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会の機関紙「都民がつくる革新都政」2003年5月15日発行 |
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各地で住民が主人公の自治体めざす共同すすむ
4月27日の投票をもって今年の統一地方選挙は終わりました。国立市で現職の上原ひろ子市長が当選、第二期民主市政が実現しました。
また、当選には至りませんでしたが、各地で住民参加による住民が主人公の自治体をめざす多様な共同が取り組まれました。4月につづいて、各地からの報告を紹介します。(順不同・敬称略)
国立
国立市職 大野 芳男
4月27日に行われた国立市長選挙で、現職の上原ひろ子市長が、前回より千票以上得票を延ばし、再選を果たしました。
今回の市長選挙は、市民参加、教育・福祉の充実、平和・民主主義擁護を進めてきた上原市政を継続・発展させるのかどうかが問われた選挙でした。選挙戦の中で他候補は、「裁判・紛争の上原市政」、「紛争のないまちを」など、上原市政が混乱しているかのような宣伝を繰り返してきました。しかし、上原さんは、公共料金の値上げストップ、大学通りの景観を守る取り組み、住基ネットの切断や有事法制の廃案を求める意見書の提出など、市民生活を守り、市民参加、情報公開を進めてきた実績・取り組みを訴え、「市民参加のまちづくりをさらに発展させましょう」と市民に呼びかけてきました。今回の結果は、この方向に市民の共感が大きく広がっていると言えます。
私たち国立市職は、上原さんを推薦・支持する団体や個人で結成した「国立民主市政を発展させる会」に結集し、東京自治労連や立川労連の応援を受けながら、全戸配布や街頭宣伝、電話作戦などに奮闘してきました。
推薦や支援を頂いた多くの皆さんに心から感謝申し上げます。
市議会の情勢は引き続き少数与党で多くの困難が予想されますが、市民世論を大きく広げていくことが重要になっています。引き続き皆さんの大きなご支援をお願いいたします。
東大和
明るい革新東大和をつくる会代表 三矢 英臣
「明るい革新東大和をつくる会」は、民主党、共産党、自由党、社民党、生活者ネットとともに、中野しのぶ氏(無所属)を擁立、現職の尾又まさのり氏(無所属)との一騎打ちのたたかいとなりました。
「憲法と地方自治法にもとづく、市民参加の市政を」と訴えて善戦しましたが、結果は尾又氏18,579票、中野氏16,215票で惜敗しました。
小金井
21世紀の小金井を考える会事務局 森戸 洋子
選挙は大型開発を優先する市政か、財政力にあったまちづくりで市民を大切にする市政かが焦点でした。市民と共産党、民主党、生活者ネットなどが応援する土肥英生候補は相手候補の妨害にひるむことなく、善戦健闘しました。今回の選挙は、今後の市政転換の礎をつくることができたと確信しています。
稲城
稲城をよくするみんなの会事務局長 滝沢 貴明
告示1カ月前の立候補表明という短期間の準備にもかかわらず、革新無所属・共産党推薦で擁立した岡田たかお氏は奮闘し、前回よりも得票を伸ばすことができました。「30人学級の早期実現」「オオタカなどのすむ南山開発の見直し」などの政策が市民の共感を呼びました。
今後も幅広い市民のみなさんとの共同を強め、市政刷新のために努力します。
清瀬
明るい革新清瀬をつくる市民連絡会事務局次長 石沢 史朗
会が推した中神いつお候補は、短期間のきびしいたたかいでしたが、大健闘しました。
「市民に負担を強いる市政の転換を」という中神候補の訴えに多くの人の共感が広がり、今後のたたかいへの貴重な足がかりを得ました。結果は及びませんでしたが、市議会議員選挙では共産党が全員当選して議会招集権を獲得、現市長の「市民いじめ」に反対し、革新市政をめざす運動発展の条件がつくられました。
品川
品川みんなの会事務局長 宮脇 健次
3月21日、400人の参加を得て結成された「あたたかい品川区政をつくるみんなの会」は、区民が主人公、くらし・福祉優先の区政への転換をめざし、桜井恵子さんを擁立してたたかいました。元NHKアナウンサー酒井広さん、元民社党区議菊地孝雄さんも先頭で奮闘されました。結果は第三位、得票率17.35%でしたが、区民要求実現をめざし、いっそう幅広く運動を発展させたいと思っています。
板橋
革新板橋区政をつくる会事務局 秋元 勇
出馬の決意からわずか20日間、得票27,156票(得票率15.77%)。善戦健闘といえます。
「誰かが出なければ革新はたたかわずして負けることになる」と一晩で出馬を決意。4月13日の決起集会には150名余が参加してアーチプラザホールは満員。山岡ふみさんの「30人学級の実現」「区の仕事は区内業者に」などの訴えが大きな共感を呼びました。
北
明日の北区長をつくろう会事務局長 富沢 欣也
今度こそ区政を変えたいという多くの区民が、革新都区政をめざす会の呼びかけで1月「明日の北区長をつくろう会」を立ちあげました。元北教組委員長の庄司まさおさんを擁立、「福祉・教育最優先」「情報公開・住民参加」「憲法を守る」などの「政策大綱」を区民に呼びかけました。
結果は三位に終わりましたが、これまでにない多くの区民を結集し、今後の活動の力にしていきたいと思っています。
渋谷
明るい革新区政をつくる渋谷の会事務局 伊香 忠志
区長選挙は、徹底した情報公開と住民参加、くらしを守る区政をつくるのかどうかを争点としてたたかわれ、「明るい革新区政をつくる渋谷の会」は「しぶやを区民で創ろう会」が擁立した大角たか子さんを支援してたたかいました。
善戦・健闘しましたが、残念ながら及びませんでした。ひきつづき、区政の民主化、くらしを応援する区政を実現するために全力をあげます。
大田
大田区政を変える会事務局長 後藤 耕三
「大田区政を変える会」は、悪政により「痛み」を受ける多くの団体・個人との共同で山森美意子さんを擁立して、要求実現と区政を変える運動を進めて来ました。その結果、「区政を変える」がすべての区民の願いとなり、立候補者すべてが「変える」「改革」「チェンジを売り物にしました。
現職は当選したものの過半数の支持は得られませんでした。
世田谷
明るい革新世田谷を築く会事務局長 佐藤 嘉英
巨大開発優先、くらし・福祉投げ捨ての現区政に対し、新たに個人・団体が参加する「明るい革新世田谷を築く会」を3月に結成。共産党区議として七期の経歴をもつ笹尾淑さんを擁立してたたかいました。
政策論戦で支持を広げ、当選はできなかったが、4年前より7千票上積みし、得票率も8.7%から11.8%へ引き上げたことは今後のたたかいに貴重な到達点となりました。
江戸川
革新区政をつくるみんなの会事務局 安部安則
福祉切り下げ、公共料金の値上げなど区民負担を増やす一方で、積立金を1.5倍にした現区政。不況の今、ため込み金は区民のために使い、乳幼児医療費無料を小学一年まで拡充することや特養ホームの増設など、みんなの会が擁立した洞井浩区長候補が提案した「生活応援プラン」に多くの区民から共感がひろがり、前回から得票を大きくのばしました。
中央
革新区政をつくる会は、産業考古学者で国民救援会副会長の玉川寛治氏を擁立。「人間にやさしい区政を」をスローガンに、有事法制反対、乱開発反対、介護保険料・利用料の引き下げなどをかけてたたかいました。結果は及びませんでしたが、今後の区政に一定の影響を及ぼすものと思われます。(文責編集部)
武蔵野
日本共産党も支持したむらかみ守正さんは、「中学校給食を希望するひとは全員むらかみさんへ」「ため込んだ215億円の一部で特養ホームの待機者の解消や乳幼児医療費助成の収入枠の撤廃を」などと訴えて大健闘し、新人ながら22,068票(41.4%)を獲得、次期への足掛かりをつくりました。(文責編集部)
このほか、4月号で紹介した次の地域での投・開票結果は次のとおりです。(当選者と共同候補者のみ‐いずれも無所属)
練馬
当 志村豊志郎 60,058票
高田千枝子 36,209票
江東
当 室橋 昭(現) 95,760票
堀内 勝彦 31,882票
杉並
当 山田 宏(現) 133,243票
小関 啓子 32,263票
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日々、問われている改憲の是非
東京憲法会議 事務局長 安池 是布 |
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「改憲論議の場」と化している衆議院憲法調査会(中山太郎会長)は、これまでに仙台、神戸、名古屋、名護、札幌、福岡で地方公聴会を開いてきた。国会と違って地方公聴会では、どの会場でも「改憲よりも憲法を生かせ」という意見が多数を占めている。
しかし、改憲を是とする政党の所属議員は、すでに3分の2を超えている。改憲が発議され、改憲案が国民投票に付されたとき、これを否決できるだろうか。現状では、かなり厳しいと思うが、悲観的過ぎるだろうか。
地方公聴会で意見を述べる参考人だけでなく、じつは私たち国民1人1人が日々改憲に賛成するのか、反対するのかを問われているのである。
有事法案の動向が山場を迎えている5月13日、明らかに憲法違反の有事法案について、有事法制が必要だと答えた国民が7割を超えているとNHKが世論調査の結果を報道し、14日の朝刊は自民党と民主党の「修正」協議が合意し、今国会で成立へと大見出しで報じている。
戦争の世紀といわれた20世紀の教訓として人類が得た日本国憲法の平和主義・第九条の視点で、現実の国際情勢を冷静に判断すれば、憲法九条をもつこの国の国民の判断から、このような調査結果は生まれないだろうと思う。
改憲勢力は、教基法、労働法制、個人情報保護法など、違憲の既成事実を積み重ねながら、改憲の時期を窺っている。改憲のための「国民投票法」案も、すでに用意されている。残された時間は、あと数年であろうか。
改憲を阻止する確かな世論を構築するために、各分野でこれまで以上に意識的な取り組みがのぞまれる。
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東京にほんとうの青空を!
東京大気汚染公害裁判・勝利を目指す実行委員会 事務局長 米谷 哲二 |
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東京であたりまえに生活していたのに、気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫などのいわゆる公害病にかかってしまった患者とその家族が、大気汚染の根絶、患者の健康回復、そして患者の権利確保などを目指して運動をすすめ(79年)、96年にはやむにやまれず、裁判に訴えてたたかってきているのが、東京大気汚染公害裁判です。
昨年10月29日、東京地裁は国や東京都の責任を認め、公害未認定患者を含む原告たちに対し損害賠償を命じる判決を下しました。
これに対して都は控訴を断念したうえで、国に対し排出ガス規制の強化などとあわせて、メーカーが費用負担をすることを含めて、国の責任による被害者グ済制度の創設を表明し、国に働きかけをしました。
私たちは、都のこうした対応は評価しながらも、地裁判決で明らかにされた都の公害発生責任をいささかも曖昧にすることなく、都自身が率先して被害者救済のために責任を果たすべきものと考えます。
今回たたかわれた知事選の結果をふまえて、日々大気汚染による公害被害に苦しみ、病苦をおしてその完全救済を求めて活動してきている患者・原告の願いを真摯に受け止め、都において、(1)自動車メーカーの費用負担も含めて、自動車排出ガスに係わる大気汚染による健康被害者の救済制度(公健法なみの給付をすることを内容とする)を創設すること、(2)全年齢、全地域を対象に、自動車排出ガスに係わる大気汚染による健康被害者の医療費助成制度を創設することを、私たちは緊急に求めています。
多くの都民の方々の理解と共感を得るためにさらに努力していく所存です。
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働きがいある仕事と職場をもとめる運動を草の根から
民青同盟東京都委員会 委員長 吉岡 正史 |
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職をめぐる青年の状況はますます深刻です。ヤングハローワークで出会った2人の少年は、親から渡された10万円で2週間、ファミリーレストランで夜を明かし就職先を探していました。彼らは仙台で「18歳とウソをついて働いて」と就職あっせんされ朝四時から夜七時まで働きましたが、「お前らは使えない」と1ヶ月2万5千円しかもらえませんでした。別の青年は、休日もない長時間労働の連続。「正月も働いていた。1年間で1度も実家に帰れませんでした」と語っていました。必死に探しても職がない。働きはじめても過酷な労働で働きがいすら感じない。その実態は悲痛としかいいようがありません。
青年の完全失業率は約10%と全体平均の2倍。仕事がなく、仕送りや失業手当などの収入もまったくない青年は全国で140万人にもなります。高校生は史上最悪の就職難に直面し、昨年9月末で内定率は33.4%程度。フリーター青年も多くは正規雇用をのぞんでいますが、フリーター歴が長いほど職につけません。若者にとって仕事をめぐる問題は、人生の根本に関わる大問題。問題の解決はまったなしです。
この間、民青同盟は多くの青年と協力し草の根で声をあげてきました。港区の仲間たちは、街頭宣伝や働く討論会でつながった青年の給与未払いや労働条件改善を多く勝ちとっています。松屋に働く青年は、有給休暇を取得させ全国を励ましました。街頭労働相談も多くの地域や班で行われ、全国規模の広がりを見せています。改善を求め厚生労働省に申し入れる活動もくり返し行い、その対応に変化も生まれています。「勇気を持ってがんばれば変えられる!」これは、たたかいに立ち上がった多くの仲間の実感です。
今日、自民・公明には21世紀を支える青年の働く問題を解決させる力も、青年を大事にしようという政策的発想もありません。不良債権処理加速、労働法制改悪など、事態をより悪化させる策動も強まっています。知恵と勇気で、草の根のもっと大きなたたかいを起こし、働きがいある仕事と職場を私たちの力でつくりあげていきたいと思います。
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都知事選をたたかって 質問状をつき返した石原知事 障都連事務局長 市橋 博 |
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都知事選は、石原氏が再選されました。しかし、石原氏は四年間の都政で行ってきたことを全て知らせ、その上で信を問うたのではありません。都合の良いことだけ出し、都合の悪いことは隠しました。彼の政策に障害者問題はなく、テレビ討論を拒否し、障都連などの公開質問にも答えないばかりか、後日になって白紙で突っ返すという都民に対して失礼なことまでやってのけました。今度の知事選は、現職の知事として、自分の行ってきたことを全ては語らない再選でした。
本来ならば、都政の現状を責任を持って語らなければならないのが知事らの責任ですが、私たちが知らせていかなければなりません。私たちは、都政のことを都民に知らせる努力をしてきましたが、日頃からの具体的な政策提起をし、広く知らせる努力が引き続き必要と感じています。
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「ハイチラシです。」小二の孫がバアバにジイジにママに紙切れを配る。渡された紙きれにはたどたどしい文字で「せんそうはんたい」と書いてる。「偉いねえ、バアバも戦争反対だよ。」と目を細めてわたし。「あのね、中学生のお兄さんやお姉さんが校門のところで配ってるんだよ。お母さんによく見せてねって」と孫。彼のうけた強い印象の再現…チラシごっこなのだ。
▼無法なイラク戦争の影に地球を揺らす反戦平和の幾千万の声が高校生から中学生まで広がり、小さな孫の心にまで光を投げかけているのだ
▼一九三七年、七歳だったわたしは「戦争反対」という言葉さえ知らない日中戦争のただ中、露営の歌で日の丸の旗をふっている子どもだった。「サクラが咲イタそしてそのあと兵隊ススムまたまた同じきこの国の春」(水野昌雄)最近心引かれた短歌。
▼「備えあれば憂いなし」などと言いながら「有事法案」を押し通しアメリカの意のままに戦争に日本国民を総動員する危険な動き。‐いつか来た道。しかし、戦争後五八年、七才の孫はすでに「戦争反対」の語を知り行動をごっこに投影している。緑は深く列島を包み憲法九条の示す方向に歴史は動いている。(中) |
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