小池都知事が財界ファースト・都民置き去りの2026年度予算案提案
2026年2月15日
予算案は一般会計が5年連続過去最高額の9兆6530億円、特別会計を加えた全会計ではスイスの国家予算を上まわる18兆6849億円に達しました。
東京都はこの予算案について「『2050東京戦略』の迅速かつ確実な実行に向け、大東京の強みを遺憾なく発揮し、明るい未来を実現する予算」(予算編成方針)としていますが、「2050東京戦略」は、都政の喫緊の課題となっている貧困と格差の是正、都民生活の防衛などはまったく課題として検討もされていないものです。しかも、その一方で石原都知事が都政に持ちこんだ超高層ビル再開発による都市再生路線を引き継ぎ、官邸直轄の国家戦略特区などによる東京大改造をいっそう加速させるとともに、DXやAIによる自治体の空洞化をもたらす方向が強く打ちだしたものです。
また、小池都知事は予算案を発表した記者会見で「2050東京戦略」の更なる推進を表明するとともに、「こうした戦略の下で都政を加速させるために、令和8年度予算を編成」したこと、「『2050東京戦略』の迅速かつ確実な実行に向け、大都市東京の強みを遺憾なく発揮」すること、これが「基本的コンセプト」と謳い上げたのです。
都民施策を削って開発へ
小池都知事は記者会見で物価高騰に苦しむ都民に寄りそうことも、貧困という言葉も格差という言葉も発することはありませんでした。小池都知事が発した言葉は「世界から選ばれる都市へと進化を続けて国際都市・東京のプレゼンス」を「一層高めていく」という、「稼ぐ都市」まっしぐらの決意だったのです。
実際に予算案を見ると、若干の都民世論を反映した予算が見られるものの、都民の家計を直接潤すための物価高騰対策予算、国民健康保険や介護負担の軽減のための予算は見当たらず、切実な都民要求である都営住宅の新規建設、29年間も据え置かれている心身障害者やひとり親家庭への福祉手当の増額、9年間据え置かれている商店街振興予算の拡充、小学校の30人学級への移行と中学全学年での35人学級などは冷たく拒絶され、昨年度、1万3162人もの待機児(国発表)が残された保育所待機児童解消区市町村支援事業は来年度も削減され、スタート時には220億円あったものが来年度は1割の23億円にまで後退させられています。
その一方で、
稼ぐ都市」のための東京大改造には惜しげもなく莫大な予算がつぎ込まれ、築地市場跡地や新宿駅前、品川駅周辺などの再開発には1500億円(2027年度以降も含む)、住民や商店街の反対で事業の進捗が見られない特定整備路線に建設局だけで370億円もの予算を計上。さらに、巨大クルーズ船のための総事業費650億円の臨海青海地区のふ頭延長工事にもしっかりと予算をつけ、無駄遣いの批判が集まっている都庁プロジェクションマッピングに15億円と大盤振る舞いです。 また、改定された国の首都直下地震被害想定で東京の木造住宅密集地域の危険や老朽マンションの問題があらためて指摘されたにもかかわらず、木造住宅とマンションの耐震改修予算は増額されるどころか減額されています。 これらは財界ファースト・都民置き去りの予算の一例に過ぎず、憲法が定める「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するという自治体としてが守るべき自治体の姿勢とはほど遠い都政の姿があります。 東京都は巨額な財政力を誇っていますが、国の豊かさ指標では東京は全国34位です。税金の使い方が間違っているのです。
第1回都議会定例会で問われるもの
2026年第1回都議会定例会が2月18日から3月27日までの会期で開催されます。この議会は来年度予算の審議とともに、小池都知事が都政運営の柱として打ちだしている「2050東京戦略」の是非について、真正面からの論議が求められる議会となります。 第1に「地方自治の本旨」に立ち返り、都政運営の基本をすべての都民に「健康で文化的な最低限度の生活」(憲法)を保障する立場に立ち返らせること。革新都政が挑戦した憲法の実現を理念としたシビルミニマムの実現を都政の最重要な課題として位置づけることです。 第2に財界と官邸にばかり顔を向けるのではなく、1400万都民に真正面から向き合う都政の実現です。 第3に都知事のためのポピュリズム施策でなく、貧困と格差の是正、社会保障の実現、都民生活の防衛など都政と都民のにとって真に求められている課題の実現をこそ最優先にする都政への転換です。 第4に「稼ぐ都市」戦略をあらため、地球温暖化と災害の脆弱性、貧困と格差加速させる超高層ビル・大型道路建設中心の東京大改造を止め、都市の成長をコントロールする都市政策に転換することです。 第5にジェンダー平等、人権・平和が尊ばれる都政の実現です。 危険な高市政権が誕生したもとで、自治体として立法機関であり執行部の監視機関としての議会の役割があらためて問われます。










