生活防衛、福祉・教育・営業、地球環境…切実な都民要求の実現を
2025年1月15日
2025年度東京都予算及び都政運営に対する要望書(抜粋)
国の歴代自民党政権のもとで大企業・富裕層優遇、社会保障の連続改悪と生活破壊の政治の押しつけと、大企業による雇用破壊、異常な物価高騰のもとで、東京における格差の拡大と貧困の増大は止まるところを知らず、都民の生活は困窮の一途をたどっています。こうしたときに「住民の福祉の増進」(地方自治法)を責務とする東京都が豊かな財政を活用し、都民の命とくらしと営業、持続可能な社会づくりに全力を尽くすことが求められています。 私たち革新都政をつくる会は、東京都が財界・政府がすすめる新自由主義政策への追随をやめ、「都民が主人公の都政」に立ち返ることをつよく求めるとともに、2025年度予算編成にあたって、以下について実現されるよう要望するものです。
都政運営に関する重点要望
都政の主人公は都民です。東京都は都民の声に耳を傾け、都民との共同で都政運営をすすめることが何よりも強く求められています。
①憲法を尊重・遵守し、「住民の福祉の増進」(地方自治法)の 責務を名実ともに果たすこと。
②東京都における格差と貧困の解消を最重要課題に位置づ け、区市町村と連携した実態調査、調査に基づく格差解消 計画の都民参加による策定と具体化など全庁をあげてと りくむこと。
③ジェンダー平等社会の実現を都政の基本にすえること。
④財界・大企業のための東京大改造をやめ、住みやすく、安 全で、持続可能な都市づくりに転換すること。
⑤知事のトップダウンや密室、側近政治による政策・意思決 定をあらためるとともに、予算編成過程における財政規 律を守ること。検討過程を含め行政資料の全面公開を実 施すること。
⑥東京都の副知事、管理職、審議会などでの女性の登用を国 際レベルまで引きあげること。
⑦不要不急、浪費型の公共事業の徹底的な見直しをおこな い、福祉や教育、中小企業対策など切実な都民要求と、環 境、防災など都政が直面している課題にふり向けること。 また、開発のためのため込みにメスを入れ、都民施策に活 用すること。カジノ誘致をやめること。
⑧自治体の変質・解体、公的機関が保有する健康・医療・介 護・教育など広範な個人情報の民間利活用や規制緩和を目 的とし、住民サービスの後退をもたらすデジタルトラン スフォーメーション(DX)は中止すること。業務の改善・ 改革は住民サービスの向上を目的とし、職員、都民の参加 と協力ですすめること。
⑨多摩格差是正を都政の仕事の柱に位置づけ、格差是正計 画をたて誠実に実行すること。知事の公約である多摩モ ノレールへのシルバーパス適用を直ちに実施すること。
⑩石破政権の憲法改悪、「戦争をする国」づくりに強く反対 するとともに、軍事費増大、核保有、敵基地攻撃能力保有 の撤回を申し入れること。
ー 2025年度予算に対する重点要望 ー
1.都民生活防衛
石破新政権のもとで雇用破壊、社会保障の連続改悪、消費税増税、異常な物価高騰による都民のくらしは困難を極めており、東京都が都民生活の防波堤の役割を果たすことがつよく求められています。
○異常な物価高騰から都民生活と中小業者の経営を守るため、都民生活防衛・物価対策本部を設置し、異常な 物価の高騰から都民生活を守るため全力をつくすこと。公契約条例を制定すること。
○税金の使い方を抜本的に改革し、都民の「生活保障と福祉」に集中的に投入すること。
○国に社会保障制度改悪の撤回を求めるとともに、東京都として国民健康保険、後期高齢者医療制度、介護保険
などの都民負担の軽減に努めること。
○東京都として「雇用対策本部」を設置し、雇用の確保・創出に全力をあげるとともに、不当解雇や賃金未払 い、人権侵害などを許さないための労働監視体制を確立すること。
○雇用破壊を許さず最低賃金1500円の実現で、人間らしく働ける東京をめざすこと。
○若者への生活支援、子どもの貧困対策、生活保護の改善、保育・介護の拡充、低・無年金者への支援など、
経済給付の拡充をおこなうこと。
○都営住宅の新規建設を再開するとともに2万戸を超える空き室を公募に回すこと。入居資格の改善、対象者
の若年単身者への拡大など改善を図ること。
○日本国憲法と児童憲章、子どもの権利条約がゆきとどく都政を実現すること。保育園待機児(旧定義1万5112 人・2024年度)の解消は,認可保育園と公立保育所を増やし、保育水準を確保しながらすすめること。
○多摩・島しょ格差是正を都政の仕事と位置づけ、市町村総合交付金の抜本的拡充、都立保健所や児童相談所、
都立病院など多摩住民が切実に求めている都立施設を23区と同等に整備すること。
2.都民の生命と健康を守るために
「健康で文化的な最低限度の生活」の保障は都政に課せられた最重要な責務です。
○だれもが健康で文化的な生活を営める「くらし・健康・住まいなどの生活保障・福祉計画」策定し、憲法が定めた生存権の保障に努めること。
○公衆衛生の確立 (a)公衆衛生を東京都の第1義的責務として位置づけ、必要な予算・態勢を確保し都民の命 と健康を守ること。(b)地方独立行政法人化された都立・公社病院を直営に戻し、公的医療の抜本的拡充を図 ること。医師不足などで閉鎖されている病棟を再開すること。統廃合した都立保健所の再建、拡充を図ること。
○生活保護の給付や制度の抜本的改善、保護費の全面国庫負担を国に求めるとともに、都として異常な物価高騰に 対応する物価手当を支給することなど生活に困窮している無・低年金者への生活支援を強めること。
○国民健康保険料の引き下げをおこなうこと。「均等割」「平等割」の廃止、保険料(税)の引き下げを国につよく求めること。傷病手当や減免の対象がひろがるよう区市町村への財政支援をおこなうこと。
○障害者の医療費助成の対象をより軽度の障害者にも拡大すること。障害者医療費助成制度などの所得制限をなくすとともに、心身障害者福祉手当の精神障害者への拡大と増額をおこなうこと。
3.どの子にもゆきとどいた教育を
格差の助長と競争主義のもと勉強嫌いや挫折、学校でのいじめ、不登校などに苦しんでいる子どもが増えています。どの子にもゆきとどいた教育をすすめることがつよく求められています。
○ただちに中学校での35人学級を実現し、30人学級以下学級の実 施に踏みだすこと。
○夜間定時制高校7校の募集停止を止め、定時制教育の拡充をすす めること。
○多くの都民、教職員、教育研究者から弊害が指摘され、特定の受 験産業企業との癒着が問題となっている英語スピーキングテスト の都立高校入試への活用及び全学年での実施をやめること。
○異常な教職員の長時間過密労働及び教職員未配置を解消する実効 ある措置をおこなうこと。
○教育の全面無償化をすすめること。教育予算を増やし、教材費の 父母負担軽減を実現すること。
○私学助成の増額、入学金や施設整備費などの負担を軽減すること。
○障害のある子どもたちが通う特別支援学校での学校不足、教室不 足、教職員不足を解消すること。
○多様な性について理解を促進するため、ジェンダー平等、LGB TQやSOGIについて学ぶ機会を拡充すること。
4.複合災害に備える
地震や暴風雨などの自然現象を「災害」にさせないため、予防原則に立脚した備えが急がれています。
○切迫が指摘されている首都直下地震、南海トラフ地 震に対する備えを抜本的に強化すること。
○自己責任原則=自助の押しつけでなく、予防原則に立脚した「災害予防条例」の再制定と 「防災局」の設置、地域防災計画の抜本的見直しをすすめること。
○都の助成制度を抜本的に拡充し木造住宅密集地域の改善や木造住宅、マンションの耐震化、地震火災を減らすための感震ブレーカーの設置を促進すること。
○緊急に都内の山谷、河川流域、土砂災害及び浸水危険区域、堤防・護岸などの総点検をおこない結果を公表すること。総点検の結果、対策の必要が認められた地域については 「風水害防止緊急計画」を策定 し、予算措置を講じること。
○海抜ゼロ㍍地域の浸水対策を抜本的に強化すること。
5.地球にやさしく、共生可能な都市をめざして
東京大改造路線のもとで、年間平均気温の上昇、異常気象など地球温暖化とヒートアイランド現象の弊害が加速しており、その対策は待ったなしです。
○巨大都市東京の成長をコントロールし、地球と環境にやさしい持続可能な東 京をめざすこと。
○温室効果ガスの排出を2050年に実質ゼロ(自然界が吸収可能なレベル)に することを目標に、2030年までに60%削減(2010年度比)するよう、国 連気候変動枠組条約にそったとりくみを実行すること。
○地球環境に多大な負荷を与える国家戦略特区による大規模開発、「稼ぐ都市」 の名による同時多発的再開発、東京大改造路線をあらためること
○原発ゼロ宣言をおこうとともに、石炭など火力発電に依存した電力利用をあ らため、太陽光、風水力など再生可能エネルギー先進都市をめざすこと。
6.平和で安全な東京をめざして
戦争を放棄した日本国憲法をもつ国の首都東京。第2次世界大戦の東京大空襲の悲惨な体験をもつ東京。平和で基地のない東京の実現が都民の切なる願いです。
○戦争の出撃基地となる横田基地をはじ め米軍基地の撤去・返還を実現すること。
○CV22オスプレイの横田基地配備、低 飛行訓練や夜間訓練、パラシュート降 下訓練をやめさせること。
○平和祈念館(仮称)を早期に建設するこ と。平和教育を推進すること。
○非核都市宣言をおこなうこと。
○PFAS汚染の無害化を米軍に実施さ せること。都として対策を講じること。