横田基地の今 次々機能を強め米軍のやりたい放題の横田基地
2019年8月21日


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 2015年4月に再改定された「日米ガイドライン」と、その後強行可決された一連の「安保関連法」により、日米軍事協力のあり方は新段階に突入しました。さらに安倍内閣の集団的自衛権行使容認により、日本が武力攻撃を受けていない場合でも米国等に対する武力攻撃があった場合には、ミサイル防衛・米艦防護・機雷掃海・後方支援などさまざまな日米軍事協力を実施することになります。
 横田基地には「共同運用調整所」が設置され、ここで平時から緊急事態までのあらゆる段階における自衛隊と米軍の運用面(作戦面)の調整強化を図ることになります。また、「共同計画策定メカニズム」によって、日米の制服組のトップが具体的な軍事作戦の計画を策定する「共同計画策定委員会」も設置されました。横田基地では米空軍と航空自衛隊の統合のみならず、在日米軍や米インド太平洋軍と自衛隊全体の統合が計られることになり、横田基地は実質的には日米統合運の運用に関しての作戦司令基地になりました。

繰り返される常駐機による低空飛行訓練・パラシュート降下訓練


 横田基地を運用管理する第374空輸航空団の主力機C130は2018年までに全長を5mほど長くしプロペラを6枚に増やし、14機すべてグレードアップされました。現在のC130Jは2機で交替前のC130Hの3機分の能力を持つといい、これが関東地方を中心に甲信から伊豆半島一帯に広がる、広大な有視界飛行空域を指定し、好き勝手に飛び回っています。繰り返される低空飛行、編隊飛行、旋回飛行訓練が激しさを増し、騒音公害訴訟が繰り返し起こされ、裁判が長期にわたってたたかわれています。
 第374空輸航空団は、2年に1度、この地域で飛行している日本の民間機などのパイロットを横田基地に招き、ニアミスを防ぐためとして「空中衝突防止会議」という名の説明会を開いています。一体どこの国の空で自分たちが飛び回っているのかわかっているのでしょうか。

特殊作戦機
CV22オスプレイ


 2018年の4月に、前倒しでいきなり5機運び込まれたCV22は、その後正式配備がなされないまま、日本列島から韓国、東南アジア方面まで飛び回り、10月に正式配備されました。驚いたことに、彼らは2018年6月末から、後部ハッチを開け放ち、攻撃用の機関銃の銃口を下に向けた状態のまま、住宅地上空で飛行訓練を繰り返していたのです。彼らは主に夕方から動きだし、夜間にかけて、東富士演習場やホテル地区と呼ばれている山岳地帯で低空飛行訓練を繰り返しています。
 横田基地に戻ってくるとホバリングを繰返したり、超低空で基地内を移動したりし、騒音への怒りが高まっています。米空軍安全センターからCV22の事故率が飛びぬけて高いことが指摘され、住民の安心安全が脅かされています。今後基地内の受け入れ工事が進めば、10機体制に移行することになっています。そもそも欠陥機であり、危険な低空飛行訓練を繰り返すCV22は一日も早く追い返すしかありません。
 米軍がこうした無法な訓練を続けるのは、根本に日米安保条約とこれに基づく日米地位協定があるからで、ドイツやイタリアなどEU諸国のように、米軍に日本の国内法を順守させるよう地位協定の抜本的な改定を迫る運動が強く求められています。

繰り返される危険なパラシュート降下訓練と事故

 常駐機C130を使って行われるパラシュート降下訓練は、2012年の正月から始められました。この降下訓練は、その規模でも、回数でもこれまで行われてきた沖縄を上回るものとなっています。
 米空軍は、2018年4月に羽村3中にパラシュートの一部を落下させるという重大事故を起こし、横田基地を管理している第374空輸航空団の高官が直接羽村市役所に出向いて謝罪し、教育委員会や学校にも謝罪しました。にもかかわらず、一年もたたない今年1月初め、昨年同様に、高高度からの降下訓練で、二日連続してパラシュート事故を起こしました。
 大問題となった沖縄の米海兵隊など外部の部隊によるパラシュート降下訓練も、基地機能の強化であるにもかかわらず事実上黙認され、2012年以降、年間数百人が降下しています。

新たな危険が待ち構えている―これからの横田基地

 米空軍が横田基地に戦争作戦計画の策定や実行を担う新たな指揮所「航空宇宙作戦センター(AOC)」の設置を検討している、と言う情報。これは、米軍が中・ロ等との軍事衝突が起きた場合を想定し、在日米空軍司令部に、非常時の部隊運用を可能にする「統制権」を持たせるもので、横田基地の機能が極めて危険な方向へ強化されるもので、絶対に見過ごすことはできません!
 「航空宇宙作戦センター(AOC)」とは米軍が中国・ロシアとの軍事衝突を想定し、戦闘作戦計画の策定や実行を担う指揮所のことです。これがもし横田基地に設置されることになれば、現在の輸送・兵站基地だけでなく、戦争司令基地へと根本的な転換となることは明らかです。
 米軍の対中・ロ戦略の変化によって振り回され、ますます危険な基地へと変貌させられる、こうした動きを放置することはできません。

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