―オリパラ提言討論集会―あと1年平和・幸せ追求する大会に
2019年8月21日
2020オリンピック・パラリンピック大会が1年後に迫り、競技施設や選手村の建設が都民生活そっちのけに突貫工事ですすめられています。「だまっていないでみんなで声をあげよう」と7月27日、都内で、オリンピック・パラリンピックを考える都民の会が主催する第9回提言討論集会が開かれました。
オリパラ都民の会の末延渥史さんは、東京の酷暑について問題提起。大会期間中の過去の気温等を調査し、日本スポーツ協会の『熱中症予防ガイドブック』の基準と照らし合わせ「運動の原則中止」の日の続出している実態を示しました。このままでは熱中症などの事故が起きかねないと警告。会場からは「選手のために『運動は原則中止』の気象状況の際は、開催を見合わせる(延期する)よう組織委員会に申し入れるべき」との提案もありました。
日本共産党の里吉ゆみ都議会議員は、五輪の都予算が約1兆4千億円に膨らみ「その運用が不透明になっている」との実態を報告。国と組織委員会とで行う「共同実施事業」は「実施された2200億円のうち3割近い625億円が非公表」という状況も明らかにされました。
選手村の中央区晴海の都有地が相場の9割引きで民間の事業者に譲渡された問題で、裁判を行っている選手村投げ売りを正す会の市川隆夫さんが報告。「世論の批判を受け、民間開発業者の増収分の半額を都に戻す『特別条項』の合意が報じられているが、どうなるかわからない。裁判で価格を抜本的に変えさせないといけない」と話しました。
中学校でオリンピック教育に取り組む森峰太郎さんは「都の方針に『日本人としての自覚と誇り』が加わった。五輪本来の目的の平和、友好親善をしっかり位置付ける必要がある」と話しました。
五輪は誰かの不幸の上にあるのではなく、お互いの幸せのためにある。2020東京オリンピック・パラリンピック大会を名実ともに“世界の平和と友好の祭典”とさせ、善きしレガシーとして記憶される大会とするために、あと1年、みんなで考え、行動を起していくことが求められています。