都議会第3回定例会が示したもの 公約棚上げ、開発推進、側近政治
2024年11月15日
小池都知事は都知事選挙をふまえて、今後の4年間の都政運営の基本を議会と都民に説明する所信表明演説にあたって、「『東京大改革3・0』の下、課題に答えを出し、行動を起こし、結果を残していく。都政のダイナミックな動きを加速させ、東京を世界で一番の都市にしてまいります」と述べ、ひきつづき財界ファースト・都民置き去りの都政運営を継続させることを宣言しましたが、演説のなかから貧困と格差という言葉も、地球温暖化という言葉も、ジェンダー平等という言葉も、生活防衛という言葉も発せられることはなく、小池都知事が地球と人類の未来、そして都民の生活の根幹に関わるこれらの課題について、何らの危機感も問題意識も有していないことを示しました。
そのことを如実に示したのが、小池都知事が自賛する景気対策としての補正予算でした。この補正予算は総額わずか377億円、その原資は昨年度予算の繰越し金だけで、莫大なため込み(基金)には一円も手をつけようとしませんでした。しかもその中身はほとんど都民の応援というにはほど遠いものでした。
また、小池都知事は都知事選挙にあたって20を超える具体的な公約を都民に約束しましたが、所信表明演説では、中学校の35人学級やシルバーパスの多摩モノレールへの対象拡大、非正規雇用の処遇改善、大学生向け給付型奨学金創設など大事な公約について一言も触れませんでした。実際に、日本共産党都議団が実現を求めた小池都知事の15項目の公約に対して、知事及び局長が前向きな答弁をしたのは7項目に過ぎませんでした。中学校の35人学級については「教育環境の整備は重要」と答弁しただけで、自らの公約を投げ捨てて平然としているのです。