考証 革新都政 “東京に憲法と自治が輝いたとき”を読んで 未来につながる「考証
2019年1月16日
お恥ずかしい話だが「革新都政」という言葉を聞いたことがあっても、行われた施策等は、ほとんど無知だった。安心な暮らしをつくり守るための政治が、これほどたくさん行われていたとは…。50年以上前に起きた都政を変えようという運動の熱を、息吹を、私もその場で感じてみたかった。
革新都政が作り上げた功績は、「その時代を知らない世代」も支えている。革新時代に築いた「遺産」で私たちの生活はなんとか体を保っているのではないか、と思えるほどだ。暮らしを最も大切にする政治が続いていたら、どんなに人として豊かな時代が待っていたことだろう。残念ながら、革新都政の終わった日から今日まで続く悪政で失われてしまったものは多い。今度は「終わることのない革新都政」を私たちで生み出す必要がある。つぎの「革新都政」を生むのに必要な、暮らしの怒りや苦しみは満ちている。声をあげ、動くことが大切だ。そして同時に「過去(の革新都政)から学ぶ」ことを忘れてはならないだろう。50年が過ぎ、暮らしをめぐる状況は大きく変容した。つぎの革新都政を生み出すために必要なアクションも当然、変わった筈だ。だからこそ、過去を分析し、事実を抽出して役立てなければ、つぎの革新都政は生みだせないし、生まれたとしても短命だろう。かつて「老人医療費無料化」が成立したとき、例えば同時に「小児医療の無料化」が促進されていたとしたら、ひょっとして現在の都政への関心の強さ、とりまく状況そのものも、違っていたのではないか…と想像してしまうのだ。新しい世代の暮らしを守り、その世代がいずれ「守りたい」と願うような都政を、いま私たちは必要としている。市民が勝ち取った未来、そして勝ち取る未来の「考証」として、この本はあると思う。
暮らしを守りたいと考えるあらゆる世代の多くのひとに、読んでほしい。