~連載(33)~革新都政12年 革新都政が挑んだもの ―多摩島しょに政治の光を(2)―
2017年8月15日
 革新都政は多摩・島しょ地域の格差是正のために、東京都の事業の拡充、市町村財政への支援、府県行政の推進の3つの角度からとりくみをすすめ、シビルミニマムの実現に全力をあげました。

東京都の事業の推進

 革新都政は「都民のいのちと健康を守る」仕事を最重点の課題としてとりくみをすすめましたが、なかでも、多摩地域に不足してい
た医療分野のとりくみを重視。都立府中病院、府中療育センター、看護学校を新設するとともに、国(厚生省)の縮小・整理統廃合の方針に抗して保健所を7カ所(特別区2カ所)、保健相談所を8ヵ所も増設しました。
 また、都民要求に応えて、勤労福祉会館や消費者センター支所、授産施設や作業所など障害者のための施策も革新都政のもとでおおきく前進しました。
 多摩地域に不可欠の課題として農業振興にも力を注ぎました。東京の農業は、国の農業破壊路線とこれに追随する歴代保守都政のもとで後景に追いやられ、農地と緑地の開発と都市農業の破壊がすすめられていました。これに対して革新都政は、生産緑地を守るための補助の増額や畜産農家の支援のための糞尿処理施設補助の新設、奥多摩のわさび生産への支援などを実現。市街化区域内の農家が経営をつづけられるように植木・苗木栽培の委託事業を実施。都民に無料で毎年苗木を10万本配布する事業も始めました。都道の整備も前進しました。

市町村への財政補完を通じたサービスの向上

 革新都政は税収がすくなく財政力が乏しいことに起因する行政格差を是正するため、市町村への財政支援を抜本的に強めました。
 革新都政は、区市町村が実施する保育や児童、教育などの住民サービスへの補助金を大幅に拡充するとともに、市町村振興交付金についても保守都政時代の10倍以上に増額して市町村の財政需要に応えました。また、調整交付金をあらたに創設し、都が実施する施策が多摩・島しょ地域でも円滑に推進できるようにするための財政支援を実施しました。
 特定交付金(東京都が市町村行政として区部で実施したサービスを多摩・島しょの住民も享受できるようにするための財政補完)を拡充し、義務教育父母負担軽減、教材費の格差是正、学校警備員・交通警備員・交通養護員の給与、公立病院・診療所運営費(特定交付金)などを新設しました。
 教育施設でも、区部に比べて大きく立ち遅れていた公立小中学校のプール・体育館(注)の整備を位置づけ、建設が困難な学校を除いてすべての小中学校に実現。子どもたちに喜ばれました。くわえて、「市町村公共施設整備計画」を策定し、計画的な公共施設の整備につとめました。
 住民負担の軽減では、教育費の父母負担軽減やごみ・し尿処理手数料無料化などが都の財政支援で実現しました。

広域行政としての責務

 多摩地域には、市町村では解決できない課題がいくつも残されていました。その一つが上下水道でした。
 とりわけ、下水は三多摩地域では普及がすすまず、大雨のときには汚物が流れだすなど衛生面からのその改善がいそがれていました。こうしたもとで革新都政は、革新都政が誕生した翌年(1968年)に市町村の公共下水を東京都が建設する流域下水管を通じて都の下水処理場(多摩川・荒川水系に建設)に流し処理をおこなう流域下水道事業に着手するとともに、遅れている市町村下水道の促進のために補助を大幅増額(1967年からの6年間で6倍以上)しました。また、水道の都営一元化と原水供給、受託消防事業の拡充などもおおきく前進しました。

離島住民の要求に応える

 島しょ地域の振興(小笠原諸島は革新都政誕生の翌年1968年に復帰)は、1953年に施行された離島振興法にもとづいて離島振興対策事業として実施されてきましたが、革新都政は美濃部都知事が島を訪ね、島民の声に直接耳を傾けることで、事業費を大幅に増やし、勤労福祉会館の建設や簡易水道の普及、海水の淡水化、漁港や定期船の接岸できる港湾設備の建設、教員確保のための教員住宅の建設と待遇改善、医師確保のための給与費補助、漁業振興や潜水病対策などを実現しました。

(注)革新都政以前のプール=小中とも約4分の1が未設置。体育館=小学校の36%、中学校の7%が未設置

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