独立行政法人化で医療低下が懸念 感染症対策使命担って 都立病院ならではの役割
2020年3月17日


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「地方独法化は反対。都民の命を支える都立病院をなくすな」都庁前での宣伝行動=2月19日・東京都庁前
 東京都民の命と健康を守っている都立病院が大きく変えられようとしています。いままで都が病院運営に直接責任を負っていた「直営」から、「地方独立行政法人」(独法)に運営を移す動きが急ピッチで進んでいます。
 新型コロナウイルスの感染が広がっています。新型コロナウイルスは2類感染症に指定されており、地底医療機関が入院・治療を行います。
 現在都内では12病院112床が確保されていますが、このうち駒込。荏原など4病院74床66%が都立・公社病院です。小池知事はこの74床を抱える都立・公立病院を地方独立行政法人化し、独立採算を強制しようとしています。
 「新型コロナウイルス陽性、あるいは疑いのある人を受け入れることができるのは、都立病院ならではの役割です」と、都立病院関係者は話します。
 病院経営本部によると、都立および都保健医療公社病院の中で感染症指定医療機関は、墨東・駒込・荏原・豊島の4病院。病室の空気が外に漏れによう気圧を低くする装置を備えウイルス拡散を防ぎ、専門のスタッフが対応しています。

行政的医療を担う

 都立病院が感染症病床を持っているのは、明治政府がコレラや赤痢などの伝染病対策を行ったことにさかのぼります。その流れをくみ、難病・周産期・小児・災害医療など、極めて重要であるのに民間病院では採算をとるのが難しく安定的に医療サービスを提供するのが困難な分野を「行政的医療」と位置づけ、都立病院がその使命を担ってきました。
 ところが小池都知事は昨年末、都議会の所信表明で、すべての都立8病院と公社6病院について独立行政法人化を一方的に宣言。都は2020年度予算案に独法化準備のために6億円を計上しました。

赤字補填ではない 予算の0・5%で命守る

 都立病院が都予算の一般会計から400億円繰り入れをしています。これを一部のメディアや都議が「赤字」と論じていることについて、実態をみない議論との批判があがっています。
 400億円は何に使われたのか、都が自ら明らかにしています。2017年度決算によると、繰り入れ394億円の内訳は、精神病院運営24・4%、周産期・小児医療17・7%、救急医療16・4%、がん医療15・1%、難病・膠原(こうげん)病医療13・2%、感染症・結核医療1・5%。採算の確保が困難な行政的医療を提供するための不可欠な経費とし、「地方公営企業法などにもとづき一定のルールを定め算定を行っており、いわゆる赤字補填ではない」(病院経営本部長)と都議会で答弁をしています。
 都立病院は都の一般会計予算のわずか0・5%(400億円)の繰り入れで都民の命を支えています。

患者負担増 看護の質の低下

 09年4月に発足した都立病院・独法化第1号の健康長寿医療センター(板橋区、旧老人医療センター)では、ベッド数が161床減らされ550床になりました。入院日数の圧縮など医療提供の低下が懸念されています。
 患者負担も増加。老人医療センター時代は差額ベッドの徴収は原則ありませんでしたが、健康長寿では141室で徴収するようになり、さらに入室時に10万円の保証金を支払わなければなりません。
 また、「人件費は収益の2分の1以下」と決めています。今回のような新型コロナウイルスに対応すると―流行拡大で一般医療を制限せざるを得ない状況になり収益が減少した場合、超過勤務申請の抑制、休日給の代休処理など人件費抑制が行われます。感染症対応で貢献した病院ほど、超勤抑制など労働条件が悪化をすることになります。
 経営主体が都から独立行政法人に移って、「経営効率化」が強く求められ、患者の負担増や働く人の労働条件(看護の質)の悪化などをまねきます。
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