いまこそ平和をけん引する都政を
2017年8月15日
7月7日、国連会議で「核兵器禁止条約」が、賛成122、反対1、保留1で採決されました。
この「条約」採択に被爆国国民の一人として、また長い間原水爆禁止運動に参加してきたものの一人として大歓迎であり、国連会議が条約を圧倒的多数の賛成で採択した3つの意義について述べたいと思います。
第1は、人類が核兵器の脅威から解放されるためには、世界から核兵器を廃絶することであり、今回の国連会議の「核兵器禁止条約」は、その廃絶に向けての大きな一歩を踏み出した条約であるということです。これまでのものと異なって、核兵器全面禁止・廃絶という根本問題を解決していくものとなっています。
第2は、核保有国が、「安全保障」を口実に核兵器の保有は不可欠(「核抑止力」論)との主張をして、核保有に固執してきました。今回の「条約」は、前文に「核兵器のいかなる使用も武力紛争に適用される国際法の規定、特に国際人道法の原則と規定に反している」等などと明記し「核抑止力」論の虚構に痛打を与えています。
第3は、これまで広島・長崎の被爆者がたえず原爆によるさまざまな苦しみ・悲しみを乗り越えて人道に背く原水爆被害の実相を広げ、「世界から原水爆をなくしてほしい」と行脚してきました。また政権や政権政党からのさまざまな圧力、ソ連や中国などからの干渉等々を跳ね返しながら日本原水協は、被爆者と共に歩むことを貫きながら、同時に原水爆禁止世界大会を守り、成功させ、人類と核兵器は共存できないこと、内外に核兵器全面禁止廃絶国際条約締結を訴え、その輪を広げてきました。
さらに広島市が平和資料館を、長崎市が原爆資料館を建設し、内外に原爆被害の実相と平和・核兵器禁止を発信させてきたこと。広島市長・長崎市長がリーダーシップを発揮して、世界平和市長会議を組織し、日本政府をはじめ各国に核兵器禁止条約の実現を訴えてきたこと、こうした民の声が世界を動かす時代になってきていることを直視しなければなりません。
今回の条約では、第8条で、「締約国は…この条約の適用または履行に関するあらゆる問題、および核軍縮のためさらなる措置について検討し、および必要な場合には決定をおこなうために、定期的に会合する」とし、「この条約の締約国でない国、ならびに国連の関連組織、関連の非政府組織は、締約国と検討会議にオブザーバーとして参加するよう招請される」としていることは重要です。
今後、この「核兵器禁止条約」の目的を果たしていくため、主に次の3点を訴えたいと思います。
- ヒバクシャ国際署名を世界数億にひろげ、それを力に核兵器廃絶の道をさらにひらいていきましょう。
- 「核兵器禁止条約」に反対している日本政府を退場させ、被爆国にふさわしく「条約」に賛成する政府を実現しましょう。
- 都知事が「東京都民平和アピール」にたって、世界平和首長会議に参加し、広島市長・長崎市長と提携して、政府に「核兵器禁止条約」迫る都政を実現しましょう。