

青い空
▼24日から16日間、定例都議会が始まる。308万票、7割を超える大量得票で当選した石原知事の2期目の方向が問われる。
▼選挙で知事が有権者に示した公約は9つ。‐大気汚染対策、新しい銀行の創設、認証保育所、新しい大学、治安対策を徹底的に実施、行財政基盤を強化、雇用を促進させる機関、千客万来の観光都市、都市機能の充実‐。
▼どんな中身かは、先ず知事自身が所信表明で明快に説明し、都議会も対等な立場から質疑・論議を挑み、都民の前に都政の課題を明らかにして欲しい。
▼当たり前のことのようだが、どうしても今、このことにこだわりたい。
▼その1。テレビ討論どころか「公開討論会」すら行われず、4年前とは完全に様変わりした今回知事選。その原因の一端は、直接討論の機会を断った石原氏にある。再選当選後の初登庁時の議会挨拶回りで、フェアな論戦や対話を呼びかけた会派に不快感を露にし、「聞く耳もたず」の姿勢は改まっていない。
▼もう一つは、民主主義の「殿堂」であるべき議会の存在も問われていると思うからだ。
▼悪法が超特急で成立する国会の現状は、目を覆いたくなる惨状だ。
▼有事法案が衆院通過した日の71年前、「5.15事件」が勃発し、国民精神「昂揚」、国家総動員体制へと驀進していった。そうした時代への回帰は断じてNO!だ。(明)
有事法制がとおってもぼくはこっちがいいの!

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