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会の機関紙「都民がつくる革新都政」2003年10月15日発行 |
東京都第2次財政再建プランの策定をまえに 各界のたたかい
障害者と家族の生活と権利を守る都民連絡会事務局長 市橋博 |
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「海水浴なんかに金を出せる時代ではない」
都の福祉切り捨てに障害者の怒り
石原都政は10月にも「東京都第二次財政再建推進プラン」を出そうとしています。6月に出された「途半ばにある財政再建」では、ありとあらゆる補助金を削ろうとしています。障害者施策も例外ではありません。
障害者施策は、本来ならば都が直接行わなければならないものを、区市町村や民間への補助金で行われているものが大部分です。例えば、共同作業所や障害児学童クラブへの補助金は、市部で3分の2ですが、これを都が一律にカットすれば、市の持ち出し分が増え、作業所やクラブへの補助金が削減され、運営が出来なくなり、地域の障害者福祉の根幹を揺るがすものとなります。
私たちは「東京都第二次財政再建推進プラン」の本質を知らせ、運動を強めていきたいと思います。既にカットされた補助金ですが、東京都身体障害者連合会が毎年七月の中旬に海水浴を行っていました。
夏休みに入る前に、足や手を切断したなどの障害者が、1年に1回勇気を出して水着になり、夏のはじめの1日を楽しむ海水浴です。その海水浴への補助金を都はカットしたのです。「海水浴なんかに補助金を出せる時代ではない」と東京都に言われたそうです。
東京都身体障害者連合会の役員は、もの凄く怒っています。
私たちは、こうした人々にも石原都政の本質を知らせ、共同の輪を拡げ運動を進めていきたいと思います。 |
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福永副知事に要望書を提出する会の代表世話人 |
革新都政をつくる会は、10月9日、福永副知事と交渉をもって2004年度東京都予算に対する都知事宛要望書を提出しました。革新都政の会は例年この時期に次年度予算編成にあたり、副知事要請を行っていますが、今年は日本共産党都議団の木村陽治団長の同道で会の代表世話人など六人が参加して実施しました。
要望書は「東京都は、財政難の原因を福祉や教育などの補助金に押し付け、都民生活に直結した諸施策を切り捨てようとし」ているとして、財政が「どんなに苦しくとも、住民のくらしと福祉を守るのが自治体の役割」と指摘、都民生活や都政への要望を直視した予算編成が必要との立場から以下の重点要望を挙げています。
1、都政運営に関すること
2、財源対策について
3、保健医療・福祉関係
4、教育関係
5、雇用・失業対策の拡充
6、地域経済・産業活性化
桑江常彦事務局長をはじめ、各代表世話人からの要請にたいし、福永副知事は、「要望は承った」としながら、「特別区財政調整基金」の積立に言及、補助金見直しは当然といった認識を示し、要請団は特別区側と十分協議するよう指摘しました。要請書全文は会のホームページに掲載してあります。
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七生養護学校の取り組みに一方的で悪意ある攻撃
東京都障害児学校教職員組合 書記長 垣見尚哉 |
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今回「教育介入」攻撃のターゲットになった七生養護学校では、障害児たちが性被害・いじめにあわないように、自分の成長発達を肯定的にとらえることをねらって、保護者や教職員の討議で性教育をすすめてきました。その際、知的な障害をもったこどもたちが理解しやすいように、わかりやすい教材をつくりながら指導してきました。
それに対し、3人の都議(民主・土屋、自民・古賀・田代)が「ゆきすぎた性教育だ」とし、都教委も加担して「こどもの実態とねらいからどのような授業をおこなっているのか」を調べもせず、「不適切だ」と一方的に決めつけたのです。そしてサンケイ新聞によって実態とかけ離れたデマ宣伝をおこなってきました。
保護者からは「授業でやってもらうようになって、本当にありがたかった。なのに、何故このように一方的で悪意のあるやりかたをするのか」と怒りの声がわき上がっています。
都教委は今回、性教育や学校運営の点で、校長や教員に対し大量処分を決定しました。都教委が行うべき教育条件の改善は放置したまま(教員が国基準より500人以上も足りません。教室も足りなくて、1つの教室で2つ以上の学級が授業を行っていたりします)、不当な処分をおこなった都教委の態度は許されるものではありません。
今回の問題の発端となった都議3人は、歴史教科書「つくる会」と深く関わりがあり、男女平等を敵視し、そして「テロ容認発言」をおこなった石原都知事を支持する集会を開いたメンバーです。その行動の背景に石原知事のすすめる都民犠牲の政治と教育への不当な介入があるのは明らかです。
都障教組は、保護者や地域・労働組合のみなさんとともに、教育への不当な介入を許さず、憲法・教育基本法を生かした教育と運動をすすめていきます。 |
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都の福祉破壊に経営者も利用者も怒る
福祉保育労東京地方本部 書記長 國米秀明 |
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東京都は「第二次財政再建プラン」の発表を前に、民間福祉施設に対する補助金の大幅カットを打ち出し、これを進めています。
見直し案の主な問題点は、補助総額の大幅削減と、職員の経験年数に応じた補助金という考え方をなくすということです。
これまで、都内の福祉施設や保育所では「経験の裏打ちされた職員の専門性」を重視し、よりよい福祉・保育の実現に向けた「経営(運営)努力」がおこなわれてきました。
職員の増配置とともに、全国一といわれた東京の福祉・保育水準は、専門性を確保した施設運営がなしてきたものです。
こうした「努力」をしてきた施設や労働者ほど、甚大な影響を受ける今回の福祉制度破壊に対し、福祉労働者のみならず、経営者や事実を知った利用者・父母も強い怒りをもっています。
福祉保育労東京地本は、「現場実態や都民の福祉実態に反した一方的な見直しは許さない」という運動をより大きな規模でおこなうために、経営者や利用者・父母との合意づくりと共同した運動を重視してとりくんでいます。
また、福祉・保育の直接の実施主体である各区市町村に対して、「現行以下の福祉・保育水準は許さない」という運動を重視してとりくんでいます。
今後は、要求を持ち込みながら、都民犠牲の「第二次財政再建プラン」に対する大きな運動に結集していきたいと考えています。 |
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密室で作られ、作業を進める新大学構想
学長にも記者会見の直前に説明!!
都立大・短大教職員組合 書記長 小林喜平 |
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都立4大学(東京都立大学・科学技術大学・保健科学大学・都立短期大学)は、統廃合をめぐって重大な危機に直面しています。石原知事のもとで東京都は、現在の都立4大学を1つにして、2005年4月、新大学を独立行政法人として発足させるため、今年の七月末まで四大学と協議しながら、準備してきました。
しかし、8月1日の記者会見の場で石原知事は、これまで検討・準備されてきたものとは、学部構成・キャンパス配置など全く異なる構想を発表しました。
新構想は、密室で作られ、都立4大学の総長・学長にさえ、その内容を記者会見の直前に知らせるという、異常なものでした。そこでは、これまでの検討組織は、前日をもって廃止されたこと、大学の代表者を加えない新たな検討組織を立ち上げることが通告されました。
東京都大学管理本部は、「大学の統合」や「新大学への移行」ではなく、あくまでも、4大学の廃止と新大学の設立であるとして、新大学の教学準備委員会のメンバーに、「新構想に積極的に賛同する」「会議の内容は、口外しない」という内容の「承諾書(念書)」に署名させ、事実上現大学を排除する形で、新大学の設立準備を密室で進めようとしています。
大学改革もまた、その典型ですが、ニューパブリックマネジメント(新しい行政経営)と総称される「改革」が、現場教職員の声、都民や学生・生徒・保護者・利用者らの切実な声を無視しながら、トップダウンで、教育・医療・福祉など、都政のあらゆる分野に広がっています。
都における大学の独立行政法人化は、学長と理事長とを分離し経営を教学の上に置く、国と異なる形態で、新構想では教員への任期制や年俸制の導入、一部の部門を将来、独立採算制のもとに置くことすら示されています。
教職員組合は、大学の自治と民主主義を破壊しようとする知事や管理本部に抗議するとともに、大学の評議会や教授会が圧力に屈せずに、本来の機能を発揮し、新構想の問題点を審議して、よりよい改革とするよう求めて、運動を展開しています。 |
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−テロ容認発言をめぐって−
平和の思い高まる青年がいる限り、石原知事に未来はない
民青同盟東京都委員会 委員長 吉岡正史 |
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石原知事のテロ容認発言は、青年の間で「石原さんは好きだけど、あまりにひどい。撤回すべき」「気に食わない奴は攻撃されて当然なんてブッシュと一緒」など怒りの声を広げました。全国平和集会の高校生からも「私たちの運動への挑戦。絶対に許せない」という反応でした。青年の間で「テロはNO!」の声は力強く鮮明です。
一方、北朝鮮問題の解決の展望をめぐる模索、「石原さんは好きだから…」というとまどいがあるのも事実です。しかし、本当の姿が伝われば、「青年は大きな力を発揮することも痛感しています。
思い出すのは今年の都知事選です。民青同盟は「戦争都知事でなく平和の知事を」と石原知事の数々の暴言や福祉切り捨てを伝え、解決の展望しめし奮闘しました。そこでは「イラク戦争賛成や女性ベっ視はひどい。知らせてくれてありがとう」、投票日も「石原に入れたけど、知っていれば入れてなかった」という声が続々と返ってきました。
今も青年の平和への思いは変わりません。街頭宣伝でも「九条改悪!信じられない」「自分も行動したい」と新しく仲間になる青年も後を絶ちません。切りひらく道は単純です。草の根で自民党型政治や石原知事の本当の姿と解決の展望を知らせるか、知らせないか、そこに最大のカギがあります。
青年雇用、憲法改悪、消費税値上げなど21世紀の日本のあり方を問う総選挙は目前です。自民党型政治をかえ、平和な社会を実現させる!その世論の高まりこそ、石原都政許さぬ世論の土台だと思います。全力で奮闘したいと思います。 |
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第三回都議会定例会を終えて 2003年10月6日
日本共産党都議団 幹事長 吉田信夫 |
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第3回定例都議会の閉会に当たり、共産党都議団の吉田信夫幹事長は次の談話を発表しました。(要旨‐文責編集部)
一、石原知事のテロ容認発言は、いかなる理由であれ絶対に許められないものであり、発言の撤回と謝罪をつよくもとめました。
しかし、石原知事は、外務省幹部の言動は「万死に値する」から「ああいう表現をした」などとひらき直り、テロ容認の態度をあらためようとしませんでした。
日本共産党は、都議会として発言の撤回と謝罪を要求すべきことを提案しましたが、自民、公明、民主の各党が、その必要がないとの態度をとったことは、都民の議会にたいする期待をうらぎるものです。
知事の発言は、テロ容認の風潮を助長する危険のつよいものであり、今後とも、きびしく追及していきます。
一、石原知事が査定をすすめている第二次財政再建推進プランにたいして、各会派から疑問や異議の声があげられたことは、都民世論と運動を反映したものとして重要です。
とりわけ、都民生活に密着している区市町村補助や私学助成の「見直し」について、それぞれ「サービス低下はあってはならない」、「いっそうの振興」をもとめるなどの質疑がおこなわれました。制度の廃止にむけて都が見直しをすすめている私立保育園への人件費補助についても「施設運営に支障が生じないよう配慮すべき」との意見が各会派から出されました。
都が強調している「巨額の財源不足」について、減税補てん債などの財源が計上されていないことや、都自身が今後の税収増を認めているなど、絶対的なものでないことがあきらかになりました。知事が「財政危機」を理由に、都民施策をきりすてることは、容認できるものではありません。
その一方、石原知事が東京地裁が土地収用の停止決定をおこなった園央道をはじめとする国の大型公共事業について、「都が応分の負担をするのは当然」といったことは、都民を犠牲にして、「都市再生」を聖域にするものにほかなりません。
日本共産党は、財政難を口実とした都民施策の切り捨てをゆるさず、大型開発優先の行財政運営をあらため、都民のくらしと福祉を第一にした財政の立て直しの実現のために全力をつくす決意です。
(一部省略)
一、石原知事が提案した銀行税訴訟の和解案は、「金融機関の体力が低下」しているなどとして、税率を低くおさえ、不良債権処理による大銀行の課税のがれを追認するもので、都民の納得と合意をえられるものではありません。
(一部省略)
日本共産党は、和解案の撤回をつよくもとめるとともに、大銀行に適正な税負般をもとめるあらたな和解案を策定し、銀行側と交渉をおこなうことを提案しました。
(一部省略)
一、迷惑防止条例に「つきまとい行為等の規制」の条項をくわえる改定案が、自民、公明、民主、ネットなどの賛成で成立しました。日本共産党は改定案に反対するとともに、質疑を通じて、政治活動、労働運動、市民活動、取材活動などはもちろん、憲法が保障する諸権利の行使などは、条例の対象外であることを認めさせ、警察が濫用しないよう約束させました。
(一部省略) |
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4月1日に介護報酬の改定が行われました。今回の改定で、それまでの三類型(家事、複合、身体)が二類型(生活支援、身体介護)になり、生活支援の報酬が一時間あたり1530円が2080円に引きあがりました。(身体介護は一時間あたり4020円)。しかし、1時間30分以降の報酬で、身体・生活支援とも30分あたり830円の加算がついたために(身体・生活支援の報酬が、加算により一時間あたり1660円になるために、介護報酬は実質的には引き下げとなっています)長時間の介護サービスの提供が困難になりました。そのために、医療依存度の強い利用者や重度の痴呆の利用者の介護サービスが深刻な影響を受けています。
また、実質的な介護報酬の引き下げによって、ホームヘルパーの時給や労働条件の改悪を行う事務所も出ています。「1時間30分以降の賃金が、報酬の加算を理由にして、時給を引き下げられた」とか「健康診断を受けられない」「労災が適用されなかった」などの相談が寄せられています。
介護保険料の見直しも行われ、23区で見ると足立区、板橋区、品川区以外の20区では保険料の引き上げが行われ、高齢者に負担増となって影響を与えています。
2005年には介護保険制度の見直しが行われます。介護保険制度が国民の間に定着するためには、制度の改善とともに、ホームヘルパーの労働環境の改善が急務となっています。 |
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福祉切り捨て反対 石原暴言許さず!
三定開会日行動に400人 |
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第三回定例都議会が開会された9月18日、都民連、東京地評、東京社保協の呼びかけで恒例の開会日行動が展開されました。
石原都知事の「テロ容認発言」の直後だけに発言の撤回、謝罪を求める意見、第二次財政再建推進プランに見られる福祉切り捨てに反対してたたかう決意が各団体の代表からこもごも表明されました。
都民連は知事本部にたいし、発言の撤回と知事の辞職を申し入れました。
革新都政の会は都庁・京王プラザホテル横で早朝宣伝を実施しました。
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前号「青い空」(明)氏は石原知事のテロ容認発言で「もはや知事の資格すら持ち合わせない。間もなく始まる第3回都議会で糾明すべき」と結んだ。その都議会では、自民党は批判せず、公明党は一切触れず、民主党も撤回を求めなかった。知事発言の撤回・謝罪を迫ったのは日本共産党だけだった
▼さらに石原知事は答弁で、北朝鮮拉致事件にふれ、「さらってみたら、片っぽは年寄りだからって曽我さんのお母さんなんて殺されたんでしょ、その場で」などと発言した。翌日、「反省し、陳謝」したが、記者団の問いに「(謝罪は)まあ、是々非々だから、状況証拠だけで言うべきじゃないからと思ってね。まあ、あんまり言うと、また君らに書かれるから」と本音。言葉と裏腹で陳謝していない。これが9月26日
▼10月2日の自民党東京都連パーティーで来賓挨拶。「今度の総選挙で自民党が過半数をとり、来年の参院選でも過半数をとれば、3年間は余裕ができる。その3年間で自民党のすべき仕事は憲法改正。いまの憲法を破棄して新しい憲法をつくったらいい」と述べたという。かれの持論だと見過ごすことは出来ない
▼その総選挙。マスコミは「二大政党」の政権選択を煽っているが、財界と国民のどちらの立場か、改憲か憲法改悪反対か、そこが問われている。(高) |
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マニフェスト論争絶叫マシーン 乗る前によおっく考えよう |
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