1年単位の変形労働時間制は 百害あって一利なし 長時間過密労働解消に逆行
2019年11月15日


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 国も都も、業務を減らさず、正規教職員を増やさないため、まだ教職員の長時間過密労働は是正されていません。それどころか、学校に対し超勤削減の目標や意識改革を押しつけているため、時短ハラスメントや超勤隠しまで起きています。さらに、「1年単位の変形労働時間制(以下、変形)」を導入して、超勤を覆い隠し、長時間過密労働の合法化をねらっています。
 「変形」は労働基本権が制限されている地方公務員には適用できません。しかし、安倍政権は公立学校教員への導入を可能とする「公立の義務教育諸学校の教育職員の給与等に関する特別措置法」(以下、「給特法」)改悪案の閣議決定を強行し、今国会での成立を目論んでいます。
 「変形」は学期中に通常の勤務時間を超えて働かせ、超えた分をまとめて長期休業中に振り替えさせるものです。元々「変形」は年間の勤務時間の縮減を目的としているものであり、前提として日常的に長時間労働が常態化している職場には導入できません。しかも業務の繁閑が明確な職場とされています。長期休業中は授業がないだけで、学校には多くの業務があり、閑散期ではありません。今でさえ、土曜授業や部活指導の振替すらとれない教員がいるくらいです。むしろ、この期間の働き方こそ、日常的になるよう、国も都も改善すべきです。既に「変形」が導入されている職場では年間の総労働時間が増えたり、30日前までに労基署に提出した変形労働計画書を、使用者側の都合で変えさせられたりする協定違反事例も起きています。
 また「給特法」改悪案では労基法の規定を読み替え、労使による協定書確認をせず、自治体の条例で導入できるようにしようとしています。これは労基法違反、また教員の労働者性を否定する憲法違反の改悪案と言わなければなりません。今、必要なのは正当な時間外手当を出すなど、「給特法」の改正です。
 また、人間の心身の疲労は1日、最低でも1週間で回復されるものであって、何ヶ月も先にまとめて休んでも回復されるものではありません。「変形」は長時間過密労働解消につながらないばかりか、超過勤務を合法化して子どもと教職員をさらに困難な状況に追い込む「百害あって一利なし」の最悪の制度です。長時間過密労働の解消には具体的な業務縮減や教職員定数の抜本的な改善、持ち時数削減が欠かせません。
 「変形」は裁量労働制や高プロと同様に、生産性向上をめざし、定額働かせ放題の制度構築をめざす安倍「働き方」改革と軌を一にする全労働者への攻撃です。公立学校の教員にはもちろん、地方公務員にも、また民間にもむやみに導入させてはなりません。職場や地域での学習や宣伝、署名活動を中心に、国会内外でのとりくみを強め、廃案に追い込むために、都民の皆さんのご協力をお願いします。
【都教組執行委員長 木下雅英】


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