１０月１８日、２０２０年東京オリンピック・パラリンピックを考える都民の会（都民の会）が、新国立競技場、馬事公苑、江ノ島ヨットハーバー、選手村など、見直しがおこなわれた施設を中心に現地調査を行いました。都民の会として３回目となる今回の現地調査には３３名が参加しました。
　この間、ＩＯＣや国、東京都は、おおくの都民・国民の批判と都民の会などによる開催計画見直しの運動などを反映して、新国立競技場のあらたな計画策定や、従来の８キロメートル圏内の施設配置を断念し、既存施設の活用や樹木や公園に配慮した計画への変更などをすすめています。
　当初のザハ・ハディド案が破棄された新国立競技場・メインスタジアム（新宿区）予定地では、すでに旧競技場は解体され、競技場の基礎と人口基盤を建設するための工事がすすめられていました。
　同時に、見直しといっても、当初の案から屋根をはずしたこと、大会時の客席数を６万８０００人としたことなどを除けば、サッカーなどの場合は８万人の客席となること、緑豊かな都立公園や明治公園、日本青年館などをつぶしてつくられる人口地盤（デッキ）の建設や現に居住者がいる霞ヶ丘都営住宅をとり壊すこと、日本スポーツ振興センターや日本青年館の移転先での再開発と超高層ビル建設などには、まったくメスが入れられていないことが明かにされ、参加者から怒りの声があげられました。
　会場変更で、あらたに馬術会場となった馬事公苑（世田谷区・当初案は江東区夢の島）は、１９６４年大会会場で、現在も、障害物レースなどに利用され、ひろい敷地のなかで馬が飼育されている環境に参加者からは「ここに決まって良かった」の感想がだされました。
　江東区若洲から移転となったセーリング（ヨット）の江ノ島会場も１９６４年大会の会場で、当日も海上でレースがおこなわれていました。
　調査は、当初計画に固執している海の森水上競技場（ボート・中央防波堤外側）を確認のうえ、バドミントン、バスケット会場が埼玉スーパーアリーナに変更され、豊かな樹木の伐採計画をとりやめたアーチェリー会場となる夢の島公園を訪ね、青年のための施設や豊かな樹木が守られたことを確認、「私たちの運動が実って嬉しい」と喜びあいました。
　選手村予定地（当初計画通り）の晴海ふ頭では、晴海客船ターミナル展望台から選手村の予定地、豊洲新市場や環状２号線の建設状況など、東京都の開発優先のやり方を目の当たりにしました。
　調査には、田村智子参議院議員、曽根はじめ都議会議員、山添拓参院選予定候補、宮本徹国会秘書、吉良よし子秘書が参加しました。