東日本大震災5年メモリアル集会 「災害に強いまちづくり」を
2016年4月15日
東日本大震災から5年が過ぎました。今なお避難を余儀なくされている方が18万人もいます。災害復興公営住宅の建設が目標の5割にとどまり、被災者の生活再建も被災地の復興も進んでいません。
東日本大震災は、私たちに天災である地震を人災にさせないことの重要性をあらためて示しました。
いま、東京の首都直下地震の切迫が指摘され、都市型スーパー災害となることが想定されています。この地震にどのように備えるのか、防災のとりくみを交流し、「災害につよいまちづくり」をめざそうと、4月9日、文京区民センターにてメモリアル集会を開催しました。主催は、災害被災者支援と災害対策改善を求める東京連絡会(東京災対連)・防災問題を考える首都圏懇談会。集会には54人が参加しました。
冒頭、「映像で観る被災地、その後」で、『阪神・淡路大震災から21年』『東日本大震災から5年』の被害・いまの状況を撮りためた映像・写真で振り返り、改めて真の復興に遠いのが実態。弱者(子ども・年寄り・障がい者・災害被害者)に対し、どれだけ手が差しのべているのかが政治のバロメーターといえます。
末延渥史氏(防災首都圏懇)が、切迫が指摘されている首都直下地震について、「阪神淡路大地震、新潟中越地震、東日本大地震という震度7規模の地震の連続的発生をうけ、国の機関や大学などで計測網の整備はじめ、スーパーコンピューターを駆使した地震や津波、被災のメカニズムの解明、シュミレーション化など、科学的な研究・調査が目覚ましく発展、未解明の地震や津波の姿が鮮明になってきている」などの最新情報が話されました。首都直下地震緊急対策推進計画(中央防災会議)での主な施策「建物等の耐震化=耐震化推進による建物被害の軽減」「火災対策=出火防止対策等の強化による火災被害の軽減(感震ブレーカー等の設置・初期消火成功率の向上など)」推進、予防原則に立脚し、生命・生活を最優先にした防災政策が大切であることが話されました。
医療の現場から災害拠点病院・都の地域防災計画による地域医療。行政との共同で耐震とまちの安全調査・マップ作り。土建関係で倒壊からの救出・資材の提供・応急作業など自治体との協定化を進める取り組み。白ガス管の実態把握と撤去・更新の促進とこの問題を国や自治体の「防災計画」に位置付け対策を。防災の名のもとに不燃化特区(延焼遮断帯)と特定整備路線をセットに道路計画の強行が進められ、まちづくりどころかまちこわしの計画であり「防災」を言うなら住宅耐震こそ必要。など、防災への各団体や地域での取り組みが紹介されました。