2024年都議会第1回定例会 財界ファースト、都民置き去り予算に都民の怒り
2024年3月15日
2024年都議会第1回定例会(28日閉会)が開催されています。本議会は異常な物価高騰とさらなる貧困の増大と格差の拡大、社会保障の連続値上げのもとで都民の暮らしと営業をどう守るのか、小池都知事の対応が問われる議会です。 しかし、小池都知事が提案した来年度予算案は都民の苦しみをよそに、財界ファースト、都民置き去りをさらに加速させるものです。
2月20日、都議会開会日に2024年度の施政方針演説にたった小池都知事は、自民党政権の悪政に苦しめられている都民の苦しみにいっさい触れることなく、「永年先送りし続けてきた構造的な課題が、いよいよ先鋭化」しているとして「このままでは、さらなる国際競争力の低下は免れません」「社会のかたちを抜本的に変えていく覚悟が必要」と述べるとともに、1月に発表した「『未来の東京』戦略 VERSION UP 2024」と「シン・トセイ」について、「既存の仕組みや制度に一石を投じる大胆な政策を散りばめた」ものと自画自賛して見せたのです。
また、都議会に提案した2024年度予算案についても「都市力を磨き抜く数々の政策を盛り込んだ」と「稼ぐ都市」を「爆速」で推進することを表明。さらに執行体制については、「『未来の東京』戦略の重点分野を中心にマンパワーを充実したと述べるなど、よりいっそうの財界ファースト、都民置き去りの都政運営をすすめることを明らかにしたのです。
都民の苦しみに無関心
同時に小池都知事は、物価高騰対策について、かつて革新都政が「都民生活防衛」のために物価問題をテーマにした都民集会の開催や「生活を守る都民会議」、「物価局」の設置、緊急生活防衛条例、消費生活条例の制定など都民生活の防衛に全力でとりくんだのとは対照的に、高みの見物を決め込み、来年度予算での目玉は低所得者向けの商品券の配布など選挙向けパフォーマンスにとどまり、インフレ・物価高政策をすすめる岸田政権の姿勢に追随、国いいいなりの対応で済ませようとしているので。
また、地球温暖化問題でも「脱炭素化を推進し、世界のトップランナーになる」といいながら、元凶となっている超高層ビル開発を野放しにしているのです。
国保・後期高齢医療、介護保険の連続値上げ
負担軽減一円も使わず小池都知事
国民健康保険料(税)の連続値上げ
来年度予算と連動して国民健康保険料(税)の連続引きあげが検討されています。東京都が昨年11月に発表した2024年度の国保料(税)の試算では、一般会計からの繰入れをおこなわない場合として2023年度比で都民一人当たり1万640円の負担増となることが明らかにされていましたが、小池都知事が編成した来年度当初予算案には一般会計からの負担軽減のための繰入れは計上されておらず、2月9日に開催された東京都国民健康保険運営協議会で平均一人当たり9580円の引き上げが決まりました。都民生活にさらなる重い負担がのしかかることになります。
後期高齢者医療保険
2024~25年度の後期高齢者医療の保険料は一人当たり年間6514円の大幅引き上げとなります。これは75歳以上の高齢者が増えると自動的に保険料が引きあげられる制度による引きあげにくわえ、岸田政権による出産一時金の拡充財源に投入されること、制度財源に充てられる後期高齢者の保険料負担の割合の引き上げなどによるものです。
介護保険料の引き上げ
今年、介護保険制度の第9期改定が実施されます。すでに改定案が発表された板橋区では基準額年5760円、中央区で同4560円の値上げとなっています。このうち中央区では合計所得金額が320万円以上370万以下の場合、値上げ率は13・5%、月額1200円、年額1万4400円の値上げ、同370万円以上500万円以下の場合、値上げ率12・7%、月額1280円、年額Ⅰ万5360円もの値上げになります。利用料負担も大幅に増える見込みです。
こにような社会保険の同時大幅引きあげに対して、負担軽減のための財政繰り入れを求めることが都民や区市町村からあげられましたが、小池知事は冷たく拒否。財政支援をおこないませんでした。