高額な国保料(税) 容赦ない差押え 住民の命と健康奪う
2017年9月15日
東京の国民健康保険(以下国保)加入世帯は、2895160世帯で、総世帯比42%(2015年12月末現在・都福祉保健局『国民健康保険事業状況』より)と極めて高い加入状況です。
国保加入世帯の所得状況は少し古い資料ですが、2009年度で所得なし22.8%、所得100万円未満が23.9%で合計46.7%が100万円未満の低所得層です。
東京の区市町村の国保料(税)はどうでしょうか。
表のように2017年で最も高いのは荒川区と板橋区で48万7830円(試算条件は表を参照)で所得比18.34%にも上ります。同時に2年間で、町田市で7万3305円、国立市7万860円と大幅な値上げがされました。
高額な国保料(税)のため、「払いたくても払えない」状況が広がっています。
2014年度の全国平均滞納率17.2%に対して、東京平均25.7%、23区に限ってみると29.8%とほぼ3世帯に1世帯が滞納せざるを得ない状況になっています。差押えの状況も深刻です。差押え件数2万1502件、金額で76億3403万円超です。
東京都は差押え件数や差押え率で自治体に「交付金を交付」する基準を設け、2015年度交付実績で59自治体で総額約35億円に上ります。1億円を超える交付金を受けた自治体も11自治体あり、「交付金を多くもらうために今後も差押えを強化する」と公言する区もあります。
高すぎる国保料(税)、容赦ない差押えで、国保が住民のいのちと健康を奪う、有ってはならない事態に直面しています。2018年度の国保財政の都道府県移行を視野に、一般会計からの繰り入れの縮小・廃止の動きも加速しています。今こそ、地域で社会保障としての国保を守れの声を上げていきましょう。