~連載(第15回)~ 検証 革新都政その後 鈴木都政16年⑬ 減量経営③
2019年8月21日


 鈴木都政の減量経営の3つ目の柱は民間活力の活用です。
 鈴木都知事が2期目を迎えた当時、日米間の貿易摩擦が激化し、「日本経済を対外依存型から内需主導型へ変えていく必要が政府・財界等で議論」(土地政策の十年・周藤利一・稲本洋之助)され、国の臨時行政調査会(第2次臨調)の答申(1982年7月)においても民間活力の活用と政府直営事業の民営化がうちだされていました。
 一方、当時の日本においては円高政策のもとで生産拠点の海外移転が加速しており、内需を拡大する方策としては財界主導による規制緩和による都市再開発、民間活力の活用による公共事業の拡大に期待が寄せられることになりました。
 そして都市開発の分野では用途地域や容積率などの都市計画規制の緩和がすすめられ、行政の分野では公共事業の拡大とその財源捻出のための住民サービスの縮減と民営化が強力に推しすすめられることになりました。
 この点で中曽根内閣は就任翌年の1983年には都市開発を推進するための規制緩和の実施を建設省(当時)に指示。これをうけて建設省は用途地域の指定替え、容積率の緩和、地方公共団体の開発指導要綱の手続き是正などを内容とした「規制の緩和等による都市開発の促進方策」を同年7月に発出するなど、民活路線が一気にすすめられることになりました。
 一方、鈴木知事は再選を果たすと、「総合実施計画の事業を推進するに当たりましては、民間活力の有効活用を図ることが重要である。今後とも事業の執行に当たっては、民間委託や公設民営方式、第三セクター方式の導入を図るとともに、民間活動に対する適切な指導助成措置により、民間活力の発揮と誘導を図ってまいりたい」(1983年第3回定例会)鈴木俊一都知事と中曽根民活に呼応した民活路線の推進を表明。全国の自治体の先導役をかってでたのです。

外部委託

 国や地方自治体が事務事業を直接処理せず、民間業者や団体に委託するもので、鈴木知事は「事務事業の外部委託を積極的に推進」(1983年第3回定例会)することを表明。革新都政では事業数12件、委託の範囲も業務の一部にとどめられていたものを一気に拡大。東京都スポーツ文化事業団をはじめ東京都歴史文化財団、東京都動物園協会、東京都公園協会など事業を丸ごと業務委託する方式に変えられました。

公設民営方式

 国や地方自治体が設置した公共施設の施設運営を民間企業や民間団体に代行させるもので、東京都では1988年に(財)東京都保健医療公社がこの方式で設立させられました。

第3セクター
 
 都市再開発や地域開発の事業主体として、国や地方公共団体(第1セクター)と民間(第2セクター)とが共同で設立する経営組織(都財政用語辞典)鈴木都政は臨海部開発推進のために竹芝地域開発(1988年)を皮切りに第3セクターを乱立させ、臨海副都心開発だけで臨海副都心建設、東京臨海熱供給、ゆりかもめ、東京テレポートセンター、東京臨海高速鉄道など7つもの第3セクターを設置。ゼネコンや金融機関、デベロッパーなどに経営の実権が握られ、莫大な税金投入と破たんの道を歩むことになりました。

土地信託

 (土地)所有者が土地の有効利用を目的として受託者に土地を信託し、受託者が(略)信託財産である土地の管理・運用(略)を行い、その成果を土地利用者に配当として交付する仕組み(都財政用語辞典)東京都は全国に先駆けてみずほ銀行を受託者として新宿モノリスの土地信託を実施。つづいて両国シティコア、東京都健康プラザ、コスモス青山、勝どきサンスクエアなどの土地信託(ビル経営)を実施しましたが、いずれも計画が破たんし、年間の配当がわずか5百万円の事例など、都民の貴重な財産である土地が大銀行のくいものにさせられました。

PFI

 公共施設等の設計、建設、維持管理及び運営に民間の資金やノウハウを活用することにより、公共サービスの提供を行う事業手法(都財政用語辞典)
 鈴木都政はこれも国の方針をうけて全国に先駆けて金町浄水場の常用発電設備を国内PFI第1号として実施しました。
 都政への減量経営のもちこみは、住民サービスの「減量」と公共事業の「増量」、財界・大企業のための自治体業務の市場化と一体のものとしてすすめられました。

卯月はじめ
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