許されない!土壌汚染そのままの・業者の願い無視 豊洲新市場「認可」食の安全・安心、築地を守れ!
2018年9月18日
小池百合子都知事は7月31日、高濃度の汚染が残り、都の汚染対策が失敗したままの豊洲新市場を「安全・安心な市場」と表明し翌8月1日、開場にむけて農林水産相に認可申請。市場業者の合意も得ないまま、10月11日に豊洲新市場開場強行をめざしています。
そして、一方的な表明と認可申請にもとづき農林水産省は9月10日、豊洲新市場の開場を認可し、都中央卸売市場の村松明典市場長に斎藤健農水相の認可書を交付しました。業者の願いと食の安全・安心への不安の声を無視した暴挙に激しい怒りの声があがっています。
マスコミの世論調査(8月1日朝日新聞など)でも、豊洲新市場への不安の声は根強く、小池知事の「安全宣言」は、非科学的であり「都民・業者不在」です。「豊洲安全宣言」と開場強行、“食の安全・安心を守れ”これでいいのか豊洲新市場移転、築地市場を守れ!の声が一斉にあがっていました。
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東京都が都民や市場関係者の疑問を押し切って、築地市場(中央区)の豊洲新市場(江東区、東京ガス工場跡地)への移転を10月に強行しているのに対し8月28日、豊洲移転と食の安全・安心について考える学習会が都内で開かれ、100人余が参加しました。日本消費者連盟が主催。
纐纈(こうけつ)美千世・同連盟事務局長は「豊洲移転で食の安全・安心が本当に守れるのか、今こそ改めて問い直したい」とあいさつ。
講演した中澤誠・全労連東京中央市場労働組合委員長は「豊洲新市場には、交通が不便、床の耐荷重不足など問題が山積している。仲卸業者らの質問にもまともに答えず、10月移転を強行は極めて乱暴。築地市場を絶対壊してはいけない」と訴えました。
本間慎・東京農工大名誉教授、フエリス女学院大学元学長は「環境基準の4万3000倍のベンゼンが検出された現実を直視するなら、移転中止を求めるのが科学者の取るべき態度だ」と、移転を追認したとの専門家会議を批判しました。
参加者から相次ぎ発言。築地仲卸業者でつくる「築地女将(おかみ)さん会」の山口タイ会長は「豊洲はうそと隠ぺいとごまかしでできた市場。どんなことがあっても築地を守りたい」と語りました。
池上幸江・大妻女子大学名誉教授、宇都宮健児・日弁連元会長、あぜ上三和子都議会議員・日本共産党も発言し、豊洲新市場の問題点が浮き彫りになりました。
第三者の安全検証必要 日本科学者会議が要望
日本科学者会議東京支部は9月6日、小池百合子都知事あてに「豊洲新市場予定地の土壌・地下水汚染の徹底的な科学的究明は、都民の食生活の安全性を守るうえで不可欠で、不安を残したままでの豊洲市場への移転の中止を求める」要望を提出。第三者による安全性の検証や情報公開などを東京都に求め、科学者会議としても、豊洲市場を土地入り検査したと要望しました。応対した野田数都知事特別秘書は「知事に責任をもって伝えます」と答えました。
要望には、工学博士・石渡眞理子東京支部代表幹事、薬学博士・池上幸江大妻女子大学名誉教授、農学博士・多羅尾光徳東京農工大学准教授が参加しました。