革新都政をつくる会は4月4日、2014年第5回団体・地域代表者会議を開催し、宇都宮けんじ候補の勝利をめざしてたたかい、大健闘した14年都知事選の総括をおこないました。選挙後、革新都政をつくる会は、各団体・地域のアンケートを呼びかけ、それをもとにした総括原案を団体・地域に事前送付し、ボトムアップで総括をすすめてきました。会議には宇都宮けんじ氏も駆けつけ、「都知事選総括と今後の活動」についての事務局長報告にもとづき、参加者から都知事選をたたかっての確信にみちた活発な発言がおこなわれました。都知事選で広げた共同を基礎に都政転換の新たなたたかいがスタートします。
つづいて、宇都宮氏を擁立した「希望のまち東京をつくる会」の中山武敏選対本部長があいさつ。中山氏は、選挙戦での奮闘に謝意を表明するとともに、共同した選挙戦をたたかい、連帯と信頼ができたと述べ、共同を大切にして、もっと大きな運動にしていきたいと表明しました。
都知事選後の都政の状況について、日本共産党都議団・大山とも子幹事長が報告。舛添要一知事就任後、初の都議会(第1回定例会)での2014年度予算案を中心に選挙公約の追求などの論戦をリアルに報告しました。
広がった共同を基礎に保守・自民支持層との力関係変える本格的にたたかいを
報告:「都知事選総括と今後の活動」「財政報告」について中山伸事務局長と會澤立示事務局長代理がおこないました。
報告提案文書は、はじめに都知事選の結果について「安倍政権が暴走を続ける中、石原・猪瀬都政14年の都政を転換し、くらし、いのちを守る都民が主人公の都政をめざし、宇都宮けんじ氏を候補者としてたたかった14年都知事選は、政策で一致する市民、団体、政党が力を合わせ、共同して選挙戦をすすめる歴史的な都知事選となりました。宇都宮けんじ氏は、当選できませんでしたが次点となり、大健闘しました。得票率、得票の伸び率とともに新しい共同の輪の広がりを実感し、明日への希望あるたたかいの結果を獲得しました」と述べるとともに「都知事選の争点は、選挙後の情勢のもとで、ますます鋭くなっています。都知事選で紡いだ新しい共同は、都政転換のたたかいの基礎となるものです。今次都知事選の教訓と課題を次のたたかいに生かすために、旺盛な総括の論議を期待します。」と呼びかけています。
都知事選の経過を次の柱で詳しく記しています。
Ⅰ 選挙結果と選挙戦の特徴
Ⅱ 選挙戦の展開と新たな共同のたたかいの広がり
1.新しい共同を広げた選挙体制、2.脱原発「一本化」・分断とのたたかい、3.選挙戦をリードした政策、宣伝活動、ネット選挙、4.新たな共同を推進する集会・会議、5.新たな共同を広げ、「革新都政をつくる会」が総力をあげて推進した選挙活動、6.対話・支持拡大の取り組みと到達、7.個人募金を中心とした財政活動、8.弾圧ゆるさぬ対策。そして、今後のたたかいと次期都知事選に向けて「今次都知事選では、新しい共同の輪を広げて都政転換を実現するたたかいの基礎をつくりました。今後、今回できりひらいたたたかいとつながりをさらに発展させて、保守・自民支持層との力関係を変え、革新・民主の都政への転換を実現するための本格的取り組みが求められています。同時に都知事選での勝利を確実なものとする強固な革新陣営の確立の必要性も明らかになりました。都政転換のためには、都政の両輪である都知事と都議会が、『都民が主人公』の都政を実現する立場にたつことが必要です。そのためには、都民要求の結集と政策化、都知事・都議会の実態の発信で、都民世論を大きく変えていかなければなりません」と述べ、次期都知事選へ向けて、以下の6項目の準備を提起しました。
- 候補者を一致する政策にもとづき擁立することは、都知事選挙の要となる課題です。次回都知事選へむけて、代表世話人会での検討をただちにすすめます。
- 今次都知事選を通して、都政問題を日常的に一貫して取り組む唯一の共同組織である「革新都政の会」の存在と活動への期待がさらに大きくなっています。代表世話人会を中心に、政策、宣伝などの体制と活動を強化するとともに、全都の地域の会の体制の強化をめざします。同時に、幅広い市民団体との多様な運動の共同をすすめ、都政問題を地域、諸団体に広げます。
- 公約実現のたたかいを継続してすすめます。都議会定例会・委員会への取り組みをすすめるとともに、都政への運動を通して、都政問題への関心を深め都政情報の発信と共同の更なる拡大をめざします。
- 政策活動の継続的強化と幅広い学者・研究者・市民団体・個人との連携をすすめます。また、共同して都政政策にかかわる学習会、シンポ、フイールドワークを実施します。
- 都民連をはじめ都政にかかわる住民運動との連携をすすめ、都民要求実現のたたかいをすすめる運動組織のネットワークの発展をめざします。
- ○インターネット選挙、ネット上のツール・インフラの開発と普及が急速に広がっています。構成組織とともに積極的な活用のための検討と実践をすすめます。
「職場の仲間に都知事選ニュースを発行。要求をかかげてたたかいで組合への信頼がたかまった。新しいたたかいで要求実現の基盤をつくった」(東京自治労連・喜入肇)
「政談演説会を共同の力で大成功させた。その土台に11月の区長選挙がある。都知事選は、今後のたたかいにつながる」(葛飾・菅野勝祐)
「支持拡大にがんばった。組織戦で勝ち抜くために目標に達しなかった分析が必要。要求運動の日常化、運動団体との共同が求められている」(渋谷・福井典子)
「支持拡大目標を20万に引き上げた。何としても都政を変えたい、要求実現をしたいとたたかった。都営住宅や生活保護母子加算打ち切りへの不服審査請求など都政へのたたかいを強化していく」(都生連・水上昭三)
「地域から『希望のまち』として都知事選をたたかった。細川一本化は、道理ない。ネット選挙は、積極的な面と危険な面がある。オレンジ作戦は、地域の力になった」(調布・鈴木彰)
「教育問題では、宇都宮さんの政策を他候補も取り上げざるを得なかった。都知事選のたたかいを力に安倍教育再生阻止のためにがんばる」(都教組・木下雅英)
「要求で手をつなぎ行動へと全力で頑張った。待機児問題、築地、教育など対都運動を強め、引き続き要求実現をめざして、『回遊魚のように』頑張る」(新婦人・油原通江)
宇都宮けんじ氏は、練馬区長選での街頭宣伝から駆け付けました。そして、ともにたたかった都知事選を振り返り、前回(12年)と比べ手ごたえを実感したと述べるとともに、「都政を変えるためにも日常の活動が必要と感じており、新たな運動のスタートを切っていきたい。革新都政とも協力し運動を一回り二回り広げたい」と力強く表明し、満場の拍手を浴びました。
討論のまとめで中山事務局長は「総括案にもとづく討論は、たくさんの教訓と重みのある発言でした。改めて宇都宮氏を先頭に共同の輪を広げてたたかった都知事選の値打ちが深まった」と述べるとともに「力関係を変えるたたかいは、宇都宮氏が立候補した時点から始まっており、私たちは相手を追い詰めている」ことを強調し、都政転換本格的取組みが求められていることを強調しました。
最後に工藤芳弘代表世話人(都教組委員長)が「次期都知事選へ向けて旗印を掲げ課題の取り組みを直ちにすすめる」と力強く閉会あいさつを述べました。