明治神宮外苑再開発はただちに中止を
2023年10月15日
目の前の経済的利益のために先人が100年をかけて守り育ててきた貴重な樹々を犠牲にすべきではありません。
これは今年3月に亡くなった音楽家の坂本龍一さんが、明治神宮外苑再開発に反対して、小池百合子都知事に送った手紙の一部です。他にも桑田佳祐さんが坂本さんの訴えを受け止めて「Relay~杜の詩」を作曲、発信。作家の村上春樹さんなども反対を表明。また、ユネスコの諮問機関であるイコモス(国際記念物遺跡会議)も再開発事業の撤回を求め、周辺住民が貴重な樹木を伐採する事業認可の取り消しを求める訴訟を起こすなど、全国民的問題となっています。
明治神宮外苑の再開発は2005年に広告代理店の電通が2016年オリンピックを奇貨として「21世紀の杜」という神宮外苑の再開発企画書を大手ゼネコンに持ってまわったことからはじまりました。そして新国立競技場建設を錦の御旗に同地区の風致地区指定を解除、高さ制限を緩和するなど、ポストオリンピックとしての第2期の明治神宮再開発の道を開いたのです。
同計画は樹齢100年を超える樹木の伐採と同時に大量の二酸化炭素を排出する超高層ビル建設などSDGsに逆行する無謀な計画です。ところが小池都知事は都民や著名人の声に耳を傾けるどころか、開発事業を擁護、都民の代表としての責務を放棄。はては国民・都民の声を「ネガティブキャンペーン、プロパガンダ」などと言い放ったのです。知事失格といわなければなりません。