住民参加で見直しを 都内都市計画道路 街を分断する「特定整備路線」
2017年8月15日
特定整備路線とは、東京都が2017年(平成24年)1月に策定した「木密地域不燃化10年プロジェクト」の中で延焼遮断帯として2020年(平成32年)までに100%完成させるとしている、28本の都市計画道路を言います。
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この都市計画道路は1946年4月戦災復興院告示で出されたのみで70年も実行に移せなかったもので、旧都市計画法3条に規定されている「主務大臣の決定、内閣の認可」がされておらず(決済書も認可書も大臣花押も無い)告示に記載されている「都民に縦覧されるべき決定原簿・原図」の存在が確認されていない=違法性が指摘されている都市計画決定(?)道路計画です。
28本の道路計画のうち13の地域で「一方的な道路建設」に異議を唱えて建設反対の住民運動が立ち上がるなか、「東京都特定整備路線連絡会」をつくり、東京都・国土交通省への要請行動、署名、宣伝、訴訟にとりくんできています。豊島区では7本も計画され、住民のほとんどがこれを知ったのは今年7月に行われた事業・測量説明会という状況でした。
東京都に対して「決定原簿・原図」の提示を求める取り組みでは、その存在を都は最後まで示すことが出来ませんでした。これでは公式書類が無いまま工事が行われるので、行政の違法性が問われています。にもかかわらず国交省は現地の状況を調べることなく、事業認可をやすやすと下しているのです。関係地域の住民は不服審査請求を行いました。
北区志茂一保存会はいち早く「法的瑕疵を一番の提訴理由として」裁判に訴えて闘っています。同じように、板橋区大山26号線を考える会が提訴して闘っています。6月29日には、しながわ29号線連絡会が提訴しました。8月には、北区十条地域73号線関係が地域再開発問題と併せて提訴しました。次には北区赤羽西の86号線関係地域住民が提訴の予定です。
建設中止署名 都に提出
「特定整備路線連絡会」は7月25日、「特定整備路線」で住宅街や商店街が分断されるとして、建設中止を求める署名6693人分を小池百合子都知事宛に提出しました。応対した都の担当者は、「要請の趣旨を知事に伝える」と答えました。
今年(2017年)4月に国交省が都市計画道路の見直し方針を出したことにともなって、7月28日国交省との話し合いを行い、都内の道路計画について住民参加で見直しを行うよう、国に対応を求めました。応対した国交省の担当者は、「都市計画道路の見直しには事業認可された路線も対象に含まれる」と述べ、「国の事業認可では都市計画への適合などだけではなく地域の実情も見ていく」と答えました。