小池都政をどうみるか 革新都政をつくる会「都政転換をめざす講演会」開催
2018年5月15日
小池都政誕生から1年8か月、任期の折り返しを迎え、財界と安倍暴走政治に追随する姿が見えてくるなかで、革新都政をつくる会は、都民要求実現全都連絡会協賛、東京民報社後援で4月27日、「都政転換をめざす講演会」を開催しました。当日は、歴史的な南北首脳会談がおこなわれ、同時刻に国民を欺く安倍内閣の総辞職を求める国会行動が展開される大激動のなかで都政のあり方を問う講演会となりました。
開会にあたって、荻原淳代表世話人があいさつ。安倍暴走政権が悪政を推進するもとで、小池知事は国政・都政を混乱させ、選挙で掲げた都民との約束を守らず厳しい批判を浴びていると述べ、「都民が主人公の都政に転換しよう」と訴えました。
その都政に対し、都民の暮らし、いのち、平和を守るために奮闘する日本共産都議団の大山とも子幹事長が「いま、小池都政は何をめざしているか」と題して、都議会での論戦を踏まえて講演しました。
大山氏は冒頭、14兆円にも及ぶ巨大な東京都の予算を都民のためにどう使うかで都政の姿が浮き彫りになると指摘し、日本共産党都議団が2018年度予算に反対したことを報告しました。
さらに、大山氏は、築地市場の移転問題を取り上げ、敷地内に環状2号線を通すための用地取得費100億円が計上されたことを紹介。これは、築地市場廃止が前提であり、小池知事は、食の安全・安心、築地市場を守るとした自らの公約を投げ捨てて、深刻な土壌汚染の豊洲へ、市場関係者の合意も納得も得られていないなかで移転を強行しようとするものと厳しく批判しました。そして、石原都政以来の大型開発偏重が継続しており、外郭環状道路、特定整備路線など巨額の道路建設を引き続き推進していると述べ、岸記念体育館移転をめぐる疑惑追及で明らかになった小池知事が掲げる都政の透明化や都政改革などは「絵にかいた餅」と指摘しました。
大山氏は、保育、特養ホーム、子育てなどの施策での前進について、都民運動と結んだ都議団の奮闘の紹介とともに、予算の「組み替え提案」を示しました。
また、都議会第1回定例会中に浮上した「迷惑防止条例」や「横田基地へのオスプレイ配備強行」に対する小池知事と都議会各派の態度については、広範な都民に伝えていくことの重要性を共有しました。
参加者からは、切実な都民のくらし、福祉を守る都民要求実現の活動には、強い関心が寄せられました。
講演につづいて、都民要求実現、都政転換を求めて、各分野から5氏が発言。切実な思いをこめて、小池都政を厳しく告発しました。
築地を守る神楽坂で、すし茶屋・吟遊を営む二本松進さんは、全国各地の魚市場をまわった経験を踏まえ、築地市場の素晴らしさを述べるとともに、「豊洲新市場を見学したが、仲卸や仕出し業者、観光客のことを何も考えていないことが歴然だ」と強調しました。そして、築地再整備ために頑張ってほしい、と話しました。
東京の福祉を守る
高すぎる国民保険料(税)へ都民の叫びがあがる実態について東京社保協事務局長の寺川慎二さんが告発。さらに値上げされる2018年度試算額を示し、各自治体への運動と政治の転換を呼びかけました。
東京のまちが壊される 住民追い出し、まち壊し、歴史と環境を破壊する都市計画道路の見直しを求める住民運動が都内各地で展開されています。特定整備路線連絡会・道路問題しながわ連絡会の岩本まりさんが、住み慣れたまち破壊に反対する思いを込めて運動への支援を訴えました。
オスプレイが戦争を連れてくる 4月3日、外務省が突然横田基地へのCV‐22の配備の繰り上げを通知。5日の飛来の直後には、パラシュート訓練で基地近隣の中学校校庭への落下事故が発生したことをオスプレイ配備反対東京連絡会・事務局長の岸本正人さんが報告。危険な実態と緊急反対行動を呼びかけました。
迷惑防止条例―脅かされる都民の権利 市民運動を取り締まり、報道の介入を可能とする都迷惑防止条例「改正」案。自由法曹団東京支部・弁護士の舩尾遼さんが、市民の反対運動の広がりと、都議会での論戦で濫用させない「しばり」をかけたことを報告し、濫用を許さない運動の継続を呼びかけました。
閉会にあたって、佐久間千絵代表世話人があいさつ。都政と国政のあり方が問われる中で幅広い方々が参加されての「都政転換をめざす講演会」になったと述べ、都民優先の都政に切り替えるために、さらに取り組みを広げようと締めくくりました。