オリパラ都民の会提言討論集会 私たちの声で変えていこう! あるべきオリンピックに向って
2018年11月15日
開催まであと2年に迫り、都営住宅と明治公園を潰して建設される新国立競技場(メインスタジアム)がその巨大な姿を現し、都有地が投げ売りされた選手村では巨大なクレーンが林立。その一方で、今年の夏の暑さにこの時期のオリンピックン開催を危惧する声があがっています。オリンピックでのメダル競争を背景にしたスポーツ団体での相次ぐ不祥事に国民の厳しい目が注がれています。
2020オリンピック・パラリンピックを考える都民の会は10月13日、都内で第8回提言討論会(第12回東京地方自治研究集会プレ企画)を開きました。労働団体やスポーツ関係者らが、問題・課題が噴出している東京五輪を市民の声であるべき姿に変えていこうと話し合いました。
国士舘大学の田原淳子教授が五輪の歴史と理念について講演。「五輪はスポーツを通じてよりよい社会をつくっていく理念を実現する運動であり、大会だけが重要なのではない」と解説。東京は戦争により1940年の開催を返上、64年には世界で初めて組織的な五輪教育を行った事実を示し、「日本は平和と教育を発信できる国。五輪で世界に対して何ができるかを考えていかないといけない」と話しました。
オリパラ都民の会の和食昭夫共同代表は、平昌冬季五輪が南北・米朝対話と平和への道を開いたと報告。「五輪は平和に貢献するものでなければならない。東京も平和の精神を大きく掲げるべきだ」と話しました。
スポーツジャーナリストの大野晃さんは1964年大会では“もう戦争はしません。世界と仲良くなりたい”という国民の思いを受け、「世界を知ろう」と新聞社が競ってキャンペーンしたことを紹介。今回は打ち出す柱がなくメディアが苦慮している。「なければ市民が掲げればいい。9条とスポーツ権を明記させたスポーツ基本法は世界が注目する。これを五輪の運動に据のえよう」と呼びかけました。