受動喫煙防止条例可決成立 商売続けられるか不安事業者の「現実」軽視!?
2018年7月18日
従業員を雇っている飲食店を原則禁煙とする東京都の受動喫煙防止条例案が、6月27日、都議会本会議で可決成立しました。
「望まない受動喫煙」をなくすことに意義を唱える人は誰もいないと思います。
今回の都条例は、84%の飲食店に罰則付「室内禁煙」を求める厳しい内容です。
現在、苦しい経営状況に陥り、「条例に対応できない」と訴える70%の飲食店にとっては死活問題です。
都の意見募集でも、レストラン等の一般飲食店は約4分の1の24・2%が売り上げ減少。居酒屋、スナックの遊興飲食店は半数以上の55・5%が売り上げ減少を懸念しています。
都は、「室内禁煙した外国の飲食店では売り上げは減らず、影響も小さかった」と、発表していますが、「施行されたら商売を続けられるか不安!」と訴える事業者の「現実」を軽視していると云わざるを得ません。
6月16日の朝日新聞は、昨年9月に全面禁煙にした店が、「常連客の減少で、4月に全面喫煙可に戻した」記事を掲載しています。
全国料飲業同業組合は、全面禁煙実施調査を行った結果、「売上げ増加より減少した方が8・7ポイント上回った」と発表しています。
都は、赤字拡大と廃業に怯えている料飲業者に何と説明するのでしょうか?
東商連は、受動喫煙解消を計りながら、料飲業者の営業を守る立場から、次の施策の実行を求めます。一、料飲店の意見を広く聞き、事業継承が可能になる政策実行を望みます。二、飲食店の経営を守るため、「禁煙」「分煙」「喫煙」を選択でき、提示によりお客様が主体的に店を選択できる制度を求めます。三、条例の進捗状況と飲食店の経営実態の検証を可能にする、事業者参加の委員会の設置を求めます。
都は受動喫煙防止条例実施に当たっては、生業を守る料飲業者の実態を直視し、柔軟な対応を求めるものす。【東商連・長谷川清】