財界ファースト・都民置き去り予算 問われる都議会の態度
2026年3月15日
 2月18日から37日間の会期で2026年都議会第1回定例会が開催されています。中心的な議題は小池都知事が提出した財界ファースト・都民置き去りの2026年度東京都予算案で、議会各会派がどのようにこの予算案と小池都知事の都政運営について審議・論戦をおこない、どのような態度をとるのかが厳しく問われています。

開発優先・都民不在の施政方針演説
 予算案は一般会計が5年連続過去最高額の9兆6530億円、特別会計を加えた全会計ではスイスの国家予算を上まわる18兆6849億円に達しました。
 東京都はこの予算案について「『2050東京戦略』の迅速かつ確実な実行に向け、大東京の強みを遺憾なく発揮し、明るい未来を実現する予算」(予算編成方針)としていますが、「2050東京戦略」は、都政の喫緊の課題となっている貧困と格差の解消、都民生活の防衛などはまったく課題として検討もされていないものです。しかも、その一方で石原都知事が都政に持ちこんだ超高層ビル再開発による都市再生路線を引き継ぎ、官邸直轄の国家戦略特区などによる東京大改造をいっそう加速させるとともに、DXやAIによる自治体の空洞化をもたらす方向が強く打ちだしたものです。

都民に心を寄せる言葉なく
 都議会第1回定例会には、一般会計をはじめ特別会計、公営企業会計及び2025年度最終補正予算など33件の予算と職員の定数改正条例などの条例案61件、合わせて125件の議案が上程され、審議がおこなわれています。
 小池都知事は、定例会冒頭、2026年度の都政をどのように運営していくのかを都民と都議会に示す施政方針演説をおこないましたが、そこでは超高層ビル開発による「稼ぐ都市」=東京大改造をさらに加速させること、「国際金融の舞台で世界をリード」していくことが必要だとして、「国内外から投資の流れを呼び込む」ために、「金融市場を活性化して国際金融都市としての存在感を高めなければ」ならないことを強調するとともに、自治体の空洞化を促進するデジタルトランスフォーメーション(DX)やAI(人工知能)を組織運営の骨格としていくことなどを表明しました。
 その一方で、都民の暮らしの困窮について言及することも、異常な物価高騰に苦しむ都民に心を寄せることもなく、東京においてとりわけ顕在化している格差と言う言葉も貧困という言葉も一言も発することはありませんでした。
 また、「世界の脱炭素化をリード」していくと述べながら、温暖化の元凶となっている二酸化炭素を急増させている都市開発にメスを入れることに背を向け、築地市場跡地をはじめ、新宿駅や品川駅周辺、赤羽駅など周辺区での鉄道沿線各駅の再開発、環境破壊の特定整備路線などの東京の膨張政策をあらためようとはしていないのです。

官邸の出先機関化
 さらに小池都知事は衆議院解散総選挙のもとでの新政権発足直後、高市首相を官邸に訪ね、「官房長官をトップとする国と都の協議会」を設置することを合意、会見後の記者会見で「国と都で連携を強めることで日本を引っ張っていける」と述べ、危険な高市政権への追従の姿勢を示していましたが、施政方針演説で、「何を変え、何を守るのか。『強く豊かに』というスローガンを掲げる国と共に、新たな協議体において、東京ひいては日本全体の真の成長に向けた議論を進めて」いくことを宣言しました。
 この問題では、すでに安倍政権がはじめた国家戦略特区制度があり、東京都庁内には東京特区推進協同事務局が置かれ、すべての事柄が官邸主導、デベロッパー・ゼネコンの手で策定され、地方自治体に一方的に押しつけられる制度化が実施されています。これは国が直接、地方自治体を支配下に置く「官治主義」の常態化であり、東京都の国の「出先機関=出張所」化を加速させるもので、国言いなり、「稼ぐ都市」のいっそうの拡大がすすめられることになります。
 財界ファースト・都民置き去りの都政をつづけさせるわけにはいきません。

小池都知事追随の都民ファ・自民・公明
立法・議決・監視ー都民の負託にに応えよ
 このような小池都知事が施政方針演説示した路線とそれを具体化する予算案・条例案について、立法、議決、監視機関である都議会がどのような審議・議論をおこないどのような決定を下すのかが問われています。
 都議会各会派が知事提案の予算案にどのような態度をとっているのか、それぞれの談話から見ていきましょう。
 第1会派の都民ファーストの会
 「着実に行財政改革をすすめている点を大いに評価」都民ファの取組が「多くの分野で反映されていることを極めて高く評価」と絶賛。

都議会自由民主党
 「今回発表された令和8年度東京
都予算案では我が会派の要望の多くが反映」されていると評価するとともに、「高市政権が掲げる責任ある積極財政と連携し、時代の変化に対応した各種施策の展開」することを要望。
都議会公明党
 「『世界で一番の都市・東京』の実現に向け、喫緊の課題への対応に加え、『2050東京戦略』に掲げられた施策を積極的に展開する一方、バランスの良い予算案」になっていると絶賛。
国民民主党東京都議団
 「本予算案には、我が会派の問題意識と重なる施策が幅広く反映」されていると評価。
日本共産党都議団
 「予算の基本姿勢、都政の軸足が間違っている」「予算案の全体は、『国際競争力の強化』」が最重要課題とされ、環境破壊や家賃高騰を招く再開発・大型道路建設などが「きわだった特徴」となっていることを指摘。予算組み替え提案をおこなうことを示して「都の巨大な財政力を本気で都民のために使う予算にしていく」ことを表明しています。

都議会は本来の役割を果たせ
 都議会が都民の負託に応え、本来の立法・議決・監視の役割を果たすことが求められていますが、日本共産党都議団と「都政改革と都民福祉の向上」を求めた立憲民主党・ミライ会議・生活者ネット・無所属の会、「都民の暮らしと自然が奪われる再開発と強靱化のまちから,脱炭素・循環型のまち」への転換を示したグリーン東京を除き与党3会派と他の会派の談話には、国と一体となってすすめる「稼ぐ都市」=東京大改造への批判・問題提起はなく、また、格差と貧困の解消、温暖化防止のための根本的対策をとりあげた会派はありませんでした。

2026.02.17 1定前宣伝行動・田中都議



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